ミュージアムの名は伊達じゃない!リニューアルした新生「ニコンミュージアム」に潜入してきた。

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先日、東京都品川区西大井に本社を移したNikon。それと共に居を移したのがNikonの運営する「ニコンミュージアム」だ。ニコンミュージアムとは2015年にニコン創立100周年プロジェクトの一環として開館した、ニコンの各事業の歴史、製品、技術などを展示する施設。移転前も本社ビル2階にて運営されており、今回の本社移転に合わせリニューアルオープンした形である。

ありがたいことに今回onesuite編集部は、そのリニューアルオープンイベントに招かれ、一足早くその内部を見学することができた。本記事ではそんな「ニコンミュージアム」について情報をお届けしようと思う。

施設概要

Nikon

ニコンミュージアム


施設名:ニコンミュージアム
住所:東京都品川区西大井1-5-20 株式会社ニコン 本社/イノベーションセンター1階
入館料:無料
開館時間:10:00~17:30(最終入館は17:00まで)
休館日:月曜日、日曜日、祝日および当館の定める日
土曜日が祝日の場合は休館。
荒天や交通機関の状況などで、休館や開館時間の変更をする場合あり。

目次

見ごたえ抜群!Nikonファン以外も楽しめるミュージアム展示

本社が直営で運営する展示施設となれば、基本的にはファン向けの要素が強い展示になるのが一般的だろう。実際ニコンミュージアムにおいてもその側面は否めないが、実際に見学した筆者としてはNikonのファン以外でも楽しめる内容だと感じた。

というのも、館内は主に産業向けの技術や歴史をまとめた「インダストリー」と、主にカメラやレンズといった一般市場向けの製品などをまとめた「コンシューマー」に分かれており、特にインダストリーのエリアについては。Nikon製品自体に詳しく無い方にとっても十分に興味深い内容だ。

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関内の見取り図。エントランスから入場し、時計回りにインダストリー→コンシューマーの順で巡っていくことになる。
引用元:https://www.jp.nikon.com/company/corporate/museum/

Nikonの技術や歴史をまとめた「インダストリー」エリア

先にも記載した通り、ここで見ることができるのはNikonの技術や歴史だ。ただしNikon自体が今年で創業107年と歴史の長い企業であることもあり、その歴史はほぼ日本の近代技術史とも呼べるようなものになっている。そのためあくまでNikonにスポットは当たっていつつも、実質的には上野の国立科学博物館や、お台場の科学未来館を彷彿とさせるような展示内容になっているのだ。

インダストリーエリアの中は大きく分けて、半導体系・望遠鏡等・光加工機・測定器のエリアに分かれており、日本光学工業株式会社として発足したNikonの歩みを見ることが可能だ。

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エリアの中央には大きなガラスのインゴットが置かれており来場者の目を惹く。サイズの大きさもさることながら、透明度が非常に高く一見すると内部が空洞に見えるほど。光学機器を製造するという事は、すなわちガラスづくりもその一環ではあるわけだが、こうした”ガラスの塊”は普段お目にかかることが無いため、それだけでもじっくりと眺めてしまった。

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個人的に面白かったのが半導体系の展示で、PCメーカー出身の筆者としてはシリコンウェハー(半導体素子のもとになる物)などなじみ深いものも多い。ここで見れるのは主にそうした電子部品を製造する上で必要になる機器の一部で、例えば設計した電子回路を精密に縮小し投影するレンズやその加工機などだ。

恐らくレンズの製造を手掛けきたことの発展として、微細化する回路を正確に縮小するための技術やそれを加工するレーザー加工といった方向へ進み、光学機器のデジタル化の過程で半導体素子などの製造までこなすようになったのだと思われる。筆者もすべて理解できたわけではないため、ここでは詳しく触れないものの、いずれ時間を取って詳しく伺ってみたいものだ。

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ArF液浸スキャナー「NSR-S610C」の投影レンズ。

また光学機器と聞いてイメージしやすいのは、天体望遠鏡や顕微鏡といった直接的にレンズを使った製品だろう。もちろんこうしたアイテムも展示されており、一部は実際に覗いてみることも可能。下に上げた画像3枚目、右手側に見える強大な望遠鏡はその好例で、覗くととある天体を見ることができるため是非試してみて欲しい。

その他にも測量機やレーザー加工機、画像認識による制御ロボットなど展示物は多種多様で、改めてNikonの手掛ける”光学機器”という定義の広さに驚かされた。見学時間は1時間ほどだったが、細かく見て行った場合、まず間違いなくインダストリーのエリアで時間切れになる。広さ自体はそこまで広くないものの密度は十分な内容だ。

Nikon好きなら足を止めずには居られない!歴代製品の並ぶ「コンシューマー」エリア

「インダストリー」のエリアを抜けると見えてくるのは、ガラスケースに収められずらりと並んだ歴代Nikonカメラ。この歴代カメラが並んだウォールケースは以前のニコンミュージアムにもあったモノだが、リニューアルにあたり幅が15mから27mと2倍近く拡張されており、さらに多くの製品が展示されているようだ。

余談だが筆者を含め現場に取材にくる記者は何らかのカメラを使用しているため、その分Nikonのカメラに親しみを持っている方も多い。そのせいかインダストリーのエリアに比べ足を止める人が多かった印象だ。

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エリアに足を踏み入れてすぐ、壁面ウォールケースには国内で発売されたNikonのカメラがずらりと並ぶ。
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その対面にはこれまたすさまじい数のレンズが展示されている。

かくいう筆者もここにかなりの時間囚われてしまった者の一人で、ついつい自身や実家で使われていた製品を探して懐かしくなってしまう。

例えばCOOLPIX 910はかつて筆者の父が使用していた記憶があり、未だに実家で大切に保管されている機種。その他にもCOOLPIX3700は筆者自身が初めてお金をためて購入したカメラで、当時はどこに行くにも持ち歩いていた。またNikon D700は父から譲り受け(半ば強奪し)初めて使用した一眼レフで現在も筆者の手元にある。
コレだけ多くの機種が展示されていると、少なくとも数台程度は思い入れがある機種が展示されているため、どうしても滞在時間が伸びてしまうのだ。

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中央の軸で回転する構造が印象的なCOOLPIX 910。当時の筆者は特に理由もなく回転させては遊んでいた。

デジタルの機種ばかり紹介してしまったが、もちろんフィルム時代のカメラなども展示されているため代々Nikon機を乗り継いでいる方であればさらに楽しめるだろう。

また一部の製品は動態展示もされており、実際にファインダーを覗いてシャッターを切ることも出来た。印象的だったのは機種ごとにシャッターを切った際の感触や音が全く違う点で、見学した際には方々から「当時欲しかったけど手が届かなかった」「やっぱりこの音だよね」といった声が聞こえてくるなど、皆思い思いに楽しんでいる様子だった。

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メカシャッターのたてる小気味よい音を聴いていると、確かに電子シャッターが味気ないと言われるのも分かる気がする。

ミュージアムショップでNikonにちなんだアイテムをゲット

ニコンミュージアムの出口付近にはミュージアムショップも併設されており、ここでは製品をかたどったキーホルダーやタペストリーといったアイテムがその場で購入できる。

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ラインアップは広く、Tシャツやキャップ、トートバックのような定番の物から、カメラストラップといった実用品まで種類は様々。記念品やカメラ好きの家族・友人・自分へのお土産として購入していくと良いだろう。

入館料は無料で10時から17時半まで営業!ただし営業日には注意

コレだけ見どころの多いニコンミュージアムだが、驚くべきことに入館料は無料。駅からも徒歩4分程度と比較的近く、西大井という立地も相まって気軽に足を運びやすいのも魅力的だ。

ただし一つ注意点を挙げるとすればその営業日で、ニコンミュージアムがNikon本社に併設されているという都合上、基本的に月曜日を除く平日+土曜日となっている点だ。土日休みを採用している企業に勤めている場合、少々行くタイミングが難しく、どうしても土曜に来場者が偏りがちになるかもしれない。ゆっくり見たいのであれば平日の方が都合がいいだろう。

Nikon好きも、そうでない方も楽しめる新生ニコンミュージアム。気になる方には是非訪れていただきたい。

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ギャラリー

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