「Eufy X10 Pro Omni」をレビュー!とりあえずコレ買っておけば間違いなしの良コスパなロボット掃除機

「Eufy X10 Pro Omni」

ズボラすぎて毎日ロボット掃除機と食洗機にお世話になっている筆者だが、先日気になる機種が海外で発売され、海外情報をもとに独断と偏見で執筆した記事を公開した。

その内容を簡単に3行でまとめると、

  • Eufy Clean X8 Pro with Self-Empty Station(以下、X8 Pro)
    毛がらみ除去・髪の毛が絡まない!は良いが、それ以外が物足りない…
  • Eufy Clean X9 Pro with Auto-Clean Station(以下、X9 Pro)
    水拭き・障害物回避はいいが、ゴミもステーションで貯めて欲しい…
  • X8 ProとX9 Proのいいとこ取りした機種、Eufy X10 Pro Omniが最高かもしれない

という話だ。気になる人はこの記事を読み終えた後に一読いただけると、筆者(私)が喜ぶ。

そんな筆者のラブコールが通じたのか、なんと発売元であるアンカー・ジャパンより「『Eufy X10 Pro Omni』のメディア向け発表会するから、来ない?」と心躍るお誘いをいただき、実機を直接触れてきた。そのため本来であれば今日公開するのは発表会のレポート記事だったのだが、なんとレビューの機会をいただいたので、今回は実際に我が家の環境で数日間使ったリアルな感想(レビュー)をお届けしようと思う。
(もちろん、発表会で直接担当者に聞いた情報も紹介するので安心して欲しい)

という訳で改めて今回レビューするのは、モバイルバッテリー等の充電関連機器で有名なAnkerグループのスマートホームブランド「Eufy」から発売する、最上位モデルの「Eufy X10 Pro Omni」というロボット掃除機だ。価格は99,990円(税込)、本日(2/28)より発売開始

なお、実際にロボット掃除機を使っている筆者だからこそ、既存のロボット掃除機で気になっていた以下の点をメインにレビューしていく。

  • 障害物回避ってどのぐらい優秀?
  • 髪の毛の絡みにくいって、実際どう?
  • 水拭きの性能ってどう?メンテナンス楽?

その上で、筆者の総論をはじめに述べておこう。

「Eufy X10 Pro Omni」は「ロボット掃除機で迷っているならコレを買えば間違いのない、コスパの良い製品」。ただし、すごい賢い訳ではないので家の環境に合わせて設定することを推奨。

その設定って?というのは後ほど述べることにして、まずは開封するところからお届けする。 気になる機能が明確な方は、目次から飛んでもらえると幸いだ。

※なお、筆者にとってのロボット掃除機は「1回の掃除で100%のゴミを取り除くもの」ではなく「複数回の掃除で常に90%以上のゴミを取り除くもの」と捉えている。以降、その前提でお読みいただければと思う。

Anker

Eufy

Eufy X10 Pro Omni

目次

「Eufy X10 Pro Omni」の開封・外観・初回セットアップ

まずは開封・製品の外観・初回セットアップを順に紹介しよう。

開封(外箱・化粧箱)

普段であればあまり特筆すべきことのない外箱なのだが、「Eufy X10 Pro Omni」には1つ特徴があったのでお知らせしたい。
ステーション付きのロボット掃除機を買ったことがある方ならわかってもらえると思うが、運搬用の外箱を開くと、カラフルな化粧箱が見えてくることだろう。その化粧箱なのだが、ほとんどの場合で外箱とほぼ同じサイズ感をしているため、ピッチリしすぎてまぁ取り出しにくい
その点「Eufy X10 Pro Omni」はなんと外箱の中央に、開けやすいようミシン目(ジッパーというらしい)が入っている。

「Eufy X10 Pro Omni」外箱
外箱の大きさは幅43cm × 奥行39cm × 高さ50.5cm(全ておおよその数値)
少々大きいが重さも12kgぐらいなので、成人男性であれば特に苦労せず運べるだろう。

これであればまるでお菓子箱のように開封をした後、化粧箱の上部を引っ張るだけで簡単に取り出せる。また取り出しやすいように化粧箱側にも取手が付いているので、地味にありがたい仕様となっている。

「Eufy X10 Pro Omni」化粧箱
化粧箱は少し小さくなって幅42.5cm × 奥行38.5cm × 高さ49cm(全ておおよその数値)
ちなみに、筆者の知る限りで濃い青がベースになったのは初めてのはず。今まではどこかしらEufyグリーンとでも言うべき象徴的な緑が使われていたので、少し新鮮な気持ちになった。

化粧箱を開けると開封手順と初期設定が簡単に書いてある。全体的に世界共通?のような英語主体のパッケージだが、言語の関係ないイラストで表現されているため、初めてでも苦労はしないだろう。

「Eufy X10 Pro Omni」化粧箱のガイド

外観(Eufy X10 Pro Omni 本体)

続いて「Eufy X10 Pro Omni」のロボット掃除機本体を見ていこう。

「Eufy X10 Pro Omni」ロボット掃除機本体

外見的特徴に大きな差がある訳ではないが、強いて言えば円系ではなく、前方が丸みのある四角形で後方がやや楕円形をしている。細かな点ではあるが、純粋な円形ではないおかげで、手作業でステーションに戻す際にほぼズレず戻すことが可能。

「Eufy X10 Pro Omni」手作業でステーションに戻す際にほぼズレず戻すことが可能

上面には物理ボタンと、フタを開けるとダスト容器が収まっている。

前面には前視センサーが付いており、「Eufy X10 Pro Omni」の特徴でもある障害物回避を担っている。

「Eufy X10 Pro Omni」正面 前視センサー

後面には充電端子と、注水口が配置。X9 Proから搭載のモップシステム「MopMaster™」が書かれている形だ。

「Eufy X10 Pro Omni」充電端子 注水口

なおその左側にはラバー素材で覆われた大きな口があり、ここからゴミをステーション側に吸い出している。わざわざ面倒な仕掛けを要するフタではなく、空力だけで実現するスマートな形だ。

「Eufy X10 Pro Omni」ゴミ吸い出し口

お次は色々な機能が凝縮された裏面。
落下防止センサーカーペット検出センサー、お馴染みのブラシやホイールなどが配置している。特徴的な箇所を前方側から見ていこう。

「Eufy X10 Pro Omni」裏面

まずサイドブラシだが、今回の「Eufy X10 Pro Omni」では片方のみ。 以前は根本部分も真っ直ぐに伸びていたのだが、途中で角度をつけて曲がる新形状に。またカチッとはめる形式ではなく、プラスドライバーなどで取り付ける固定方法に変更されている。昔はケーブルなどに引っかかると無理せず勝手に取れる仕様だったが、「Eufy X10 Pro Omni」では障害物回避が備わっているのでその必要が無くなったのだろう。

「Eufy X10 Pro Omni」新型サイドブラシ
筆者的には自宅に帰った時、サイドブラシだけ取り残されて本体はステーションへ戻っている様子に一種の哀愁を感じていたのだが、「Eufy X10 Pro Omni」ではそういったシチュエーションとは無縁になりそうだ…(もちろん、良いことである)

続いてX8 Proの毛がらみ除去システムを引き継いだ回転ブラシ部分。

「Eufy X10 Pro Omni」回転ブラシ

ブラシ自体はゴムと刷毛が併用された形式で、担当者曰く「ゴムだけだとカーペットなどの奥にいるゴミをかき出しにくい」とのこと。またブラシガードに専用のクシが付いており、ブラシが逆回転することで絡まった髪の毛などを除去してくれる。

本体で最後に紹介するのはX9 Proから継承したモップ部分

2個の回転するモップなのだが、よくある円形ではなく五角形になっている。円形だとモップとモップの間が空いてしまい拭き残しが発生しやすかったのだが、五角形にすることで絶妙にカバーするようだ。

「Eufy X10 Pro Omni」モップ

回転するパーツ自体は磁石で本体側に吸着させ、モップは面ファスナー(マジックテープのようなアレ)で脱着式だ。「Eufy X10 Pro Omni」ではステーションで毎回洗浄・乾燥まで行うためあまり気にならないが、いざという時はモップだけ洗うことも可能な仕様。

外観(全自動クリーニングステーション)

本体の次は、全自動クリーニングステーションを見ていこう。
「Eufy X10 Pro」がOmniの名称を採っているのはここに理由があり、「ゴミ収集・モップ洗浄・モップ乾燥・掃除機本体への給水」までを一手に担っている。

「Eufy X10 Pro Omni」全自動クリーニングステーション

上部右側には、ゴミ収集を行う使い捨てダストバッグがある。最近よく見かける、取り出す際に口が閉まるタイプだ。不意に押してしまってもゴミが外に出ず、また直接見なくて済むため非常に便利な代物。

上部左側には浄水タンク(手前側)と汚水タンク(奥側)が位置する。 フタは開いた際に自立して立つので、そのまま水を入れたり捨てたりすればOKだ。

下部にはモップ洗浄・モップ乾燥を行うエリアがある。(正確にはゴミ収集と給水も行うエリアだが、今回の進化点として)
X9 Proから継承した部分ではあるが、「Eufy X10 Pro Omni」ではさらにメンテナンスしやすく、トレーとして部分的に取り外し可能になった。凸凹している箇所にモップを押し付け、汚れを取り除く。

なお、タンクやトレーが正常にセットされていない場合、ロゴ付近のLEDインジケーターが赤く点灯する。赤い時はうまく動作しない状態のため、位置を見直すと良いだろう。

初回セットアップ

本体やステーションの準備が整ったら、後はアプリの指示に従って接続をするだけだ。 画像のように指示に従うだけなので、初めてでも苦労はしないだろう。

筆者は個人的にEufyのロボット掃除機は使っているのだが、アプリ側で情報を持っていたからか、Wi-Fiは自動で入力してくれた。(おそらくパスワードを保存した場合だけだろう)

また、X8 Proがペット愛好家に向けた製品だったせいか、同じ毛がらみ除去システムを持つ「Eufy X10 Pro Omni」でも最初に「ペットを飼っていますか?」と質問が出てきた。自身の環境に合わせて設定してもらえれば幸いだ。

アプリとの接続が終われば、いよいよ使用開始。まずは部屋の地図を作るマッピングから。 筆者の家は全体の間取りが55㎡ほどの2LDK(ベランダや家具で立ち入れないエリアも含んだ面積)なのだが、クイックマッピングを行った結果、5-6分ほどかけて丁寧に巡回していた。

「Eufy X10 Pro Omni」マッピング結果
地図上で小さくマークが出ているのは障害物を検知した際に出る表示。詳細は後述する。

間取りや部屋割り・形状は事実と大きく相違なかったため概ね満足なのだが、Eufyの別モデルを使っている身として、若干ネガティブに感じた点が2つある。

1つ目は部屋割りをわかりやすく色分けして表示されているが、部屋の形状だけを表示するのではなく、輪郭を大きな四角で括って表示してしまう点。(各部屋の色が濃い部分=実際の部屋エリア、薄い部分=空間としては存在しないエリア)わかりやすさ優先でこのようになっていると思うのだが、間取りによっては逆にどの部屋かわかりづらくなりそうなのと、水拭きをした際に似た表示をするため非常にわかりにくいのが少しマイナス点。(水拭き時のわかりづらさについては後述する)

2つ目はあくまで筆者の好みの問題なのだが、壁がわかりにくい点。上記画像で黒くL字になっている箇所が壁なのだが、初回の清掃以降では見え無くなってしまった。細かく言えばこの段階から描写されていない壁がいくつかあり、部屋割りがうまく作動しているため性能面で悪影響はないものの、好みとしては壁を認識しやすい方がエリア設定等する際に都合が良い。
慣れの問題といわれればそれまでだが、もし変えられるのであればアップデートで対応いただきたい点だ。(あくまで筆者の個人的な意見ではあるが)

X9 Proから進化した障害物回避!どんなルートで進む?

それでは実際の性能に触れていこう。まずはゴミ吸引掃除・水拭き掃除に共通する部分として、障害物回避ルート取りに関してだ。

100種類以上を認識する障害物回避

まずX9 Proから継承した障害物回避だが、担当者曰く「Eufy X10 Pro Omni」の方が検知できる数は増えているとのこと。こればかりは実際に見てもらった方が早いので、我が家で実際にどうだったか見てもらおう。

まずは、回避の動きから。 若干わざとらしいが、ベッドから垂れたケーブル、という設定。我が家は寝る際に某睡眠ゲームアプリをつけているので、スマートフォンのケーブルが垂れがちなのだ。

ちなみに、モードとしては水拭きでエッジモードの最中である。

少し意地悪な、柱を回避→障害物→柱という配置だったのだが、きちんと避けているのがわかるだろう。途中で一度前視センサーによる確認をしているのも伝わるはずだ。

数日間使ってみたがケーブルに引っかかることや、露骨にぶつかることはほとんどなく、感想としては非常に優秀

実際に検知できたものも紹介しよう。
アプリでは実際に検知した障害物をマークで表示し、現状では7種類ある。(今後のアップデートで8種類に増えるそうだが、タップしても名称など情報が出る訳ではない)
我が家で検知できたのは、3種類。

「Eufy X10 Pro Omni」障害物マーク
  • 靴類
  • ケーブル類
  • その他
「Eufy X10 Pro Omni」検知したその他
その他として、よくある普通のゴミ箱。

検知結果としても割とびっくりしており、椅子・ソファ・ベッドの柱は一切検知せず、”日常的に移動する障害物”にのみきちんと反応していた。家具をはじめとした障害物というよりかはレイアウトの一部と言えるものに関してはほぼスルーをできているあたり、精度の高さがよく現れている。

とはいえ実は一部ぶつかっていたものもあるので、実例として紹介をしよう。

  • (別の)ロボット掃除機
  • 壁やドア
  • ゲーミングチェアのキャスター

ロボット掃除機と壁やドアに関しては正直問題になるレベルではなく、チョンと小突く程度に触れていた。温度感としては、エッジのぎりぎりまで掃除しようとした結果触れてしまったという感じ。ただ苦戦していそうだったのが、キャスターだ。

「Eufy X10 Pro Omni」苦手にしていたキャスター
見てわかる通り、安いゲーミングチェアだ。

実物がこちらなのだが、挙動としては壁などの障害物として認識はしつつも、十分に回避・迂回ができていないような動きをしていた。経験則として光を反射するものはロボット掃除機全般が苦手にしている印象なので、もしかしたら素材や材質の問題なのかもしれない。

余談だが暗い場所では障害物回避のためライトが点灯する。夜な夜な動かす際にはびっくりしないよう、ご注意だ。

見落としがちだけど地味に大事なルート取り

続いてルート取りに関してだが、基本的には「掃除の強度」という表現で3種類用意されている。

「Eufy X10 Pro Omni」メニュー画面

詳細は下記画像を確認して欲しいが、筆者の環境では標準としっかりの差があまりなかったように思う。部屋の形状の問題か、試行回数の問題かわからないが、用途に沿って選んでもらえれば問題ないだろう。

また動きとして良いと思った点が、部屋の順番だ。通常の吸引掃除はステーションから近い順に行うのだが、吸引掃除→水拭き掃除という順で掃除を行う時のみ、水拭きは逆に遠い順から行うのだ。おそらく一度水拭きしたところを再度通過して汚さないように、という配慮かと思うが、素直に嬉しい点と言える。

一応だが、この後紹介する吸引力なども含め、個別に設定するのが面倒だ!という人用にスマートモードも用意されている。ただ、筆者的には個別に設定することをおすすめする。理由は筆者的おすすめ設定のところで説明しよう。

本当に髪の毛が絡まない、8000Paのゴミ吸引掃除

ロボット掃除機の代名詞とも言える、ゴミ吸引掃除に関して。大きな特徴としてはX8 Proで登場した毛がらみ除去システムにより髪の毛の絡みにくいことだが、「Eufy X10 Pro Omni」ではさらに吸引力も8000Paに向上している。

吸引力のモードとしては静音〜最大の4段階用意されており、最大で使用しても体感としては意外と静か

「Eufy X10 Pro Omni」メニュー画面

またロボット掃除機でよく話題に挙がる点として、壁際をどこまで攻めるかという話があるが、こちらは直接見てもらおう。

壁際の様子
柱などの障害物での様子

筆者的にはある程度満足いく形ではあるのだが、強いて言うなら壁際の攻めが若干甘い程度だろうか…?動画の通り「寄りすぎてしまってちょっと止まる」という動きも発生しているので、長い目で見たら大きな問題ではないように思う。

また、これも強いて言うならの話だが「Eufy X10 Pro Omni」はサイドブラシが片方のみということもあり、動きは全て右回りに限定される。そのため柱などに当たった時、たまに遠回りとも思える周り方をする場合がある。

髪の毛が絡まない、X8 Proから継承した毛がらみ除去システム

さて筆者一押し機能である、髪の毛の絡みに関して。 あらためてにはなるが「Eufy X10 Pro Omni」はAnker独自の毛がらみ除去システムを搭載しており、仕組みとしては前述の通り、回転ブラシが逆回転し、専用のクシで絡まった毛をほぐすというもの。こればっかりは撮影できない部分なので、公式より引用した素材を紹介しよう。

Eufy公式サイト(US)より引用

初めて知ったという方に補足しておくと、何もゴミ吸引をしている道中で逆回転している訳ではなく、定期的に行われるステーションでのゴミ収集時に逆回転し、取り除いた毛も一緒に吸っている形だ。 その影響もあってか「Eufy X10 Pro Omni」では珍しく、途中でゴミ収集を行う設定が存在する。

「Eufy X10 Pro Omni」ステーションの設定
デフォルトでは、30分毎に設定されていた。

では実際に絡まった髪の毛は取れているのか?気になるところだろう。
我が家で数日使った結果をお見せしよう。

まずはBeforeとして、とあるタイミングでゴミ収集をする前に止めた状態だ。
少なくはあるが、確かに髪の毛が絡んでいるのを確認できる。

「Eufy X10 Pro Omni」絡まった髪の毛

次にAfterとして、数日経過後の回転ブラシだ。
驚くべきことに、目視できる範囲で髪の毛は絡んでいなかった
周りにホコリが付着していることからわかるように、もちろんゴミ吸引掃除はしており、特段メンテナンスはしていない状態でこれである。

「Eufy X10 Pro Omni」絡まった髪の毛もなくなる
わかりやすいように、ブラシガードを外した状態

この結果には正直驚いた。 何せ、ロボット掃除機における髪の毛の絡みというのは非常に厄介な問題で、意図せずしばらく放置してしまった場合、下記のようになってしまう。これを取り除くのがかなり面倒で、この手間が無くなるだけでも買う価値があるといって良いレベル
なお我が家の環境ではショートの筆者と、胸ぐらいの長さがあるロングの妻、2名分の髪の毛を吸ってもらっている。髪の毛問題に悩まされている方、ぜひ安心してもらえれば幸いだ。

Eufy RoboVac L35 Hybrid+にて絡まった髪の毛
我が家で使用しているロボット掃除機の様子。ある程度放置してしまうと、かなり髪の毛が絡む。

ただ使っていて確かにこの問題があったか…と思ったのが、サイドブラシの髪の毛絡みだ。
今回「Eufy X10 Pro Omni」に搭載された毛がらみ除去システムはあくまで回転ブラシのみのため、サイドブラシには遠慮なく絡む。ここだけはある程度メンテナンスが必要かと思うが、不思議と筆者の環境ではこの毛絡みもなくなっていた。もし形状変化による産物だとしたら、かなりすごいが…

「Eufy X10 Pro Omni」サイドブラシに絡まった髪の毛
残念ながらサイドブラシには髪の毛が絡んでしまう。ただ、こちらも数日後には無くなっていた。

8000Paはここで発揮!カーペットの吸引掃除

吸引掃除に関係する点として、カーペットでの性能にも触れておこう。「Eufy X10 Pro Omni」は自動でカーペットを識別するだけでなく、8000Paに向上した吸引力に加えAnker独自のBoostIQ™︎というテクノロジーを備えている。
確かに吸引掃除時、吸引力を最大にしていてもカーペット上では明確に音が大きくなり、明らかに吸引力が上がっていた。8000Paはカーペットの時に発揮される数値なのかもしれない。

実際の吸引力だが、左の画像のような少し長めの髪の毛(5cm程度)も、きちんと吸引していた。ただ奥まで入り込んだ短い毛(1-2cm)に関しては一部残っていたため、継続的な吸引掃除で取れることを祈ろう。

1kg加圧でちゃんと汚れを落とす!水拭き掃除

主の機能としては最後になる、水拭き掃除に関して。 昨今では水拭きもできる2-in-1モデルが主流だが、中にはおまけ程度の水拭きしかできない機種も多い。その点「Eufy X10 Pro Omni」は水拭きに限定したとしても、かなり上位の性能を有している。

「Eufy X10 Pro Omni」メニュー画面
本体側で設定できる大きな箇所は、水量の3段階とエッジモードの有無だ。
参考程度として気温16.9℃ 湿度40%の環境下において「水量 多」で水拭きをしたところ、20-25分後には完全に乾いていた。

押して拭き、汚れを落とす1kg加圧。もちろんモップリフトも!

X9 Proから引き継がれた水拭き掃除の性能だが、やはり最大の特徴は1kgの加圧と、毎分180回転するモップだろう。

「Eufy X10 Pro Omni」水拭き後のモップ

こちらも掃除結果を見てもらった方が早いので、テストの様子をお見せしよう。
今回用意したのは、水性ペンの落書き牛乳多めのコーヒーだ。その2種を床に残して30分ほど放置した後、水拭き(エッジモード)をさせている。

厳密には吸引と水拭き掃除をしているが、ほとんど水拭き性能と言って差し支えないはず。

結果は一目瞭然、両方とも綺麗に無くなっていた。コーヒーに関しては油分も多分に含まれていたため、たとえ綺麗になってもベタ付いたら意味がないが、乾いた後に触ってもサラサラした状態だった。
「Eufy X10 Pro Omni」の公式情報によると、テスト環境では24時間経ったコーヒーをも拭き取ると紹介されていたので、食後のキッチンやリビングを水拭きするのにも向いているだろう。

ただ1点注意いただきたいのは、フローリングの目地は綺麗にできない。今回用意したコーヒーはほとんど綺麗になっていたのだが、目地に入った分が若干残っていた。あくまでフローリングにおいては、目視によるアフターケアもするといいだろう。

また、吸引掃除側でカーペットに向いた機能があるように、水拭きに関してもカーペットに向いたモップリフトを搭載している。水拭き中にカーペットへ侵入した際、モップが自動で12mmも持ち上がる。

順番としては逆だが、モップリフトを解除する様子。筆者によるエリア設定の都合上カーペットから離れた場所で降ろしているが、機能としてはこういうことだ。

最上位モデルの証、ステーションによるモップ洗浄・モップ乾燥

次に、水拭き性能で忘れてはいけないのが、ステーション側のモップ洗浄とモップ乾燥だろう。 昨今の最上位モデルではスタンダードになりつつあるモップ洗浄・モップ乾燥だが、「Eufy X10 Pro Omni」にもきちんと搭載されている。

洗浄の所要時間は2分程度といったところで、水を放出したり吸引したりと、それなりに音がする点には注意して欲しい。ステーションのゴミ吸引がある以上そんなことはしないと思うが、間違ってもオンライン通話をする環境ではないぐらいに音がする。

とはいえ洗浄効果はしっかりしており、ご覧の通りモップは汚れらしい汚れが見当たらない状態になる。

「Eufy X10 Pro Omni」綺麗になったモップ
なお、水拭きをする場合には、拭き始める前に洗浄を行ってくれる。毎回必ず水拭きをする前後で洗浄を行うことになるので、変にゴミが付いたままにはならないだろう。

洗浄を行った後は自動で乾燥してくれるので、特段細かい操作は不要だが、もし必要な際にはアプリから操作可能。先ほどのモップ洗浄の頻度と合わせ、時間設定はアプリから可能だ。 なお先ほどと同じ気温16.9℃ 湿度40%の環境で3時間実施したが、問題なく乾いた。1点驚いたのが、その音だ。正直ちょっとした空気清浄機ぐらいの音しかせず、かなり静かな印象を受ける。

「Eufy X10 Pro Omni」ステーションの設定
モップ洗浄は1部屋毎or15-25分の1分刻みで設定でき、モップ感想は2・3・4時間の選択肢が用意されている。

なお洗浄した後の汚水だが、汚水タンクを開けるとこのように真っ白。 皮脂などの油が主だとは思うが、これほど汚れていたとは。

「Eufy X10 Pro Omni」汚水タンク

また汚水に関して1点注意事項があるのでお伝えをしよう。
実は筆者が初めて洗浄を行った際、汚水を汲み上げてくれなかったのだ。おかげで画像のようにトレーが水浸しになり、かなり途方に暮れることとなった。
おそらく汚水タンクのフタをきちんと閉まっていなかったことが原因と推測しており、どうやら汚水タンクは真空状態になって初めて正常に動作するらしい。「Eufy X10 Pro Omni」ではタンクの留め具がカチッと音がするまで固定されているか見た目ではわかりにくいため、掃除を始める際に必ずチェックをして欲しい。もしフタがきちんと閉まっていなかったとしても、洗浄は作動してしまう。
幸い「Eufy X10 Pro Omni」のトレーは簡単に脱着ができるので大事には至らなかったが、気づきにくい点なのは確かだ。

「Eufy X10 Pro Omni」トレーに溜まった汚水

水拭きに関するわかりにくい点はもう1つあり、途中でも紹介したアプリ画面についてだ。
画像の選択している箇所を見てもらいたいのだが、2箇所の白いエリアを見比べて欲しい。実は左が何もない空間(壁の中)で右が水拭きをしたエリアなのだが、まぁ区別がつきにくい。先ほども述べたように、そもそも何もない空間を表示しない過去モデルでは問題にならなかったものの、今回は表示される上に似た表現をしている。
直接的に悪影響が出る訳ではないのだが、掃除結果をチェックする際にかなりわかりにくいため、可能ならアップデートを望みたい箇所だ。

「Eufy X10 Pro Omni」地図がわかりづらい

X10 Proで初登場、壁際まで水拭き!エッジモード

何度か言葉だけ登場していたエッジモードについても紹介しよう。「Eufy X10 Pro Omni」から実装された新機能なのだが、壁際には届きにくいモップを、本体を回転させることでカバーするモードだ。

「Eufy X10 Pro Omni」エッジモード

こちらも直接見てもらった方が早いだろう。

エッジモードをONにすると、壁際や障害物付近を水拭き掃除時、定期的に立ち止まっては本体が回転させるような動きをする。そうすることで本体より少し小さいモップを端まで届かせるようになる。目視の範囲だが壁から1cm程度まで寄せているようで、X9 Proにはなかった新機能となる。

ただ体感としてエッジモードは少し壁に接触しやすい印象を受けた。
強く当たっている訳ではないのであまり気にしていないが、こつんこつんと曲がり角や入り組んだエリアではよく当てていたので、気になる方は気をつけてもらいたい。

それを踏まえ、もしかしたらこれが苦手なのかもという2つを紹介しよう。 ちょうど交わる角を撮影したのだが、衣装ケースの下部と、壁の縁(巾木)だ。通常であれば壁の判定は「Eufy X10 Pro Omni」の上部に付いたレーザーセンサーや横に付いた壁センサーで認識するのだが、絶妙にセンサーが認識できない低さなのでは?と思っている。

「Eufy X10 Pro Omni」苦手そうな段差
衣装ケースが高さ2.5cm、壁際の縁(巾木)が3.8cm程度だった。

水拭きに関して、X9 Proからの違いは?

わざわざ書くほどではないのだが、筆者的に気になっていた点としてここも紹介しておこう。 前提として「Eufy X10 Pro Omni」に搭載されている水拭き掃除に関する性能は、X9 Proから大筋引き継がれたものとなっている。本体に関してエッジモード以外に大きな差はなく、両方とも「MopMaster™」という名称なのだが、実は「Eufy X10 Pro Omni」では「MopMaster™ 2.0」と表記が変わっていた。 ただ担当者曰く明確に機能的な進化があった訳ではなく、「Eufy X10 Pro Omni」本体の水タンクが少し大きくなっており、2.0はそういった意味でのアップデートを指しているそうだ。

筆者的「Eufy X10 Pro Omni」おすすめ設定

性能や特徴、注目ポイントを紹介してきたが、ここで筆者的「Eufy X10 Pro Omni」おすすめ設定を理由もセットにお教えしよう。

  • 吸引掃除と水拭き掃除は分けて使った方がいい

「Eufy X10 Pro Omni」は吸引掃除と水拭き掃除を同時に行うモードがあるのだが、障害物の少ない空間や「すばやく」で掃除をする時を除き、同時に行うことは推奨しない。 理由としては、入り組んだ空間や、後退するような動きが必要な場合、水拭きしたところを再度吸引するなどと却って汚れる可能性があるからだ。日本の居住空間を考えるとあまり広くない場合が多く、障害物のない広々空間だという家庭はそれほど多くないだろう。(もちろん、同時に行う際にはエッジモードもやめた方がいい) そのため、時間が許すのであれば基本的には分けて使用することをおすすめする。その場合は掃除パターンからタスクを順番に決められるので、まずは吸引のみ、次に水拭きのみと設定すればOKだ。

「Eufy X10 Pro Omni」掃除パターン
  • 禁止エリアはちゃんと設定した方がいい

次は禁止エリアに関してだ。「Eufy X10 Pro Omni」はセンサーが発達したことや障害物回避、カーペットセンサーを搭載していることで、基本的には無設定でも十分に使用できる。が、時として困ったことに陥る。それが、下記の画像のようなパターンだ。

「Eufy X10 Pro Omni」

少しわかりにくいが手前はカーペットが引かれており、「Eufy X10 Pro Omni」の後方がフローリングになっている。本機は前方にカーペットセンサーが付いている都合上、こういった場合にもフローリングを水拭きできると判定する。ただ実際水拭きしようとすると、モップがあるのはカーペット上のため、おかしなことになる。頑張って水拭きしようと微調整してくれるのだが、見ていてかなり不安になるし、壁にも当たりやすいので基本的には推奨しない。

また、同様のことは先ほどの吸引掃除と水拭き掃除を同時に行うモードにも言える。こちらのモードだとモップリフトがあるおかげでカーペットも気にせず侵入していくのだが、境界線付近で曲がったりする際に、割と濡らしてしまうケースがある。
もちろん濡れてOKなのであれば気にしなくていい話だが、可能ならばアプリ上で禁止エリアとして設定することを推奨する。

「Eufy X10 Pro Omni」侵入禁止エリア
単純な赤色が侵入禁止エリア、赤の斜線が水拭き禁止エリアだ。

コレを買えば間違いない、コスパの良いEufy X10 Pro Omni

改めて総論を書くが、 Eufy X10 Pro Omni」は「ロボット掃除機で迷っているならコレを買えば間違いのない、コスパの良い製品」。ただし、すごい賢い訳ではないので家の環境に合わせて設定することを推奨。
というのが筆者のレビュー結果だ。

全体的な性能は最上位モデルとあって申し分ないのだが、一部環境に合わせ設定した方が幸せになれる。といった具合なのだが、最後に改めて値段をお伝えしよう。

本製品は競合他社の最上位モデルにも劣らない性能をしていながら、半額以下のたった99,990円(税込)なのだ。性能は劣らないと書いたが、吸引力8000Paは国内最高クラスであり、回転モップの1kg加圧ももちろん最高クラス。どうやったらこんな値段で出せるんだと驚きを隠せない、脅威の10万以下なのだ。
そのため、筆者はコスト面を含め「とりあえずコレを買っておけば間違いない」と評している。 ただここで終わらないのがアンカー・ジャパン。もはやお馴染みのパターンだが、初回300台限定で、さらに25%お得になるのだ。各サイトによって方式は異なるが、実はすでに始まっている。この記事を読んで気になっている方、今すぐリンクから確認してもらえれば幸いだ。

初回300台限定 74,992円 (税込)
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Anker

Eufy

Eufy X10 Pro Omni

製品仕様

サイズ
ロボット掃除機本体:約35.3 × 32.7 × 11.4cm
ステーション:約36.6 × 46.0 × 48.0cm

重さ
ロボット掃除機本体:約4.6kg
ステーション:約7.5kg

製品詳細

製品名Eufy X10 Pro Omni
発売日:2024年2月28日(水)
参考価格:99,990円(税込)

製品ページ:https://www.ankerjapan.com/pages/eufy-x10-pro
      https://www.ankerjapan.com/products/t2351

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