「ASUS ROG Swift OLED PG32UCDM」を実機レビュー!4K 240Hz駆動の有機ELゲーミングモニターで、高画質なゲームプレイを叶えよう

ひとくちにモニターと言っても、その種類は様々だ。事務用途なのかゲーミングなのか、はたまたクリエイティブなのか…用途によって適したモニターは異なるものの、市場には多くの製品が存在しており、「一体どれを選べばいいか分からない」なんて方も多いはず。

そんな方に筆者がオススメしたいのが、”特化しすぎない高品質なモニター”を選ぶという選択肢だ。

当然、特定の用途に特化したモニターは優秀で、ことモニターにおいてはプロが使用する製品がそのまま一般市場で販売されていることも珍しくない。しかしその用途に特化するあまり、「別の用途ではそこまで適していない製品だった」なんてことも良くあるのだ。もちろんゲームやクリエイティブなど、そのジャンルを生業にしている方はこの話の対象外として、一般的なユーザーの場合、特化しすぎた製品を選ぶことは逆に用途を狭めてしまう事にもつながってくる。ある程度の特化に留めて、全体が高レベルにまとまった製品を選んだ方が実は幸せだったりするのだ。

今回紹介する「ASUS ROG Swift OLED PG32UCDM」は、4K 240Hz駆動が可能な有機ELパネルを採用し、動画視聴のようなエンタメ用途やクリエイティブまで、あやゆるシーンに対応できる高品質なゲーミングモニター。2024年8月16日に予約開始され、市場想定売価は196,920円(税込)

ASUS

ROG

ASUS ROG Swift OLED PG32UCDM

目次

「ASUS ROG Swift OLED PG32UCDM」は4K有機ELパネルを採用した32インチモニター

「ASUS ROG Swift OLED PG32UCDM」はその名称や型番からわかる通り、パネルに有機EL(OLED)を採用した32インチクラスのゲーミングモニターだ。ASUSのゲーミングブランドROGに属する製品であり、箱から取り出した際にはROGらしいメカニカルな外観に目が行くはず。

しかし本製品最大の特徴は、なんといってもその「画面の美麗さ」にある。月並みな感想になってしまうのだが、なんというか非常に綺麗なのだ。

PG32UCDM_front

有機ELパネル+4K 32インチ+グレアが叶える美しい画面

もちろん筆者はこれまで何度も有機ELパネルを採用した製品に触れたことがあり、こうした製品を初めて見たというワケではない。しかし、それでもちょっとした衝撃を覚える程度には画面の表現力が高いのだ。

恐らくその要因は、有機ELかつ4K 32インチというパネルスペック、そして表面のグレア加工によるものだろう。

PG32UCDM_use-image2

通常ゲーミングモニターといえばリフレッシュレートの高さから液晶パネルが採用されることが多く、加えて画面全体を見渡せる範囲に収めるため24~28インチクラスの製品が大半。加えて映り込みを避けるため、表面もノングレアが採用されるイメージがある。ゲームで勝つことを至上目的として設計されているため、ゲーム世界への没入感や美しさといったモノは二の次になっているのだ。

その点、本製品が行っているのはある種逆のアプローチで、どちらかと言えばテレビの考え方に近い。有機ELパネルによる表現力と4Kによる緻密さ、モニターとしては大きな32インチサイズで没入感を演出し、グレア加工の表面がパネルの発色の良さを引き立てる。筆者が思うに、このモニターはゲームに勝つためのモニターと言うよりは”ゲームを楽しむためのモニター”なのだ。

それを裏付けるのがパネルスペックで、搭載された有機ELパネルはDCI-P3 99%の広色域かつDelta E<2の色再現性を持ち、加えて10bitカラーDisplayHDR™ 400 True Blackにまで対応する色彩表現に優れたものを採用。このスペックを4K解像度で、テレビよりは小さい32インチに収めているのだから綺麗に見えるのも当然だろう。

もちろんゲーミングモニターらしく、ゲームで真価を発揮する性能も有しているが、そちらについてはゲームプレイ時に合わせて紹介させてほしい。

高級感のある外観と所有感を高めるライティング機能

さて画面の美しさに目を奪われ話が逸れてしまったが、外観への言及に戻るとしよう。ROGのモニターシリーズは恐らく共通のコンセプトに基づいているためか、全体の雰囲気はある意味見慣れた”いつものROGモニター”だ。光沢と非光沢を使い分けたデザインは高級感があり、一目で高品質なゲーミングモニターだという印象を与えてくる。

PG32UCDM_rear

なかでも個人的に気に入ったのが、上の写真にも写っているスタンド足元のライティングだ。このライティング機能は以前レビューを行った「ROG Swift OLED PG49WCD」では見られなかったもので、ROGのラインアップを確認した限り、本製品と同じ形状のスタンドを採用したモデル限定の機能だと思われる。コレが中々カッコいいのだ。

PG32UCDM_stand-lighting

その他の発光部とは異なり光を投射する形になっており、設置した際デスク上をホログラフィックにライトアップしてくれるのがこの機能の見どころ。標準では写真のROGロゴがセットされているのだが、実は任意に変更可能であり、スタンドに取り付けるパーツにセットされたクリアパーツを取り換えることで映すものを変えることができる。2枚のROGロゴ以外にも、印刷されていない完全にクリアーのパーツが3枚付属するため、お気に入りのeスポーツチームのロゴやキャラクターなどを入れても面白そうだ。

PG32UCDM_accessory

必要十分なポート類と豊富な付属品

さてお次は視点を変えて、ポート類や付属品なども見ていこう。

映像やデータの入出力に関わるポート類はモニターの下部に配置されており、正面から見て右手側に映像関係、左手側にデータ関係がまとめられている。対応する映像入力はDisplayPort 1.4、HDMI (v2.1) x 2、USB Type-Cの4系統だ。またこの中でUSB Type-Cのみ左手側に配置されているのは、このモニターがUSBハブ機能を持つため。端子としては3つのUSB Type-A(USB 3.2 Gen 1)を搭載しているのでキーボードやマウス、ヘッドセットなどを繋ぐと良いだろう。ポート類は過不足無く、全体的に必要十分といった印象だ。

PG32UCDM_port1
画像左から電源、HDMI x 2、DisplayPortの順で配置。
PG32UCDM_port2
画像左からUSB Type-C、USB Type-B 、USB Type-A x3、イヤホンジャック、SPDIFの順で配置。
このうちUSB Type-C、USB Type-BはPCとの接続で使用する。

一方で、付属品まわりは初めから充実したパッケージになっている。前述のライティング機能に使うクリアパーツに加え、DisplayPortケーブル、HDMIケーブル、USB Type-CケーブルPC接続用のUSB Type-Bケーブルを各一本ずつ、さらにVESAマウント用の変換パーツも標準で付属。基本的に必要なものはすべて揃っているので、箱を開けた瞬間からスムーズに使い始めることが出来るはずだ。

PG32UCDM_cable
ケーブル専用のアクセサリーポーチと付属のケーブル類。

「レインボーシックス シージ」をプレイして4K 240Hzを体感

外観に関してはココまでとして、お次は「ASUS ROG Swift OLED PG32UCDM」のメインユースであるゲーム性能についてだ。

記事冒頭でも記載した通り、このモニターは現状数少ない4K 240Hz駆動に対応した製品の一つで、画質を優先した際に選べる最高峰のモニターと言える。今回はそんな本機の性能を確かめるべく、人気のFPSタイトルでもある「レインボーシックス シージ」をプレイしてみた。

※ 2024年6月 記事執筆時点

PG32UCDM_play-image
© 2024 Ubisoft Entertainment. All Rights Reserved. Tom Clancy’s, Rainbow Six, the Soldier Icon, Ubisoft, and the Ubisoft logo are registered or unregistered trademarks of Ubisoft Entertainment in the US and/or other countries.

240Hzの高リフレッシュレートと低遅延、 FreeSync & G-SYNCで勝ちに行けるモニター

既に画面の美しさには触れているためお察しの事とは思うが、大前提としてこのモニターはグラフィックに定評のあるゲームタイトルと非常に相性が良い。近年ではゲームエンジンやグラフィックスチップの進化も相まって、映像表現にこだわったゲームが数多く発売・配信されており、本機を用いることでその映像美を余すことなく体験することができるだろう。

一方でゲーム性能が損なわれているなんてことも無く、最大240Hzのリフレッシュレートと0.03msの応答速度により十分”本格的”なゲームプレイも可能だ。

PG32UCDM_use-image1
© 2024 Ubisoft Entertainment. All Rights Reserved. Tom Clancy’s, Rainbow Six, the Soldier Icon, Ubisoft, and the Ubisoft logo are registered or unregistered trademarks of Ubisoft Entertainment in the US and/or other countries.

この記事を読みに来ている方には、改めて解説するまでもないと思いつつも簡単に記載しておくと、一般的にゲーミングモニターと言われる製品はおおよそ120Hzから始まり、ハイエンドの製品では最大540Hzまで存在する。このリフレッシュレートが高くなることで、1秒辺りの画面切り替え(=リフレッシュ)回数が増え、FPSゲームであればエイム精度の向上や反応のしやすさが、格闘ゲームでは技の起こりが見極めやすくなったりと、様々な恩恵を得ることができるというワケだ。本製品では最大240Hzのリフレッシュレートに加え、有機ELパネルにより高い視認性を獲得しており、特に暗所や森林、市街地、建物内などオブジェクトの多いシーンでも敵を発見しやすくなっている

さらに、応答速度も0.03msと最速クラスの数値であり、AMD FreeSync Premium ProG-SYNC Compatibleにも対応。グラフィックスチップとモニター間で表示タイミングを調整し、表示遅延によるカクつきや表示ズレを抑制してくれるため、システム由来で発生する視認性・操作性の低下が起こりにくい

ちなみに、普段からFPSゲームを好んでプレイしている編集部員にも体験してもらったところ「画面が綺麗(表示が滑らか)だから敵が見やすく、そのせいか普段より撃ち勝てる気がする。」とのこと。当然感覚には個人差もあると思うが、パネルの美しさなど本機の特徴が複合的に組み合わさることで、一般的なプレイヤーであっても体感できるレベルの違いが出ているのだろう。

先ほどゲームを楽しむためのモニターという表現をしたが、だからと言ってゲームに勝てないモニターでは無い。ゲームを楽しんだ上で”勝てる”のがこのモニターなのだ。

※ 2024年6月 記事執筆時点

ノートPCとの連携や専用ソフトで普段使いにもオススメ

さて「ASUS ROG Swift OLED PG32UCDM」のゲーム性能を確認したところで、お次は普段使いにも目を向けてみよう。多くの方にとってPCで行うのはゲームだけではないはずだ。

ここではこのモニターが持つ、普段使いで便利な機能について2つほど紹介したい。

USB PD&KVM対応で、ノートとデスクトップの2台運用も

筆者自身もそうだが、昨今増えているハイブリッドワークやテレワークの業務形態で仕事をする方なら、会社用のPCと私物のPCで2台運用になっている方も珍しくないだろう。もし片方がノートPCなら、このモニターには是非ともオススメしたい機能が備わっている。

それがUSB PD(Power Delivery)対応のUSB Type-C入力KVMスイッチ機能だ。

PG32UCDM_Type-C-connect

まず前者についてはポート部分の紹介で触れた通り、本製品はUSB Type-Cでの映像入力ができるモニター。ここに加えてUSB PDにも対応することで、Type-Cからの充電が可能なノートPCと接続した際には、ケーブル1本で映像出力・USB接続・充電ができるようになっている。

さらにこの利便性を後押ししてくれるのがKVM機能で、KVMとはKeyboard・Video・Mouseの頭文字をとったモノ。この機能は、モニターのUSBハブ機能を使って接続したキーボードやマウスなどの周辺機器を、映像入力に合わせて自動で切り替えてくれるのだ。これにより簡単かつシームレスに2台のPCで周辺機器を使いまわすことが可能になる。「会社用のノートPCで作業していたけど、ちょっと私用のデスクトップに切り替えたい」そんな時でも、サッと切り替えてすぐに操作できる便利な機能だ。

ソフトに合わせ自動でモニターの設定変更が可能な「ASUS DisplayWidget Center」

また使用しているOSがWindowsであれば、試して欲しいのがASUSから提供されているユーティリティソフト「ASUS DisplayWidget Center」だ。こちらは本製品固有のソフトでは無いものの、組み合わせることで使い勝手が向上する。

というのも「ASUS ROG Swift OLED PG32UCDM」は、ここまで見てきた通りモニター自体の性能が高く、ゲームに限らずとも映画・動画鑑賞や写真・映像編集など様々な用途で使うことができる製品だ。一方でプレイするゲームタイトルや使用シーンによって、モニター側の最適な設定は異なるため、ベストな状態で使いたければ都度切り替えてあげる必要があるのだ。

これを聞いてしまうと面倒に聞こえてしまうかもしれないが、安心して欲しい。それを解決するための「ASUS DisplayWidget Center」だ。

PG32UCDM_DisplayWidget-Center

「ASUS DisplayWidget Center」では、明るさやコントラスト・色味といった基本的な設定はもちろん、このモニターが持つ設定項目の大半にアクセスすることが可能。もちろんOS上で動作するためマウスなどで操作可能であり、いちいちモニターに手を伸ばす必要もない。さらにApp Sync機能によりアプリケーション単位で設定を登録すれば、以降はソフトが自動でアプリケーションに合わせた設定へ切り替えてくれる優れものだ。

32インチクラスでも簡単設置。技アリな梱包

モニターの特徴とは少しずれてしまうのだが、実際に設置・開梱を行ったからこそアピールしたい本製品の良い所も紹介させてほしい。このモニター、実は梱包箱の設計がとんでもなく良くできているのだ。

一般的にモニターを箱から出し設置する際には、スタンドの組み立て→モニターへの取り付け→箱から取り出して設置という流れになっている。ただ多くの製品では、そもそもモニターが箱から取り出しづらかったり、スタンドを取り付ける前にモニターから緩衝材を取り外す必要があったりと、組み立て・設置の導線が整っていないのである。

その点「ASUS ROG Swift OLED PG32UCDM」の梱包箱は素晴らしい。

梱包箱の最も広い面がガバッと開き、ダイレクトにスタンドやモニターへアクセスできる構造になっており、箱内部はスタンドや付属品などを収めたトレー(上段)と、モニターを本体を収めた下段の2段構成だ。1段目のトレーを取り出しスタンドを組み立てれば、そのままスムーズにモニターへと取り付けられる。

また上記の画像のように、スタンドを取り付ける際に干渉してしまう面(1枚目の黒い部分)も手前側に展開可能で、一切邪魔になることは無い。ここまで来れば後はモニターを起こし、キズ防止の緩衝材を外すだけだ。

過去数十台とモニターを開けたことがある筆者だが、未だかつてここまで完璧な設計の梱包箱はお目にかかったことがない。極端に重要なポイントではないものの、大型モニターの開梱設置はそれだけで重労働。少しでもスムーズにできるなら、それに越したことは無いはずだ。

「ASUS ROG Swift OLED PG32UCDM」は画質・ゲーム性能共に妥協のない高品質なモニター

ここまでの話を総合すると、「ASUS ROG Swift OLED PG32UCDM」が与えてくれるのは、今までにない高品質なゲーム体験だ。

高精細かつ美麗なパネルは、見慣れたゲーム世界であってもその風景をより鮮やかに表現し、競技性の高いタイトルでは視認性を高めてくれる。もちろん一般的な映画・動画の視聴や、写真や映像編集に使用しても良いだろう。そうした広い用途に応えるだけのポテンシャルを持った製品であることは間違いない。

強いて欠点を挙げるとすれば、その性能を最大限発揮するために必要なPCスペックで、4K 240Hzを最高画質でプレイするとなればPC側にも高い処理性能が求められる点くらいしか思い当たらない。それほどまでに細部まで、それこそ箱に至るまで高いクオリティで仕上げている。

「ASUS ROG Swift OLED PG32UCDM」は、高画質でゲームをプレイしたい、ゲーム以外にも十分に使えるモニターが欲しい、そんな方にオススメのトータルバランスが高い逸品だ。

製品概要

製品名:ASUS ROG Swift OLED PG32UCDM
市場想定売価:196,920円(税込)
発売日:2024年8月23日
予約開始日:2024年8月16日
製品ページ:https://rog.asus.com/jp/monitors/27-to-31-5-inches/rog-swift-oled-pg32ucdm/

ASUS

ROG

ASUS ROG Swift OLED PG32UCDM

1 2
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次