皆さんはUSBケーブルを使いこなしているだろうか。充電やデータ転送、最近では映像出力に至るまでUSB Type-Cのケーブル1本で何とかなる時代である。とはいえ1本でなんでもできると言えば聞こえが良いものの、実際の所は”全部似たような見た目になった”というのが正しい。今やデバイスに合わせて最適なケーブルを選ぶのが難しい世の中になっているのだ。
というワケで今回は「最適なケーブルなんて考えたくない!」という方に向けてオススメしたいとりあえずコレでOKなケーブルを紹介したい。それが本日ELECOMから発表された「USB4 Ver2.0」対応のUSB Type-C ケーブルだ。発売時期は2024年12月中旬を予定。
製品概要
Elecom
「USB4 Ver2.0」80Gbps対応のUSB Type-C(USB-C)ケーブル
60Wモデル/240Wモデル
製品名:「USB4 Ver2.0」80Gbps(60W)対応のUSB Type-C(USB-C)ケーブル
発売時期:2024年12中旬頃
スマホがメインなら60W、何でも使えるケーブルを目指すなら240Wがオススメ
記事冒頭で記載したように、今USB Type-Cケーブルの中身は大変なことになっている。今回の製品をキチンと解説するなら、まずはその話から始めるべきとは思うが、本記事は「何も考えなくてもいいケーブル」についてを主題にしているため、直接製品の紹介を始めてしまおう。
ちなみに今回ELECOMから発表された「USB4 Ver2.0」対応のUSB Type-C ケーブルには、大きく分けて60Wモデルと240Wモデルがある。自分にとってどちらがベストなのかは、下記を参考にしてもらいたい。
また先に記載しておくと、どちらのモデルもDisplayPort Alt Modeに対応し最大8K/60Hzでの映像出力が可能であり、最大80Gbpsの転送速度を持っているため、映像やデータの転送速度も現状最高クラスの製品だ。
スマートフォンやビジネス向けPCがメインであれば60Wモデル。
2024年現在、スマートフォンがメインでたまにビジネス向けのノートPCを使っているという方であればコチラを選ぶのが良いだろう。
現状スマートフォンや外部GPUを搭載していないビジネス向けモデルにおいて、60W以上の充電能力が求められるシーンはほぼ無い。一部のスマートフォンではそれ以上の充電能力を求められることがあるものの、そうした機種は同じメーカーが発売する専用の充電器を使うことが前提となっているため、安全のためにも専用品以外を使うのは避けた方が良いだろう。
そのため汎用的なケーブルという意味では、このケーブルを1本持っておけば良いということになる。
真になんでもOKなケーブルを目指すなら240Wモデルを選ぼう
「未来のことは分からない!とりあえず何にでも使えるケーブルが良い」という事であれば、迷わず240Wモデルを選んだ方が良い。
こちらは規格上の上限値である240Wまでの対応となっているので、現在USBケーブルを使用して充電できるデバイスは全て対応可能なほど高い送電能力を持っている。ただし念のため記載しておくと送電能力が足りている=デバイス壊れないという保証ではない。先にも記載したように、デバイス側が専用品を指定している場合は、大人しくそちらを使った方が安全だ。
それでもMacBook Proの上位モデルや、今後登場するであろうUSB Type-Cケーブルを使用した充電が可能なゲーミング・クリエイター向けPCといった、大きな電力を必要とするデバイスにも耐えられる性能を持っていることは間違いない。映像やデータの伝送能力を含めて、スマートフォンやイヤホン、SSDにeGPU、PC本体など真に「何にでも使えるケーブル」と言えるだろう。
USB Type-Cケーブルの選び方
ここから先は余談だが、最後にUSB Type-Cケーブルの選び方について簡単にまとめておきたい。まず大変なことになっているその中身について、見てみよう。
※この記事は2024年10月に書かれたものです。
USB Type-Cケーブルでは大きく分けて3つのモノを伝送できる
現在、USB Type-Cケーブルはデータと電力を流すことメインだった時代から進化し、3つものモノが伝送できるようになっている。
①これまで通りデータ(ただし転送速度が大きく上昇)
②これまで通り電力(ただし送電能力が大きく向上)
③映像信号(モニター用のケーブルとしても使えるようになった)
そのため選ぶ際はこの①~③のどれを重視するかをベースに選ぶと最適なケーブルを見つけやすい。
外付けSSD・HDDなどに使うならデータの転送速度を優先して選ぼう
多くの場合、外付けSSD・HDDには転送速度が記載されている。その速度は製品によってさまざまだが、筆者の体感ではSSDであれば10 Gpbs以上、HDDであれば5 Gbps以上のモノが多い印象だ。SSDやHDDレベルであれば電力自体はそこまで多く必要とせず、映像はもちろん不要。大型の外付けHDDなど多くの電力を必要とする場合は大抵別で電源ケーブルを備えているため、Type-Cケーブルそのものは速度だけを気にして選べばOKだ。
10 Gbps以上のケーブルはUSB 3.1 Gen2 or USB 3.2 Gen2と書いてあるもの、もしくはUSB 4を選ぼう。5 GbpsであればUSB 3と書いてあるもので問題ない。
充電用ならデバイスのジャンルに合わせ、電力優先で選ぼう
充電用と割り切ってしまうのであれば、①・③の要素は不要。後は充電したいデバイスのジャンルを見て決めればいい。
例えば、イヤホンやスマートウォッチのような小型デバイスであれば 10W程度、スマートフォンやタブレットなどであれば30W程度、ビジネス向けのノートPCであれば60W程度の送電能力があるケーブルを選んでおけば大きく外れることは無い。(もちろん例外も存在するが…)
ちなみにMacBook Proの下位モデルや一部のエントリー向けゲーミングノートPCであれば100W、MacBook Proの上位モデルは140W程度必要で、240Wをフルに使う製品の登場はもう少し先になるだろう。
①~③すべてが必要な場合もある(モニター・VR機器など)
当然映像信号が必要になるのは、映像が求めらる機器とつなぐ際だ。しかしここで重要なのが多くの場合、映像が求められるシーンは同時にデータ転送と電力も必要とされる点である。近年のモニターは、ノートPC等とつないだ際は同時にUSBハブ機能と充電を提供してくれる製品が増えており、逆にVR機器などでは動作のための電力をType-C経由で必要としていることも多い。そんな時には①から③のすべてが重要になってくるのだ。
ただ幸いなことに、こうした機器には初めからUSB Type-Cケーブルが同梱されている場合がほとんどなので、別途購入する必要性は少ない。誤って紛失した場合は、それこそElecom「USB4 Ver2.0」対応のUSB Type-C ケーブル 240Wモデルを選べばよいだろう※。
※VR機器などでは、稀に専用のType-Cケーブルをメーカーが用意している場合もある。そういう時はメーカー純正品を購入した方が無難かもしれない。
デバイスの性能を引き出すにはケーブルから。
スマートフォンやPC、充電器や外付けのSSDなど、近年では各デバイスの高性能・高速化がすすんでいる一方で、定期的にケーブルを新調している方は少ないはず。いくら充電器とスマートフォンが高速充電に対応していても、ケーブルが非対応であれば高速充電は使えず、いくら早い外付けSSDを買ったとしても、ケーブルが遅ければ速度は遅いまま。コレは非常にもったいない事だ。
デバイスの性能を最大限引き出すには、まずはケーブルから。Elecom「USB4 Ver2.0」対応のUSB Type-C ケーブルを手に入れて、デバイスの性能をフルに活かしてみてはいかがだろうか。
ギャラリー
Elecom
「USB4 Ver2.0」80Gbps対応のUSB Type-C(USB-C)ケーブル
60Wモデル/240Wモデル
引用元:メーカーリリース
記事内画像は同リリースより引用。