ROG Phone 8 Proはゲーム以外も優等生!カメラ性能をメインに、デザインやゲームプレイでの活用シーンを徹底レビュー

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都内を巡って普段使いに重要なカメラ性能をチェック

さてここからは普段使いの利用シーンを想定して、気になる部分をチェックしその性能に迫っていこう。最初は特に注目度が高いと思われるカメラ性能からだ。

ここでは以前、ROG Phone 7 Ultimateをレビューした際にも少し登場した筆者の私物(Galaxy S22)にも再登場してもらい、撮り比べながら「ROG Phone 8 Pro」のカメラについて解像感や色を確認していく。ちなみにGalaxy S22を選んだ理由は、手元にあったというのもあるが搭載されているカメラが本製品と同じく広角・超広角・望遠と同じラインアップだったためだ。もちろん画角や画素数、F値など細かい部分は異なっているもののそこは目をつぶってほしい。

ノイズが少なく暗いシーンや夜景に強い5,000万画素のメインカメラ

まずはメインカメラから。スペックとしては、5,000万画素 広角カメラ (35mm換算:23.8mm相当/F値1.9)となっている。スマートフォンのカメラ機能を使用しているときに意識する事はほぼ無いが、基本的に広角モードや3倍以上のズームを使用していない時は主にこのカメラが動いていると思っていただければ良い。

上の画像1枚目(左側)が「ROG Phone 8 Pro」で撮影した写真、2枚目(右)がGalaxy S22で撮影した写真だ。この画像では甲乙つけがたく、ROG PhoneとGalaxyでは画角にほぼ差が無いものの歪み補正の強さに違いがあるのか、ROG Phoneではビルの先端に向かって緩やかにパースがかかっているのが分かる。また気持ち程度ではあるがGalaxyの色は濃い目に出ており、どちらが良いかは好みが出るところだろう。

ではここで両者を拡大し細部を見てみてみよう。

よりわかりやすくするため、角度を調整しほぼ同じ配置になるようにしてみた。サムネイル状態ではわかりにくいが拡大表示をした際には、2枚目のGalaxyの方では画像内右の窓ガラスにノイズが出ており、若干ガラスの透け感がくすんでしまっているのが分かるかと思う。スマートフォンの小さな画面で見る場合であれば気にならないものの、ROG Phoneの方が綺麗に撮れていると言えそうだ。

また撮影をしていく中で見えて来たのは、どうやらROG Phoneのカメラはダイナミックレンジが広く明暗差があるシーンでGalaxyと違いが出やすいということ。お次は暗めのお店で撮影したつけ麺の画像をみて欲しい。

一見すると大きな差はないように見えるが、左手に盛られた麺に注目。ROG Phoneでは麺1本1本が作る陰影が描けており、麺全体のディテールが高く見える。一方Galaxyでは若干色と明るさが飽和してしまいのっぺりとした印象になってしまった。

そしてさらに分かりやすいのが夜景を撮ったとき。

コレは細かい点に言及しなくとも違いが感じられるはずだ。個体差はあると思うが筆者の手元で比べた限りはROG Phoneの圧勝で、明らかに明暗の書き分けが上手い。

特に顕著なのが看板やライトなどの光源付近であり、Galaxyでは白飛びやフレアによって画像の下半分がボンヤリとしてしまっている。この辺りは画像処理性能も大きく関わってくる部分のため、カメラの差と言ってしまうと少々語弊があるものの、総合的なカメラ性能という表現であれば「ROG Phoneは暗いシーンや夜景に強い」と言って問題ないはずだ。

6軸ジンバルモジュールの性能を歩き撮りでチェック

メインカメラを語る上で忘れてはならない存在が、手ブレや振動を抑制してくれる「6軸ジンバルモジュール」。こちらはROG Phone 8シリーズ固有の機能のため、使用の有無を見比べて欲しい。

左がジンバルモジュールを使用した手振れ補正をONにした状態で、右がOFFの状態。最初の数秒でその威力はお分かりいただけるかと思う。撮影した日はかなり風が強く、普通にスマートフォンを構えているだけ若干揺れてしまうような環境だったため、正直言ってOFFの状態は見れたものではない。しかしこのサンプルで、完全に画面が揺れている状態から「あぁ歩いてるんだな」レベルまで抑制することができることが伝われば幸いだ。

手軽にフォトジェニックな軌跡撮影が手軽にできる「ライトトレイルモード」

加えて紹介しておきたい機能が、光や人の動きを軌跡として残した撮影ができるライトトレイルモード」。これは以前のROG Phoneシリーズや同社のZenfoneシリーズにも搭載されていたもので、なかなか面白い写真が撮れるためココで合わせて紹介したい。

ROGPhone8-pic_lighttrail
「ライトトレイルモードを使用して撮影した写真。道路を走る車のヘッドライトがまるで帯のように映っている。
シャッタースピードは4秒ほどだが、多少の手ブレはスマートフォンが補正してくれるため簡単に手持ちで撮れてしまう。

通常こうした写真を一般的なカメラで撮る際には、シャッターを10数秒ほど開けて撮影する必要がある。当然シャッターを長く開けるということは、ブレないよう三脚などで固定する必要があり、手持ちでの撮影はほとんど不可能。加えて撮影後はRAW現像を行い、複数枚を合成するという過程を踏むことで、やっと出来上がるのがこうした軌跡写真だ。

しかし「ROG Phone 8」シリーズであればそれをスマーフォン1台で、しかも手持ちで撮影できてしまうのだから、一般的なカメラの常識で考えれば信じられないほど手軽である。

流石にフルサイズのミラーレス一眼などで撮影すればもっと綺麗に撮ることはできるものの、撮影とその後の編集にかかる手間を考えれば、ROG Phoneでの撮影も十分選択肢に入ってくる。いつもと違う表現やフォトジェニックな写真が撮りたくなったらぜひ試してもらいたい。

発色のいい超広角カメラと解像感の高い望遠カメラでランドマークの撮影もバッチリ

普段の生活で最も使用頻度が高いのがメインカメラだとすれば、旅行などのイベント時に使用頻度が高くなるのが超広角カメラと望遠カメラだ。広い範囲をダイナミックに写したり、遠くのモノをピンポイントで写したりと、特にランドマークや風景などと相性が良い。

今回はランドマークの分かりやすい例として東京スカイツリーを撮影してきた。

メインカメラと超広角カメラでの画角差はこれくらい。縦向きで撮影すれば樹木やランドマークなどの高さをより強調して写すことができる。上の画像のように日の丸構図なども作りやすく、印象的な画作りができることも魅力の一つだ。

またメインカメラとは違い、日中であってもGalaxyとの差が分かりやすいためコチラも比べてみてみよう。

一見してROG Phone 8 Proで撮影した写真は爽やかな仕上がりで、右手に映る屋根のような影になっている場所から、日に照らされたスカツリーに至るまで見事に明暗を表現している。空を泳ぐ鯉のぼりや各所に植えられた草木も発色が良く、五月上旬らしい麗らかな陽気を感じられるのではないだろうか。一方でGalaxyにとっては苦手なシーンだったらしく、逆光で入った光源に合わせ全体が暗く落ち込んでしまっており、またメインカメラでも発生していたフレアが目立つ結果となった。

続いて望遠カメラ。ROG Phone 8 Pro、Galaxy S22ともにメインカメラから3倍のズームとなり、拡大率には大きな差が無い。下記の画像は一枚目がROG Phoneのメインカメラで撮影した写真、2枚目以降は同じ場所から望遠カメラで撮影しており、2枚目がROG Phone、3枚目がGalaxyだ。

ROGPhone8-pic_maincamera-landmark2
ROG Phone 8 Pro メインカメラ

望遠カメラで撮影した2枚を見比べると、Galaxyの方が若干青が強く出ていることが分かるだろう。メインカメラと同じくサムネイル状態では大きな差はないように思えるが、こちらも拡大してみるとその差が分かりやすい。

ROG Phoneではノイズこそ乗っているものの解像感が高く、Galaxyではノイズが少ない一方で鉄骨などのディテールが潰れてしまっている。どちらも一長一短でコレだけ見ると好みが出る結果となった。しかし近年では現像ソフトの性能向上により、ノイズは比較的簡単に消すことができるため、その点を踏まえればROG Phoneの方がやや優勢かもしれない。

既に2世代前とはいえ、一般向けのスマートフォンとしてハイエンドモデルに位置したGalaxy S22と比べ遜色ないどころか、多くのシーンでROG Phone 8 Proが優位な結果となった。ゲーミングスマートフォンである本製品だが、間違いなくカメラ性能が高いスマーフォンの一つと言えるだろう。

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