一時期に比べると、最近では趣味性が高いアイテムになりつつある一眼カメラ。スマートフォンの内蔵式カメラが大きく進化を続けていることもあって、「手軽に撮れるならコレでいいじゃん」という考えの方も多いかと思う。とはいえ、描写力に限った話をすれば、他の追随を許さないのもまた事実。SNS全盛とも言えるこの時代に、より美しく綺麗ないわゆる”映える”写真や動画を発信したいのであれば、やはり一眼カメラという結論になるだろう。
もちろんカメラというと、何かと難しそうな印象も有るかもしれない。実際、筆者自身の感じるところとしても、最終的な色を作り込む段階であるRAW現像やグレーディングは、特に楽しいポイントでもあり、特に手間がかかるポイント。PCなども必要になってくるため、はじめてトライする方にとっては敷居が高いと思われても仕方がない部分だ。
しかし、そんなある種一番の”おいしい所”だけを手軽に、かつプロ級で再現できる特徴を持ったカメラが有ったらどうだろうか。プロが作りこんだ色味情報をレシピとして取り込み、スマートフォンで撮影する際の加工フィルターのように切り替えられる…そんな一眼カメラがNikonにはある。
今回はその「イメージングレシピ」にファームウェアアップデートで対応したミラーレスカメラ「Nikon Zf」を、Instagramを中心に活動し約14万人のフォロワー数を獲得している人気クリエイターJay氏に使用してもらい、その使用感や活用術をインタビュー。実際に撮影する姿を交えつつ、その魅力をお届けしていきたい。
クリエイタープロフィール

Jay
2001年生まれ。青山学院大学 法学部卒。
2022年より本格的に旅映像の発信を開始し、Instagramでは約14万人のフォロワーを持つトラベルフィルムメーカーとして活動。
観光局・旅行会社・ホテルを中心に、ストーリーテリングを軸としたシネマティックな映像制作を手がける。また、上越市・高松市など地方自治体と連携した観光映像や、オーストラリアを舞台にした2ヶ月間のトラベルドキュメンタリー制作など、国内外問わず多様なプロジェクトに携わる。
撮影協力
埼玉厄除け開運大師・龍泉寺 〒360-0843 埼玉県熊谷市 三ヶ尻3712
https://yakuyoke-kaiun.jp/
※ 本記事に関わる写真・映像は龍泉寺関係者のご協力のもと、特別な許可を得て撮影しています。

Nikon
一眼カメラ
Nikon Zf
カメラボディ

Instagramを通じて、日本を含め様々な観光地の魅力を発信するJay氏
――本日はよろしくお願いいたします。
まずはプロフィールと、普段の活動について教えてください。
Jay:
よろしくお願いいたします。
普段は観光系の映像メインに制作をしていて、日本全国や海外の撮影によく行ったりします。
自分自身、もともと旅行がすごく好きで。「この魅力的な観光地を、もっといろんな人に知ってほしい」そう思って映像を始めました。

――実際活動を始めるにあたり、写真や映像を選んだきっかけは何かあったのでしょうか。
Jay:
そうですね…旅だったり、旅行だったりの素晴らしさを伝えていきたい、そう思った時にやはり手段として映像や写真が今の時代一番強いんじゃないかなと思いまして。
その中で、自分自身の世界観を映像や写真で表現していくことがすごく好きになったのもあって、今ではInstagramを通じて世界に発信をしています。
実は僕がカメラを始めたのが、ちょうどコロナの時期でして。だから日本しか撮影に行けなかったんですが… 逆に海外からも日本に来れないからこそ、日本の良さを広めようと。
その中で一番反応が良かったのは京都ですかね。あとは、富士山とかもう本当にザ・日本という景色。今では9割ぐらいが海外からのフォロワーさんですね。
――今回の龍泉寺さんもその関係で?
Jay:
そうですね。
この龍泉寺さんの住職の方とも、元々お仕事をさせていただいていて。
今のように観光地として認知される前は、普通のどこにでもあるお寺さんだったんですが、
住職の方のご尽力で、ここ数年で観光の方もたくさん来るようになって、年末年始も大行列だったりと一気に知名度が上がってまして。僕自身もその活動を応援していたので、今回少しでも協力出来ればという思いも有って打診させてもらいました。



イメージングレシピを使えば、撮って出しでもそのままSNSに出せる
――普段はお仕事で撮られる機会が多いと思うのですが、プライベートでも映像や写真を撮るのでしょうか。
Jay:
それはもちろん。元々旅行好きですので(笑)
ただやはり仕事で撮るのとは違っていまして…。仕事では時間帯とか構図とかをすごく気にして撮ることになるため、プライベートでは自然でナチュラルな感じを意識しています。
普段だったらRAWで撮って、現像段階では細部まで調整するんですが、プライベートだといわゆる”撮って出し”みたいな。jpgでそのまま撮ることの方が多いですね。

Jay氏の感じたイメージングレシピのファーストインプレッション
――今回試していただいたイメージングレシピは、正にその”撮って出し”に向いた特長なのですが、実際使ってみていかがでしたか。
Jay:
先ほどプライベートで撮って出しが良いという風に言っていたものの、やはり編集したり色味を変えたりもあるんです。
クリエイターとして活動していると、どうしても写真一つ一つに対して、つい完成度高いもの求めてしまって(苦笑)
ですが、このイメージングレシピを使うと本当に撮って出しで。
編集の手間も全く無く、そのままSNSに出せるようなクオリティの高い写真が撮れるので、すごく安心感があります。


それこそ最初は、よくカメラに入っているカラープロファイル機能かなと思っていて、どちらかというと、 エントリーユーザー向けの機能かなと考えていたんですが、
使い込んでいくうちに、色味がしっかりした写真がちゃんと出てくるなって気づきました。
普段から色味にこだわって仕事で撮影している自分でも、納得の色で写真が撮れますね。
Jay氏が使用する中で感じたように、Nikonの提供するイメージングレシピは一般的なカメラ内蔵のカラープロファイル機能(Nikonでは類似機能をピクチャーコントロールと呼称)とは少々趣きが異なる。そのため、ここで少しだけ解説を挟んでおこう。
お手軽ながら、プロのクリエイターでも満足できるイメージングレシピ。
そもそもイメージングレシピとは、よくあるカラープロファイル機能に置き換えた場合、その中に含まれる単一の色設定に近しい。大きな違いは、一般的なカラープロファイル機能ではユーザー側で追加等が行えないのに対し、Nikonが提供するピクチャーコントロールでは色設定が「イメージングレシピ」として独立・公開されている点。これにより、ユーザーが気に入ったものを追加したり新規に作成することが可能なのだ。

レシピによってはガラリと色を変えることが出来るため、あらかじめ好みのモノを登録しておけば、その場でレンズ越しに切り取った景色を見ながら色を決められる。コレだけ大きく変化させられるとなると、ある意味その場でRAW現像をしながら撮っているようなもの。Jay氏がそのままSNSに出せるというのも頷ける。



またイメージングレシピの管理はクラウドベースのため、スマートフォンからも登録可能。そしてカメラに追加したあとは撮影時に「ピクチャーコントロール」で選択できる。PCを持っていない方でも手軽に色づくりを楽しむことができるだろう。


そしてもう一つ大きな特徴として触れておきたいのが、イメージングレシピではRAW画像にも色設定を反映することができる点。これにより、従来であればゼロから作りこんでいた色を、レシピによって調整済みの状態からレタッチを始められる。さらにこのレシピはNikon製のRAW現像ソフトであるNX Studioだけではなく、一部カメラではLightroomでも反映されると言うのだから凄まじい。

流石にイメージングレシピの作成はNX Studioを使用する必要が有るものの、対応すればLightroomの強力な機能の一つであるAIノイズ除去なども使用可能。カメラに慣れない方でもプロ級の色づくりが体験できる一方で、カメラやRAW現像に慣れている玄人なら、さらに踏み込んで自作のレシピやレシピをベースとした現像も楽しめるイメージングレシピ。個人的にはコレだけでもNikonを選ぶ理由になってしまいそうだ。
Jay 氏が気に入ったレシピは2種類。Cine Mood(シネムード)とSoft Film(ソフトフィルム)
少々解説が長くなってしまったので、この辺りでインタビューに話を戻そう。
――使っていただいたレシピの中で、特に気に入ったモノや使いやすかったモノなどは有りましたか。
Jay:
今回主に使用したのは2種類で、Cine Mood by LUIZCLASとSoft Film by Leno Cainelliというレシピです。基本的にはCine Moodをメインに、人物撮影はSoft Filmと使い分けてました。
Cine Moodはシャドー部が青に寄りがちなレシピだったんですが、本堂内で撮影した金色の装飾と非常にマッチしていて、色味が綺麗に映っていたので、ほとんどこのレシピを使用していましたね。

開運大師ということもあってか、かなり豪奢な本堂内。金色に彩られた天蓋をはじめとする装飾は、生半可な描写では逆に安っぽくなってしまいかねないが、それを見事に荘厳さをもって写し取っている。色彩的な見方をすれば、黄色の補色である青がシャドー部に入ることにより、金色にある種の重みを与えているのだろう。これがレタッチ無しで表現できるのだから、Jay氏が「納得の色」と表現したのもよく分かる。
Jay:
Soft Filmが活躍したのはモデル撮影のシーンで、肌や太陽光の写りが決め手でした。光がすごくソフトなニュアンスになるため、境内など野外や人物を撮るときにはコチラを使用しています。


先ほどの本堂内とは打って変わって、色彩の鮮やかさは残しつつも柔らかな雰囲気に仕上がった2枚。この取材を行ったのは6月半ばの蒸し暑い日で、その場にいるだけで汗が噴き出すような気温だったのだが、仕上がった写真からはそんな現実を感じさせない初夏の爽やかさを漂わせている。Soft Film by Leno Cainelliは、そうした空気すら演出するレシピと言えるだろう。
エントリーからプロまで幅広く使える機能性のNikon Zf
――使っていただいたカメラNikon Zfについても感想を教えてください。
Jay:
初めに気になったのはフィルムカメラ風の可愛いデザインですね。
でもこのデザイン性を意識した見た目とは裏腹に、機能性もしっかりしていて十分プロ用途としても使える。そんなカメラだなという印象を持ちました。

自分のスタイルとしては、写真と動画どちらも撮るんですけれど、親指で写真・動画を簡単に切り替えができたりとか。ダイヤルも複数あるので直感的に操作できるとか。
一方でダイヤルも大きくて見やすいので、操作性を含めるとエントリーユーザーからプロ用途まで、非常に幅広い方が使えるカメラだと思います。
シャッターもすごく心地いいですし、僕自身使っていて楽しいなって。


Jay:
あとはそうですね…ISO感度のダイヤルの位置ははじめ戸惑いました。普段右手で操作している部分だったので。
ただ、使っているうちに慣れてきて、むしろここに有るのは便利だなってなりましたね。

実際に撮影している様子を見ていると、Jay氏の場合、時折両側からカメラを包むように持っているシーンがあり、この時にISO感度を調整しつつモニター側で構図決めなどをしているのだろう。またJay氏は動画も撮ることもあってか、バリアングルモニターを頻繁に操作していたため、なおさら左側にあるISO感度ダイヤルとの相性が良さそうだった。

スピードとクオリティを両立できるのがイメージングレシピの強み
――今回試してもらったイメージングレシピですが、Jayさんだったらどう使うか教えてください。
Jay:
やっぱり仕事で使うなら、素早い納品が求められる現場でしょうか。やっぱり一枚一枚現像しているとどうしても時間がかかってしまうので…
あるいは撮影枚数が非常に多いような現場だと、このレシピを用いることで編集時間の削減になりますし、撮って出しでもいい写真が出てくるので、「スピードが必要だけど、クオリティを落としたくない」そういった時には非常に使えると思います。

あとは僕みたいに色んな旅行のシチュエーションで撮るクリエイターにとっても、すごく使いやすい機能だなと思いました。
旅行と一口で言っても、海だったり、森だったり、山だったり。 あとは今回のように建物だったりとか。様々なシーンがあるので、それぞれの状況に合うようなレシピを用意しておくと便利そうです。
Nikon Zfはどこにでも連れて行きたくなるようなカメラなので、行く先々のシチュエーションに合わせて切り替えながら撮影できるイメージングレシピとの相性はすごく良いと思います。非常に魅力的で使いやすい組み合わせですね。
――今回はありがとうございました。
Nikon × onesuite 読者向けプレゼントキャンペーンのお知らせ
ここからは番外編として、読者の皆様に耳寄りな情報をお届けしたい。実は今回、onesuiteとしては初の読者向けプレゼントキャンペーンが開催決定している。というのも、Nikon Zfを記事で取り上げるにあたってNikon 担当者の方に「読者向けキャンペーンをやりたいんですが…」と打診した所、なんと快諾いただけたのだ。プレゼントされるアイテムの内容や応募方法は下記にまとめてあるので、是非チェックして欲しい。
対象アイテム
Nikon CREATORS ストラップ

応募方法
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対象ポスト
応募期間
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応募規約
- 応募締め切りは2025年7月23日 23:59までとさせていただきます。
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