Shokz OpenFitは「ながら聴き」に向いたオープンイヤー型完全ワイヤレスイヤホンの新たな選択肢

Shokz OpenFitは「ながら聴き」に向いたオープンイヤー型完全ワイヤレスイヤホンの新たな選択肢

Shokz

完全ワイヤレス

OpenFit

耳の形状は人によってそれぞれ違う。
かく言う筆者も耳鼻科で「穴の形が変だね」と指摘されるほど特殊な部類なようで、幼少期からイヤホンを選ぶ際には苦労してきた口だ。

中でも昨今では主流とも言えるカナル型イヤホンとの相性が非常に悪く、装着感・密着させることによる湿気が特にNGな点として挙げられる。
装着感、あるいはフィット感というべきかも知れないが、穴の形が特殊だとカナル型のようなイヤーピースを中に入れる形式がどうも安定せず、常に落下の恐怖と戦う羽目になり、モノによっては本当にそのまま落ちてしまう。(今となってはイヤーピースを付け替えれば大丈夫なのかもしれないと知識がついたものの、いまだに無意識に避ける傾向にある)そのため普段使いするものはもっぱらインナーイヤー型や、スポーツ向けのような耳にかけるタイプのフックがついた製品を愛用していた。

また、穴だけでなく穴の中も特殊だったようで、水泳をやっていた影響も多分にあるが、湿気がこもりやすく強烈な耳あか等のトラブルにも長い間悩まされている。(実際、急に片耳が聞こえづらくなり、何度か耳鼻科のお世話になっている)
耳の中を直接塞ぐ訳ではない密閉型ヘッドホンだとしても、何時間も装着するとトラブルの温床となりかねないため、ここ数年はヘッドホンですら開放型に頼っている次第だ。

そのため、イヤホンを選ぶのであれば、

  • イヤーピースに頼らない装着感・フィット感
  • 開放型などの蒸れにくい機構(できるだけ)

というのが筆者にとっての選定基準なのである。

そんなことを知ってか知らずか、以前同僚から勧められた製品の中に、上記の選定基準を満たした製品があった。それが今回紹介するShokzの「OpenFit」。当時はまだクラウドファンディングで支援を募っていた段階だったが、先日正式に一般販売が始まったため、改めて着目してみよう。

目次

Shokzの持つ「耳を塞がない”オープンイヤー”」というコンセプトを継承した完全ワイヤレスイヤホン

Shokzの「OpenFit」

OpenFitは、骨伝導技術で有名なShokzより新たに展開される完全ワイヤレスイヤホンで、2023年7月6日より発売、価格は24,880円(税込)。
外部の音を遮断してしまう従来のイヤホンとは異なり、周囲とのつながりを遮断することなく音楽を楽しむオープンイヤー技術に力を入れているShokz(旧 Aftershokz)だが、有名な製品だとスポーツ向け骨伝導イヤホン等があげられる。そんなShokzより展開、ということで本製品も骨伝導と思う読者も多いかも知れないが、残念ながら本製品には搭載されていない。むしろ”オープンイヤー”に対して違うアプローチをしているのがOpenFitというわけだ。

オープンイヤーイヤホンでありながらパワフルな低音体験と音漏れの低減を実現

オープンイヤーという耳の穴を塞がない構造上、蒸れにくくなることはもちろんだが、やはり気になるのは音質だろう。
と言っても、筆者はオーディオ界隈にめっぽう詳しいという訳ではないため、詳細なレビューは他に譲ることをあらかじめ伝えておく。
一般的なイヤホンの説明として主流とも言えるカナル型を例に挙げると、いかに耳の中(外耳道)に音を届けるかという点から、イヤーピースを耳の奥に入れ直接音を運ぶ構造のものが多い。イヤーピースでしっかりフィットさせるため、遮音性・密閉度が高くなり、低音が逃げにくく迫力あるサウンドを特徴としている。

OpenFitの場合だと奥に差し込むようなイヤーピースは存在せず、あくまで耳にかけ、穴の近くで音を奏でる形式が取られている。そのため一般的な開放型と同じく、音の広がりが良い自然なサウンドを楽しめると推測できるが、とはいえっても穴との距離が離れやすい構造のため、不安に思う人もいいのではないだろうか。

その点、OpenFitに搭載されたDirectPitchTMは位相キャンセルの原理を用いてオーディオ品質を向上させるという。位相キャンセルというのは、簡単に言えば特定の音と音を同時に鳴らすことで音が打ち消し合い、何も聞こえ無くなる原理のこと。(原理的にはアクティブ ノイズ キャンセリングの考え方と一緒)OpenFitはそのDirectPitchTMを用いて耳の穴以外の方向へ広がる音を打ち消し、音漏れを減らしながら相対的に耳の穴への音圧を大きくさせるという。

また、超軽量カーボンファイバーでできたカスタマイズ・ダイナミック・ドライバー・ユニットを搭載し、独自の低周波強調アルゴリズムを組み合わせることで豊かで自然なサウンドを実現するとのこと。アプリ連動させることでイコライザーのカスタマイズも可能なので、外の音に影響されやすい開放型とはいえ、パワフルな低音体験を味わうとともに好みのサウンドを響き渡らせることできるだろう。

ドルフィンアークイヤーフックでしっかり固定しながら自然にフィットし、重量を感じさせない安定性のあるバランス

筆者のようにこちらの方が大事なケースもある形状についてだが、何度もお伝えしているようにオープンイヤーであり、俗にいう開放型となっている。
耳に直接差し込むタイプではなく、運動時にも適したイヤーフックを搭載。人間工学に基づいた設計で0.7mmの超極細な形状記憶素材を内蔵しており、耳の形に自然に優しくフィットしソフトなのに確実なグリップ力を発揮するという。筆者もこの手のアイテムを使っているからこそ、やはりフックの安心感はすごい。
スポーツ向け骨伝導イヤホンを手掛けていたShokzということも加味すれば、徒歩だけでなくランニング、ジャンプしたりとアウトドアの使用も問題ないだろう。開放型ゆえに外では不安な遮音をすることもなく、安全性も万全だ。もちろん、湿気対策も。

これこそオープンイヤー型。開放型で蒸れにくく、イヤーフックでしっかりフィット。

筆者的に大事な

  • イヤーピースに頼らない装着感・フィット感
  • 開放型などの蒸れにくい機構(できるだけ)

という点を満たしつつ、開放型の不利要素である音質・音漏れと言った点にもアプローチが加えられている本製品。
本記事では触れらていないが公式の発信として、本体のみで最長7時間の連続再生、充電ケースを使用すれば28時間の使用可能といった点や、「1 日中快適に」と言った表記も見かけるので、もし手にした際には出勤時間+業務時間+帰宅時間というまさに1日中(休憩時間に充電をしたとして、10時間程度だろうか)の検証も試みたいところだ。
片側のみでの利用も可能とのことなので、運転しながら電話に対応できる片耳にかける小型ヘッドセット、あるいは子供の声を聞きながらキッチンで料理をするといった「ながら聴き」といった使い方にもおすすめできるだろう。

なにはともあれ、筆者のようなカナル型はちょっと…イヤーフックで耳にかけつつ、蒸れにくい開放型が良い、という読者の方は是非検討してみてはいかがだろうか。

製品詳細

製品名:OpenFit
販売価格:24,880円(税込)
製品ページ:https://jp.shokz.com/products/openfit

記事内画像はメーカーより提供

Shokz

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