Shure(シュア)の MV88 USB-Cをライター目線でレビュー。スマホで音を録るならマストバイな一台かも

Shure(シュア)の MV88

筆者のようにライターとして仕事をしていると、とにかく誰かの話を聞く機会が多い。発表会に展示会、インタビューと、ライターの仕事の半分は話を聞くことなんじゃないかと思うくらい、話を聞く機会に恵まれている。

もちろん、そうして聞いた話をまとめ記事に起こしていくわけだが、録音したデータをスマートフォンで気軽に文字起こしできるようになった昨今、気になり出したのは録音するマイクの音質だ。かつてはメモをする傍ら録音しておき記憶やメモの補完、つまり「聞ければいい」レベルでよかった録音データも、文字起こしとなれば話は別。録音時に入った雑音などにより精度が下がってしまい、結果文字起こしがうまくいかないなんてことは”よくある”話である。

「これは、いよいよ取材用のマイクを用意すべきか…?」

そんな風に考えていた矢先、彗星のように現れたのが本記事で紹介する「Shure MV88 USB-C」だ。USB Type-C端子を搭載し、スマートフォンに直結できる小型のマイクで、さらにはプロ向け製品で名高いShure製。これこそ筆者の求めていたものに違いない。

今回、ありがたいことにShure様よりレビュー機をお借りすることができたので、その特徴や魅力をお届けしていきたい。2026年2月19日に発売され、公式ストア価格は25,300円(税込)。

製品概要

Shure

MV88 USB-C


製品名:MV88 USB-C ステレオマイクロホン
型番:MV88-USBC
発売日:2026年2月19日
市場参考価格:25,300円(税込)
製品ページ:https://www.shure.com/ja-JP/products/microphones/mv88usbc

※商品を購入すると、売上の一部が販売プラットフォームよりメディア運営元のONESELに還元されることがあります。掲載されている情報は執筆時点の情報、または自動で更新されています。

目次

コンパクトなのに高音質!手のひらサイズで持ち運びやすいスマホ用マイク「Shure MV88 USB-C」

「Shure MV88 USB-C」を語る上で、欠かせないポイントといえばそのコンパクトさだ。まずはこちらの写真をご覧いただこう。

Shure MV88 USB-CをiPhone 16に接続した状態
「Shure MV88 USB-C」をiPhone 16に接続した状態。

上記の写真は筆者の私物であるiPhone16に接続した状態。MaxでもProでもなく、いわゆる無印のiPhoneだ。これだけ見ても、この製品がかなり小さいことはお分かりいただけるだろう。ウィンドスクリーン(黒いスポンジの部分)を装着した状態で最大8cmほどの長さで、折りたたみ時には6.5cmほど。もちろんウィンドクリーンは取り外し可能で、外した状態かつ折りたたみ時なら全長5cmほどと、手のひらサイズよりもさらに小さい。

ウィンドクリーンを取り外した状態

また標準でセミハードケースが付属しており、ウィンドスクリーンを装着した状態でピッタリと収納可能。なおこのケースに入れた状態でも大抵のBluetoothイヤホン(充電ケース込み)より少し大きい程度のサイズ感と、非常にコンパクトだ。

ケースに入れた状態

稼働部は主に2箇所で、マイク部の角度を最大90度変更可能なヒンジと、マイク自体を90度回転できる軸が備わっており、集音方向の調整が可能だ。詳しくは後述するが、この軸回転がインタビューなど対面で両方向の音を取りたいシーンで非常に便利。サイズは小さくとも実用性に妥協はなさそうだ。

ダイアフラム(音を検知する部分)の方向を変更
ダイアフラム(音を検知する部分)の方向を変更
ダイアフラム(音を検知する部分)の方向を変更
画面中央部、白いラインのあたりに回転軸があり、内部のダイアフラム(音を検知する部分)の方向を変更できる。

iPhone内蔵マイクとは一線を画す音質で録音可能。これで文字起こしも高精度に

では肝心の音質面はどうなのかと言えば、これはもう雲泥の差である。これからiPhone16の内蔵マイクと「Shure MV88 USB-C」のそれぞれを使用し録音した、「花咲かじじい」冒頭15秒の音声データを提示するので聞き比べていただきたい。

お聞かせするのも心苦しい素人の発声で恐縮だが、肝心なのは音質なので悪しからず。どちらもマイクからの距離は50cm程度に揃えており、声量も一緒かつ同一アプリでの録音なのだが、一方は少しこもったようなボヤけた音、一方は非常にクリアな音になっているのがわかるかと思う。当然ながらクリアな方が「Shure MV88 USB-C」だ。

そしてこの音質の違いが、露骨に現れるのが文字起こしだ。

iPhone16内蔵マイク:
昔々あるところに、おじいさんとおばあさんがありました。正直な人のいいおじいさんと、おばあさん同士でしたけれど。子供がない。ので、会員の城を本当の子供のように可愛がっていました。

Shure MV88 USB-C:
昔々あるところにおじいさんとおばあさんがありました。正直な人のいいおじいさんと、おばあさん同士でしたけれど。子供がないので。、飼い犬の城を本当の子供のように可愛がっていました。

実はこの録音を行ったのは深夜のほぼ無音に近い時間帯という、比較的“いい”録音環境で録っている。それでもiPhone16の内蔵マイクでは音声のボヤつきによって「ぬ」が「ん」と認識され、“飼い犬”が“会員”になってしまった。実際に取材などで録音を行う際には、より環境音が入る状態で録音を行うことになることを思えば、さらに精度が落ちるのは間違いないだろう。

ノイズリダレクションの設定や集音特性の変更が可能な専用アプリ「MOTIV™ Audio」

加えてこの録音精度を支えているのが、専用アプリ「MOTIV™ Audio」によるマイク設定だ。

MOTIV™ Audioのトップ画面
MOTIV™ Audioのトップ画面。アプリ内ではマイクの設定、録音、録音データの管理などが行える。

設定画面では、マイクのゲインやコンプレッサー、集音特性、イコライザーなどの設定や変更が行えるほか、録音や録音データの管理が可能。なお「MOTIV™ Audio」内にも録音機能があるものの、設定自体は別のアプリを使用する際も引き継がれるという嬉しいおまけ付きで、今回筆者が使ったボイスメモなど「MOTIV™ Audio」以外のアプリでも「Shure MV88 USB-C」の機能をフルに活かせるようになっている。

なかでも筆者が衝撃を受けたのが、ノイズリダレクション「リアルタイムデノイザー」の存在で、こちらをONにするだけで不要なホワイトノイズを見事に抑制してくれるのだ。

「スピーチ」「歌唱」「フラット」「アコースティック」「バンド」などのモード選択画面
ちなみに「Shure MV88 USB-C」では利用シーンに合わせて「スピーチ」「歌唱」「フラット」「アコースティック」「バンド」といくつかモードがあるのだが、リアルタイムデノイザーが使えるのはスピーチのみ。

実は、いくら深夜といえども一般的な住宅の場合は空気の対流などによって、微妙に音は発生しており「Shure MV88 USB-C」では感度が良すぎてそれらを拾ってしまう。下は無音状態で10秒間録音を行った音声だが、ホワイトノイズのようにザーという音が入っているのが確認できる。

しかし「リアルタイムデノイザー」をかければこの通り。耳をすませば背後にうっすらと聞こえる…か?レベルまで抑制してくれるのだ。

これなら多少空調がうるさかろうが、声の収録はバッチリ。インタビューや発表会の文字起こしもこれまで以上に正確な結果が得られるだろう。

そして、もう一つ重要なポイントがシーンによって使い分けられる、「ステレオ」「モノカーディオイド」「モノ双指向性」「RAWミッドサイド」という4つの集音特性だ。

集音特性「ステレオ」
集音特性「モノカーディオイド」
集音特性「モノ双指向性」
集音特性「RAWミッドサイド」

「ステレオ」はその名の通り、音場感の得られるステレオサウンドが録音可能で60度から130度まで15度単位で調整可能。「モノカーディオイド」なら一般的なコンデンサーマイクのような特性が得られ、「モノ双指向性」なら両方向の音のみを、「RAWミッドサイド」はモノカーディオイドとモノ双指向性を合成したような集音特性になっている。

例えば劇場やライブシーンのように、どの方向から音が鳴っているかを含めて残したければ「ステレオ」。一人で話す歌うなら「モノカーディオイド」、インタビューなど対面で2名が話すなら「モノ双指向性」、会議など音場感無しで広い範囲を録る目的なら「RAWミッドサイド」だろうか。

筆者の用途でなら主に「モノカーディオイド」「モノ双指向性」が活躍しそうで、特に「モノ双指向性」はインタビューを行うことも多い筆者にはベストな特性モードと言える。

上は集音特性を「モノ双指向性」にした「Shure MV88 USB-C」の周りを、半円を描くようにスピーカーを移動して音楽を流した際の録音データ。ちょうど音声の真ん中あたりで、見事に音が抑制されているのを聞き取ることができると思う。不要な音はそれだけで文字起こしの精度を下げてしまうため、狙った方向だけ音を録れるのは非常にありがたい。

組み合わせはスマホだけじゃない!Windows・Mac対応で外出先でのオンライン通話も高音質に

ここまで読んでくれた方の中には、「でもスマートフォンのためだけに買うのもなぁ」と感じている方も居るかもしれない。そんなあなたに朗報をお届けしよう。なんと「Shure MV88 USB-C」はPCでも使える。

流石にスマートフォンでの使用に最適化されているため、ベストな角度で取り付けるには延長ケーブルなどが必要になってしまうのだが、もともとの感度が高いためUSB Type-CポートがあるノートPCならば端子に直挿でも問題なく使用可能。

MacBook Airに取り付けた状態
「Shure MV88 USB-C」の端子周りは若干幅があるため、筆者が使用しているMacBook Airなど、薄型のノートPCの場合はボディの厚さからはみ出してしまう場合もある。そうしたときにはノートPCスタンドなどを使用するとガタつかなくて良い。

ソフトウェア的にもWindowsとMacの両方に対応しているため、多くのPCで使用が可能だろう。もちろん、設定もスマートフォン同様の項目が用意されているため「Shure MV88 USB-C」の機能を余すことなく発揮することができる。

PCでの設定画面

つまりこの製品さえ持っておけば、外出中の急なオンラインMTGでも音質面は問題なし。これで「ちょっと聞き取りづらくて」とか「周りの音が…」なんて言われる心配も無くなるはずだ。

「Shure MV88 USB-C」は、1台あると便利なポータブル高音質マイク

「Shure MV88 USB-C」の魅力は、USB Type-Cポートに挿すだけという分かりやすさと、圧倒的な携帯性、そして「これさえ有れば概ね大丈夫」という汎用性だ。スマートフォンでVlogなど映像を撮りたい方はもちろんのこと、筆者のようなライターでも非常に便利。映像制作・収録作業に限らずマイクを使う用途さえあれば、大体なんでも高音質化してくれる優れものだ。

一方であえて向かない用途を挙げるなら本格的な映像制作・収録作業や、逆に音質が一切気にならないシーンだろう。本格的な映像・収録現場においてはXLRや3.5mmピンジャックの方が使いやすく、本製品の良さを活かしきれない。あくまでも手軽さと、それに似合わぬ高音質こそがこの製品を使うメリットと言えるだろう。

1台あると便利なポータブル高音質マイク「Shure MV88 USB-C」。一番おすすめしたい相手は、案外筆者と同業の方かもしれない。

ギャラリー

Shure

MV88 USB-C


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出典・関連リンク

シュア 公式サイト

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