「ASUS Zenbook DUO(2024)」を実機レビュー!新型DUOは2画面マルチディスプレイで実用的な新時代のノートPC

デスクトップPCに比べ持ち出しやすく、作業エリアの選択肢を広げてくれる存在であるノートPC。筆者の体感としては、近年仕事用の端末と言えばそのほとんどがノートPCであり、この流れはコロナ禍で広がったハイブリッドワークなどの影響もありさらに加速したことだろう。

一方で携帯性の反面犠牲になったモノは確かにあり、その筆頭と言えるのが画面サイズと解像度(作業領域の広さ)だ。

筆者の過去記事を目にしたことがある方であれば「また言ってる…」と思うところかもしれないが、何度でも言わせていただこう。ことPCにおいて、画面サイズや解像度は作業効率に影響する非常に重要な要素。特にこの数年でモバイルモニターの選択肢が一気に増えたのは、それだけ需要があったということだ。しかしこのモバイルモニターにも欠点はあり、ノートPCとは別途充電が必要であったり、設置スペースを取るため机上が手狭になりやすく、設置撤収にもひと手間かかる。

ならば「ノートPCに1画面足してしまえ!」

今回はそんなパワフルな発想によって誕生したASUSの新製品「ASUS Zenbook DUO(2024)」を発売前にお借りすることができたので、実際に業務や趣味で使用しつつ、その真価に迫っていきたいと思う。本製品は2024年3月4日(月)より予約販売が開始され、3月13日(水)発売開始予定。

ASUS

Zenbook

ASUS Zenbook DUO (2024)

UX8406

目次

「ASUS Zenbook DUO(2024)」はキーボード下に2枚目のディスプレイを搭載したノートPC

前述の通り「ASUS Zenbook DUO(2024)」は2枚のディスプレイを搭載した一風変わったノートPCだ。実はこれまでもASUS社では複数のディスプレイを搭載した製品を幾度か販売しており、中にはタッチパッドがミニディスプレイになっているモノや、キーボード上に横長のディスプレイを搭載した製品など、その当時では考えられ無いような製品が多い。そんな彼らが今回どこにディスプレイを搭載してきたかと言えば”キーボードの下”だ。

ZenbookDUO_外観1

一見すると何の変哲も無い一般的なクラムシェル型のノートPCにも見えるが、なんとこのキーボードはマグネットで固定されており取り外すと2枚目のディスプレイが出現する。

このキーボード下に隠された2枚目のディスプレイは、メインとなる天板側のディスプレイと全く同じスペックとなっており、従来機のような「アプリだけ」「ちょっとした表示エリア」といった制約を超え、完全にメインの作業用モニターとして使っていけるようになった。

その他にも最新CPU「インテル® Core™ Ultra 9 プロセッサー 185H」を搭載しメモリも32GBストレージも1TB確保され、仕事はもちろん動画視聴や趣味の写真編集といったエンタメ的な用途まで幅広くこなせる性能になっている。

概要を確認したところで、次は細部を見ていこう。

2画面を活かす2つのギミック「Bluetooth接続も可能なキーボード」と「底面キックスタンド」

2枚のディスプレイが最大の特徴でもある本機だが、搭載されているギミックはそれだけでは無い。

先ほど取り外したキーボードはポゴピンによる接続&Bluetoothによる無線接続の両方に対応しており、ディスプレイに乗せた状態では物理接点による通信と充電を行い、取り外した際にはワイヤレスで本体につながる優れモノ。これにより2枚目のディスプレイを使用中もキーボードとタッチパッドを使えるため無駄が無い。加えてただ無線なだけではキーボードを別途充電する必要が生まれてしまうところ物理接点も用意しているため、ポゴピンによって本体に接続している最中はキーボード側のバッテリーが回復するという親切設計。これなら「いざ使おうと思ったら電池切れ」なんてことも無いはずだ。

ZenbookDUO_キーボード接続用のポゴピン
PC本体にキーボードを乗せる際、キーボード裏面の接点(ポゴピン)がマグネットによりパチッと接続される。2枚目のディスプレイを使用しない時は基本乗せておけばOKだ。

また2つのディスプレイを見やすく使うのであれば角度も重要。「ASUS Zenbook DUO(2024)」では底面にキックスタンドを搭載しており、必要に応じて本体を立たせることが可能になっている。

このスタンドは約90度まで起こすことができるため、かなり自由に角度を調整できるほか、ある程度の固さを持ったガッシリとしたヒンジが設けられており、万が一にも倒れてしまう可能性は低いだろう。

厚さ約2cm重量1.6kgに抑えた薄型設計と必要十分なポート数

コレだけのギミックを搭載しつつもサイズ感は一般的なノートPCの範疇に収まっているのも「ASUS Zenbook DUO(2024)」のすごいところだ。通常であれば2枚分のディスプレイユニットと取り外し可能なキーボード、キックスタンドを付けた段階で一般的なノートPCの1.5倍くらいの厚みになっていてもおかしく無い。しかし驚くべきことに、本機の最厚部は約19.9mmと2cm弱に抑えられており、ちょっと厚めのノートPCあるいはゲーミングノートPCレベルに抑えることに成功しているのだ。

また重量についても約1.6kgとかなり控えめな数値で、本体とキーボードにそれぞれバッテリーを搭載しているとは思えないレベル。モバイルモニターとPC本体を持ち運ぶことを考えればかなり重量を抑えることができるだろう。

ZenbookDUO_背部

それだけ薄さや重量に気を使っているのでは、周辺ポートは削られてしまっているのでは?という気もするが、そこは当然必要十分なポートが用意されている。向かって左側面にはUSB Type-Aが1ポートThunderboltが2ポート。右手側にはフルサイズのHDMI3.5mmのヘッドセットジャックを備えており、マウスや外部モニターとの接続性もバッチリだ。

持ち歩きしやすい小型充電器+用途を広げるスタイラスペン

ノートPCを持ち歩く際、同時に考えなければならないのが充電器の携帯性である。短時間であれば問題は無いだろうが、流石に丸一日外出するような日、保険の意味でも充電器は必須と言えるだろう。本製品の充電器は最近のノートPCらしくUSB Type-Cによる充電に対応しており、付属の充電器も非常に小さく軽いモノとなっている。これならお守り代わりに持ち運んだとしても邪魔になることは無いはずだ。

加えて「ASUS Zenbook DUO(2024)」のディスプレイはタッチ+ペン入力に対応しており、付属品として「ASUS Pen 2.0」が付属する。このペンは筆圧検知も可能なため、ちょっとした書き込みはもちろん写真のレタッチなどに使うことも可能だ。

ZenbookDUO_付属品

と、ここまで「ASUS Zenbook DUO(2024)」の外から見て分かる特徴を紹介してきたわけだが、この製品の真価は2枚のディスプレイとキーボードを組み合わせることで、様々なシーンで最適な使い勝手を提供するところにある。

以降ではonesuite編集部の1日をなぞりながら、どんなシーンで本製品が活きるのかを含め使用感について紹介していく。

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