日頃からお付き合いのあるASUS社から「初めてCP+ 2024に出展する」というニュースを耳にした。「CP+」とは毎年2月に開催されるカメラと写真映像のワールドプレミアショーで、カメラメーカーを始めバッグやアクセサリーなど周辺グッズまでが一堂に会する貴重な場である。
昨年もプレスとして取材に行った我々onesuite編集部としては、これは行かねば!ということで、早速初日の様子をレポート。利用シーンに合わせた4種類の展示となっており、クリエイターそれぞれの実際に使っている環境と比較しながら見えてもらえれば幸いだ。
パシフィコ横浜
CP+2024
そもそもなぜASUSがCP+に?ProArtとは?
そもそも「なぜPC・パーツメーカーのASUSが、カメラと写真映像が主体のCP+に?」と思われた方もいることだろう。今回出展しているのはASUSの中でも”ProArt “というブランドなのだが、立ち位置としてはクリエイター向けのシリーズとなる。当然そうなれば、フォトグラファーやビデオグラファーにとってもお世話になるブランド、という訳だ。
“ProArt”の特徴としては単一の製品群ではなく、PCからモニター・アクセサリといったトータルソリューションを提供していることが挙げられる。「ASUSと言えばROG!ProArtは知らなかったよ!」というゲーマー寄りな方は、これを機に覚えていただければ幸いだ。
極論ProArtの製品だけでも一通り揃えることができる充実具合なため、本展示でも普段の利用シーンに合わせたトータルソリューションが展示されている。
デスクトップPC × デュアルモニターで映像編集|ProArt PA602 × ProArt Display PA279CRV
早速そのトータルソリューションを見ていこう。
一番の目玉は、今月発売されたばかりのPCケース「ProArt PA602」と昨年発売された「ProArt Display PA279CRV」をデイジーチェーンでデュアル構成にした組み合わせだろう。
家の作業環境にどっしりと腰を据えて作業するタイプのクリエイターにおすすめの形で、デモとして「DaVinci Resolve」とEditor Keyboardを試すことができる。
まずはデイジーチェーンで繋がれている「ProArt Display PA279CRV」だが、27インチの4Kモニターで、背面のUSB-Cポートからは96Wの充電も可能なシロモノ。もちろんデータ通信も可能で、なんとMacOSにも対応しているため、Macbookを始めとしたノートPCがメイン機という方にもおすすめのモニターだ。(今回はデスクトップPCとの構成紹介ではあるが…)
また、クリエティブ向けと言うだけあって、Calman Verified認証済みの優れた色精度を誇り、色域はDCI-P3を99%、Adobe RGBも99%カバーしている。工場出荷時に∆E < 2へプレキャリブレーションされているので、2枚導入したとしてもある程度はスムーズに使用できるはずだ。
お次は「ProArt PA602」に包まれたPCだが、このケースが誇る最大の特徴はその冷却性能だろう。
各所にオープングリルやメッシュ構造を取り入れているだけでなく、フロントファンは200 x 38 mm・リアファンは140 x 28 mmもの分厚さを誇る。見ただけでも「そりゃ冷えるわ!」と言わざるを得ない納得感があるのに、さらに水冷に対応した420mmのラジエーターまで付けられるのだ。
→:搭載されていた、オールインワン水冷CPUクーラー ProArt LC 420
その他構成としてもほぼProArt製品で完結しており、グラボにはRTX4080 Superを搭載。電源だけゲーミングブランドであるTUF Gamingのものが使われていたが、これでいかにProArtがトータルソリューションを提供しているかご理解いただけたことだろう。
デスクトップPC × キャリブレーションモニターでカラグレ|TSUKUMOクリエイターモデル × ProArt Display OLED PA32DC
次に置かれていたのは、「DaVinci Resolve」によるカラーグレーディングをデモしていたデスクトップPC×オートキャリブレーションモニターの組み合わせ。
こちらも作業環境としては自宅を想定したものかと思うが、大きな差別化としては「ProArt Display OLED PA32DC」によるオートキャリブレーションだろう。DaVinci Resolve Micro Panelも置かれているので、実際の作業環境にかなり近いと言えるはずだ。
モニターフードが特徴的な「ProArt Display OLED PA32DC」だが、何度もお伝えしている通り、最大の特徴は勝手にキャリブレーションしてくれる、オートキャリブレーション機能。比色計が内蔵されており、利用シーンに応じて色を適切に調整してくれる。筆者もデザイン領域や映像領域で仕事をしていた身としてキャリブレーションの重要性はわかっており、自宅で使用しているモニターもキャリブレーションモニターではあるのだが、なんといっても面倒なのはその手間だろう。厳密にはハードウェアとソフトウェアの2種類あるが、モニターが対応していると言っても調整するのはそれなりに大変な工程であることは興味を持ったことがある方なら頷いてもらえるはず。
また有機ELパネルを採用した31.5インチ4Kという優れたクリエイティビティを発揮し、汎用性に富んだ2種類のスタンドも忘れてはいけない。さまざまな用途が想定できるが、ソリューションという意味ではカラリストにおすすめしたい製品と言えるだろう。
一緒に置かれていたのは、ツクモから発売のBTOクリエイターモデル。さまざまなカスタマイズが選べる本製品だが、展示されていたのはもちろんProArt搭載機。さまざまなコンポーネントを提供するProArtだからこその展示例と言えるだろう。
ノートPC × 4K HDRモニターで家でも外でも制作を|ASUS Vivobook Pro 16 × ProArt Display PA27UCX-K
3つ目は、個人的には主流のように感じるノートPCと4K モニターの組み合わせだ。実写素材をベースに映像やグラフィックを作る場合、昨今では性能の向上もあり、持ち運びもできるノートPCを使うことが非常に増えたかと思うが実は筆者もその一人。(余談だが、筆者が以前活動していたMV界隈ではスタジオやロケで撮影が発生する都合上、ほとんどのクリエイターがノートPCだったように思う。)
ロケ先やカフェでの編集にはRTX4060Laptop GPUが載ったVivobookを、家に帰ったらそのまま27インチ 4Kモニターに繋げて引き続き作業を、というまさに現状主流なスタイルと言えるだろう。ProArt Display PA27UCX-Kは2020年に発売されたモニターだが、ハードウェアキャリブレーションに対応しており、X-Riteのキャリブレーターがセットで置かれていた。
Mini PC × 16:10モニターで省スペースに制作環境を|ASUS NUC 14 Pro Mini PC × ProArt Display PA248CRV
NUCというMini PCをご存知だろうか?Intel NUCを愛していたコアなファンには釈迦に説法だろうが、クリエイティブ界隈ではあまり馴染みのないPCかと思う。簡単にメリットを触れておくと、なんといっても本体が小さいことで、省スペースでも使うことができる。例えばデスクの裏に配置したりだとか、場合によってはモニター裏に配置したりだとか、コンパクトさを活かす使用例があったりする。また省電力で動くものが大半で、常に映像を流しておくなど、常時起動が求められる利用シーンに相性がいい。
今回はそんなASUS NUC 14 Pro Mini PCと、16:10のアスペクト比を持つProArt Display PA248CRVの組み合わせが展示されている。16:10って?と映像領域の方は思うだろうが、単純なオフィスワークにおいて作業領域を確保しやすいだけでなく写真領域では3:2というアスペクト比が用いられやすいため、結果として16:10の方が無駄なく活かしやすいサイズ感だったりする。
この組み合わせが活きる利用シーンとしては、狭い場所で画像レタッチをするシチュエーションなどが挙げられるが、オールインワンPCのように扱いたい人にもおすすめできる構成かもしれない。
写真・映像クリエイターの利用シーンにマッチするASUS ProArtシリーズ
改めて、今回CP+に初めて出展することとなったASUSだが、いかがだっただろうか。 家に囚われない働き方・作業をするクリエイターにとって、それぞれの利用シーンに即したソリューションを提供しているProArtシリーズは、強力な味方と言えるだろう。
なお会場ではプレゼントキャンペーンや、オリジナルステッカーがもらえるアンケートなども行われている。興味がある人は、ぜひ会場まで足を運んでもらえれば幸いだ。
また、よくよく会場を見渡してみると、他のブースでもASUS製品を見かけることができる。 1例としてニコンブースに置かれていたProArt Display PA32UCXを掲載しておく。他にどの程度ASUS製品が置かれているかわからないが、余裕のある方は探してみると新たな発見があるかもしれない。
ブース概要
イベント名:CP+2024
開催期間:2024年2月22日(木)~ 25(日)
開場時間10:00~18:00 最終日のみ17:00まで
ブース名:ASUS JAPANブース
ブース番号:80
パシフィコ横浜
CP+2024