JAPAN MOBILITY SHOW 2023未来の日本を体感できるモビリティショーを味わい尽くせ!:後編

東京ビッグサイト

JAPAN MOBILITY SHOW 2023

目次

国内メーカー編その2(SUBARU・スズキ・三菱自動車・ダイハツ)

続いて、国内メーカーの後半だ。

SUBARU ブース「SUBARUの未来を示す次世代モビリティ」

社会とのつながりに関する取り組みや未来のモビリティについての発表が中心となったSUBARUブースだが、個人的には最もサプライズな演出が待ち受けていた。他ブースとは趣向を変えて、少々ダイジェスト的にお届けしよう。

SUBARU_会場

まずは社会とのつながりに関する取り組みとして、同日に発表された「一つのいのちプロジェクト」に関するお披露目があった。SUBARUでは以前より「いのちを守る」ことを大事にしており、活動の一環として日本ライフセービング協会や世界遺産の自然を守る知床財団へ支援を行っていたのだが、プロジェクトの皮切りとして国立公園の管理運営を行う「一般社団法人 自然公園財団」と新たに協業することが発表された。会場ではその一つとなる日光国立公園 那須平成の森にて使用されるラッピングの施されたソルテラや、次世代アイサイトが採用されたレイバックなど、計5両が展示されている。

SUBARU_press
SUBARU_SOLTERRA
日光国立公園 那須平成の森にて使用されるラッピングされた「SOLTERRA ET-HS 改良モデル」

SUBARUの未来を示す次世代モビリティ「SUBARU SPORT MOBILITY Concept」「SUBARU AIR MOBILITY Concept」

その後、他社と同じようにベールに包まれていたコンセプトモデルが発表された。

SUBARU_press2

問題は、その後だ。偶然撮影していたのでこちらを確認してほしい。

そう、事前情報も一切なく、後ろから”何か”が出てきたのである。
これこそが今回初公開となった「SUBARU SPORT MOBILITY Concept」と「SUBARU AIR MOBILITY Concept」であり、SUBARUが目指す未来のモビリティの姿。AIR MOBILITY Conceptに関してはすでに実証試験を進められているとのことなので、続報に期待したい分野となるだろう。ちなみにこの演出は会期中も体験できるため、現地に行かれる人は事前にタイムテーブルの確認を推奨する。

SUBARU_press3

スズキ ブース「世界中に、ワクワクの、アンサーを。」

スズキブースでは「世界中に、ワクワクの、アンサーを。」と銘打ち、将来のカーボンニュートラルに向けたスズキからの”アンサー”をさまざまな形で見ることができる。

SUZUKI2

ブース内ではクルマやバイクのコンセプトモデルをはじめ、次世代モビリティなど多彩なモビリティが展示されている他、「うんち先生」とコラボしたインドにおけるBCG事業の紹介なども行われていた。また同社の軽トラック「スーパーキャリイ」の荷台を使用して、軽トラ市を模した物販コーナーも設けられここでしか購入できない限定商品なども販売されているため、スズキファンは見逃さないようにしたい。

日常に寄り添う軽ワゴンEV「eWX」

スズキのクルマで最も目にする機会が多いのが、豊富なライアップで揃えられた軽自動車ではないだろうか。アルトやスペーシア、ハスラーやラパンなど実用性が高く、それでいて親しみやすいデザインのモデルが数多く存在する。今回発表された「eWX」もそうした日常使いにオススメ軽ワゴンEVだ。すっきりとしたシンプルなボディ造形に、軽やかで使いやすく居心地の良い室内空間で、毎日の生活を支える「相棒」のような存在を表現しているという。

SUZUKI_press
SUZUKI_eWX

次世代四脚モビリティ「MOQBA(モクバ)」

4輪ではなく車輪をそなえた四”脚”を搭載したモビリティ「MOQBA(モクバ)」は、段差などもシームレスに越えることのできる新しい形の移動手段だ。平地は車輪でスムーズに、段差は脚でシームレスに移動でき、ベースとなるシャシーとアタッチメントを組み合わせることにより、「椅子モード」、「立ち乗りモード」、「担架モード」に切り替えることが可能だという。日常の移動手段としてだけでなく、緊急時などにクルマが立ち入りにくい場所でも人とモノを運ぶことができるため、都市部から災害現場まで広く活躍しそうなコンセプトモデルだ。

SUZUKI_MOQBA
実用的だが尖ったデザインを出してくるあたりにスズキらしさを感じてしまう。多くの人がこの見た目から車いすに類似した使用方法とは思うまい。

三菱自動車 ブース「冒険心はいつもあなたの中にある。いつだって誰だって、どこにいたって冒険はできる。」

三菱自動車のブースでは「冒険心はいつもあなたの中にある。いつだって誰だって、どこにいたって冒険はできる。」をテーマに、三菱自動車のクルマの特徴でもある走破性とそれによって生まれる冒険を押し出した展示がなされいた。

三菱_会場

アジアクロスカントリーラリー2023に参戦した新型『トライトン』や、そのサポートカーとして伴走した『デリカD:5』、防災アプリを運営するゲヒルン株式会社とコラボレーションした災害対策車『アウトランダーPHEV』など複数の車両のほか、「モンスターハンター」とコラボしたライドシアター「MITSUBISHI D:X Concept the Ride」など体験型アトラクションも用意されており、ブース全体を通して冒険というコンセプトを感じることができるだろう。

電動クロスオーバーMPV「MITSUBISHI D:X Concept(ミツビシ ディーエックス コンセプト)」

「MITSUBISHI D:X Concept」は、未来の「デリカ」をイメージした、電動クロスオーバーMPVのコンセプトカー。「デリカ」の特長である広い室内空間と高い安全性を継承し、さらに未来のカタチとして、「絶対安全大空間 ✕ 絶対走破性」をデザインコンセプトに、大空間キャビンとそれを守るプロテクティブボディを実現したという。中でも特徴的なのはフロントウインドウと連続して足元まで繋がるシースルーボンネット。前方の路面状況とフロントタイヤの切れ角などを組み合わせて表示し、解放感のある広々とした視界を実現。これにより大柄な車体ながら死角が少なく、安心して運転することができるだろう。

三菱_MITSUBISHI DX Concept1
三菱_MITSUBISHI DX Concept2

車を降りた一歩先の冒険をアシストする「Last 1 mile Mobility」

三菱自動車が、次世代の椅子型モビリティの開発・製品化に取り組んでいるスタートアップ企業 LIFEHUB株式会社とのコラボレーションを行い開発したコンセプトモデルが、この「Last 1 mile Mobility」だ。この製品は車に積載可能なバギータイプになっており、上記の「MITSUBISHI D:X Concept」やトライトンのようなクルマで訪れた先、その先の冒険=Last 1 mileを可能とするためのモビリティだという。

三菱_Last 1 mile Mobility

ダイハツ ブース「お客様に寄り添い、暮らしを豊かにする」

「お客様に寄り添い、暮らしを豊かにする」を社のビジョン、およびテーマに掲げるダイハツブースでは、ダイハツの歴史を象徴する車両と、その先にある未来を描いたコンセプトカーが展示されている。

ダイハツ_会場

展示されるコンセプトカーはいずれも軽自動車ではあるものの、それぞれコンセプトに合わせた個性を兼ね備えており、生活に寄り添い共にするクルマとしてデザインされていた。また入り口付近では、再生パーツをもとに3Dプリントされたブロックが、タイヤやフロントパネルを彩っていた。このブロックは自由に触れるようになっており、自由に組み替えることが可能。またキッズコーナーにはコンセプトカーのイラスト塗り絵も用意され、世界に一台だけのデザインを作ることができる。

多様な働き方や用途に対応する「UNIFORM Truck(ユニフォーム トラック)」/「UNIFORM Cargo(ユニフォーム カーゴ)」

BEVを採用した未来の軽商用車「UNIFORM Truck(ユニフォーム トラック)」/「UNIFORM Cargo(ユニフォーム カーゴ)」。 移動店舗など活躍の場を広げるBEVならではの外部給電機能や、使いやすく清掃しやすいフラットで凹凸の少ないキャビンを備えており、会場では「UNIFORM Truck」の荷台「Nibako」を移動式露店のようにレイアウトし展示していた。

ダイハツ_UNIFORM Truck
荷台が露店のようにカスタマイズされた「UNIFORM Truck」。外部給電機能により、こうしたライティングや冷却なども容易に動かせるのだろう。
ダイハツ_UNIFORM Cargo
「UNIFORM Cargo」は「UNIFORM Truck」のカーゴ版といった趣。内装含めフラットなデザインで積載性の高さが伺える。

海外メーカー

国内メーカーの次は、海外メーカーを紹介しよう。
今回取り扱うのは、以下の3社だ。

  • メルセデス・ベンツ
  • BMW
  • BYD

メルセデス・ベンツ ブース「電動化、デジタル化、サステナビリティ」

「電動化、デジタル化、サステナビリティ」をテーマに、光・映像だけでなく音の演出が楽しめるブースとなっている。メルセデス・ベンツの多くのモデルに搭載されているDolby Atmosによる立体音響システムが至る所に備わっており、比較的低く作られた天井から迫力あるサウンドを体験しつつ、全て電動モデルとなる初公開を含めた5つの車種を間近に見ることができる。

MercedesBenz

またメルセデス独自の取り組みとして、普段よりブランド情報発信拠点として営業している「メルセデス ミー 東京/大阪」がサテライト会場になっており、ビッグサイトには展示していないエンジンモデルや食・グッズによるブランド体験を提供しているとのこと。六本木にある「メルセデス ミー 東京」にはビッグサイトよりEQS SUV / V-Classにて無料のシャトル便も出すとのことなので、興味がある人はぜひ確認してほしい。もちろん、移動中の車内でもDolby Atmosによる立体音響を楽しめる。

MercedesBenz_press
報道陣向けに説明を行ってくれたメルセデス・ベンツ日本株式会社 代表取締役社長兼CEO 上野金太郎 氏

伝説の全地形対応型モデルGクラスがいよいよ電動化「Concept EQG」

一番の目玉となったのは、電動モデルへと進化した”メルセデスのオフローダーといえば”なGクラスのコンセプトカー「Concept EQG」だ。コンセプトとはいえ、量産間近までクオリティが高められたモデルとなっているため、ほぼ事実上こうなりますと発表されたような形になる。 Gクラスが持つアイコニックなシルエットはそのまま純電動モデルならではのデザインに仕上がっているだけでなく、性能としても電動ならではな4輪を個別制御可能とのこと。オンロードでも曲がる際の優位性があるというが、面白いのは戦車のような超信地旋回(タンクターン)が可能なこと。オフロード車ならではな性能ではあるが、市場に並ぶのが待ち度惜しい発表となった。今会場では触れられないものの、背面の様子などを一部拝見することができたため、ぜひ現地で質感やクオリティを確認してほしい。

MercedesBenz_conceptEQG
MercedesBenz_conceptEQG2
通常であればスペアタイヤだったリアゲート部分が開くようになり、充電モジュールが備わるとのこと。

BMW ブース「まさかのワールドプレミア New BMW iX2 / X2」

海外ブランドにも関わらずワールドプレミアを持ってきたのが、BMWだ。 少々悲しい話ではあるが昨今のクルマ市場的にも海外ブランドが日本でワールドプレミアするケースは少なくなっており、正直ちょっとびっくりした次第だ。

BMW_会場

そんな中今回展示されていたのはワールドプレミアとなる「New BMW iX2 / X2」、そしてアジアプレミアとしてコンセプトモデルの「BMW VISION NEUE KLASSE」、その他にも「i5」「i7」「iX」などとなっている。未販売のBMWを含め気軽に試乗できるのは中々の贅沢。

9月に世界初公開されたモデル「BMW VISION NEUE KLASSE」が、さっそく日本でもお披露目となった。
デザインとしてはエレガントさが洗練され、正面はなかなか独創的な顔をしているのが特徴。とはいえ伝統のキドニー・グリルはヘッドライトに受け継がれており、随所にBMWらしさを感じる。内装としても次世代BMW iDriveとBMWパノラミック・ビジョンを装備しており、こちらは座った様子を早めに体感してみたいところである。

BMW_VISION NEUE KLASSE_1
BMW_VISION NEUE KLASSE_2

ワールドプレミア「New BMW iX2 / New BMW X2」

「スポーツ・アクティビティ・クーペ」というコンセプトで展開されていたX2が、新型となって帰ってきた。iX2はフルEV仕様となり、筆者が訪れた際には残念ながら触れることはできなかった。2両の見た目に大きな違いは見受けられないものの、共通してキドニー・グリルの形状が変わったりエアインテークの形状が変わったりと、以前は割と感じやすかった”クーペっぽさ”が減り、よりスポーツカーを感じるかっこよさが増えた印象だ。サイドのラインやリヤビューも割と変わっているので、現地に行った人はぜひ楽しんで欲しい。

BMW_New BMW iX2
New BMW iX2
BMW_New BMW X2
New BMW X2

BYD ブース「Essential Vehicle」

中国・深圳に本社を構えるBYDが、初めて日本のモーターショーに出展をした。馴染みない読者も多いかと思うので簡単に説明すると、元々はバッテリーメーカーとして創業した背景から、 今やモーターやコントローラーなど電気自動車のコアとなる技術を自社開発・製造しているメーカーで、ITエレクトロニクス・新エネルギー・都市モビリティ・自動車事業と様々な領域に展開をしている。特に自動車事業においては、世界70超の国と地域、400超の都市に電気自動車を展開し、2022年及び2023年1~8月の電気自動車販売台数は世界No.1を記録している。

2024年春発売予定のEVセダン「BYD SEAL」他

今回は「Essential Vehicle」をコンセプトに、BYDグループが掲げる「Technology」「Green」「Future」をテーマとする展示がなされていた。日本発売車種第1弾のミドルサイズSUV「BYD ATTO 3」や先月9月に発売したばかりのコンパクトEV「BYD DOLPHIN」、そして日本発売車種第3弾として2024年春発売予定のEVセダン「BYD SEAL」の3種が展示されている。

BYD_ATTO_3
「BYD ATTO 3」
BYD_DOLPHIN
「BYD DOLPHIN」
BYD_SEAL
「BYD SEAL」

また、日本での発売は未定とのことだがプレミアムブランド「仰望(ヤンワン)」のオフロードSUV「U8」、メルセデス・ベンツと共に開発したハイエンドサブブランド「DENZA(デンツァ)」のミニバン「D9」が展示されている。

また、他にもブースを回ってスタンプを集めるとオリジナルグッズがもらえるスタンプラリーも行われており、そのうちにはエコFUNツアーという名のミニゲームがあったりもする。

トークショーやタンクターンなどの開催もあるので、ぜひ公式情報を確認してみてほしい。

BYD_会場3
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