我が家で大活躍している家電が、ロボット掃除機だ。
設定しておけば毎日自動で掃除してくれるため、ヘビーユーザーの読者も多いことだろう。そんな筆者も記事を書くぐらいには大変お世話になっているロボット掃除機だが、どうしても解決して欲しい悩みがある。
それが、ブラシ（ローラー）に絡みついて取れない髪の毛。
長い毛の場合は特に顕著だが、ブラシが高速回転する都合上、大体の機種で髪の毛が絡まる。（体験談に基づく筆者調べ） 自動で掃除してくれるからこそ意味があるのに、ひどい時は毎回取り除かないといけないぐらいには絡みつき、しばらく放置するとまるで黒い指輪のようにリングが形成されていたりする。
類似製品である掃除機においては一部の機種に”髪の毛切断機能”が搭載されていたりするが、ロボット掃除機においては筆者の知る限りほとんどないはずだ。（先日レビューしたRoborock S8 Pro Ultraのようにメンテナンスしやすい・取り除きやすい といった製品はあるが。）
昨今のロボット掃除機の進化的にほぼ全ての機能を自動で行う機種が出ている以上、この髪の毛問題にアプローチした製品が出て欲しいと常日頃から思っていたわけだが、終止符が打たれるかもしれない製品がついに登場したので勝手ながら紹介しようと思う。
今回紹介するのはポータブル充電器で有名なAnkerのスマートホームブランド、Eufyから海外限定※で発売されているロボット掃除機「Eufy Clean X8 Pro with Self-Empty Station」だ。
なお海外限定と書いたように日本では発売されておらず、なおかつ日本市場向けに一切の情報が出ていない（10/10執筆現在）ため、筆者の自由な翻訳と勝手な解釈でお届けすることを先にお伝えしておこう。そのため今後日本市場向けに発売されるとしても、仕様が変わる可能性も十分ありうるためご注意いただきたい。
※筆者が調べた範囲だと、アメリカ・EU諸国向けの発売を確認。（10/10執筆現在）
Eufy Clean X8 Proとは？X8 / X8 Hybridとの違い
見た目に大きな違いはない
まず前提知識として、2021年より日本市場向けに発売されていた「Eufy Clean X8」と「Eufy Clean X8 Hybrid」との違いについて触れておこう。
Eufyより発売されているロボット掃除機の名称には「Hybrid」や「Pro」と付くモデルもあるが、吸引機能だけでなく水拭き機能も併せ持つモデルに付けられるルールだ。また「+」が付くモデルは、自動ごみ収集機能が搭載されたモデルを指す。そのため、大きな分類としては以下の通りになる。
- X8 ・・・吸引掃除のみ
- X8 Hybrid ・・・水拭き掃除可能
- X8 Pro ・・・水拭き掃除可能
※単品モデルとステーション付きのモデルが存在する
次に細かい特徴を比較していくが、まず「Eufy Clean X8」と「Eufy Clean X8 Hybrid」が売りにしていた以下の機能はそのまま継承されている。
- デュアルタービンを搭載し、シリーズ最強の吸引力を実現
当時、ロボット掃除機として世界で初めてとなる、2つのタービンを搭載。 - 吸引と水拭きの2-in-1モデル
こちらは先ほどの名称の通り「Hybrid」モデルのみになるが、フローリングへの水拭き機能を搭載。 - カーペットを認識して自動で吸引力をブースト
Anker社独自のBoostIQ™テクノロジーを搭載し、自動で吸引力を調整。 - 高効率・高精度なナビゲーションシステム
Eufy独自のiPath™レーザー・ナビゲーションによりレーザーで部屋の形を認識可能。掃除ルートの最適化や暗い部屋でのナビゲーションを可能にした。
その他、細かい製品仕様としては以下の違いがあるようだ。筆者が自由に翻訳した結果のため、”おそらく”と重ね重ね前置きをさせてもらう。
（大きく変わったと言える部分のみ太字にしている）
- 吸引力
スペック上は変わらずお互い 2×4,000 Pa。ただし、より毛を吸いやすくするためか、X8 Proでは吸い込み口が40%大きくなった模様。
- レーダー
おそらく変わっていないと思われる ※それぞれの仕様にはX8：Laser SLAM / X8 Pro：LDSと表記が変わっていたが、意味合いとしてはおそらく変わらないものと推測
- 障害物回避
X8が明言されていなかったものの、おそらくお互い赤外線による検知・回避で変わっていないと思われる
- 段差乗り越え
X8：18mm / X8 Pro：19mmと変わっていたが、別モデルでは国に応じて1mm単位の差があったりするので、性能としては変わっていないと思われる
- ダスト容器の容量
X8：400 / X8 Pro：335 と減少。構造が変わったことによる違いかと思われるが、ステーション付きのモデルであればあまり気にならない点だ
- サイドブラシの形状
おそらく変わっていない
- 水タンクの容量
X8：250 / X8 Pro：270 と微量ながら増加
- 水拭きタイプ
よくあるクロスをつけるタイプなのは変わらずだが、Proでは0.6kgの加圧がかかるように。なお、昨今のハイグレードでよく見かけるモップリフトはお互いにない。
（11/5 追記）
11/1に開催されたAnker Power Conference 2023 Fallにて担当者に確認したところ、加圧はされないとのこと。大変失礼いたしました。
- 音声認識
お互いに変わらず、AlexaとGoogleアシスタントに対応
この辺りを気にするのはなかなかヘビーなユーザーだけだと思うが、読み解いた結果としては上記の結果だった。
X8 Proはローラーを逆回転させてコームで毛を取り除く
大変お待たせしたが、今回の本題である毛の問題に入ろう。
本製品の最大の特徴は、毛の絡み防止機能が搭載されていること。元々X8では「ペットの毛まで吸い残さない圧倒的な吸引力」を一つの売りにしていたようだが、そちらがさらに進化した形だろうか。
写真で見る限りブラシ自体は似たものが採用されているのだが、そのブラシを綺麗にする機構が新たに備わっている。
映像で見てもらった通り、ブラシ自体を逆回転させ、内蔵コームがブラシに絡み付いた毛をほぐして取り除くようだ。Active Detangling™ Roller Brushという新しいローラーブラシのようだが、まさかの逆回転である。
筆者の知る限り、逆回転するものは聞いたことがない。褒め言葉として「頭おかしいな」と思った。
この機構により、手動で毛を取り除かなくてもローラーを綺麗に保つようだ。Pet Hair Tangle Rate（毛の絡み率だろうか）としても驚きの差が出ている。
Eufy Clean X8 Proなら、毛絡み問題に終止符が打たれるかもしれない
いかがだっただろうか。一人のロボット掃除機ヘビーユーザーとして、これほど心躍ったニュースはなかなかない。
若干の懸念としては、公式サイトの表現が、「髪の毛」ではなく「ペットの毛」と表現されていたこと。
正直なところ人間の髪の毛に向けた製品ではなく、あくまでペットの飼い主に向けた製品のようだ。とはいえPet Hair Tangle Rateの試験方法としても対象となる毛は「重さ0.3g、長さ30cm」と定義されているので、人間の髪の毛にも有用では？と勝手ながら思っている。
冒頭でもお伝えした通り、海外ではすでに発売されている製品のため、YouTubeなどさまざまな場所でレビュー動画が上がっている。興味がある人はぜひ見ていただければ幸いだ。
（11/5 追記）
11/1に開催されたAnker Power Conference 2023 Fallにて担当者に確認したところ、人の髪の毛も問題なく有用とのこと。
最後に。何度もお伝えをするが、あくまで筆者の自由な翻訳と勝手な解釈の上に成り立っている内容のため、誤った内容だとしても怒らないでいただきたい。
Anker様
日本でも発売される際には、
何卒、よろしくお願いいたします。
※記事内画像は公式サイトより引用
製品詳細
製品名：X8 Pro with Self-Empty Station
発売日：2023年9月26日（火）※現地時間
参考価格：$649.99
製品ページ：https://us.eufy.com/pages/appliance-x8-pro