Roborock S8 Pro Ultraはどこまで進化した?アプリを見ながらレビュー

Roborock S8 Pro Ultra

Roborock

ロボット掃除機

S8 Pro Ultra

S8PU52-04

“三種の神器”と言われて、何をイメージするだろうか。
厳密には日本神話にも登場する天皇家に伝わる三種類の宝物を指す言葉だが、戦後の日本においては家電製品でよく見かける表現だ。

時代によって何を指すかは変異したため、人によってイメージするものも異なることだろう。
1950年代の高度経済成長では「白黒テレビ・洗濯機・冷蔵庫」が、1960年代には”新・三種の神器”として「カラーテレビ・クーラー・自動車(それぞれの英語の頭文字をとって3C)」がそれに該当する。
2000年代に入るとデジタル領域の発展に合わせ「デジタルカメラ・DVDレコーダー・薄型テレビ」が”デジタル三種の神器”と呼ばれていたため、そちらをイメージする方もいることだろう。

時代は移り変わり現代において、諸説あるものの、現代版“三種の神器”として扱われているのは「ドラム式洗濯機・食洗機・ロボット掃除機」の3種を指す場合が多いだろう。いずれの時代も新しい生活を示す一種のキャッチコピーとしての側面が強いため、豊かさや憧れの象徴として扱われることが多い製品群ではあるが、現代においては”時短・自動”にフォーカスされているのが特徴だろうか。

そんな現代版“三種の神器”の一つであるロボット掃除機だが、先日記事でも紹介したRoborock社の最新モデル「S8 Pro Ultra」もまだまだ記憶に新しいことだろう。

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今回の記事では、実際に「S8 Pro Ultra」をお借りできたため、外観や使用感についてレビューしていこうと思う。なお、性能の違いや変わった箇所は上記記事の方がわかりやすいため、希望に応じて読んでいただければ幸いだ。

ちなみに、筆者にとってのロボット掃除機は「1回の掃除で100%のゴミを取り除くもの」ではなく「複数回の掃除で常に90%以上のゴミを取り除くもの」と捉えていることだけ先にお伝えしておこうと思う。現代版“三種の神器”を全て所持している筆者ではあるが、いくら自動化が進んだとはいえ、家庭用の家電に「1回の仕事でパーフェクトな内容」を期待するのはまだまだ早いという持論だ。
以降、その前提でお読みいただければと思う。

目次

早速開封、大きな箱とシンプル内容物

製品自体の詳細・概要は上記でも紹介した先日の記事で確認いただくとして、まずは外観の中でもさらに外観、箱から紹介しよう。

まずはなんと言ってもその大きさ。まるでタワー型デスクトップPCかな?と思うぐらい大きく、廊下が狭い家では運ぶのに苦労しそうなサイズ感である。簡単に言ってしまえば、500mmの立方体が届くと思って欲しい。

Roborock S8 Pro Ultra 開封前の様子 箱
正確には立方体ではなく500mm〜600mmとバラつきがある。
これがさらにダンボールの外箱に入っているのだ。

お次は内容物。 取扱説明書や組み立てガイドなどのドキュメント類を除き、意外とシンプルに数は少なめ。

  • ロボット掃除機本体(モップクロスが発送時から装着済み)
  • 4way全自動ドック(各種タンク、使い捨て紙パックが発送時から装着済み)
  • ドックに繋げるベースステップ(写真ではドックの手前側に装着してある状態)
  • 予備の紙パックと電源ケーブル

外観チェック、シックな黒がかっこいい見た目

センサーがたくさん、ロボット掃除機本体

Roborock S8 Pro Ultra ロボット掃除機本体

本体は、マット塗装の黒をベースに、一部グレーや赤いラインが入ったデザインをしている。海外では白いモデルもあるようだが、日本はこの1色のみ。好みやインテリアのカラーリングによって変えられるとよかったのだろうが、筆者的には全く問題ない範囲。

決して主張の強くないシックな黒という印象で、上面の一部は波打つ意匠が施されているなど、高級感ある仕上がりだ。

基本的にアプリで操作することが多いためあまり使用しないが、上面にはアナログボタンも備わっている。いざという時に本体で操作できるのは地味に役立つ。

また、波打っている箇所がふたのように開き、中にはフィルターの備わったダストボックスが入っている。メンテナンスの際にはこちらから、という具合だ。

裏面は「S8 Pro Ultra」の目玉の一つ、”デュアルメインブラシ”が中央にあり、モップクロスが後ろ側に。ちなみに、「S8 Pro Ultra」はモップリフト機能や洗浄機能を持っているため、モップクロスは常時付けたままの運用となる。
サイドブラシは片側のみのタイプで、縁にそって並んでいる6つの長方形が落下防止センサー、カーペットセンサーが前輪左上の丸い部分にあたる。

Roborock S8 Pro Ultra ロボット掃除機本体、裏側の様子

ブラシの手触りは軟らかいラバーという感じで、一つ一つのヒダもそれなりに分厚いため、遠慮なく水拭きして平気だろう。装着も難しくなく、ブラシジョイント部分の形状違いをマークで印しているので悩まず装着可能。

S7 MaxV Ultraを受け継いだ4way全自動ドック

Roborock S8 Pro Ultra 4way全自動ドック

次はドックを見ていこう。まずは「S7 MaxV Ultra」から受け継がれた、上部に位置するタンク類。
3つのタンクは左から順に汚水タンク・清水タンク・ゴミ収集ボックス。(正確にはゴミ収集ボックスはただのフタでタンクですらないが、そこは説明上の都合ということでご了承いただきたい)

タンクを取り外し、ゴミ収集ボックスのフタを開けるとこのような形。

Roborock S8 Pro Ultra 4way全自動ドックの上部、タンクとごみ収集ボックスのフタを開けた状態

「S7 MaxV Ultra」から引き続き採用されていると思われる使い捨て紙パックだが、筆者的にはなかなか評価が高い。
いわゆるよくある紙パックではあるのだが、特徴はそのキャプ部分。上記の画像から、下記左の画像のようにつまみを引き出して本体は引っ張り出すのだが、つまみを引き出すことでゴミが出入りする穴を塞ぐようになっている。集まったゴミを見ずに済むのはもちろんのこと、不意にパックを押してしまってホコリが舞う、みたいなこともなくなる。

そしてドックの下部部分だが、大きくは「S7 MaxV Ultra」から見た目もあまり変わっていない印象を受ける。
赤いパーツのあたりが洗浄ローラーや汚水ろ過フィルターといったモップクロスの洗浄に関わる箇所、その上に突き出している部分が充電端子だ。
赤いパーツの手前、大きく口を開けているのがゴミを吸う吸気口になっており、さらに手前の縦方向に細い窪みの並びが”熱風排気口”。そう「S8 Pro Ultra」で新しく加わった箇所がこちらになる。

Roborock S8 Pro Ultra 4way全自動ドックの下部、ロボット掃除機本体が入るスペース
さらに細かく見ていけば、熱風を共有するための通り口が右側に新設されていたりと地味に変わっている。(写真右端の上に大きく出っ張っている箇所)

S8 Pro Ultraの掃除性能・新機能、アプリ画面を見ながらレビュー

Roborock S8 Pro Ultra 4way全自動ドック

早さと精度に驚く、2LDKが3分で終わるマッピング

それでは実際に動かしてみよう。
いくつかに分けて解説できればと思うが、まずは初回のマッピングから。もうこの段階から驚きの結果が。

我が家は全体の間取りが55㎡ほどの2LDK(ベランダ等も含んだ面積)なのだが、それがたったの3分でマッピング終了した。あまりにも早すぎて驚いたのだが、さらに驚くべきはその精度。白い点線しか移動していないため、死角となる箇所に漏れは見られるものの、初回としては十分合格点な精度を出してくれた。

Roborock S8 Pro Ultra マッピングの結果
気になる人は、もう少し読み進めてもらった後に、何度か掃除をした後のマップ(より精度が上がったマップ)があるので、見比べてみて欲しい。

基本的な吸引掃除性能をおさらい

マッピングが終わったら、いよいよ吸引掃除に関してだ。
水拭きに関する内容や、両方に共通する内容は別でまとめているため、気になる人は目次から飛んで欲しい。

吸引力のメニューとしては以下の通り、全4段階。オプションとしてMAX+という、吸引掃除専用の上位設定が存在する。消費電力が高くなるようだが、スペック上でいうところの6000Paがこれに該当するのだろう。

ルートの方はどう周ってもらうかを決められるのだが、全域を周る標準と、各部屋の四辺(端)を省略して掃除するお急ぎ掃除モードが用意されている。お急ぎにすることで通常より30%ほど早く掃除できるとのことなので、急に掃除しなければならない際などに使うと良いだろう。

実際につかってみた印象としても、ブラシがデュアルになったおかげか、十分な吸引能力をしていた。
と言っても、フローリングに関しては日頃からロボット掃除機で綺麗にしているため、目に見えて向上した!というほどでもなかったのが正直なところ。というか目に見えるほど向上のしようがない。
綺麗な画ではないので写真は伏せておくが、紙パックには髪の毛やホコリが溜まっていたため仕事は十分にしてくれていると判断することとしよう。

結構優秀!カーペットセンサーとカーペットモード

吸引掃除・デュアルメインブラシとくれば、次はやはりカーペット周りの話をすべきだろう。
それもそのはず、6000Paの吸引力とデュアルメインブラシは「カーペットの奥底に潜むハウスダストまでかき出す」と公式サイトで書かれているほどで、本領はこちらなのだ。

早速カーペットの上でどうなったか紹介したいところなのだが、そもそもその前提となる、カーペットセンサーから紹介する。
まずは画像からご覧いただきたいのだが、ピンク色で囲ったエリアを見比べると、緑色の部屋だけ網かけされているのがわかるだろうか。これが我が家のカーペット部分なのだが、これを何も設定せずに自動で検知してくれる。筆者がハウスダストのアレルギー持ちというのもあり、毛が長いカーペットではなく、0.4mmほどの床保護用チェアマットなのだが、これでも正確に検知していた。
このおかげで、この後紹介するカーペットモードが正確に動作するというわけだ。

Roborock S8 Pro Ultra カーペットは網かけになる
カーペットエリアの右側が斜めになっているかと思うがミスではなく、本当に、若干斜めに設置されているのでこれで大正解。かなりの精度と言っていいだろう。

次に設定画面を紹介しよう。
カーペット回避関連は文字通りの内容だが、モップリフトの様子は水拭きの方で動画付きの紹介をするため割愛させていただく。
メインに2種あり、カーペットに入ると自動で吸引力を上げてくれる”カーペットモード”と、カーペットだけを個別に掃除してくれる”カーペット念入りモード”だろう。

これも見てもらった方が早いので、下記の動画を確認して欲しい。”カーペットモード”をONにした状態で吸引掃除をしている様子だ。
先ほど紹介した0.4mmほどのチェアマット部分を掃除しているのだが、フローリングに移った段階で音が変わったのがわかるだろうか。日頃の掃除でそれほど吸引力がいらないな、という時はぜひ使ってみて欲しい。

次に”カーペット念入りモード”。カーペット自体を個別で掃除するのは言葉通りの意味なのでまぁ良いとして、驚いたのはフローリングとの境目を掃除している様子。
まるでデュアルメインブラシをこすり付けるかのように、見事にエッジだけを掃除してくれた。

それもこれも、検知の礎となっている”カーペットセンサー”のおかげ。後述するが濡れたモップも自動で持ち上げてくれるので、1台で2役こなせる秘密がここにある。恐るべし”カーペットセンサー”。

ギリギリ当たらないところを攻める、壁際や障害物の周りの動き方

センサーといえば、忘れてはならないのが”ウォールセンサー”だろう。案の定、壁際や障害物があるときの動き方でも良い仕事が見られた。

筆者の個人的な意見だが、ロボット掃除機を評価する上で大事にしているのが、端をどこまで攻めるか。昨今のロボット掃除機はセンサーの充実も目覚ましいため、逆に壁などの端が疎かになるケースも存在する。人間が動いている以上、ホコリは壁などの端に溜まりやすい。一層のこと、壁に関しては当たりながらでも掃除して欲しいと思うぐらいだ。(センサー類が少ない安いモデルだと当たりながら掃除してくれるが…)

こちらも動画を見てもらった方がわかりやすいだろう。
蛇行する際に若干膨らむことはあるものの、本当にギリギリまで寄りながら掃除をしてくれる。

続いて障害物のケース、ということでベッドの支柱を掃除している様子だ。
こればかりは本体サイズの都合上、どうしても限界があるのでパーフェクトとはいかないものの、当たらないように、とはいえギリギリまで頑張っているのがなんとなく伝わるだろうか。
もう少し太い柱や脚であれば余裕を持って周ってくれるのだが、細い柱でもギリギリまで攻めてくれる。

とはいえ我が家の環境で少しだけ当たったと思われるケースがあったため、実話として触れておこう。
再現性がなかったため残念ながら動画や写真はない。恐縮だがイメージしながら読んで欲しい。
壁際かつソファの脚2-3本が近距離で配置されている場所を水拭き掃除していた際、ちょっとした工事のような「ガガガガ」と音が鳴った瞬間があった。後述するがS8 Pro Ultraはモップクロスが最大3000回/分という高速振動をするため、おそらくモップ部分が当たったものと推測しているが、稀に当たるケースもあるようだ。90度の角のような2方向は問題ないと思うが、3方向以上囲まれる場所においては当たるケースもあるようなので、購入を検討される方はくれぐれもレイアウトに注意いただきたい。(法則性がわからなかったためあくまで推測の域は出ておらず、我が家だけの現象ということも十分あり得るし、S8 Pro Ultraが悪くないケースも十分にありえるということは念押しさせてもらう)

そこまで区別するの!?驚くべき3D障害物回避センサー

お次は「S7 MaxV Ultra」から進化した、「S8 Pro Ultra」の障害物回避性能を紹介する。
細かい検証までは行えていないが、一例として、実際に我が家で掃除したケースをお見せしよう。(一部恥ずかしい部分もあるが)
ちなみに、我が家にあるロボット掃除機は障害物を回避しないタイプのため、通常であれば掃除をする前にケーブルが落ちていないかなど確認を行なっている。が、今回に限ってはあえて物が落ちていてもそのまま動かしてみた。

まず全体の結果としては画像の通り。机や椅子といった家具系はグレーになり、一時的な障害物のみをアイコンと共にお知らせしてくれる。

Roborock S8 Pro Ultra 吸引掃除後の結果

それでは何を障害物と認定したのか、一つ一つ実際の写真を交えてお見せしよう。

①ケーブル・コード類
若干高い位置にあったものの、「S8 Pro Ultra」自体の充電ケーブルを認識していた。

Roborock S8 Pro Ultra 3D障害物回避センサーで見つかったケーブル / コード類
Roborock S8 Pro Ultra 3D障害物回避センサーで見つかったケーブル / コード類

②履き物
玄関の靴と、リビングのスリッパが該当した。通常であれば土足の玄関は進入禁止エリアに設定するのだが、靴を避けるという形で避けていた。

Roborock S8 Pro Ultra 3D障害物回避センサーで見つかった履き物
Roborock S8 Pro Ultra 3D障害物回避センサーで見つかった履き物
Roborock S8 Pro Ultra 3D障害物回避センサーで見つかった履き物
Roborock S8 Pro Ultra 3D障害物回避センサーで見つかった履き物

③布 / 紙類
こちらも2種検知しており、一つはリビングの椅子に履かせていた靴下。お見苦しい写真で恐縮だが、椅子を引きずった影響で脱げかけており、こちらを布として判定していた。なお、他にも同様の椅子があるのだが、そちらは検知していないという精度の高さ。
もう一つが、こちらもお恥ずかしい写真なのだが、ベッド下にあった蒸気でアイマスクのゴミ。寝る前につけてそのまま、というよくない例だが、見事に「S8 Pro Ultra」が教えてくれた。

Roborock S8 Pro Ultra 3D障害物回避センサーで見つかった布 / 紙類
Roborock S8 Pro Ultra 3D障害物回避センサーで見つかった布 / 紙類
Roborock S8 Pro Ultra 3D障害物回避センサーで見つかった布 / 紙類
Roborock S8 Pro Ultra 3D障害物回避センサーで見つかった布 / 紙類

④障害物
その他、という括りになるのかもしれないが、そのほかに検知したであろうカテゴリがこちらに区分されていた。我が家の場合だと配置が入れ組んだ椅子と、写真の”先住民”であるロボット掃除機。

Roborock S8 Pro Ultra 3D障害物回避センサーで見つかった障害物
Roborock S8 Pro Ultra 3D障害物回避センサーで見つかった障害物

なにかある!ではなく、それぞれ紙っぽい、靴っぽいなど区別まで行ってくれるのはびっくりした。我が家の場合だと”先住民”の影響もあってケーブル等は日頃から気をつけているものの、これならば安心して任せられるのではないだろうか。

超強力モード・自動モップリフト・モップ乾燥と盛りだくさんな水拭き

メインの機能では最後となる、水拭き。
先日の記事でも、「おまけ程度の水拭き機能ではなく“1台でゴミ吸引も水拭きも全てを全自動で”」と書かせていただいたが、どんなことができるのか改めて紹介しよう。

こちらもまずはメニューから。
水拭き強度と水量はそれぞれ3種あり、ルートの方が吸引よりも多くなっている。
左から、吸引の時と同じマークのお急ぎ掃除モード・標準・水拭き強力モード・水拭き超強力モードの4種あり、「S8 Pro Ultra」で新たに追加されたのは”水拭き超強力モード”になる。

Roborock S8 Pro Ultra 水拭き掃除メニュー

強力モードで掃除をしている様子がこちらだ。
正直動きを見ただけで何かコメントがあるわけではないのだが、超強力モードとの比較として、まぁこんなもんかと思っていただければ幸いだ。

「S8 Pro Ultra」は自動モップ洗浄も売りの一つだが、強力モードで掃除中、何度かステーションに戻って洗浄を行っていた。洗浄後のモップは若干の髪の毛が見られるものの、汚れらしい汚れは見当たらず、素直に感心するレベルの仕上がり。

Roborock S8 Pro Ultra 自動モップ洗浄後の様子
ちなみに、筆者の環境では約20分毎に一度洗浄に戻っていた。

続いて超強力モードの様子がこちら。公式では20cm/秒という低スピードという説明があるが、確かに強力モードよりも遅いのがわかる。(画角が微妙に違い分かりづらくて恐縮だが、体感では数%〜10%程度遅いぐらいだろうか)

単純に水量を増やした掃除、というわけではなく、仕上がりとしても綺麗な印象を受ける。水拭き後は若干の湿り気を感じるものの、室温27-28℃ / 湿度60%の環境で、20分後にはすっかり乾くレベルだった。拭いた直後でなければ、ほとんど気にしなくて良いレベルだろう。

また所要時間だが、我が家の場合だと水拭きをした面積が27㎡に対し、所要時間54分だった。 単純計算、1m × 1mのスペースを2分かけて拭いている計算になる。やはり吸引掃除よりもゆっくりやっているとあって時間がかかる部分ではあるのだが、どうやら要因はゆっくりだけではないようだ。

Roborock S8 Pro Ultra 水拭き超強力モードの結果
なお、吸引の時とは違い、白い部分が水拭きをした箇所になる。 

上記が水拭き超強力モード後のアプリ画面なのだが、拡大して見てみると、ロボット掃除機が通った証の白いラインがかなり細かく隣り合っている。場所によっては重なっていると言っていいほどに。
先ほどの吸引掃除の結果と比べると一目瞭然かと思うが、これでもかというぐらい丁寧に拭いてくれているのがわかるだろう。これでさらに600gの加圧・最大3000回/分の振動付きというのだから、驚きだ。

洗浄後の汚水タンクもご覧の通り、真っ白である。おそらく素足の皮脂や水汚れなどが集まった結果だと思うのだが、これほど汚れていたとは。。

Roborock S8 Pro Ultra 水拭き超強力モードの後の汚水タンク

何度か途中でもコメントをしたリフトアップ機能だが、モップリフトの様子がこちらだ。
上がっている状態から下がる瞬間なのだが、ご覧のように動いてくれる。カーペットでも安心なのはもちろんのこと、位置的に確認はできなかったが、水拭き時にはメインデュアルブラシも同じように持ち上がってくれるため、汚れを残す心配はないだろう。

また、「S8 Pro Ultra」最大の特徴となった”自動モップ乾燥”だが、あいにく撮るものがなかったので文字だけで失礼する。
アプリ側で2時間・3時間・4時間の乾燥時間を選べるのだが、4時間で乾燥させたところ、全くと言って良いほど、十二分に乾いていた。例を挙げるとすれば、十分に乾いたパイル生地のバスタオルぐらいだろうか。

熱風を出すということで部屋が暑くなるのでは?音は?と筆者的には若干危惧していたのだが、部屋が暑くなるということもなく、ゴミ吸引時ほどうるさいわけでもなかった。どうしても音は出てしまうので、通話などはマイクの性能にもよるが配慮をした方がいいかもしれない。

また冒頭でも紹介した通り、熱風排気口は床に近いベースステップに備わっているが、触れるレベルで暖かくなる程度だったため、床や空間への影響はほぼないと言って良いだろう。あまりに弱い床材を使っている場合は気にした方が良いかもしれないが、一般住宅では無問題だった。

Roborock S8 Pro Ultra 4way全自動ドックの下部、ロボット掃除機本体が入るスペース

その他アプリ側で気になる機能を一部ご紹介

スマート家電よろしく、こういう流れで行って欲しいとワークフローを組むことができる。昨今のロボット掃除機であれば時刻設定と連動して制御できるものも多いが、「S8 Pro Ultra」ではかなり細かく決められる。

時刻と連動できるのはもちろんのこと、部屋毎にどういった掃除をするか個別に設定できる上、順番を決めて組み合わせることも可能だ。

極端な例として、
リビングをお急ぎ掃除モードで強力吸引掃除→寝室を水拭き超強力モード→寝室を標準ルートで吸引掃除→リビングを標準で水拭き などといったこともできる。(この順番でやる方はあまりいないと思うが…)

ちなみに、ワークフロー以外でも、デフォルトの設定として部屋毎に吸引力や水拭きの強度は決めておける。
次はそんなマップ詳細を説明しよう。

Roborock S8 Pro Ultra アプリで設定できるマップ詳細画面
ちなみに、床タイプからタイルなどの床材の種類や、木目の方向を変えられる。筆者の環境だと最初から木目の向きも合っていたため、もしかしたら自動で認識しているのかもしれない。

いくつも項目はあるのだが、先ほど言った部屋毎の設定がこちらだ。それぞれのマークが吸引時・水拭き時の設定を指している。

Roborock S8 Pro Ultra アプリで設定できるマップ詳細画面

余談だが、マップタイプで3Dモデルとして部屋を表示することもできる。
何に使ったら良いかは正直わからないのだが、見ているだけでもワクワクするので、購入した方はぜひ見てみて欲しい。

Roborock S8 Pro Ultra アプリで設定できる3Dモデル

機能を詰め込んだだけではない、一つ一つのクオリティが高いロボット掃除機

かなりもボリュームでお届けしたが、いかがだっただろうか。
冒頭でも一部触れたように時短・自動にフォーカスがされた”三種の神器”だが、今回紹介した機能の内、自動でない箇所は最初の組み立て・タンクへの給水・汚水タンクの排水・メンテナンスという、1回だけor頻度の低いもののみである。一部紹介しきれていない性能もあるものの、これだけでも”三種の神器”に相応しい性能と言えるだろう。また、単なる詰め合わせということではなく、一つ一つがしっかりとクオリティの高い仕事をしていたのも印象的だ。かつては水拭き専用機が出ていたりと分業の道もあったかと思うが、全てを1台で高クオリティにこなす“本当の全自動ロボット掃除機である”とお伝えさせていただこう。

まったくの余談だが、個人的な好みで言うと、ロボット掃除機からの通知がやたらAIをイメージしているのがツボだった。あまりそういうイメージはなかったのだが、実際に喋るため印象は近いのかもしれない。

願わくは、長期間に渡り使用した際のレビューもしたいところだが難しいため、実際に購入してのお楽しみとさせていただく。

最後に致し方ない点として、ロボット掃除機あるあるな点が「S8 Pro Ultra」でも見られたのは少々残念だった。それは、ブラシに髪の毛が絡まること。(もちろん、改善したなどと言っていないので、筆者の勝手な押し付けである)
ブラシの形状的にブラシの中央などで絡まることはないものの、端にはやはり絡むようだ。写真で言うところの黒い部分(ベアリング)が外れる仕様になっているため、メンテナンス自体はロボット掃除機の中でも比較的容易、トータルで考えればかなり良い部類と言えるだろう。とはいえ個人的にはかなりの面倒事として分類していることもあり、この心配さえなくなるのならすぐにでも乗り換えるのだが…Roborock様、次の機種にいかがでしょうか?

Roborock S8 Pro Ultra どうしてもブラシに絡まってしまう髪の毛

製品仕様

サイズ
本体:直径35.3cm×高さ9.65cm
4way全自動ドック:幅42.6cm×奥行51.4cm×高さ45.0cm

重さ
本体:約4.5kg
4way全自動ドック:約10.1kg
電源:入力 AC100V 50/60Hz

製品詳細

製品名:S8 Pro Ultra
型番:S8PU52-04(黒)
発売日:2023年7月14日(金)
参考価格:229,900円(税込)
製品ページ:https://www.roborock.jp/products/s8-pro-ultra/

Roborock

ロボット掃除機

S8 Pro Ultra

S8PU52-04

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