独自のAI機能携えて新モデル「dynabook XP9/X94」が登場。Core Ultraシリーズ2搭載で、バッテリー交換も可能

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昨年発表され、徐々にその数を増やしているWindows ノートPCの新たなコンセプト「Copilot+ PC」。次世代CPUを搭載することにより、Windowsの持つ様々なAI機能が使えることが大きな特徴だ。また昨年末には「インテル® Core™ Ultraプロセッサー(シリーズ2) (以下、Core Ultraシリーズ2)」が登場したことにより、今後もさらに数を増やしてくことだろう。

そして今回紹介するのは、そんなCore Ultraシリーズ2を搭載したdynabookの新モデル「dynabook XP9/X94」。独自のAI機能を搭載しているほか、近年では珍しいバッテリー交換に対応したノートPCとなっている。本記事では発表会の様子を交えつつ、本製品の持つ特徴やAI機能について紹介していこう。

個人向けモデル「dynabook XP9」は2025年4月中旬ごろ発売で、店頭予想価格は29万円台前半(税込)を予定。法人向けモデル「dynabook X94」については2025年1月23日から受注を開始予定で、価格はオープンだ。

製品概要

dynabook

XPシリーズ

dynabook XP9


製品名:dynabook XP9
店頭予想価格:29万円台前半(税込)
発売日:2025年4月中旬
製品ページ:https://dynabook.com/personal/mobile-notebook/xp-series/index.html

製品名:dynabook X94
価格: オープン
受注開始日:2025年1月23日
製品ページ:https://dynabook.com/business-mobile-notebook-x-series/x94ny-jan-2025-14-0-inch.html

目次

「dynabook XP9/X94」の基本構成はスタンダードなノートPC

前述の通り、独自のAI機能やバッテリー交換対応が大きな持ち味である「dynabook XP9/X94」だが、その基本構成はかなりスタンダードなノートPCとなっている。

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本製品はフルHD+(1920×1200 px)の液晶パネルを採用した14型クラスのノートPCで、本体サイズは約312.4 × 222.5 × 18.7~18.9(W x D x H)mmといわゆる”A4ノート”と言えるだろう。加えてメモリ・ストレージ等の構成により多少変動はあるものの、重量も1kg未満と軽めな印象。学生やビジネス向けとして使いやすい大きさ・重量感に仕上がっている。

またノートPC本体の充電に対応した2基のThunderbolt™ 4を備え、無線規格もWi-Fi 7およびBluetooth Ver5.4に対応。スタンダードなノートPC然とした印象の「dynabook XP9/X94」だが、細部はしっかりと最新モデルだ。

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Core Ultraシリーズ2搭載に合わせ、アップデートされた内部設計

ポートや無線規格からわかるように内部設計はかなり力が入っており、中でもCore Ultraシリーズ2搭載に合わせた冷却まわりは注目して欲しいポイント

一般的にCPUやメモリ・ストレージのコントローラーといった電子部品は熱に弱く、そのため一定温度を上回らないように高温時に自動で性能や処理速度を落とすサーマルスロットリングという安全装置が備わっている。故障を防ぐため必要な機能である一方、性能低下を起こす一因にもなるので、如何にして「温度を上げず、高い性能を維持し続けるか」は冷却設計における非常に重要な課題なのだ。

「dynabook XP9/X94」では特にエアフローを重視しているようで、吸排気の流れはもちろんのこと、底面のラバーフッドの配置まで考慮して設計されている。これにより、発表会中の資料では1時間もの間高負荷をかけ続けたとしても、低い温度を保ち高性能を維持できることが示されていた。

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軽量ボディでは珍しい、バッテリー交換に対応

近年ではノートPCの薄型化や軽量化を実現するため、バッテリーが取り外せないようになっている製品がほとんどで、長期間の使用でバッテリーの劣化に悩まされた方も多く居るかと思う。

その点「dynabook XP9/X94」は1kg弱の軽量ボディながら、前述の通りバッテリー交換に対応しており安心だ。これは先ほどの内部設計にも関わる部分だが、dynabookの高密度実装技術によりマザーボードをはじめとした主要基板類は底面積のほぼ半分に抑えられており、残りの半分をバッテリーパックに充てることで実現しているのだろう。

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画像内、スライドの右下部分。基板類はほぼ緑のエリアに収まっており下半分はバッテリースペースといった作り。

バッテリー寿命=製品寿命にならない充電済みのサブバッテリーを用意すればダウンタイム無しで即使えるといったメリットがあるのはもちろん、後述するローカルAI処理の活用という面でも役立ちそうな機構だ。またバッテリーはオプション品として追加購入することも可能で、7-8年程度は供給可能な見込みとのこと。筆者の様に持ち歩きが多く、ある程度長期間使用することが前提のユーザーからすれば嬉しい仕様なのは間違いない。

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エッジAI処理でセキュアな運用が可能なdynabookオリジナルAI機能

「dynabook XP9/X94」はCore Ultraシリーズ2を搭載した「Copilot+ PC」なので、当然Windowsに搭載されたAI処理に対応している。しかし前述の通り、そこに加えて搭載されたdynabookオリジナルのAI機能が他とは違う本製品の大きな持ち味だ。

今回の発表会で紹介されたのは「dynabook AI アシスタント」「AIパワーオプティマイズ」「AIプライバシーアシスト」「AIハンドコントロール」という4つの機能で、いずれもエッジAI処理、つまりノートPC内部のローカルな場所で動作する。ローカル環境で動作するということは、データがオンライン上に出て行かないためセキュリティ的にも安心。この辺りの配慮は法人向けPCに強いdynabookならではだろう。

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ローカル生成AIチャットボット「dynabook AI アシスタント」

この機能は、対話形式で動作するいわゆるなAIチャット機能だ。chatGPTなどをはじめとした既存サービスと異なる点として、ローカル動作であることに加え操作が簡単という点が大きいだろう。

利用する機会の多い翻訳や要約といった機能が標準で用意されており、複雑なプロンプトなしで使用できる。加えて要約→翻訳といった操作も可能だ。もちろん一般的なチャットによるコミュニケーションや、AIにペルソナを設定してアイディアの壁打ちが可能な「アンサンブルチャット」、dynabook PCとwindowsの操作方法を質問できる「PCヘルプチャットルーム」なども用意されている。

特に仕事で活用する場合、翻訳や要約は機密文章などの事も多く、これまでオンラインサービスは使いにくいという側面もあった。そうしたシーンでもローカル動作なら心置きなく使用できるに違いない。

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オンラインミーティング中のバッテリー不安を解消する「AIパワーオプティマイズ」

コロナ禍で急速に普及したオンラインミーティングや、リモート授業。そんな時問題になるのがバッテリー持続時間だ。実際ミーティングなどが重なり、長時間TeamsやZoomを使用してバッテリーが切れかけた経験をした方は非常に多いことだろう。そこを解決してくれるのが「AIパワーオプティマイズ」というワケだ。

dynabookの検証では、8時間連続でオンラインミーティングをした場合でもバッテリー切れを起こさなかったようで、「dynabook XP9/X94」なら心配無用と言い切ってしまっても問題なさそうだ。

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PCの覗き込みはコレで防ぐ「AIプライバシーアシスト」

また筆者の様に取材や打ち合わせなどで外に出る方は、必要に迫られて出先でPCを開く機会も多いかと思う。とはいえ仕事に関係する画面を開いているため、背後からの視線は非常に気になるところだ。画面を盗み見られてパスワードや機密情報を盗まれては、目も当てられない。(ちなみにこれはショルダーハッキングと呼ばれ、れっきとした攻撃手法の一つとして存在する。)

ここにもdynabookらしい対策が盛り込まれており、それが「AIプライバシーアシスト」だ。

動作としてはノートPCに備えたカメラがユーザーの背後を監視、そして覗き込みを検知した際には画面アラートを出してくれるというモノ。この画面アラートが出た際には、アラートバーもしくはショートカットコマンドを使用することで即座に表示画面をブロックすることができる。持ち出しの多い筆者としては、かなり気になる機能だ。

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ハンドサインで再生・停止を操作する「AIハンドコントロール」

AIプライバシーアシストと同じく、カメラと画像認識を組み合わせて実現した機能がもう一つある。「AIハンドコントロール」と呼ばれるこの機能は、読んで字のごとくハンドサインでPCをコントロールできる仕組みだ。

細かく言うと、手で触れずとも動画の再生・停止・早送り・巻き戻しといった操作が可能になるという機能で、具体的な利用シーンとしては、例えば料理中やポテトチップスなどの軽食を食べている際に汚れた手でPCに触れる必要が無くなる。娯楽や手順を確認する際に動画コンテンツを見る機会が増えている昨今なら、便利だと感じる方も多いのではないだろうか。

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AIをよりパーソナルなものにする「dynabook XP9/X94」

そして発表会の終わりに語られたのは、dynabookにおける今後の展望。AIをよりパーソナル、つまり個々人に合った形にしていくことだそうだ。

確かに、AI PCというワードが盛り上がりを見せている今日において、AI PCという言葉はマーケティングワードの側面が強く、ソレが自身の生活にどのようなメリットを提供してくれるかはボヤけた印象が有る。そこをPC「パーソナルコンピューターとしてどうあるべきか」を軸として製品に落とし込んだのが、今回の「dynabook XP9/X94」なのだろう。独自のAI機能などはその分かりやすい例示で、ユーザーはある種意識する事無くAIの恩恵にあずかれる。

dynabookが提示した「AIとの付き合い方」、これこそがAI PCに求められているものではないだろうか。

ギャラリー

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XPシリーズ

dynabook XP9


出典:プレスリリース
記事内画像は製品発表会にて撮影

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