近年では様々なメーカーから工夫を凝らしたゲーミングPCが販売されており、またBTO(Build To Order)と呼ばれるカスタマイズ可能な販売方法が広まったこともあって、自身で一からPCを組む方は減ったように思う。性能面だけを気にするのであれば、自分で組み立てるよりも出来合いのモノを買った方が安上がりになったのだからそれも当然というものだ。
しかし自作PCには、既製品のPCやBTOには無い大きな利点がある。当たり前だが、自身で組み立てる都合上カスタマイズ性においては圧倒的に優位であり、正に自分だけの、そして自分好みのPCを作ることができるのだ。また最近では、PCパーツ自体も組み立てのしやすさやデザインを重視した製品が増えており、以前と比べずっと簡単に、そしてインテリアと呼んでも差し支えないデザインのPCを手に入れることができるようになった。
という訳で今回はMSI協力のもと同社の最新PCパーツを組み合わせ、可愛らしいホワイトでまとめたゲーミングPCを作成。さらに配信やMC、モデル、アイドルなどマルチに活躍するコスプレイヤー、猫田あしゅさん(以下、猫田さん)にも参加してもらい製品の魅力や可愛さなどを女性視点でもお届けしていこうと思う。
プロフィール

猫田あしゅ
コスプレ/モデル/デザイン/ MC
幅広い年代に愛されるコンテンツを目指して、コスプレの楽しさを広めたいと活動を始めた看護資格を持ったコスプレイヤー。
親子で楽しんでもらえる存在を目指して活動している。
アイドル、モデル、デザインなど幅広い分野で活躍中。
趣味はゲームと料理。
https://nekotaashu-official.mystrikingly.com/
組み立て簡単&白でまとめた可愛いゲーミングPC
まずは猫田さんに登場いただく前に、組み立てたPCの概要について紹介しておきたい。今回組み立てたのは、コスプレイヤーであり配信者でもある猫田さんに合わせて女性でも受け入れやすいオシャレなPCだ。また猫田さんは特に白が好きとのことで、基本的に目に見える範囲は全て白系のカラーリングでまとめてみた。

紹介PCスペック
CPU:AMD Ryzen™ 5 9600
CPUクーラー:MAG CORELIQUID I360 / WHITE
メモリ:DOMINATOR PLATINUM RGB White 16GB x 2
マザーボード:MPG B850 EDGE TI WIFI
グラフィックスカード:GeForce RTX™ 5070 12G GAMING TRIO OC WHITE
電源ユニット:MAG A850GL PCIE5 WHITE
ケース:MAG PANO 100R PZ WHITE
一部パーツはMSIでは製造していないため、MSI製以外のモノも含まれているものの、目に見える範囲ではメモリを除きほぼMSIで固めることができる。
ちなみに読者の中にはマザーボードやCPUクーラー、ケース、ファンなどそれぞれで別メーカーの製品を使用している方も居ると思うが、実は可能な限り1つのメーカーで揃えておく方が一括制御ができて何かと便利。今回の例で行けば、モニターやキーボード・マウスに至るまでMSI製で揃えているため、共通の管理ソフト「MSI Center」のMystic Lightという機能を使えば1クリックでデスクのライティングカラーを変更可能なのだ。

さて少し話は逸れたが、それでは早速組み立てていこう。
MSIのEZ DIYを体験。自作PCの組み立ては簡単になったのか
ここで少しだけ裏側をお伝えしておくと、記事を作成するにあたって筆者は2回ほど組み立てと解体を行っており、猫田さんには取材中に主要な部分を体験してもらっている。以降では筆者の主観をベースにしつつ、猫田さんの意見を交えて組み立ての流れを紹介していこう。

――改めて、今回はよろしくお願いします。
早速で恐縮ですが、自作PCの経験はどのくらいありますか?
猫田あしゅ:
よろしくお願いします!
自作PCについてですが、今自宅で使っているデスクトップPCが初めての自作で
その後はお仕事で何回か…一生懸命勉強中です。
ゲームは好きで配信などでも行っているので、ゲームに合わせて必要スペックが分かるくらいだと思っていただけると。
――ありがとうございます。
ではマザーボードにCPUやSSD等を取り付けていきましょうか。
最新世代のパーツと言っても、基本的に自作PCを組み立てる流れは以前と変わっておらず、まずはマザーボードにCPUやメモリ、SSDといった主要なパーツを組み付けていく。その後ケースに入れ電源やスイッチ、ファンなどの配線を行った後、最後にグラフィックスカードを入れ配線を整える、という流れが一般的だろう。今回もその流れを踏襲して実施してもらった。

余談だが写真に写るCPUソケットのまわりに有る4つのスペーサーは、事前に筆者が取り付けたもの。今回はCPUクーラーに簡易水冷である「MAG CORELIQUID I360 / WHITE」を採用しているため、冷却ヘッドを取り付けるためのスペーサーはこの段階で着けておくとスムーズだ。


その後CPUとメモリの取り付けは難なくクリア。お次はSSDの取り付けだ。
EZ M.2 Clip II&EZ M.2 Shield Frozr IIでM.2 SSDの取り付けもワンタッチ
猫田あしゅ:
そういえばSSDの取り付け、ネジ留め要らないんですよね!
私が以前組み立てたときのマザーボードはネジ留めだったので、留める途中で落としてしまって…
――あるあるですね(笑)
特にM.2のネジは他と比べて小さいですし
必要なドライバーが違うこともあるので、私も何度か落とした経験があります。
猫田さんが感動している通り、このM.2 SSDをネジ要らずで固定できる構造がEZ DIYのひとつ。EZ M.2 Clip IIという固定金具を使用することで、SSDをスロットに差し込んだ後はそのままマザーボードに向かって押すだけでパチッとワンタッチで固定できる。

猫田あしゅ:
あ、ヒートシンクもネジ要らないんですね…コレは便利かも。
こちらもEZ M.2 Shield Frozr IIというEZ DIYのひとつで、マザーボード側に用意された固定用の突起にヒートシンクを引っかけ、押し付けることでロックされる機構。取り外す際はヒートシンクの横に設けられたロックを押し込めば、同じく簡単に外すことが可能だ。

猫田あしゅ:
取り付けできました!


MSI
マザーボード
MSI MPG B850 EDGE TI WIFI

マザーボード/CPUクーラーの取り付けなど各所にEZな工夫が
マザーボードに各パーツを組み込んだら、次は各パーツをケースに収めていく工程だ。ここでも各所にEZ DIYの思想が垣間見える工夫が凝らされており、スムーズに組み立てることができる。
例えば従来のマザーボードにあったIOパネルの取り付けはもはや不要で、初めからマザーボードに一体化。「IOパネルとマザーボードが微妙に合わずUSBが差し込めない…」なんて事はもう考えなくていいのだ。

――マザーの後はCPUクーラーの取り付けですが、今ついてるラジエーターのファンって
実は初めから取り付け済みだったんですよね。
猫田あしゅ:
あ、それも結構うれしいかもしれないですね。
自作PCってネジ留めの連続なので…
――そうなんですよね、特にファンは1個固定するのにネジ4つ使うので
3つファンが有ったら系12か所ネジ留めという…
流石にケース側にラジエーターを取り付ける際にはネジ留めが必要だが、それでもファンの事を考えればCPUクーラーまわりで必要なネジ留め箇所が約半分になっているのは歓迎したい。

またEZ DIYからは逸れるが、このCPUクーラーはファンの側面を隠す目隠しパネルが付属しているため、ケーブル類が露出しないのもポイントのひとつ。ケーブル類は露出が増えれば増えるほど煩雑に見えるため、見た目が最重要の今回においてはかなり重要な要素と言える。
CPUクーラーの取り付けが終われば、電源ユニットを入れ簡単に配線した後、いよいよ大物。グラフィックスカードを取り付けて貰おう。

MSI
CPUクーラー
MAG CORELIQUID I360 / WHITE

大型グラフィックスカードでも不安なし。取り付け取り外しもラクチンなEZ PCIe Release
完成がみえて来たところで、いよいよ自作PCの主役でもあるグラフィックスカードの登場だ。今回使用した「GeForce RTX™ 5070 12G GAMING TRIO OC WHITE」は、5000番台のグラフィックスカードらしく比較的大型。それでも光沢と非光沢を織り交ぜた白いカラーリングのせいか、不思議と威圧感は少ない。


MSI
グラフィックスカード
GeForce RTX™ 5070 12G GAMING TRIO OC WHITE

――少々お手間なんですが、撮影のために何回か抜き差ししてもらっていいですか?
猫田あしゅ:
分かりました!
….
そういえばこのスイッチ、すごい便利ですよね。
――すごく分かります。
最近のグラフィックスカードは基本的に大きいのでEZ PCIe Release、めちゃくちゃ便利ですよね!
猫田あしゅ:
そうなんですよー私なんか初めて組んだ時、抜き方がわからずに固定用の爪折っちゃって…
いま自宅のPC、マザーボード側の爪欠けてるんです。
――あぁ…それは悲しいですね。
でも上司に組み立てを頼まれた際に、上司PCのマザーボードから
PCIeスロットごと引き抜いた経験がある私よりはマシかもしれませんよ?
猫田あしゅ:
それは…(苦笑)
でもこれなら確実にロックが外れてるのも分かりますし、安心して外せますね。

これは実際その通りで、ロックがきちんとかかっているか、あるいは外れているかが一目で分かるのは大きなメリットだ。MSI製以外でもこうしたロックが隠れない位置に配置されているマザーボードは増えているものの、スイッチの状態でオンオフが見分けられる製品は少々珍しい印象。今後さらに多くのマザーボードに搭載されて欲しい機能の一つだ。

裏側配線スペースも広々なピラーレスケース「MAG PANO 100R PZ WHITE」
グラフィックスカードまで入れば、残すは配線を整えてサイドパネルを閉めるのみ。今回使用した「MAG PANO 100R PZ WHITE」は、電源ユニットの厚みとほぼ同じだけ裏側配線用のスペースがあるので整えるのも簡単だ。

加えて、あらかじめケーブル類を束ねるためのマジックテープやケーブルタイが付属しており、マジックテープはケース側のホールド穴に通すことでケーブルガイドとしても活用できる。当然マジックテープなので、配線を通しながら組み替えたくなったとしても貼って剥してとフレキブルに対応可能。考えながらゆっくりとベストな位置にケーブルを持って行ける。

ケーブルの整理が完了した後は、最後にこれまたネジ要らずのサイドパネルを閉じれば、晴れて白いゲーミングPCの完成だ。


猫田あしゅ:
無事完成しました!


MSI
ケース
MAG PANO 100R PZ WHITE

――組み立てお疲れ様でした。
いかがですか?今回組んだ白いゲーミングPCは
猫田あしゅ:
やっぱりこのホワイトとガラスの透明感がいいですね!
儚くて、無垢な感じで。
やっぱりデスクトップのゲーミングPCって、ゴツゴツしてて無骨な感じが有るじゃないですか。でもピラーレスになることで透明感が出て、大きくても部屋の中で目立ちにくいと思うんです。

――言われてみると確かにそうかもしれませんね。
透明感が有ると目立ちにくい、なるほど
ちなみに白が好きとのお話でしたが、インテリアにもこだわってるのでしょうか?
猫田あしゅ:
最近はかなり凝ってる自覚が有ります(笑)
先日は床を白くするためにDIYでタイルも引きました。
あとは普段使用しているハーマンミラーのチェアもお気に入りのアイテムですね!
あ、でも白以外にこういう光るのも好きで
マウスとかキーボード含め、全部光らせたいなって思ってます。

可愛い白色ゲーミングPCで何をする?猫田あしゅさんの場合
ここまで猫田さんと一緒に組み立ての流れを追ってきたわけだが、いかがだっただろうか。「見た目にこだわったPCが欲しいけど自作はちょっと…」と気後れしていた方の背中を、少しでも押せていれば幸いだ。最後にこの新しいPCを猫田さんが何に使うのかを伺ってみよう。
――改めて、今回はお疲れさまでした。
今回作成した白いゲーミングPCですが、猫田さんは何に使いますか?
猫田あしゅ:
私の場合は、やっぱり配信を頑張りたいですね!
AMD Ryzen™ 9000シリーズとGeForce RTX™ 5070なら今まで以上にゲームも楽しめますし
コスの写真レタッチや動画編集、グッズ作成なんかも快適になりそうです。
あとは前ノートPCだった時に挑戦して諦めたんですが、このスペックならVのアバターで配信できるかも。あとPCって常に見えるものだから可愛い方がテンション上がりますし、(この性能が有れば)いろんなことに挑戦できると思います!
――ご協力、ありがとうございました。

見た目も大事、性能も大事、でも自作はちょっと不安。そんな方こそ、MSIのPCパーツで自作PCデビューにトライしてみて欲しい。きっと思ったよりも簡単で、そして思ったよりも色々なことに挑戦できるようになるだろう。慌ただしい新生活が落ち着き始めた今こそ、新しいことに挑戦する絶好の機会になるはずだ。
ギャラリー

























MSI
ケース
MAG PANO 100R PZ WHITE
