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最新モデル「S8 MaxV Ultra」との比較はこちらから
本題に入る前に、Roborockという会社から販売されているロボット掃除機、「S7 MaxV Ultra」をご存知だろうか。
2022年8月11日からヤマダデンキ各店舗などで取り扱いが始まった。
知らないよという人のために簡単に説明すると、水拭き機能を持つモデルが主だった2022年に登場した、一般的には水拭きをする際に別途手作業をする必要があった“給水・モップ洗浄”を、全部詰め込んで自動化!!という革新的なロボット掃除機だ。
登場してからテレビ番組の家電特集や各種メディアでもよく見かけ、また先日のプライムデーでも目玉として扱われるなど目にする機会は比較的多く、興味がなくとも見たことある!という人も多いのではないだろうか。
そんなRoborock S7 MaxV Ultraが発売されて約1年、革新的なアイツがよりホットになって帰ってきた。
Sシリーズのナンバリングを継承したその名も「S8 Pro Ultra」。2023年7月14日(金)より発売され、参考価格は229,900円(税込)。全国のヤマダデンキ各店舗(一部店舗を除く)、ヤマダウェブコム、Roborock Japanダイレクト(本店およびAmazon店)にて購入可能。
おそらくだがRoborockのロボット掃除機でProの名を冠すモデルは初のはず。その性能や如何に。
前モデルRoborock S7 MaxV UltraとS8 Pro Ultraの比較
何が進化したのか、早速比較から入ろう。
昨今のミドルクラス以上のロボット掃除機ではデフォルトとなる「ゴミ吸引・ごみ収集・水拭き・モップ洗浄」は両モデルとも採用。もちろんアップデートはあるものの、大きな機能という意味ではここまでは一緒だ。
大きな機能としての違いは1点のみ、自動モップ乾燥機能が追加。
詳細は後述するので楽しみに待っていてほしいところだが、従来のモデルは洗浄までするものの自然乾燥に頼らざるを得ない状況だったため、衛生面で気になる人も多かったのではないだろうか。
次に細かい機能についても比較しよう。
少々長いので、注目点のみ抜粋しよう。
まず掃除機性能は、ゴミ吸引力が5100Paから「6000Pa」に向上。もちろん現行のロボット掃除機では上位に分類される吸引力だ。
またメインブラシがRoborockとしては初となる「デュアルブラシ」に変更。筆者的にはモップ乾燥よりもこちらの方が気になっている。
次に水拭き性能に関して、ただ拭くだけでなく振動・加圧(床に押し付ける)をするのだが「デュアル振動」という名称に変化。より効率的に汚れを除去できるようだ。
また、さらに丁寧に仕上げるモードとして「水拭き超強力モード」が追加されている。割と安易なネーミングだが、こちらも気になるところ。
細かな点として、「メインブラシの自動リフトアップ」が追加。モップじゃなくてメインブラシをリフトアップってどういうこと?と思われるかもしれないが、水拭き時に大変助かる機能だ。
基本的にアップデートがメインではあるが、無くなった機能もある。それが「見守り機能と双方向通話」。S7 MaxV Ultraでは障害物を避ける用途に使用していたカメラで、リアルタイムに部屋の状況をモニタリングできる機能が備わっていた。また通話のための内蔵マイクも備わっていたのだが、その辺りが無くなっている。ペットの見守りなどを兼ねていた人は注意してほしい。
最大の進化、4way全自動ドックによるモップの自動乾燥機能
一番の注目点である、モップの自動乾燥機能。正直に言ってしまうと他社に追従する形で実装された機能だが、何かと湿度が気になる夏場において濡れたままのモップを放置するのはかなり怖い。清潔にするための水拭きで逆効果、なんてことにならないためにも、待ち望んだ機能が追加されたと言って良いだろう。
乾燥時間としても2時間・3時間・4時間から選べるようで、季節や時間帯など、利用環境に応じて調整できるのは嬉しいところ。
1台で全ての床掃除を全自動に担う“本当の全自動”にとって、外せない機能がついに登場だ。
新開発のメインブラシ、デュアルラバーブラシで吸引するだけじゃなく“吸い上げる”
筆者的に一番気になっているのがこちら、メインブラシがデュアルラバーブラシになった点だ。 大多数のロボット掃除機は従来の掃除機と同じく、1本のみのブラシが回転しゴミを吸引する仕組みなのだが、2本のブラシが互いに逆回転することでより“吸い上げる”進化を遂げた。
有識者の方はご存知だと思うが、実はこのデュアルブラシ、某有名ロボット掃除機メーカーで採用されている仕組み。あちらは〇〇Paという吸引力の数値で戦うのではなく仕組みで戦っている印象だったのだが、本製品はなんと両方を採用。6000Paでデュアルブラシ、一体どうなってしまうのか…スペックだけで見ると、ゴミ吸引に関しては現行モデルで最高峰と言えるだろう。
公式で紹介されている性能としても、「カーペットの毛や奥に潜む微細なゴミを書き出す」と称されており、カーペットの毛に関しては除去率が30%向上とのこと。ラバーになったことでメンテナンスにおいても水拭きが使えるようになるのは大きなメリットだ。
水拭き機能はおまけじゃない。乾燥機能以外の進化
最後に紹介するのが、水拭きにまつわる進化のあれこれ。
まずはそもそもの拭き方だが、冒頭でも軽く紹介したように「デュアル振動」へ進化。
仕組みとしてはS7 MaxV Ultraと変わっていないものの、振動部が2箇所に増えたことで、より振動エリアが広がった。また加圧も600gの力で抑えつけるため、拭くだけでは取れない汚れを“擦り取る”方向へ進化した形だ。ちなみに、振動は最大3000回/分という高速っぷり。
また従来の水拭き強力モードだけでなく「水拭き超強力モード」も追加された。詳細はわからないものの、20cm/秒という低スピードで、ゆっくりと丁寧に水拭きをしてくれるそうだ。
そして地味にありがたいと思うのが「メインブラシの自動リフトアップ」機能。ロボット掃除機で水拭きをやったことがある人なら伝わると思うが、一般的なロボット掃除機で水拭きをする場合、ゴミを吸引するメインブラシもそのまま一緒に移動するため、ブラシに残ったゴミが水拭きモップに付着したり、方向転換時に床に取り残されたりする。(特に髪の毛)
実際に見てもらった方が早かったと思うが、そんな水拭き時にメインブラシが5mmほどリフトアップするため、自分で掃除した床を自分で汚すなんて心配は無用となる。
細かな進化が多い水拭き関連機能。従来のおまけ程度の水拭き機能ではなく“1台でゴミ吸引も水拭きも全てを全自動で”という意思を強く感じた次第だ。
“本当の全自動”としての完成度が上がったロボット掃除機S8 Pro Ultra
上記では紹介しきれなかったが、カーペットモードが進化していたり、そもそもカーペットを自動で識別するカーペットセンサーの搭載や、各種センサー・障害物回避性能の向上、侵入禁止エリアを提案してくれるほか、日本の住居サイズを考えると果たして必要になるかは謎だが充電時間も30%短縮されてスピーディーになっていたりなどなど、細かな進化をあげ出すとキリがない。床の木目や目地に合わせて掃除することだって盛り込まれている。
本記事ではあくまで筆者の独断と偏見による注目点だけ紹介したが、気になる人はぜひオンライン・店頭で詳細を確認してほしい。
登場時はその革新的な1台3役で話題になったRoborock S7 MaxV Ultraが進化したS8 Pro Ultra。順当に進化を重ね、より“本当の全自動”としての完成度が上がった製品と言えるだろう。
最後に余談だが、S7 MaxV Ultraは3つのタンクが並んでいるアイコニックなビジュアルがとても印象的だったが、しれっとS8 Pro Ultraでも継承されている。
カバーで隠されているが位置は変わらずドック上部から顔を出しているので、筆者のような3タンクファンは安心してほしい。性能の向上だけでなく、奥ゆかしさも兼ね備えたと捉えてもらえれば幸いだ。
ちなみに、S7 MaxV Ultraよりロボット掃除機本体が3cm高くなっているので、買い替え予定の方は家具の高さにご注意。最近ソファの足を全て取り替えた筆者だからこそもう一度言おう。高さにはご注意だ。
※一部記事内画像はリリース、過去リリースより引用
製品仕様
サイズ
本体:直径35.3cm×高さ9.65cm
4way全自動ドック:幅42.6cm×奥行51.4cm×高さ45.0cm
重さ
本体:約4.5kg
4way全自動ドック:約10.1kg
電源:入力 AC100V 50/60Hz
製品詳細
製品名:S8 Pro Ultra
型番:S8PU52-04(黒)
発売日:2023年7月14日(金)
参考価格:229,900円(税込)
製品ページ:https://www.roborock.jp/products/s8-pro-ultra/
ニュースリリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000085581.html