デジタルで絵を描いてみたい、液タブを使ってみたいけれどパソコンも必要になってくるし、プロのイラストレーターや漫画家が使っているような本格的なものをいきなり購入するのはハードルが高い・・・という方も多いのではないだろうか。
今回紹介するのは、HUIONから登場したイラスト制作はもちろん、読書や映画鑑賞など普段使いにも最適なAndroidタブレット「Kamvas Slate 11」。
メーカー公式通販価格で税込み4万円代という比較的安価な価格ながら、4096段階の筆圧と傾き対応のHペンシルが同梱、11インチのフルHDナノエッチングスクリーン、プリインストールされた様々な描画アプリがすぐに使えるという非常に魅力的な製品だ。
今回はメーカー様のご厚意で製品をご提供いただいたため、その特徴や描き心地についてレビューしていこうと思う。
製品概要

HUION
Kamvas Slate 11

製品名:Kamvas Slate 11
価格:49,999円(税込)
カラー:グレー
製品ページ:https://store.huion.com/jp/products/kamvas-slate-11
※商品を購入すると、売上の一部が販売プラットフォームよりメディア運営元のONESELに還元されることがあります。掲載されている情報は執筆時点の情報、または自動で更新されています。
Kamvas Slate 11とは?
Kamvas Slate 11は名前にも含まれている通り、約11インチクラスのAndroidタブレットだ。
Android 14を搭載し画面サイズは10.45型(1920×1200px)と平均的。
約11インチと聞くと大きすぎるのではないか、といった印象を抱くが重量も500g程度(ケース除く)と、ノートなどと一緒に持ち運びやすいサイズ感と言えるだろう。
また、バッテリー駆動時間は約11時間、容量は8000mAhなのでバッテリーが切れやすいという心配もないはずだ。
また外観的な特徴として、従来シリーズ通りディスプレイにナノエッチング技術が施されており、反射防止の柔光ガラスで紙のような質感を実現。目に優しいため長時間の閲覧にも向いている。
iPadなど多くのタブレットがグレア(普通ガラス)を採用しているのに対し、目が疲れにくく描き心地が良いのはイラストやマンガを描く用途がメインになる筆者には重要なポイントの一つだ。
さらに、タブレットの両側にはスピーカーが2つずつあり、音響バランスを最適化することで映画の視聴などでも臨場感のあるサウンドが楽しめる。
前面と背面にはそれぞれ8Mピクセル(前面)13Mピクセル(背面)のカメラを備えており、ビデオ通話やオンライン会議、ちょっとした撮影にも利用できる仕様だ。
加えてオリジナルのプリインストールアプリ「HiPaint」を使用して、画像を取り込んでの編集や、写真のデコレーションも手軽に楽しめる点も特徴だ。
そのほかBluetoothでゲームコントローラー、外部スピーカーなども普通のタブレットと同様に問題なく使用できるが、今回は本製品の特徴でもあるイラスト作成用途の点を重視して紹介していきたい。
持ち歩きもしやすい11インチクラスのタブレット
まず付属品については必要なものが一通り同梱されているので、初心者の方でもプリインストールアプリを使ってすぐにイラストを描くことができる。

同梱物一覧
- レザーケース
- H ペンシル
- ペン先(替え芯)
- USB-C – USB-A 電源ケーブル
- パームリジェクションアーティストグローブ
- SIMピン
- クイックスタートガイド
ペンはUSB type-Cケーブルで充電可能で、高級感のある金属製となっている。
触り心地はなめらかであるが、滑りにくく持ちやすいので絵を描く楽しさを倍増させてくれること間違いなしだ。
重さも気にならず使いやすいため、長時間書く際の手の疲れを軽減してくれる。
また、ペンにあるクイックアクセスキーは取り消し、消しゴム、ブラシ、パレットなど、さまざまな機能をカスタマイズ可能で、作業効率もアップさせることができる。


付属のレザーケースは横置きにできる折り目が付いているほか、内側に滑り止めが付いているので、自分の好きな角度に調整して描くことができるだろう。
ケースにはペンも一緒に収納しておけるスペースがあるので、ペンだけ失くしてしまう心配もない。(個人的にこれはとてもありがたい)

ちなみにKamvas Slate 11はAndroid 14で動作しており分割画面機能をサポートしているので、複数のアプリを同時に使用することができる。
実際に筆者がYouTubeで動画を流しながら「CLIP STUDIO PAINT」で絵を描いても、カクつきやソフトが落ちる事なく動いた。
さらに、さまざまなアプリが予めインストールされており、ノートを取ったり、描画やクリエイティブ分野について学んだりする事にも役立つだろう。
ここまでは機能面を紹介してきたが、実際に描き心地はどういうものか気になるところ。
以降では本製品の動作や描き心地について「CLIP STUDIO PAINT」などを使用しチェックしていこう。
Kamvas Slate 11の描き心地は?実際にイラストを描いて検証
さてここからは、製品に触れてみての動作感や描き心地などをお届けしていきたい。
先に言っておくと筆者自身はイラストなどを仕事にしているプロではなく、趣味で描いているレベルの一般人だ。
また普段はイラストやマンガを板タブで描く人間で、数年前に購入した安価な液タブは遅延やペン先のずれが気になり結局使わなくなってしまった。
試しに普通のAndroidタブレット+専用ペンを試してもみたが、こちらもやはりしっくり来ず、板タブで描くことに落ち着いている。
しかしKamvas Slate 11は、そんな筆者でも分かるレベルで明らかに描きやすい。


画面が適度なザラつきを持っており、ツルツルしすぎないためペン先が滑りにくいのだ。
動画や映画を見たりゲームもしたりできるタブレットなので、完全に紙に似せるまでにはいかないが、それでも他のタブレットで描いた時に比べるとペンのとっかかりができて断然に描きやすかった。
他にも個人的にここが良かったと思う点をまとめると、
- 画面のサラサラ感や付属の手袋のおかげで、誤操作や汚れを気にせずに楽しめる点が好印象。
- 反射防止の柔光ガラスにより太陽や照明による画面の反射などが抑えられ、ストレスや目の負担が軽減されてとても快適。
外で絵を描いたりメモを書く際にも、画面が明るくなりすぎず見やすかった。 - ロック画面は鍵アイコンの部分を長押しで開けるためスムーズ。
大きめのタブレットで上にスワイプして開ける動作だと、ミスして何度もやり直したりする事もあるので、思い立った時に長押しですぐに開けるのは嬉しい。 - 筆圧感知も優秀で自然、更にペン先の遅延も特になし。
違和感なく描くことに集中できる。 - 簡単に描けるイラストアプリもインストールされていたので、小学生の子どもも楽しめた。
ペンだけでなく指でも描けるので、小さいお子さんに塗り絵アプリや知育系アプリと組み合わせれば、遊びながら学べるのにも使えること間違いなし。
大人から子どもまで楽しめると銘打っているだけあって、慣れると使いやすい。


逆に微妙だと思った点は、
- 細かい影や線の修正、加筆を入れたい場合は微調整が難しく、画面を随時ズームして描く必要がある。
- またペン先の遅延はほとんどないと記したが、CLIP STUDIO PAINTに自身で追加ダウンロードしたいくつかのブラシでは、まっすぐな線や影などの表現に使う斜線を速く描く時に結構な遅延が発生するのを感じた。全ての種類のブラシで発生するわけではないが初めてタブレットで描くという人は感覚に戸惑うかもしれない。
とはいっても、この現象は他のタブレットでも発生してしまうことなので、本製品に限ったことではない。
これも本製品に限ったことではないが、カラーで塗った際にスマホなど他の端末で見ると色の濃度が少し違って見える。
フィルムの影響か発色が異なって見えるので、鮮やかさ重視の人には物足りない場合があるかもしれない。


イラスト向けとして、描き心地・コスパは最高峰。Kamvas Slate 11はエントリーにベストな1台。
使用した結果、総合するとKamvas Slate 11はイラスト作成など向けのタブレットにおいて、エントリーとしてはベストな1台だ。
もちろんイラスト、マンガ作成以外にも読書やちょっとしたメモ用のサブ端末として購入しても断然ありで、他にも出かけた際の時間つぶしに、子供が飽きてしまった時の遊び用に。この価格帯の中では性能も良く、普段使いで困ることはまずないだろう。
これまでタブレットでは描いていなかった方や、これからイラストやマンガ作成に挑戦したいという方が買う初めの1台として、間違いなくコストパフォーマンスが良くオススメできる製品だ。
ギャラリー












HUION
Kamvas Slate 11

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