⑤電源をケースに取り付け、各種配線を接続していく
お次は一旦表側の作業を止めて、PCケースを起こし裏側へと移ろう。まずは電源の取り付けだ。今回使用しているのは「TUF-GAMING-1200G」なので、ファンを下向きにしてPCケースの底にあるスペースに固定する。ネジ留めは4箇所。
ここからが「BTF」シリーズのケース・マザーボードの真骨頂。楽しい裏側配線の時間だ。ケースに用意された各種配線用のガイド(ケーブルホルダー)を駆使して、マザーボードや冷却ファンのケーブルを配線していく。
一見すると難しそうな作業だが、実はそれほど難しいことは無く、各種ケーブルのコネクタは基本的に「差さるべきところにしか差さらない」ようになっている。逆を言えば上手く差さらないときは、たいていの場合間違った場所に差そうとしているため要注意だ。マザーボードやケースに付属する説明書と見比べながら一つ一つ確実に接続していこう。
ちなみに一般的なケースとマザーボードの組み合わせの場合、ここでマザーボードにつながるケーブルを表側に一旦すべて出し、それから各種ケーブルを繋いでいくという作業手順となる。ただし表へ出す位置に気を付けなければケーブルが届かないため、もし間違えた場合は再度裏側に戻して配線し直し、場合によっては既に繋いだケーブルも含めほとんどやり直しになるのだ。
その点「BTF」シリーズであればすべて裏側で完結するため確認も一度に済み、余計な手戻りも発生しにくい。初めての方や慣れない方ほどこの効果は大きいはずだ。
全て配線し終わると下の画像のような感じに。各種ガイドのおかげで非常にスッキリとまとめることができる。画像は記事で見せる必要があったため、結束バンドなども使用しかなり丁寧にまとめているものの、実際にはここまでこだわらずとも実用上問題はない。やろうと思えばここまでキレイに配線できるケースだと認識してもらえれば幸いだ。
どうせ見えなくなる部分のため気楽に配線して欲しい。
裏側の作業が完了したら、サイドパネルを閉め、いよいよラストに移ろう。
⑥グラフィックスカードを取り付けて組み立て作業は終了
さあここまで来れば、残すはグラフィックスカードを取り付けるだけだ。まずはPCケース側のスロットカバーを外し、ケースを寝かせた後PCIeスロットへグラフィックスカードを差し込む。(ここもカチッと鳴るまでしっかりとはめ込もう。)はめ込みが完了したら先ほどカバーを外したスロットに、グラフィックスカードをネジ留めして固定。あとはサポートバーを挟めばOKだ。
また組み立てからは少々脱線してしまうが、グラフィックスカード「TUF-RTX4070TIS-O16G-BTF-WHITE」に付属するサポートバーが”技あり”なアイテムだったためここで紹介したい。
サポートバーとは読んで字のごとく、グラフィックスカードを支えるための部品なのだが、「TUF-RTX4070TIS-O16G-BTF-WHITE」に付属するモノは、なんとドライバーにもなるのだ。
しかもネジが脱落しにくいマグネットドライバーである。
極端な事を言えばこのカードをチョイスすると、組み立て時に工具の用意すら不要になってしまう優れもの。また今回の手順ならこの先ドライバーを使うことも無いため、ドライバーからサポートバーに切り替えるタイミングとしても完璧。正直ちょっと感動してしまった。
もちろんサポートバーとしてもキチンと機能し、高さ調整も可能なためある程度ケースサイズに幅があっても使用可能。グラフィックスカードを取り付けた後、カードとケースの間に挟み高さを調整すれば取付完了だ。
以上で組み立て作業は終了。あとは表側のガラスパネルをはめ、電源を入れて起動確認をするだけだ。自作PCに慣れた方であれば、恐らくここまで30分もかからないのではないだろうか。
流石に途中の配線を丁寧に整えたり、初めて作るとなるともう少しかかる可能性はあるものの、おおむね1時間あれば完成するかと思う。中でも「BTF」シリーズのパーツによるメリットは大きく、特に手間取りやすいポイントである「CPUクーラーのラジエーター取り付け」や「裏側の配線の取り回し」の簡易化が時間短縮に貢献したのは間違いない。全体として迷うポイントが少なく、スムーズに組み上げることができた。
初めて・久しぶりの自作PCは「BTF」シリーズでトライしよう。
というワケでザックリではあるものの、一通り自作PCを組む流れを紹介してみたが、いかがだっただろうか。
この記事を見て「難しそう」と感じるか「意外と簡単じゃん!」となるかは人それぞれと思うものの、これまで数十台のPCを組んできた筆者からすれば、拍子抜けするほど簡単になっていて正直驚いている。なぜなら上でも書いた通り一つ一つの作業がスムーズで、迷ったりやり直しになるシーンが非常に少ないからだ。「BTF (Back-To-the-Future)」というワードを初めて聞いた際には随分壮大な名前だなと思ったが、実際組んでみれば確かに”未来”的。間違いなく自作PCの今後を変えたパラダイムシフトになるに違いない。
惜しい点といえば「BTF」シリーズがまだまだ出始めのタイミングであり、パーツの選択肢が少ないことくらいか。ただしこの点も既に他PCメーカーと組んで「ASUS BTF Ecosystem」としてアライアンスを実施しているらしく、徐々に種類が増え解決してくるはずだ。そうなればもっと自分好みのデザインで、自身の用途にピッタリとハマるPCが組めるようになるだろう。
「BTF」シリーズの登場で、PCを組み立てるハードルが下がったのは最早疑いようもない。これまで「初めてだから…」「久しぶりだしなぁ…」と躊躇していた方も、難しく考えず是非ともトライして欲しい。
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BTF
TUF GAMING Z790-BTF WIFI