
2024年の発表以降、徐々に製品数や対応パーツを増やし市場への広がりを見せるASUSの自作PCパーツシリーズ「BTF (Back-To-the-Future)」。その最大の特徴はマザーボードの電源や制御・通信コネクター類を全て背面に設置したことで、従来の規格を圧倒するほどの組み立てやすさと、非常にスッキリしたビジュアルを誰でも簡単に実現できることだ。
比較的簡単に組み立てができ、誰が組んでもケーブルが目立たないオシャレなPCが組めるパーツシリーズ。これがBTFの魅力である。
だが少し待って欲しい、オシャレさやカッコよさは誰しもが共有する普遍的なイメージだろうか。
整然としたビルが建ち並ぶ整理された街並みに魅力を感じる人も居れば、ある種の雑然さと近未来感が混ざり合うサイバーパンクな街並みに心惹かれる人も居るわけで。自分の部屋に合う、あるいは好みに合うPCは千差万別のはずだ。
というわけで今回は「BTFシリーズのパーツをふんだんに使ったシンプルすっきりなBTF PC」と「あえてケーブルを露出し魅せるデザインで組み上げたサイバーパンクPC」、この2台の組み立て対決についてお届けしていこう。
記事で使用したBTF対応マザーボード

ASUS
マザーボード
TUF GAMING B850-BTF WIFI W

製品名:TUF GAMING B850-BTF WIFI W
参考価格: 43,300円(税込)
製品ページ:https://www.asus.com/jp/motherboards-components/motherboards/tuf-gaming/tuf-gaming-b850-btf-wifi-w/
パーツのプロが組むサイバーパンク vs 誰でもキレイに組めるBTF
本題に入る前に、そもそも「なぜこの企画が立ち上がったのか」について触れておきたい。それには少しだけ、現在のPCパーツのトレンドについて紹介が必要だ。
近年では筐体にガラス素材を使用したPCケースが人気を集めており、最近ではピラーレスと呼ばれるケース側面に加えて、フロント部分にもガラスを採用した内部を見せるケースが急激に普及している。つまり、PCケース内部を“如何にして魅せるのか”が現在のトレンドと言ってもいいだろう。PCケース内のライティングやケーブルの処理、デザイン製の高いCPUクーラーの採用や、果てはフィギュアの配置など、その方法は人によって様々で、自由だからこそ面白さと難しさがある。
しかし、BTFのコンセプトは従来の自作PCパーツに代表される「自由だからこそ面白さと難しさがある」とはある意味対極。組み立てもデザインも比較的シンプルで誰が作ってもオシャレなPCが組めるからこそ、個性を出しにくいとも言えるのだ。
そうなると俄然気になるのはパーツのプロが本気で組み上げた自作PCと、BTFパーツをふんだんに使ったPC、どちらがより”カッコいいか”である。
自作PCパーツのプロ、ASUS 森田氏が組み立てるサイバーパンクPC
今回、BTF PCの対抗馬となるPCを組み立てるのは、ASUSにてパーツ系のPR窓口を担当している森田 健介 氏(以下、森田氏)。ASUSのPRとして活動する一方で、個人としてはMOD PCとも呼ばれる、既存のPCケースに囚われず自由な形状に加工・改造したオリジナルの自作PC造りも行うなど、まさに今回の企画にはうってつけの方だ。

——本日はよろしくお願いします。
早速で恐縮ですが、森田さんはASUSのメディア向け製品発表も対応するくらいなので、パーツにはかなり詳しいのでは?
森田氏:
よろしくお願いします。
個人としてはモリケン、以前は店員Mとしても活動していました。
色々変なPCを作っていまして、スーパーファミコンの筐体にPCを入れたりだとか、あとはWorld of Tanks(戦車戦を行うオンラインゲーム)が流行った時に戦車型PCを作ったりだとか。
私は改造PCと呼んでますが、最近ではMOD PCなんて呼ばれてますね。

自作PCって面白いんですけど、普通に作っていたら飽きもきてしまうので、そうした方に向けてこんな楽しみ方もあるんだよって提案する気持ちで作ってます。
——なんか逆に企画の方が役不足になりそうですね(笑)
森田氏:
本当は時間があれば筐体から作りたい位なんですが(苦笑)
今回はサイバーパンクということなので、雑居ビルの街並みにネオンサインがいっぱいあるようなイメージですよね。そうなると必要なのはライティング。マザーボード、グラフィックスカードなども光りますが、主軸になるのはやっぱりFANなんですよね。
でもそれだけだと物足りないので、LEDでネオン菅風に光るチューブライトを使いつつ、うまく光らせていこうかなと。
とは言え全部光らせるってのも違うので…
——緩急が大事ですもんね。
森田氏:
そう!だから上手い感じに光らせたいところだけを光らせる形が取れればなと思ってます。
——これから構成を決めていく段階とは思いますが
パーツ選定のこだわりやポイントなどあれば教えてください。
森田氏:
実はグラフィックスカードがGeForce RTX 5090って決まっていたところもあるので、ハイエンドな構成でより早くってのを意識してます。
ASUSのマザーボードの場合だとハイエンドと言ってもHEROとかEXTREMEなどのモデルがあって、今回はその中でもAPEXのモデルを使います。これにも理由があって、EXTREMEとかだとオールマイティーが特徴ですが、サイバーパンクってもっと尖っているイメージじゃないですか。
なので、そうするとEXTEAMEよりはAPEXかなと。

あとは今回、ケースはLian LiのVision Compactを使う予定です。使う予定のCPUクーラーが上側にしかつかないのと、内部が広く見えるピラーレス、そしてハイエンド系のパーツに対応できるというところで選んでます。
本来自作PCは自由な発送で組み立てるもの。そのためASUSの企画なのに、ASUS以外のパーツも使用OK、かつ担当者がそれをするという…森田氏が一人の自作PC好きとして挑んでくれていることがよくわかった。
まだまだいただいたコメントはあるが、その内容はもう少し後でパーツと共に紹介しよう。
BTF PCはonesuite編集部で組み立て。白を基調としたすっきりキレイなPCを目指す
BTF最大の魅力は、何度もお伝えしている通りある程度”誰が組んでも”すっきりとしたキレイな自作PCが組み上がることだ。そのため今回、組み立てるのは「組んだことはあるが慣れてもいない」という絶妙な経験値を持つonesuite編集部のメンバーである。
とはいえ、onesuite編集部では何度かBTFを採用したPCは取り扱っているため、BTFで揃えればキレイに組み上がる事実は筆者も含め社内では周知の事実。なので今回は”せっかくだから白ベースの配信映えする感じで行こう”くらいのラフさでチョイスした。
こだわりポイントとしてはTUF Gamingシリーズである程度揃えている点で、こうして同一シリーズでまとめることでパーツ単位でのデザイン齟齬が起きにくくしている。またマザーボードはせっかくなので、日本でもようやく発売したAMD CPU用のBTF対応マザー「TUF GAMING B850 BTF WIFI W」を採用し、グラフィックスカードも昨年のCOMPUTEXで発表された「TUF-RTX5070TI-O16G-BTF-WHITE」を選択した。

実はこのグラフィックスカード、2024年時のBTF規格登場時に同時発表された製品たちとは異なり、電源供給用のコネクタが取り外し可能なったことでBTF対応でありながら、従来のマザーボードとも接続できる優れもの。
もちろん今回組み合わせるマザーボードであれば特段この製品である必要性はないのだが、ホワイトモデルであることと”筆者が使ってみたかった”という私的な理由で採用している。



以前のCOMPUTEX 2025のレポート記事でも書いたが、従来のBTF対応グラフィックスカードでは自動的にマザーボードやケースも交換が必要になっていたのに対し、本製品ならグラフィックスカードだけでも交換可能。つまり、この製品ならグラフィックスカードからでも自分のPCにBTF規格を導入できるのである。
自作PCの醍醐味とも言える「ちょっとずつアップデート」を実現するための仕組みを持ったパーツ、採用しないのはもったいない!と思ったのだ。
いざ組み立て対決。こだわりのサイバーパンクPCとシンプルすっきりなBTF PC
というわけで、こだわりの詰まったパーツ選定を行ったサイバーパンクPCに対し、BTFならなんとかなる!という気軽さで選んだBTF PC。いよいよ組み立てに突入だ。
サイバーパンクPCは30周年記念モデルのGeForce RTX 5090を採用したハイエンドマシン
まずはサイバーパンクPCの方から組み立てをみていこう。主要なパーツはこんな感じ。
サイバーパンクPCの主要パーツ構成
CPU:AMD Ryzen 7 9800X3D
CPUクーラー:ROG Ryuo IV SLC 360 ARGB
マザーボード:ROG CROSSHAIR X870E APEX
メモリ:G.SKILL DDR5-8200 24GB*2
ストレージ:WD_Black SN8100 NVMe SSD 1TB
グラフィックスカード:ROG-MATRIX-RTX5090-P32G-30TH
電源ユニット:ROG-THOR-1200P2-GAMING
ケース:Lian Li O11 VISION COMPACT Black
ケースファン:ARCTIC P12 Pro A-RGB / P12 Pro Reverse A-RGB

中でも目を惹くのは、その圧倒的なサイズ感を見せつける「ROG-MATRIX-RTX5090-P32G-30TH」だ。ASUSグラフィックスカードの30周年を記念して作られたこの製品は、GeForce RTX 5090という最高峰のGPUを採用し、さらにその性能を最大10%引き上げたという、まさに見た目も性能もプレミアムな逸品。今回はその特徴的な曲線と、赤色を活かしたPCに組み上げてくれるようだ。
——これ、総額っていくらくらいになる構成ですか…(震)
森田氏:
グラフィックスカードが74万円くらいで、マザーボードが10万円くらい…その他もろもろ込みで130から140万円くらいかな…

まずメインになるのは、構成の段階でも話題に上がったこだわりの「ROG CROSSHAIR X870E APEX」。製品ページでは“独自の冷却パフォーマンスにより、世界記録のオーバークロックを実現”と謳われており、森田氏のコメント通り早さにフォーカスしてのチョイスであることが伺える。

そしてそこに組み合わせるのが「AMD Ryzen 7 9800X3D」。8コア16スレッドに加えゲームに強い第2世代のAMD 3D V-Cacheを搭載しており、ゲーム用としては最高峰に近い性能を持つ。合計金額から読めていた部分はあるが、森田氏、デザインだけではなく性能もガチ構成だ。

その後はメモリを組み付け、SSDへ。「ROG CROSSHAIR X870E APEX」では、メインとなるPCIe Gen5対応のM.2スロットに大型のヒートシンクが採用されており、WD_Black SN8100が持つ最大14,900 MB/秒という読み込み速度でも安心の放熱設計。
加えて、SSDの取り付け含めドライバーいらずのワンタッチで可能なため、組み立てもスムーズだ。こうした組み立て易さの部分は、ASUSの最新パーツであればBTFでなくとも力が入っているポイントで、最近のパーツは便利になったなぁと思ってしまう。


マザーボードに主要パーツを取り付けたあとは、いよいよケースの登場だ。メーカーの垣根を超えて選ばれた「Lian Li O11 VISION COMPACT Black」に次々とパーツを組み込んでいく。


——って、なんかめちゃくちゃドライバーが長くないですか?
森田氏:
いいでしょう(得意げ)これ私物です。
実は最近のケースって奥行きが深いものが増えているので、こうした長いドライバーがあると何かと便利なんですよ。私の場合はこの長いやつと短いタイプで、常に2個持ちで作業しています。
確かに今回のようなデュアルチャンバー(メインのスペースと配線+電源用のスペースで2つに区切られている)タイプのケースでは、奥まったところにあるパーツをネジ留めするシーンも度々発生する。短すぎるドライバーではパーツ同士が干渉して差し込めないこともあるので、非常に便利そうだ。

そんなめちゃ長いドライバーを使って組み付けたCPUクーラー「ROG Ryuo IV SLC 360 ARGB」がこちら。

この製品は、冷却能力はもちろんだが、ヘッド部にも特徴がありなんと6.67インチ2KのAMOLEDモニターを搭載。専用ソフトウエアでアニメーションを流したり、CPUやFANの回転数をはじめとしたハードウエア情報をモニターできる仕組みになっている。

ある程度主要パーツが取り付け終わったあとは、背面に移動し電源の取り付けおよび配線作業だ。


使用する電源はRyzen 9 9800X3D+GeForce RTX 5090に応えるため、1200Wの強力な出力をもつ「ROG-THOR-1200P2-GAMING」を採用している。静音性や耐久性はもちろん、80 PLUSとCybeneticsで共にPlatinum認証を取得するなど変電効率も抜群。当然ながらフルソケットタイプなので、不要なケーブルが邪魔にならないのもありがたいポイントだ。

そしてここでキーアイテムの一つ、「BTF-LIGHTING LED ネオン RGB PC LEDテープライト」が登場。

森田氏が「LEDでネオン菅風に光るチューブライト」と言っていた製品が上記で、今回のPCにおけるサイバーパンク感を支えてくれる立役者となる。こちらを曲線を意識しつつ組み入れて…


背面と配線作業は終了。おおよそ完成形が見えてきた。残すはグラフィックスカードの取り付けだが、この作業は簡単で、PCIeスロットに差し電源ケーブルを接続するだけ。



その後はOSをインストールし、ライティングのカラーをASUS Aura Syncで統一すれば完成だ。

コンセプトは「普通の自作にちょい足しで挑戦できる」サイバーパンクPC
——では改めて、今回のPCのデザイン的なこだわりポイントを教えてください。
森田氏:
やはりネオン管風にひかるLEDのラインテープを、ボトムとサイド、グラフィックスカードの電源ケーブルに沿わせる形で配置したことですね。

どう配置するかは悩んだんですが、グラフィックスカードのラウンド、曲線に沿わせる形にし、側面でも同じ形で配置しています。

——CPUクーラーのディスプレイもそうですが、意外と今回曲面を各所に取り入れてますよね
森田氏:
そうですね。電源のケーブルなんかもラウンドしているので、その丸さをLEDで主張して、かつFANのLEDについても今回は円形で光るタイプを採用しました。
もちろん他にも様々な光り方をするFANはあるんですが、今回はシンプルに丸タイプが良いかなと。

——同じようなPCを組みたいとなった場合に、何か注意点とかはありますか?
森田氏:
多分組み立てるだけなら、十分誰でもできる範囲だと思いますね。
ケースやLEDテープをはじめ、必要なものはネット通販などで簡単に買えるものばかりです。
もちろん、角ばったグラフィックスカードを使うならもっとエッジを強調するとか、多少パーツに合わせて配置なんかを考える必要はありますが。
あとは今回、LEDの発色は赤で出してますけど、紫やオレンジみたいな中間色は結構難しいですね。メーカーやパーツによって3色を混ぜるか4色を混ぜるかも違いますし、それぞれの強さも違うので、色がバラけちゃう。なのでROGのカラーってことも含めて赤に統一してます。

——では総括的に、このPCのコンセプトや推しポイントを教えてください。
森田氏:
今回はBTFじゃないPCということで、本当はもっと隠そうと思えば隠せるんですけど、あえてケーブルを見せる形で組んでみました。サイバーパンクのイメージから、ラインテープを組み合わせることで「そこに電源ケーブルが通ってるんだ」ということを十分主張できたかなと。
実は組み立て自体は結構簡単でFANの数も少ないですし、普通の組み立てをする際にちょっと味付けをすればこれぐらいの見た目になるってラインを狙ってます。コストは度外視ですけど(笑)
ただそのコストの面もグラフィックスカードを変えれば大きく下げることもできますし、グラフィックスを変えたからテープの配置もちょっと変えてみようとか、LEDの光らせ方を変えてみよう、とかで(この作例を参考に)色々遊んでもらえた嬉しいなと思います。

BTF PCはB850のBTFモデルを中心に現実的なミドルハイエンド構成
さてその一方で、BTFパーツをふんだんに使用したBTF PCについて。最終的な主要パーツ構成は以下のような形になった。
BTF PCの主要パーツ構成
CPU:AMD Ryzen 7 9700X
CPUクーラー:TUF Gaming LC III 360 ARGB LCD White Edition
マザーボード:TUF GAMING B850 BTF WIFI W
メモリ:CORSAIR VENGEANCE DDR5-5200 16GB*2
ストレージ:crucial T500 NVMe SSD 1TB
グラフィックスカード:TUF-RTX5070TI-O16G-BTF-WHITE
電源ユニット:TUF Gaming 1000W Gold White
ケース:ASUS A31 Case White
ケースファン:TUF GAMING TR120 FAN ARGB 3IN1 / TR120 FAN REVERSE ARGB 3IN1

パーツの合計金額は、OS代込みでおおよそ45万円ほど。決して安くはないが、昨今の相場を考えるとミドルハイのレンジとしては比較的現実的な値段に収まっていると言えるだろう。
メインになるのは先ほど紹介した通り、「TUF GAMING B850 BTF WIFI W」。BTFの特徴でもある裏側配線や、専用コネクタによるグラフィックスカードへの最大600W電源供給にも対応したある意味スタンダードなモデルとなっている。それでもPCIe 5.0対応のPCIeスロット・M.2やWi-Fi 7、2.5GbpsのLANポートなど主要な最新規格はしっかり押さえている優等生的な製品だ。

そこに組み合わせるのは「AMD Ryzen 7 9700X」で、こちらもミドルハイクラスのPCでよく採用されている優等生。登場当初は少々高価だったが、最近の相場(2026年3月末時点)では税込で4万円を切ることもあるという、コストパフォーマンスの面でも優秀なCPUである。

なお、BTFといえども基本的な組み立て手順は一緒なので、このあとは順当にメモリの取り付け→SSDだ。「TUF GAMING B850 BTF WIFI W」は、ROG CROSSHAIR X870E APEX同様にワンタッチでのM.2スロット・ヒートシンクの取り付け、取り外しが可能なのでこの辺りもスムーズである。ここまで工具の登場は一切なしだ。


ここでマザーボードを取り付けるため、PCケース「ASUS A31 Case White」の登場。BTF対応かつピラーレスデザインながら1万円台とこちらも良コスパで、特徴的な8°の角度がついた底面も個性があって面白い。

そんな「ASUS A31 Case White」にまずはマザーボードを取り付け。

その後はCPUクーラー「TUF Gaming LC III 360 ARGB LCD White Edition」もin。個人的にこのクーラーで嬉しかった点は、あらかじめ3つのFANが内部で結線されており、ケーブルが一方向にまとまっているところ。バラバラと各FANからケーブルが伸びることもなく、BTF PCのすっきりした見た目を維持してくれる。

そして従来のPCパーツではここから、電源の取り付けおよび配線整理の時間。表と裏を交互に行き来しつつ組み立てを行うことになるのだが…このPCはBTF。表側で必要なものは全て取り付けてから裏側へ移れば良い。ただしグラフィックスカードだけは重量もあって少々怖いので、今回は後に回した。
各所のFANもガシガシ取りつけ….


すべてのケーブルを任意の開口部から背面側に逃したら

いざ背面へ。
使用した電源ユニットは「TUF Gaming 1000W Gold White」。TUF Gamingシリーズらしく高い耐久性が特徴で、平均故障間隔試験にて標準的な電源にくらべ最大2倍の長寿命を実現しているとのこと。電源は一度購入したらかなり長期間使うことになるパーツのため、長寿命なのは素直にありがたい。

必要な電源ケーブルをセットしたあとは、ケースに電源ユニットを取り付け。その後ケーブル類を全て引き出す。さあいよいよ最もBTFらしい瞬間、配線タイムに移ろう。


CPUやグラフィックス、マザーボードなど主要な電源ソケットはもちろん、フロント側のI/OパネルやUSBまわりなど、ケーブルが繋がる場所はほぼ背面に集約されているため、一度全てのケーブル類を後ろに引き出したあと一気に組み立てる方法が取れるのだ。

こうなればあとはケーブル同士が絡まったり、過度なテンションがかからないように注意しつつソケット同士を繋いでいくだけ。
また「ASUS A31 Case White」の場合、背面側がガラスパネルではなくメッシュ素材のため、パネルを閉めてしまえば見えることはない。丁寧に組むならば整えるのがベストだが、細かく気にならない方であれば閉まる程度に整えるだけというのもアリだ。


ケーブルを各種に繋いでいく作業が終われば、あとはグラフィックスカードを残すのみ。

ちなみにパーツ選定のくだりで紹介した電源供給用のコネクタを取り付ける部分が、上の画像中央部分。奥まった部分にあるため、従来のBTFではないマザーボードと接続する際にも邪魔にならないようになっている。そして取り付けるとこの通りだ。

この状態にしたあとは、マザーボードのPCIeスロットにグラフィックスカードを差し込み、背面のスロットをねじ止めするだけでOK。電源もマザーボード上のスロットから給電されるため、グラフィックスカード側には何も刺さなくていい。

BTF PCもこれにて完了だ。
誰でも簡単に組める+配信・部屋映え必至なホワイトデザインのBTF PC
こうして組み上がったのが白を基調としたBTF PCだ。CPUクーラーの電源・制御ケーブルのみ露出してしまうものの、それ以外に見える位置のケーブルは一切なし。非常にシンプルかつ映えるデザインに組み上がったのがみて取れるだろう。

数少ないこだわり要素である、TUF Gamingでの統一により生まれた程良いミリタリー感が全体を引き締めており、膨張色でもあるホワイトをうまくまとめている。加えてピラーレスケースとの相性も抜群で、ケーブルが無いことで抜けが良く、しっかりとその内部構造がアピールできるのもポイント。
こうして正面から見たり…

上から俯瞰で見たりと、角度によってさまざまな顔を見せてくれるため、組み立てた後も飽きが来にくいはず。

またTUF GAMING TR120をはじめとしたFAN達を、七色に発光させているのもポイントの一つ。ホワイトのカラーリングは黒系と比べて光の反射率が高く、LEDのライティングカラーがより鮮やかに見えやすい。

これによりケース内部全体がさまざまに色付いて見えるため、かっこいいからカワイイまで一度に楽しめる。もちろん固定の一色にライティングして、かっこよさ・可愛さを追求するもよし、あえてオフにして大人な仕事デスクにおくのも良いだろう。


そして組み立て時の注意点は特になし。強いてあげるのであれば、軸の長いドライバーだろうか。森田氏のドライバーを見て、「あれこっちにも欲しいんだけど」と組み立てを担当したメンバーがぼやいていたのは余談として処理しても良いはず。
部屋映えはもちろん、配信など他の人に見せても恥ずかしく無いレベルのPCが、誰が作っても簡単に組み上がるため、“迷ったらBTFで統一”と考えても良さそうだ。
自作PC、一番のメリットは愛着が湧くこと
かくして、出揃ったのがこちらの2台。パーツの形状やコンセプトから想起されるイメージを元にパーツの選定から細部までこだわったサイバーパンク PCと、BTFシリーズをふんだんに使いケーブルを極限まで見せないすっきりとしたレイアウトを実現したBTF PCだ。
ケーブルを魅せる・ケーブルを隠す、というそれぞれ相反する意図で作成しつつも、いずれもカッコよく仕上がっていると思う。

実際ところ、どちらを好むかは記事を読んでいるあなた次第だろう。自分好みの、自分だけのPCが作れるのが自作PC最大の魅力だからだ。
それに関連して、最後に森田氏から印象的なコメントがあったので紹介しておきたい。
森田氏:
やっぱりこうした”中身が綺麗に組んだPC”って、究極的には自己満足の世界だと思うんですよね。
でも、そのこだわりによって所有欲が満たせるし結果、愛着も湧く。
ある意味一番のメリットは、この愛着が湧くことかもしれませんね。
だって愛着が湧けば雑に扱わないじゃないですか。「あー埃がついてきたな」と思えば掃除もするし、移動させる時も丁寧になる。だから長持ちするし、壊れにくくもなる。
——確かに。一見わかりにくい部分ですが、そこも自作PCのメリットと言えそうですね。
森田氏:
最近ではBTOメーカーも手頃な値段で買えるため、昔みたいに安く組むために自作をするってことも無くなってきていると思います。
ただ、自分で組めば知識が得られる。知識がつけば何かがあった時に自分で直せる、スペックの見方も分かるようになる。そこでさらに知識が広がる。
その瞬間が楽しくて、私はこうした業界に身を置いてるんだと思います。
もちろんどこに楽しさを見出すかはその人次第だが、包括して自作PCは楽しい。金額面など自作の直接的なメリットが薄くなりつつある現在でも、その事実だけは健在。この記事を見たあなたが、少しでも「楽しそうじゃん自作PC」と感じてもらえたなら幸いだ。
ギャラリー






























































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TUF GAMING B850-BTF WIFI W

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