先日行われたiPhone 15シリーズ発表の熱も冷めぬ中、本日Appleより新型Macについても最新情報が飛び込んできた。もうお気づきの方も多いだろう、新しいApple シリコン「M3」シリーズを搭載した「MacBook Pro」および「iMac」の発表だ。
M3およびM3 Proを搭載した一部のモデルは本日から注文でき、2023年11月7日発売予定。M3 搭載の14インチMacBook Proは248,800円から、iMacは198,800円からだ。またM3 Maxを搭載したMacBook Proは11月末頃発売予定で538,800円からとなる。
プロセスレール3nmを実現し、省電力化と高性能化が図られた「M3」シリーズ
今回行われた発表のキモは「M3」シリーズ、コレに尽きるだろう。PC向けSoC(System on a Chip)としては初めて3nmのプロセスレールが採用され、消費電力の大幅な低下と高性能化が特徴だ。
軽くプロセスレールの話に触れておくと、ざっくり言ってしまえば回路設計の細かさを示しており、ココが細かくなればなるほど消費電力量は下がり、性能は上がっていく。これまで最小が4nmだったことを考えると、現状で最も微細かつ緻密な設計と言えるだろう。
加えて「M3」シリーズではCPU、GPUともにM2世代からコア数が強化されていることもあり、CPUのパフォーマンス コア性能がM1シリーズ比で30%、M2シリーズ比で15%向上。またGPUのレンダリング性能はM1シリーズ比で2.5倍、M2シリーズ比で1.8倍と大きく向上している。
またレンダリング性能の方が上がり幅が大きい事にも注目したい。この要因として考えられるのは「Dynamic Cashing」と呼ばれる新たに採用された技術の存在だ。
これは従来のGPU処理では、最も負荷が高いタスクをベースに均等に割り振っていたメモリを、タスクごとの負荷に合わせて動的に振り分けるというもので、より効率的にメモリが活用できるようになる仕組みである。もともとAppleの作るOSや製品はメモリ管理が非常に上手いので、この「Dynamic Cashing」もキチンと動作し、GPUのレンダリング性能に影響を与えているものと思われる。
さらに消費電力の低下も大きなポイントで、CPU・GPUともにM1の最高パフォーマンスと同等の性能を発揮した際の電力量は約半分に抑えられている。言い換えれば、同じ作業をした際のバッテリー消費が約半分で済むという事であり、バッテリーの持続時間に直接的に影響してくるだろう。
その他「M3」シリーズになっての変更点やポイントは下記の画像を参考にして欲しい。
「M3」シリーズを搭載したMacBook Proは248,800円から
上記の「M3」シリーズを搭載したMacBook Proも同時に発表された。
大きな変更点としては、ストレージ最大8TBへの対応とメモリ128GBへの対応と、バッテリーの最長持続時間が22時間になったこと。そして新色スペースブラックの登場だ。
日本国内向けの価格は、14インチモデルが248,800円から、16インチモデルが398,800円からとなっている。
「M3」シリーズを搭載したiMacも登場。こちらは198,800円から
併せてiMacについても「M3」シリーズを搭載してリニューアルが行われた。以前のモデルチェンジで大幅に薄型化しカラフルになったこともあって、自宅に設置しやすいデスクトップPCの代表格といえる。価格も198,800円からと、MacBook Proに比べて5万円ほど安く購入できるのもポイントだ。
最新の「M3」シリーズ搭載Macでより効率的なタスク消化を
というわけで以上が今回発表された「M3」シリーズ、およびそれらを搭載したMacBook Pro / iMacの概要となる。筆者個人の感想としては、SoCの性能向上に伴う順当進化といった趣だったように思う。
M2の世代と比べプロセスレールが変更されたため大きく性能が向上しており、より高負荷な作業を行っている方や、intel世代・M1世代のMacを使用している方であれば買い替え時と言える。逆にM2シリーズを購入したばかりだという方やMacBook Airをメインにしている方であれば、もう少し待っても良いかもしれない。
とはいえ現状最も電力効率が高いSoCと言っても過言ではない「M3」シリーズ。低電力化と性能向上を果たしたM3 Macで、我々人類も効率的にタスク消化に励むとしよう。