暦の上では立春を迎え、徐々に暖かくなる…かと思いきや寒い日が続く今日この頃。そんな冷え冷えとした中でも、アツい気持ちにさせてくれる製品が登場した。それが今回紹介するWindowsノートPC「ASUS Zenbook SORA」だ。
何でこんなに筆者がこんなにハイテンションかというと、Zenbook SORAはSnapdragonを搭載したノートPCの中でも普及モデルに当たる位置づけ。ついにASUSが本腰を入れて、一般ユーザー向けにWindows on ArmなノートPCを仕掛けてきたのである。Zenbook SORAは2025年2月5日より販売中で、メーカー希望小売価格は179,800円(税込)から。
製品概要

ASUS
Zenbook
ASUS Zenbook SORA
UX3407QA-PU16548BE

製品名:ASUS Zenbook SORA
発売日:2025年2月5日
カラー:ザブリスキーベージュ / アイスランドグレー
メーカー希望小売価格:179,800円(税込)から
製品ページ:https://www.asus.com/jp/content/zenbooksora/
軽い、薄い、バッテリー長持ちなノートPC「ASUS Zenbook SORA」
皆さんがノートPCを選ぶ際に求めるものはなんだろうか。もちろん生活パターンや、仕事やゲーム、クリエイティブなど用途によっても変わるとは思うが、多くの場合「持ち運びのしやすさ」なのは変わらないはずだ。近年では設置スペースなどサイズ感からノートPCを選ぶ方も多いかもしれないが、ノートPCを選ぶ理由の本質は携帯性にあると言っていい。
そして「ASUS Zenbook SORA」最大の特徴もまた、その持ち運びのしやすさである。 最軽量モデルは約899g、最薄部は約1.34cm、バッテリー駆動時間は約23時間と圧倒的に「軽い」「薄い」「バッテリー長持ち」なノートPCに仕上がっているのだ。



この特徴は、以前別の製品をレビューした際にも記載した”筆者の考える最適なノートPC”の条件にも見事にマッチしており、特にノートPCを長時間持ち運ぶことの多い学生や外回りの多い業務に就いている方に強くオススメしたい。
と言ってもそれもそのはずで、ASUSは今回Zenbook SORAを投入するにあたって、日本国内でノートPCの使用実態について独自調査を実施。東京都近郊の通勤通学にかかる平均時間や他社のPC等を分析し、仕様決定を行ったという。学生や社会人向けにちょうどいいスペックになるのも、ある種当然というものだ。


一方で、気になるのはどうやってこの特徴を成立させているかである。上の写真でも触れている通り、それぞれの特長は相反する部分もあり、これまでのノートPCでは実現が難しい。薄さと軽さを優先すればバッテリー駆動時間が短くなり、逆にバッテリー駆動時間を優先すれば薄さと軽さが犠牲になる。…ならどうしたのか。その秘密は次の項で解説しよう。
長時間バッテリーと高性能の両立。秘密はSnapdragonの採用
ここまで読んだ中で、ある程度PCに詳しい方だと「ははーん、性能微妙で持ち歩き特化のヤツね」と考えた方もいるかもしれない。この感覚は、これまでは薄さ・軽さ・バッテリー駆動時間という3要素を成立させるために、PC(CPU)の性能を落として使用電力を下げる方法が取られていたことに由来するもので、現在においてもIntel製やAMD製のCPUを積んだノートPCにおいては概ね正しい。特に現在は軽くて薄いPCが当たり前になったことで、「バッテリー持ちが良いモデルは性能が低く、性能がそこそこ高いモデルはバッテリーが持たない」という2極化に陥っていたためだろう。
が、時代は令和。これまでと違うのはSnapdragonの台頭だ。

念のため、これまでPC界隈であまり聞く事のなかった「Snapdragon」というワードについて解説を挟んでおくと、Snapdragonとはアメリカの半導体メーカー「Qualcomm」が製造するSoC(CPU)のいちブランドで、最大の特徴は電力効率の良さ。特にAndroidスマートフォン、中でもハイエンド機種に採用されることの多い製品と言えば分かりやすいだろうか。SNSやブラウザ、果ては3D CGを駆使したゲームに至るまで動作する性能を持ちながら、丸1日動作が可能で手のひらサイズに収まるデバイスを実現できるのがSnapdragonなのである。
Zenbook SORAには、そんなSnapdragonのWindows向けCPU「 Snapdragon® X X1-26-100 」または「Snapdragon® X Elite X1E-78-100」が採用。これにより長時間バッテリーと高性能の両立が実現したのだ。


対応ソフトも充実したSnapdragon搭載WindowsノートPC
さてそんな良いことづくめなSnapdragon、これまで採用されてなかったかと言えばそんなことは無い。
実のところSnapdragonを搭載したWindowsノートPC自体は以前から存在しており、2017年頃から海外では販売されていた。しかしCPU自体の仕組みが異なることからWindows on Armという別バージョンのWindowsが動いており、その結果対応ソフトが少なく、有体に言ってしまえばあまり流行らなかったのだ。
ただし現在においては、その辺りも改善しつつあるようで、発表会の場では対応ソフトの充実度についても触れられていた。

写真を見ていただくと分かるとおり、WordやPowerPointといったOfficeソフトから、Lightroom・PhotoShopをはじめとするAdobeソフト、マカフィーやNortonといったウィルス対策ソフトまで、およそ一般的なソフトはかなり網羅されているように見える。他にもクリエイティブ系であればDaVinci ResolveやUnity・blender、エンジニア向けであればVisual Studio Code・GitHub・dockerなども動くようで、一般ユーザーであっても”使える”Windows PCになったと言って良さそうだ。
性能・バッテリー駆動時間・ディスプレイで選ぶ2つのモデルライン
先ほどチラリと触れた通り、Zenbook SORAには「 Snapdragon® X X1-26-100 」を搭載したモデル(UX3407RA)と「Snapdragon® X Elite X1E-78-100」を搭載したモデル(UX3407QA)という、大きく分けて2つのモデルラインが存在している。
販売される際はその中からストレージ量やカラーリング、付属ソフトで更にいくつかに分岐する形だ。

主な違いはCPUのほかにバッテリー駆動時間とディスプレイ、そして重量が異なっており、上位モデルに当たる「Snapdragon® X Elite X1E-78-100」搭載モデル(UX3407QA)の方がより高性能。CPUの性能差は詳しく判明していないものの、駆動時間は約26時間から約29時間へと延び、ディスプレイも液晶パネルから有機ELへと変化するため、より性能やバッテリー持ちを重視するならUX3407QAのラインで選ぶと良いはず。若干重くなるものの、約899gから約980gと80g程度の変化なので、正直誤差レベルと考えて問題ないだろう。


またカラーは「ザブリスキーベージュ」と「アイスランドグレー」の2色展開。何れもシックで落ち着いた色合いとなっており、男女や年齢層問わず万人受けする見た目に仕上がっている。加えて筐体にはASUS独自のセラルミナムという素材が用いられており、耐摩耗性や耐衝撃性が有るほか指紋が付きにくくお手入れも簡単とのこと。服装や空間に馴染むデザインかつ、安心して持ち運べる製品に仕上がっているようだ。



打倒MacBook Airなるか!?「ASUS Zenbook SORA」 が切り拓くWindowsノートPCの未来
軽くて薄くてバッテリー持ちがよく、それでいて性能も高いオシャレなPC。こうして聞くと、どうしても考えてしまうのはMacBook Airの存在だ。Intel製CPUをやめ、独自のAppleシリコン(Mシリーズ)を採用したことで上記の特徴を獲得したMacBook Airの存在感は大きく、ここ数年Windows勢はしばらく水を開けられていた印象が有る。
しかし、日本向けのチューンアップを施した魅力的なスペックとデザインを兼ね備え、対応ソフトもあらかた出そろった今、「ASUS Zenbook SORA」が日本のノートPC市場を席巻する展開は十分にあり得る。
Windows on Armが流行り、軽くて薄くてバッテリー持ちがいいWindowsマシンがスタンダードになる未来を願っていた筆者としては、8年前に初めてSnapdragon搭載ノートPCが出た当初から待ち望んでいた展開なのだ。(この辺りが記事冒頭のテンションに繋がってくる。)
だからこそZenbook SORAには是非とも打倒MacBook Airを果たし、WindowsノートPCの未来を切り拓く最初の1台になってもらいたい。期待しているぞSORA。

ギャラリー


















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ASUS Zenbook SORA
UX3407QA-PU16548BE

出典:プレスリリース
記事内画像は製品発表会にて撮影