TikTokやYouTubeショートをはじめ、縦型動画の市場は年々賑わいを見せている。
やはりスマートフォンで見やすいこと、スマートフォンで撮影した動画がそのまま投稿できるのが大きな要因だとは思うが、仕事として撮影する場合、やはりミラーレスカメラや一眼レフカメラで撮影をするケースも多くあるだろう。
カメラを用いて縦型動画を撮影をするとなると三脚を使用するケースも多いと思うが、基本的な雲台・ケージだと、どうしてもカメラを横からつけるような形になる。（少々伝わりづらいと思うので、写真も出しておこう）
よく見かける形式ではあるものの、レンズが大きかったりカメラ自体が重い場合、重心が横にズレるため、かなり不安定になるのがこの形式の欠点だ。（余談だが、カメラの垂直方向に設置するためのLブラケットという製品があるぐらいには深刻な問題だったりする）
また、仕事で撮影をする場合、時間の兼ね合いなどで「横型撮影→縦型撮影→横型撮影→・・・」といった具合に頻繁に入れ替えるケースも多々ある。レイアウト・シチュエーションをいちいち変えるより、カメラ側を変えた方がトータルで時間圧縮になる場合が多いため、ある程度しょうがない問題かなと筆者も思う。とはいえ、それでもカメラの位置を変えたくない現場や、できるだけ動かしたくないシチュエーションというのも多々あるだろう。
そんな問題を解決する製品が、株式会社ケンコー・トキナーが発売しているレンズアングルアダプター「ATOLL」シリーズだ。2023年9月15日より新たにバッテリーグリップ付きカメラや中判に対応した「ATOLL X Black」を発売する。価格はオープンだが、ケンコー・トキナーオンラインショップでは23,980円（税込）とのこと。
重心がぶれず、クイックに角度が調整可能
本製品の最大のメリットは、先ほど挙げた二点の問題を簡単に解決できる点だ。
まず、一般的な雲台にそのまま装着できるため、わざわざ90度横に倒す必要がなく、三脚の重心が中央のまま撮影が可能。さらに、レンズを中心とした回転軸を持つため、常にレンズがセンターを向き続ける。
重心の不安も解決しつつ、常にセンターを向き続けるため「レンズ越しに覗いてみたらちょっと位置が違った」なんて心配もかなり減らせるだろう。
また、Lブラケットではなかなか難しい、横→縦の切り替えもクイックに行うことができる。やろうと思えば斜めといった自由な角度に調整可能。
これ一つで撮影準備・切り替えにかかる時間をかなり圧縮できるため、よりクリエイティブに時間を割けるだけでなく、短時間で済ませることでタレントやクライアントの笑顔も掴むきっかけになるだろう。
従来品では難しかった、バッテリーグリップ付きカメラや中判カメラにも対応
そんな「ATOLL」シリーズだが、レンズに干渉しない固定方法ということもあり、メリットと共に対応カメラが限られるというデメリットがあった。今回登場した「ATOLL X Black」は内径90mmのもので、Nikon Z 9やCanon R3といった正方形型のカメラにも対応。より選択肢が広がった形となる。
前提でお話しした通り、そもそもがプロユースの方が需要の多い本製品において、ケージを追加し大きくなったカメラやバッテリーグリップを装着したままでも使えるという点は喉から手が出るほど待ち望んでいた人も多いのではないだろうか。
需要が増した縦型動画には、クイックにアングルを変えられるアングルアダプターを
説明から省いたものの、実はそのままレンズ交換ができたり、360度回転可能を生かした180度逆さのアングルなどなど、その他にも魅力がたくさん詰まっている本製品。
昨今における縦型動画の需要を加味して、仕事でカメラを握るという人は一つの選択肢としていかがだろうか。
※記事内画像は公式サイトおよびリリースより引用
製品仕様
内径：90mm
サイズ：104×109×125mm
重さ：170g
カメラプレート：Two Way Plate
対応機種：フジ GFX100S、Haselblad X2D、ニコンZ 9、キヤノンR3 他
製品ページ：https://www.kenko-tokina.co.jp/lp/atoll/
https://www.kenko-tokina.co.jp/imaging/eq/eq-digital/other_accessory/atoll/ring_x.html
ニュースリリース：https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001277.000008859.html