昨年、F2通しの大三元レンズ「FE 28-70mm F2 GM」を発表し大いに話題をよんだSonyから、また新たなF2通しのズームレンズが発表された。今回登場した「FE 50-150mm F2 GM」は、世界初となるズーム全域でF値2を実現した望遠ズームレンズで、単焦点レンズに迫る高い解像性能と自然なぼけ味を両立しているという。2025年5月23日に発売予定で、市場想定価格は60万円前後となる。
製品概要

Sony
Gマスター
FE 50-150mm F2 GM

製品名:SONY FE 50-150mm F2 GM
価格:オープン価格(市場想定価格 60万円前後)
発売日:2025年5月23日
製品ページ:https://www.sony.jp/ichigan/products/SEL50150GM/
単焦点級の描写力と優れたぼけ味を実現した大口径望遠ズーム
FE 50-150mm F2 GMの最大の特徴は、なんといってもズーム全域でF値2という明るさを維持できる点だ。これまでもサードパーティー製のレンズで望遠端150mm / F2.8というズームレンズは存在していたものの、さらに一段明るいレンズとなっている。これにより、屋内スポーツや暗い会場でのイベント撮影など、光量の少ない環境でもISO感度やシャッタースピードの設定の自由度が広がるはずだ。


またズームレンズではあるものの、そこはGマスター。ズーム全域、絞り開放においても画面中心から周辺部分まで高画質な、単焦点レンズに迫る高い解像性能を実現しているという。50-150mmという標準~望遠寄りの焦点距離を活かし、ポートレートや風景などの撮影で魅力的な写真を作り出せるに違いない。
小型・軽量設計&インナーズーム方式で機動性を向上
大口径F値2の望遠ズームレンズながら、最大径102.8mm、全長200mm、重量約1,340g(三脚座除く)という小型・軽量設計を実現している点もポイントだ。F2通しと考えるとかなり軽く、またサイズも比較的コンパクト。流石に大口径なため少々太めではあるものの、持ち出しが苦になるほどではないはずだ。
さらにインナーズーム方式を採用しており、ズーム操作時にレンズの全長が変わらず重量バランスが保たれるため、三脚やジンバル使用時にも安定した撮影が可能。ズームレンズの弱点でもあるホコリの混入にも強く、様々な現場に対応できるはず。

また近接撮影性能も高く、最短撮影距離は0.4m(ワイド端)/ 0.74m(テレ端)と、ワイド端ではフードが有ると被写体に当たりかねない程度には寄れそうだ。最大撮影倍率は0.2倍なのでマクロレンズのような近接撮影はできないものの、小物や花などを撮影する際、被写体に十分に近づくことができる。レンズ交換の手間を減らし、機動力を底上げしてくれるレンズと言えるだろう。

最大約120コマ/秒の連写にも追従する高速なAF性能と操作性
AF性能も高く、4つのXD(extreme dynamic)リニアモーターを搭載し、高速・静粛・高精度なフォーカス制御を実現しているとのこと。フルサイズミラーレス一眼カメラ「α9 III」の最大約120コマ/秒の連写(AF/AE追従)にも対応できるというのだから、その速度は間違いなく”高速”と言っていいい。

操作性の面でも、AF/MFを瞬時に切り替えられるフォーカスモードスイッチ、カメラボディ側から3種類の機能をカスタマイズできるフォーカスホールドボタン、フォーカスリングを回すだけで一時的にマニュアルフォーカスが可能になるフルタイムDMFスイッチなどを装備。Gマスターらしいリッチな操作系で、カメラマンの意図をダイレクトに反映できる。
もちろん防塵・防滴にも配慮されているため、過酷な環境での撮影にも対応。プロ向けのレンズとして必要な要素はすべて盛り込まれていると思って間違いないだろう。
単焦点3本分の高性能を1本に凝縮した次世代望遠ズーム

FE 50-150mm F2 GMは、単焦点レンズにおける50mm、85mm、135mmの3本分の焦点距離を1本でカバーすることを想定して設計された高性能レンズだ。F値2という明るさとに加え、マスターならでは高い描写性能と美しいぼけ味を兼ね備え、携帯性・操作性も考慮した実用的な設計となっている。
60万円前後という価格は決して安くはないが、同等クラスの単焦点レンズを3本揃えることを考えれば、コストパフォーマンスは悪くない。結婚式やスポーツイベント、ポートレート撮影など、素早いレンズ交換が難しい現場や、一瞬のシャッターチャンスを逃したくない場面で真価を発揮してくれるはずだ。
ギャラリー








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Gマスター
FE 50-150mm F2 GM

出典:プレスリリース
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