ビジネスレザーファクトリー:材料から制作過程までこだわりぬいた革靴

ビジネスレザーファクトリー

ビジネスシューズ

ストレートチップ・内羽根式・ラバーソール

 仕事や冠婚葬祭をはじめとしたフォーマルな場では必ずと言っていいほど、誰もが人生で一度は使用する革靴。どの場面でも身だしなみには気を使いたいものだ。身だしなみにおいてブランドであったりデザインについてこだわる人もいるが、筆者は購入する際においてブランドよりも重視しているものがある。その商品を購入することで、社会にとってプラスな影響を与えられるという点だ。

目次

細部までこだわるビジネスレザーファクトリー

近々友人の結婚式があるということもあり、革靴を新調することにした。  

今回購入したのはビジネスレザーファクトリー株式会社が取り扱っている革靴だ。革靴に触れる前に、まずビジネスレザーファクトリー株式会社について説明させていただく。 

ビジネスレザーファクトリー株式会社(以下:ビジネスレザーファクトリー)とは福岡に本社を構え、17店舗(執筆時)を全国に展開している会社だ。「Good Price,Good Leather」というブランドコンセプトのもとに、ビジネスアイテムを製造・販売している。さまざまなビジネスシーンにおいて、長く使用することを想定し、デザインはシンプルにかつ、製品の質にこだわっているのが特徴としてあげられる。  

また、会社の目指す未来として「貧困のない社会を共創する」を掲げており、世界の低賃金・劣悪な労働環境を改善するべく、アジアで最も貧しい国と言われているバングラデシュに工場を建て安定的な収入と雇用を実現している。 

バングラデシュに自社工場を持つことで原料調達などの点でコストを抑え、比較的安価での商品提供を可能とした。 高品質・低価格を保つため商社を通さず、現地の革なめし工場で最高グレードの牛革を低価格で仕入れ、自社工場で製品化する。製品はすべて日本のプロダクトデザイナーによって企画、設計を行っているため、日本人が求める「使いやすさ」と「シンプルかつ上質なデザイン」の実現を可能にしている。デザイナー自らがバングラデシュ工場の革職人と連絡を取り合うことで、デザインの細部まで忠実に再現した製品づくりをしているのもビジネスレザーファクトリーならではと言えるだろう。 

ビジネスレザーファクトリーに決めた理由  

以前は合成皮革の革靴を購入したが、筆者の足には馴染みにくく靴擦れすることが多々あった。  

次に購入を検討する際は筆者の足に馴染みにくい合成皮革ではなく、履けば履くほど足に馴染み靴擦れを起こすことが少なくなる本革の革靴を軸に検討しようと考えていた。しかし実際に調べてみると、質のいい革靴は価格がやや高めで設定されている。筆者の所感では質のいいものを揃えようとすると15,000円〜20,000円が相場であると感じている。もちろん、肌着などの消費が激しいものはコストを抑えたいが、長期的に使用する革靴は多少コストをかけてでも質の良いものを履きたい。 とはいえ、筆者としては10,000円前後で抑えたかった。 

また、商品を購入する上で大手メーカーのブランド品を持ちたいと思う人は多いように感じるが、自分はブランド品を持ちたいという多数派の考えに対してあまり興味が湧かなかった。   

周りの人がブランドの名前や有名なデザインに憧れるものに対して筆者は製作者の思いや、背景がのっているもの、自分が購入することによって社会にプラスな影響を与えたりすることができるものを、検討材料として重要視していた。このように消費をすることで企業の取り組みを応援することをエシカル消費という。エシカル消費とは別名倫理的消費と言い、消費者それぞれが各自にとっての社会的課題の解決を考慮したり、そうした課題に取り組む事業者を応援しながら消費活動を行うことを表している。(消費者庁HPより引用:https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_education/public_awareness/ethical/about/   )
 
 
今回記事で取り上げているビジネスレザーファクトリーは、バングラデシュという国の失業率に焦点を当てている。アジアで最も貧困な国と言われているバングラデシュに住んでいる人たちのためにできることはないかと考え、現地で自社の工場を建て、現地の人を雇用し、自社のブランドを確立、販売することでバングラデシュ人に豊かになってもらうことを目指している。 
 

商品を購入をする際に、購入商品の背景などに興味を持つきっかけになったのは学生時代に取り組んでいたボランティア団体での活動だ。筆者は所属していた団体で主に海ゴミを題材とした活動を行っていた。ゴミが溢れることは環境汚染に繋がり、自然環境に悪影響を与える。ご存知の通り、今の社会にとって重大な問題の一つである。筆者は自身のアクションで環境問題をプラス方向に持っていけることは良いことだと思った。さらに、環境問題に限らず先進国の雇用問題など国際的な問題の改善に向けて動いている会社の製品を消費することで、自身の意思表示に繋げることができると感じている。

製品になるまで  

牛革から製品になるまでを記述していく。 

1,仕入れ 

ビジネスレザーファクトリーでは製品にする革にもこだわっている。高品質を担保するため、仕入れた革のすべてを使用して製品にするのではなく、牛革に刻まれる大きな傷やシワなどを避け、きれいな部分のみを選定する。もちろん傷やシワがついたものを捨てるのではなく、別のシリーズとして使用できるように保管をしている。  

2,革漉き 

選定後、革漉きという工程を行う。革漉きとは皮の表面を薄く加工することを指し、革漉きを行うことで加工しやすくなり、縫製をきれいにすることができるようになる。 

3,裁断 

選定の際に革を裁断し、その後革漉きを行ったのち製品ごとの形に近づけるため、各パーツそれぞれを組み立て縫製の工程に入る。 

4,縫製 

ビジネスレザーファクトリーでは縫製を重要視しており、工場の中で高い技術力を持っている職人が担当することで製品の完成度の高さを実現している。  

5,仕上げ/品質チェック 

最終段階として、製品ごとに必要なジッパーやボタンなどの金具の取り付けや断面をきれいにしたり、仕上げを行う。こうして完成された製品は出荷前に日本の品質基準に沿って品質チェックを行い、合格した製品が店舗の商品棚に陳列される。

※公式HPより参考: https://business-leather.com/factory/ 

実践  

購入体験  

店舗には革靴だけでなく、財布などをはじめとするアイテムがずらりと陳列されている。種類が豊富で、アイテムによっては記念品として最短30分で刺繍を入れるサービスも提供している。 

筆者はビジネスシューズの購入を目的としていたが、商品アイテムのバリエーションの多さに驚き、店舗に足を踏み入れた際にとてもワクワクしたのを覚えている。革靴が陳列されているコーナーにはシンプルなデザインでカラーがブラック(黒)とダークオーク(茶)の2色、それぞれ「ストレートチップ内羽根」「プレーントゥ外羽根」「ウィングチップ内羽根」の3種類が陳列されている。さらに、陳列されているタイプの中から、カラータイプやソールを自身の好みや用途に合わせて組み合わせを決めることができる。その点は自社で工場を持っているビジネスレザーファクトリーならではの特徴だと言える。 

(公式HPより引用: https://business-leather.com/shoplist/40723/ ) 

組み合わせの方法は以下の通りである。 

・カラーを2種類から選択する 

・シューズのデザインを3種類から選択する 

・靴底をゴム製のラバータイプか革製のレザータイプから選択する 

それぞれ詳細に記述する。 

カラーを2種類から選択する 

先述した通り、カラーはブラックとダークオークが用意されている。自身の服装や好みに合わせて選択することが可能だ。 

筆者は黒色を選択した。 

(公式HPより引用: https://business-leather.com/item/s007/) 
(公式HPより引用: https://business-leather.com/item/s004

シューズのデザインを3種類から選択する 

「ストレートチップ内羽根」 

 ドレスコードなどフォーマルな場面に合うデザインとなる。冠婚葬祭等ではこのデザインがぴったりだ。 

(公式HPより引用: https://business-leather.com/item/s007/) 

「プレーントゥ外羽根」 

ジャケットスタイルやパンツスタイルに対応できる。フォーマルな場面やカジュアルな場面と両方に通用するデザインだ。 

(公式HPより引用: https://business-leather.com/item/s008/) 

「ウィングチップ内羽根」 

よりカジュアルな場面に向いているデザインである。冠婚葬祭などフォーマルな場面ではおすすめできない。 

(公式HPより引用: https://business-leather.com/item/s009/) 

今回は、友人の結婚式のためということもあり「ストレートチップ内羽根」を購入した。

靴底をゴム製のラバータイプか革製のレザータイプから選択する 

ラバータイプ 

通気性が良くなく気温が高い日はシューズの中が蒸れやすくなってしまうのが難点だが、水に強く雨の日でもすべりにくい特徴が挙げられる。 

レザータイプ 

ラバータイプとは違い水に弱く、すべりやすい。雨の日にはアウトソール部分から水が浸透してくる可能性もある。その反面、通気性が良く、シューズの中が蒸れにくいことが特徴だ。 

(公式HPより引用: https://business-leather.com/item/s001/) 

レザータイプのアウトソールは水に弱いことが挙げられるため、雨の多い日本では適さないタイプだ。そのため、今回は雨の日にも使用できるようラバータイプのアウトソールにした。 

他にも、自分の好みに合わせて色やデザインをカスタマイズできるだけでなく、ビジネスレザーファクトリーで購入したシューズを店舗に持ち運ぶと無料で手入れをしてくれるサービスを行っている。購入した店舗とは違う店舗でも対応してくれるとのことだ。一般的なビジネスシューズを取り扱っているメーカーではあまり見受けられないサービスである。ビジネスシューズは手入れをすることが難しく、丁寧に取り扱う必要があるためプロのスタッフにお願いできるのはかなりありがたい。安心して履き続けられるのも購入するに至った理由の一つだ。実際に筆者も、一度サービスをお願いしたことがある。店内が空いていたこともあり、10分弱で手入れが終了した。靴の持参は大変に思えるが、店内にスリッパが用意されているため履いたまま立ち寄っても可能である。また、修理は有料で行える。 

さらに、アフターサービスまで充実しているにも関わらず本体の価格は10,999円(税抜)と比較的安価で筆者の希望価格と合致している。 

履き心地  

購入してから当日まであまり時間がなかったため、結婚式当日に購入したおろしたての革靴を履いた。家を出た直後に感じたことは、皮が固く、歩きにくいというような印象を受けた。しかし、時間が経てば経つほど足に馴染んでいくことがわかり、自宅の最寄駅に着く頃には完全にフィットしている。 

今まで筆者は革靴と相性が悪く靴擦れに悩んできたが、今後はもう悩まされることはないだろう。 

さらに雨の日にも対応できる様、ラバータイプのアウトソールにしたのが大当たりだった。結婚式当日は雨が降っており、地面が滑りやすくなっていた。以前履いていた合成皮革の革靴は、アウトソールがレザータイプだったため雨の日は滑って転倒しかけたことも経験している。ラバータイプにしたことで、滑ることなく安心して外を歩くことができた。 

ここまでで完璧に見えるが、一つだけ難点がある。どの革靴でもよくあることだが、紐が解けやすいことである。購入したばかりで紐自体がまだ硬いことが原因として考えられるが、自宅から駅までの約5分間の徒歩で3回ほど紐が解けた。歩いている途中で頻繁に解けてしまうと、止まって靴を結び直す必要があるため非常に手間がかかる。今後履いていくうちに改善されることを願う。 

総評 

商品について調べた結果、製作者の思いや本革に対するこだわりを強く実感できる商品であることがわかり、ビジネスレザーファクトリーの革靴を購入するに至った。実際に履いてみると今まで履いていた合成皮革のものには戻れないほど履きやすく、本革であることの素晴らしさを実感することになった。筆者は結婚式の場で使用したが、ビジネスの場としてもかっこいいデザインをしている靴のため今後両方の場面でも活用したいと思う。商品を購入するにあたり、購入商品の背景や製作者の思いに注目している方や、本革の革靴を購入したいと思われている方におすすめしたい商品である。

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ビジネスシューズ

ストレートチップ・内羽根式・ラバーソール

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