日本未上陸「DEEBOT X5 PRO OMNI」はとにかく高スペック!ECOVACSの最新ロボット掃除機を勝手に紹介

ECOVACSの「DEEBOT X5 PRO」

出典: 製品ページ / 販売ページ
記事内画像は製品ページおよび販売ページから抜粋

※編集部注釈:日本にて発売が告知されましたが、名称が異なっていたため、変更しております。(7/31追記)
       旧:DEEBOT X5 PRO 新:DEEBOT X5 PRO OMNI

ロボット掃除機好きの筆者だが、先日初めてお会いした方にロボット掃除機のトレンドについてお話しする機会があった。
ロボット掃除機は主要なメーカーが海外ということもあり、最新機種が日本に来るのはなかなか遅く、メーカーによっては海外で先に発売されるケースが非常に多い。そのため定期的に主要メーカーの海外版サイトをチェックしたりするのだが、今回はそんな海外情報をもとにした2024年6月段階での最新機種を紹介しようと思う。

今回紹介するのは、ロボット掃除機好きにはお馴染み、家庭用サービスロボットを製造する「ECOVACS」が中国で発売している「DEEBOT X5 PRO OMNI」だ。
元々フラッグシップ機種がとにかくハイスペックな印象の強いECOVACSだが、今回紹介する「DEEBOT X5 PRO OMNI」も、とにかくスペックがものすごいことになっている。
基本的な役割としてはフラッグシップ級ではお馴染み、「ゴミ吸引・水拭き・ゴミ収集・モップ洗浄・モップ乾燥」を備えている(一部、ステーション側の機能を含む)が、その内訳やベースのスペックがとにかくすごいのだ。

ちなみに、筆者の調べる限り、アメリカやヨーロッパといった英語圏でも発売されておらず、現状(6/1執筆現在)では中国のみで発売されているようだ。日本市場向けに一切の情報が出ていないため、筆者の自由な翻訳と勝手な解釈でお届けすることを先にお伝えしておこう。そのため今後日本市場向けに発売されるとしても、仕様が変わる可能性も十分ありうるためご注意いただきたい。

※なお、筆者にとってのロボット掃除機は「1回の掃除で100%のゴミを取り除くもの」ではなく「複数回の掃除で常に90%以上のゴミを取り除くもの」と捉えている。以降、その前提でお読みいただければと思う。

ECOVACS

DEEBOT

DEEBOT X5 PRO OMNI

目次

業界最高峰の吸引力12,800Paで、毛絡み除去も搭載!

まずは、主たる機能の一つであるゴミ吸引関連から。
「DEEBOT X5 PRO OMNI」のベースとなる吸引力は、筆者の知る限りロボット掃除機ではおそらく最高値となる12,800Paを誇り、正直何を吸うつもりなのか一切わからない(褒め言葉)。比較対象として日本で出回っているロボット掃除機を紹介すると、おおよそ8,000Paあれば十分最高レベルでやっと10,000程度で推移しているため、仮に8,000Paをベースに考えると単純計算1.5倍の吸引力ということになる。使用した体感としては8,000Paでもかなり十分な吸引力なため、何を目指しているのか本当にわからない。(念の為だが、褒め言葉である)
その上でブラシのサイズも20cmとかなり大型のモノが搭載されており、これを高速回転させつつ12,800Paで吸引するというのだから、強度の面では業界最高峰と言えるだろう。

また、「DEEBOT X5 PRO OMNI」は昨年後半から今年にかけて各社のトレンドになりつつある毛がらみ除去システムも搭載しており、ブラシの後ろについたダブルコームの歯がブラシに絡み付いた毛を取り除く仕組みのようだ。

ECOVACSの「DEEBOT X5 PRO」は業界最高峰の吸引力12,800Paで、毛絡み除去も搭載

床の汚れが酷ければ勝手に二度拭き!オプションで水道直結も!

続いて水拭きに関してだが、「DEEBOT X5 PRO OMNI」の基本的なスペックとして加圧やモップの回転数というのは強調されていなかったため、それほど進化はしてないようだ。とはいえ、頑固な汚れも落とす70℃の水で拭き掃除をする他、モップ洗浄も70℃で行われるようだ。

個人的にびっくりしたのがこちら、二度拭き機能だ。
他社製品でも、事前にレーザーで汚れ具合を確認して吸引力を変化させる機能があったりはするが、個人的に水拭きの強度を変更する機種はあまり見たことがない。今回の「DEEBOT X5 PRO OMNI」はそこに対して新しいアプローチをしており、「洗浄時の汚れ具合で床の汚れを判定する」という。昨今のモップ洗浄機能を備えたフラッグシップ機種の特徴として、本体に大きな水タンクを装備せず、代わりに定期的にステーションに立ち寄ってモップ洗浄を行う挙動をする。その際に、洗浄結果を見て「今のところは汚れていたんだな」と判断するようだ。そしてもし汚れていれば、再度同じエリアを水拭きしに行くという。
これであれば拭き残しはもちろんのこと、試行回数を増やすことで清潔に保つことができるだろう。その上で先ほど紹介したように70℃の水を使っているのだ。下手したら自分で丁寧に水拭きするより本当に綺麗かもしれない。

ECOVACSの「DEEBOT X5 PRO」は洗浄時の汚れ具合で床の汚れを判定し、2度の水拭きをする

また、オプションで追加設備の購入が必要となるが、水道に直結することもできるようだ。
先日紹介したSwitchBot社の「S10」のように、こまめな給水・排水すらも不要になる。ただ正直このあたりは国によっても仕様が異なるし、中国版のサイト上でも「対応都市かどうか確認する」のような表記があったため、仮に日本に上陸してもそのまま使えるかは残念ながら不明だ。

ECOVACSの「DEEBOT X5 PRO」は水道に直結も可能
とはいえ、画像のように専用エリアを設けられたらなかなか夢がある。ロボット掃除機前提の住宅を検討の方は参考してもらえれば幸いだ。(どれだけいるかはわからないが…)

地味に重要なルート取りは、新たなトレンドのエッジ攻めが搭載!センサーは動く物体のリアルタイム認識と回避も!

続いて、ロボット掃除機では地味に重要なルート取りに関して。
こればっかりはどのメーカーでも事前にわかる情報が少なく、実際に使ってみないとわかりづらい領域ではあるのだが、実は新たなトレンドが生まれようとしているのをご存知だろうか。

それが、壁際のエッジ攻めだ。
昨今のフラッグシップ機種は本体横に付いた壁との距離を判定する壁センサーの進化もあり、ギリギリまで頑張ってはくれるものの、壁自体には触れず掃除をする。そのため気になるレベルではないのだが、厳密にはどうしても一部壁際が掃除できない状況だった。
そんな状況に登場したのがブラシ自体を横に伸ばすという仕様。「壁際に届かないなら、伸ばせばいいじゃない」ということだ。なんというパワープレイ。実は他ブランドでも最新機種に搭載されている機能なため、筆者の個人的には毛絡み除去に続く新たなトレンドとなりそうな気がしている。

ECOVACSのロボット掃除機は以前から独特な形状で壁際へのアプローチを強めているのだが、「DEEBOT X5 PRO OMNI」も同様の形状を採用し、さらにブラシも伸ばすことで壁際の死角はかなり少ないという。結果としては壁際1mm未満まで寄るとのことなので、むしろ壁に接触しないか心配になるレベル。実機にて試したいところだが、スペック上はかなり優秀と言えるだろう。

ECOVACSの「DEEBOT X5 PRO」はブラシが伸びることで壁際のエッジを攻め、死角は1mm未満

また、センサー面では、障害物認識がさらに進化をしている。
一般的には床に落ちているケーブルや大きなゴミ、インテリアなど障害物を検知して避けてくれるのだが、どうしても静的な対象物しか判定をしていなかった。そのため障害物が動く場合、「避けたけど、もう一度避けなきゃいけない」みたいなこともありうる。まぁ人間であれば意地悪しないであげてくれ、という感じではあるのだが、問題はペットだろう。
今回の「DEEBOT X5 PRO OMNI」ではなんと動的な障害物も認識するようになったとのことで、リアルタイムに障害物を検出し、回避行動を取るという。筆者は経験がないのだが、ペットの毛を巻き込んでしまった、などのお悩みを抱えている場合、こちらで解決できるかもしれない。

ECOVACSの「DEEBOT X5 PRO」のセンサーは動的な障害物も検知、リアルタイムで識別・回避をする

音声アシスタントが進化!状況を伝えれば賢く判断してくれる!?

ECOVACS社のロボット掃除機には従来より「YIKO」という音声アシスタントが搭載されているのだが、「DEEBOT X5 PRO OMNI」ではYIKOが2.0に進化したようだ。よりコミュニケーションが円滑になり、内容を深いレベルで理解、動作に反映することができるという。これは実例を見てもらった方が早いため、公式サイトで紹介されていた例を見てもらおう。

ユーザー:「テレビ見てるから静かにして
X5 PRO:「わかりました。吸引力を下げます

ユーザー:「赤ちゃんが寝ているの
X5 PRO:「わかりました。掃除をやめませんか?
→サイレントモードorステーションに戻るを提案

ユーザー:「ご飯食べ終わったから仕事に行くね
X5 PRO:「わかりました。ダイニングにいって掃除するよ
→吸引力・大、水量・大、洗浄時間2時間で清掃開始

いかがだろうか。俗にいうスマートホーム系の音声アシスタントは、細かい認識がまだ苦手なものも多く、モノによってはコマンドとして覚えさせる必要があったりする。(日本語が難しいというのもあるとは思うが…)
その点、「DEEBOT X5 PRO OMNI」に搭載されたYIKO2.0では、会話の中でどうすべきか判定をしてくれるため、柔軟な対応が可能になっていると思われる。言語が変わることによる影響はまだわからないものの、個人的にはロボット掃除機の音声アシスタントはまだまだ実用レベルではないと考えているため、これならば期待ができそう。

ECOVACSの「DEEBOT X5 PRO」に搭載の音声アシスタントYIKOが2.0になり、スムーズなコミュニケーションが可能に

とにかく高スペックで、新しい扉を開いたECOVACSの「DEEBOT X5 PRO OMNI」

中国語を自由に勝手に翻訳して独自解釈でお届けしてきたが、いかがだっただろうか。本編では紹介しきれなかったが本体が9.5cmの薄さしかなかったりと、あの高スペックをどうやって詰め込んだんだ??と感心すらしてしまう「DEEBOT X5 PRO OMNI」。その温度感が少しでも伝わったなら幸いだ。

冒頭でも書いたように世界で見てもまだ中国にしか展開されていないため、正直日本に来るとしてもいつだろうか…という感じではあるものの、「最新機種ではこのレベルまで実用化されている」という技術発展の波を知ってもらえたならこの記事を書いた甲斐があるというもの。
一応前世代となるX2シリーズは日本で登場しているため、順当にいけば「DEEBOT X5 PRO OMNI」も日本に来てくれるのでは…と首を長くして待ってもらえれば幸いだ。

純粋な高スペックで戦っているかと思えば音声サポートや動的な障害物の認識など、利用面でも新しい扉を開いた印象の「DEEBOT X5 PRO OMNI」。
これからもこのように海外情報を定期的にお届けしようと思うので、こういった内容が好きな方は筆者を覚えてもらえると泣いて喜ぶ。

ECOVACS

DEEBOT

DEEBOT X5 PRO OMNI

製品概要

製品名:DEEBOT X5 PRO OMNI
販売価格:7299元(CNY)
発売日:日本は未定 ※編集部注釈:8/1に発売されると告知がありました
製品ページ:https://www.ecovacs.cn/deebot/x5

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