onesuiteでも撮影に日々使用しているカメラ。熱心な読者の方は既にお気づきかもしれないが、記事冒頭のようにonesuiteでは映像制作も手がけており、さらには記事と連動しない撮影も数多く行っている。そのため、日々というのは字面の通り本当に”日々”なのである。
そんなカメラ機材達も、購入してから早2年強。我々も複数のカメラを所持しているものの、やはり持ち出すことの多い機種ということもあり、高頻度で使用されているSony α7S IIIとFX3については若干不安になってくるほどだ。昨年もほぼ毎日のように酷使しているからこそ、車検のようにカメラにも定期点検があって良いのではないだろうか…。
ということで今回は、普段から頑張ってくれているα7S IIIとFX3、ついでに24-70mm F2.8 GMを労うべくソニーの直営店「ソニーストア 銀座」で清掃・点検サービスを体験して来た。その過程で遭遇した注意点や清掃・点検サービスのこだわりポイント、実際にお邪魔したソニーストア 銀座の見どころなどをご紹介していけたらと思う。
またご紹介しようと言った手前恐縮だが、実のところ筆者が清掃・点検サービスの申し込みをするのは今回が初めて。なので本記事では筆者の体験をもとに、申し込みの手順から紹介させて欲しい。この記事が誰かのHowToとして役立てば幸いだ。

Sony
デジタル一眼カメラ α(アルファ)
清掃・点検サービス
サポート・お問い合わせ

ソニー(αシリーズ)の清掃・点検サービスは場所×コースで選ぶ
さて今回依頼したソニー(αシリーズ)の清掃・点検サービスだが、サービスの依頼方法が店頭持ち込みと引き取りとで2種類存在するほか、さらに中身もフル・ベーシック・ライトという3つのコースに分かれている。そのため実施店舗の場所や受けたい内容などで最適な選択肢が異なるため、基本的には場所×コースの軸で選ぶのをオススメしたい。実はここらへんがちょっと複雑なのだ。

高頻度orソニーストアが近くにある方は「αあんしんプログラム」への加入を検討
まずコースから…と行きたくなるところだが、実は最初に確認するべきは”どこで受けるか”だったりする。先ほど依頼方法が「店頭持ち込み」と「引き取り」とで2種類と記載したものの、店頭持ち込みも実はソニー製品の修理相談窓口「ソニーサービスステーション」と「ソニーストア」という2つの選択肢に分岐するのだ。
とはいえここは簡単で、基本的にはソニーサービスステーションの対応となり、別途ソニーストアにて展開されているオプションサービス「αあんしんプログラム」に加入することでストアも選択可能になるというシステム。(αあんしんプログラムの詳細については後述)
サービスステーションの場合は東京の秋葉原、大阪の日本橋に居を構えているため、通勤通学で頻繁に近くへ赴く方や東京大阪近郊にお住まいの方なら利用しやすい。一方でソニーストアの場合は銀座・札幌・名古屋・大阪・福岡天神が選択肢に加わる。αあんしんプログラムに加入している場合は清掃・点検サービスの価格に割引も受けられるため、サービスの利用頻度が高い方やソニーストアが近くにある方は、この段階でαあんしんプログラムへの加入を検討して欲しい。

またベーシック・ライトを店頭持ち込みで依頼する場合なら、即日対応が可能。可能なのだが…実の所かなりサービス自体が人気らしく、店頭に飛び込みで持ち込んで即やってもらうのは難しいとのこと。ソニーサービスステーションで受ける場合は電話のみだが、ソニーストアの場合はWebからの予約も可能なので、この辺りもαあんしんプログラムの加入をオススメしたい一因になっている。

画像引用元:https://coubic.com/sony-ginza/896146/book/event_type
余談だがαあんしんプログラムは、ストア店頭で申し込む以外に、Webからも加入できる。筆者の様に清掃・点検サービス経由で知った場合でも、Webから即加入できるのはありがたい。
清掃・点検サービスに申し込む前に次はコースを選ぼう
次に決めるべきは、手持ちのカメラやレンズを清掃・点検サービスに出すにあたってのコース選定だ。
サービス内には前述の通り3つのコースが用意されており、ベーシック→ライト→フルの順で受けられる清掃・点検の範囲が広がっていく仕様。細目に依頼する予定であればベーシックを、ある程度期間が空いているのであればライトを、今回の筆者の様に「購入後数年使って初めてです!」という方や車検的な定期点検の意図であればフルコースを選ぶと良いはずだ。

画像引用元:https://www.sony.jp/support/ichigan/repair_service/sensor-cleaning/menu.html
ちなみにメニューが増えているため当然だがコースが上がるごとに値段も上昇しており、ベーシックではボディ+レンズ1本※1で3,300円(税込)、ライトではボディ+レンズ1本で11,000円(税込)、フルコースになるとボディとレンズが別料金となりボディは9,900円(税込)、レンズは12,100円(税込)となっている。どのコースをどんな頻度で受けるかは、自身の使い方やお財布と相談して決めてほしい。
ベーシックコース | ボディ+レンズ | ※2 3,300円(税込)/4,400円(税込) |
ライトコース | ボディ+レンズ | 11,000円(税込) |
フルコース | ボディ | 9,900円(税込) |
フルコース | レンズ | 12,100円(税込) |
※1 レンズ2本目以降は1本につき550円(税込)
※2 ソフトウェアアップデートを実施しない場合は3,300円(税込)、実施する場合は4,400円(税込)
そして少々複雑になる要素として、このコースも清掃・点検サービスを実際に行う場所に関わってくる。
ベーシックコースとライトコースについては店頭設備で可能な内容なのに対し、フルコースの内容は店頭で実施できないため自動的に修理センター行きになるのだ。もちろん店頭でも受け付けてくれるものの、結果として店頭からセンターに発送される形になるため、持っていく時間分がロスタイムになってしまう。それを考えれば、フルコースの場合は最初から引き取りで進めるのが良いはずだ。
引き取りの場合はメニューごとに送料が加算。ただし送料分のメリットはある
では近くにサービスステーションやストアが無い方や、フルコースの場合はどうするべきかと言えば、引き取りでの依頼である。ベーシックやライトなど、申し込むコース単位で送料が別途3,300円(税込)かかるため、複数の機材を一度に出す場合は注意して欲しい。加えてフルコースはボディとレンズが別コース扱いのため、ボディ+レンズを1台ずつ依頼した場合は送料だけで6,600円(税込)となるので覚悟しておこう。

ただし送料分のメリットもキチンとあり、まず自宅や事務所など指定住所まで取りに来てくれる利点は殊の外大きい。特に上記の通り店舗まで距離が有る場合は、往復の移動費分で相殺されるパターンも多いはずだ。また訪問日時も日付+9時から20時の間で3時間単位で指定できるため、狙ったタイミングで受け渡しを行うことができる他、事前の梱包不要でその場で専用箱に入れて回収してくれるという仕組み。ここまで至れり尽くせりであれば、3,300円という送料もあまり高いとは思えないだろう。

1点注意するポイントとしては引き取りの場合、平均で1週間から10日ほど返却にかかる見込みとのことなので、店頭持ち込みよりもスケジュールに余裕を持つ必要が有ることくらいだろうか。
コレでマスター!ソニー(αシリーズ)の清掃・点検サービスの選び方
以上を踏まえ、上記2+1個の検討要素を踏まえフローチャート化したものが下記だ。

まず依頼する頻度やストアとの距離に応じてαあんしんプログラムへの加入を検討すると良さそうだ。依頼が低頻度、かつソニーストアが遠いということでも無ければαあんしんプログラムのメリットを何らかの形で得られる。その後はコースを選びフルコースの場合は引き取り依頼を、ライト・ベーシックであれば店頭持ち込みで予約を取るのがオススメ。
また初めの分岐でストアが遠い方はαあんしんプログラムの加入有無に関わらず、引き取りがオススメとなる。絶妙な距離だな…と感じる方は、約10日間という待ち時間と3,300円の送料を天秤にかけて決めると良いだろう。期間に余裕が有り、往復3,300円以上の移動費がかかるなら素直に引き取り依頼が良さそうだ。もちろん一度に依頼する機材の数が多かったりする場合はその限りではないため、フローチャートを参考にしつつ自身で計算してもらえれば幸いだ。
依頼場所・コースを決めた後の窓口は下記にまとめてあるので、こちらも活用してもらえれば嬉しい。
- αあんしんプログラム加入の場合(引き取り依頼 / 店頭持ち込み 共に下記)
https://www.sony.jp/exclusive/anshin-program/maintenance.html - 加入しない場合(引き取り依頼)
https://www.sony.jp/support/ichigan/repair_service/cleaning_online/ - 加入しない場合(店頭依頼 ※ライト・ベーシックコース)
サービスステーション 秋葉原 / 日本橋に電話予約
https://www.sony.jp/support/ichigan/repair_service/sensor-cleaning.html#settingOpen1
ソニーストア 銀座で清掃・点検サービスを体験。
ここまでが実際に清掃・点検サービスを申し込むまでの流れである。ちなみに筆者が選んだのはもちろんフルコース。2年強も使い込んだカメラ・レンズを労うためには、やはり最高位のコースを受けて貰うほかないだろう。
とはいえフルコースで引き取りを選択した筆者の場合、後は待っていれば配送業者が回収してくれ、清掃と点検が終わり次第返ってくるだけである。それだけでは記事として何とも味気ない…ということで今回は、少々無理を言ってソニーストア 銀座にて店頭持ち込みで受けられるライト・ベーシックコースでどんな内容が実施されるのか体験・見学させてもらうことにしたのだ。

強みはお客さんとの距離の近さ。店長の語るソニーストアの魅力
というワケでやってきた、ソニーストア 銀座。東京メトロ 銀座駅ほど近くのビル「銀座プレイス」の4~5階に居を構えており、今回の目的であるカメラ・レンズはもちろん、テレビやスマートフォン、オーディオ機器などおおよそソニーと聞いて浮かぶアイテムの大半が一同に会するスポットだ。
せっかくお邪魔しているのである。主題である清掃・点検サービスは一旦横に置き、ソニーストアについても取材させていただこう。

まずはソニーストアについて、ソニーストア 銀座で店長を務める宮﨑 千夏 氏に伺った。
宮﨑氏は取材時点で銀座店に店長として着任して3年目。それ以前は名古屋店の店長を4年ほど務めた後に、本部で直営店全体のマネジメントに携わっていたという。 実はソニーストアの”始まり”から関わりが有るらしく、元々は大阪の心斎橋にあった「ソニータワー」というショールームのアテンダントとして入社されたとのこと。そのショールームが2004年に販売機能を伴った直営店へとリニューアルされたのがソニーストアの始まりなんだとか。

ーー今回はよろしくお願いします。お伺いしたところ、ある意味ソニーストアのことを誰よりもご存知の様子。ぜひ宮﨑さんが感じている「ソニーストアの魅力」を教えてください。
宮﨑:
やっぱり一番の魅力は、スタイリストですね。ソニーストアでは、店舗スタッフのことを「スタイリスト」と呼んでいます。商品知識だけではなくて、お客様ひとりひとりに寄り添った提案をさせていただくことができるスタイリストがたくさんいることが独自の強みだと思っています。
宮崎氏が一番の魅力として挙げているように、ソニーストア 銀座にはWebページから確認できるだけでも20名以上のスタイリストが所属しており、彼らのプロフィールや得意なジャンル、所有資格などを確認できるようになっている他、接客の予約まで可能になっている。

画像引用元:https://www.sony.jp/store/retail/ginza/index.html
このスタイルはヘアサロンやエステなどでよく見かけるもので、前述の「ひとりひとりに寄り添った提案」を踏まえると、確かにスタイリストという表現がピッタリかもしれない。また各々の個性を生かした接客も魅力のようで、そのことが強く表れているのが店舗で行われているイベントである。
ーーソニーストア 銀座では様々なイベントを開催されていますよね。どのようなものがありますか?
宮﨑:
特にご好評いただけたものに「推し活撮影体験会」というものがあります。カメラ商品を使ったイベントで、例えば野球好きのスタイリストが野球ファンのお客様向けに、選手を撮るコツをお教えするとか。あとはアイドルファンのスタイリストが、コンサート会場で写真を綺麗に撮影する方法を紹介するなど、「推し活×撮影」というテーマで色々と実施しています。お客様からも大変好評です。
これはスタイリストという形で、接客する”個人”に魅力を感じるからこそ成立するイベントだろう。自身のやりたい事が即座に伝わる同好の士が居れば、それだけ話が早いに違いない。事実、筆者が伺ったのは平日の午前中という閑散としやすい時間帯にも関わらず、来店した方がスタイリストと話し込んでいる様子を度々見かけることができた。タイミングが合わずイベントの取材は叶わなかったが、その様子だけでも盛況ぶりに想像がつくというものだ。

ーーちなみに、宮﨑さんは今でも自ら接客されることはありますか?
宮﨑:
もちろんです。限られた時間にはなってしまいますが、週末などはできるだけ店頭で実際にお客さまとお話をさせていただくようにしています。「実は店長なんです」って言うと、よく驚かれます(笑)。「係員の人かと思った!」とか「店長もフロアに立つんですね!?」などと……。「あの人(スタイリスト)の接客、すごく良かったよ」といったお褒めの言葉をいただけることもあります。今でもお客さまの声を直接うかがうことを大切にしています。
ーー最後に、長きにわたってソニーストアの店舗に携わり続けることができた理由を教えてください。
宮﨑:
やっぱりお客様が喜ばれている瞬間に立ち会えることですね。商品を買っていただいた瞬間はもちろん、「すごい。こんな機能があるんだね!」などと、喜んでいただけた瞬間は自分も楽しくなります。あとはスタイリストたちがお客様とのコミュニケーションを通じて、成功体験というか、成長する瞬間を見ることもできます。「現場って、楽しいな」と思います。
スタイリストのみならず店長とすら気軽に話ができる場所、そんな距離の近さがソニーストアの大きな強みなのだろう。
ユーザーからスタイリストへ。小林氏に聞くスタイリストのやりがい
さて、そんな一番の魅力としても挙げられているスタイリストの方々。実際のところ彼・彼女らはどんな思いで日々活動しているのだろうか。こちらにも話を聞いてみよう。
ーースタイリストと聞くとファッション業界の肩書き(※タレントやモデルなどが着る服や小物をコーディネートする職業)という印象が強いのですが、どのような業務を担当されているのですか?
ソニーストア 銀座 スタイリスト 小林 優樹 氏:
お客様にもよく言われます(笑)。 ソニーストアのスタイリストとは、一般的には店舗スタッフと呼ばれる立場にはなるのですが、「スタイリスト」という肩書きの理由は、商品を販売するといったいわゆる接客だけではなく、購入前の相談や購入された後の使い方やメンテナンスといったお困りごとの相談にも応対できる商品に関する専門的な知識を持ったスタッフという意味が込められているからだと思います。実際に私たちスタイリストがお客様の悩みごとを解決するためのご提案を日々させていただいています。

小林氏は以前、撮影の仕事からカメラ機材の販売といったカメラに関わる仕事を幅広く行っていたようで、普段からソニーのカメラを愛用しているという。その後縁あって、ソニーストア 銀座に勤めることになったそうだ。
ーーユーザーからスタイリストになられたと?
小林:
その通りです。普段のユーザーとして経験を活かして、お客様に商品知識だけを伝えるのではなく、お客様に寄り添ったご提案を心がけています。

ーー最近のお客さんとのやりとりで印象的だったことはありますか?
小林:
先日、ご年配のお客さまが初めて来店されました。僕、猫を飼っているのですが、そのお客様も猫を飼われていらっしゃいました。ソニーストアには(前述の通り)「接客予約」というサービスがあって、そちらを使っていただくとスタイリストを指名してご予約いただくこともできます。僕は猫を飼っているという情報も載せているのですが、その方はそれを見て僕を指名してくれたのです。
その後カメラとレンズをお買い上げいただきましたが、接客の間は猫についても色々とお話させていただきました(笑)。後日、その方が改めて僕を指名してご予約されていらっしゃって、新しいカメラで撮った猫の写真を見せてくれたことがすごく嬉しかったです。
ーー店員とお客さんという枠を超えて交流が生まれるというのは素敵ですね。
小林:
ソニーストアが直営店ということが大きいと思いますが、一度お目にかかったお客さまと繋がり続けられるという意味でも、この仕事にやりがいを感じています。

清掃・点検サービス以外にも活きるαあんしんプログラム
そんな小林氏に手伝ってもらい、清掃・点検サービスの受付も体験してみた。筆者の場合は既にWebから引き取りまで手配済みだが、実際にストアで対応してもらう場合は、まず症状や状態、希望する対応などのヒアリングから始めるという。

これは複数あるコースから最適な内容を選んでもらうためとのことで、申し込み用紙兼アンケートシートを埋めながらコースを決めていく。ちなみに小林氏のプロフィールにも記載されていた「動画マスター」という資格は、社内認定制度に基づくものらしくカメラ商品のマスターに認定されたスタイリストであれば、静止画と動画どちらの専門知識をもっているとのこと。筆者は、記事前半で申し込み前にコースを決めることを推奨していたが、「自身で決められるか分からない」「プロに判断してもらいたい」という方はストアに赴いてみると良さそうだ。
またαあんしんプログラムについても尋ねると
小林:
「αあんしんプログラム」とは、各ソニーストア店舗で受けられる有料の会員サービスになります。清掃・点検サービスの料金割引以外にも、レンズを購入する際の長期保証のご優待など、5つの特典もご用意しています。
との回答が。
小林氏の語る通り、筆者が加入した主な目的も清掃・点検サービスの料金割引だ。ベーシック・ライトコースでは50%引きになり、フルコースでも20%引き。定期的なメンテナンスを前提とするなら、月額会員料金の550円(税込)などすぐに元が取れるだろう。

移動費などを加味しなければ、ベーシックだけなら年4回、ライトと組み合わせるならそれぞれ年1回以上行えばコレだけで元が取れてしまう。
加えて中々強力なのがレンズの長期保証で、こちらは3年ワイド/5年ベーシックの保証が無料に、5年ワイドが50%引きになるという内容だ。ベーシックとワイドの違いは、一般的な自然故障を保証してくれるベーシックに対し、ユーザー過失として対象外になることの多い破損や水濡れといった内容まで保証してくれるというもの。筆者の知る限り、ここまでの期間かつ対象範囲の広い保証は中々無いので「ソニーストアでレンズを購入したなら加入するべき」と断言できるレベルだ。

画像引用元:https://www.sony.jp/ichigan/store/special/anshin-program/
ーーどのような方にオススメですか?
小林:
定期的にメンテナンスを行われていらっしゃる方には幅広くオススメできます。また、「レンズ長期保証」についてはレンズをお買い上げいただくときに同時に加入していただく必要があるので、ご注意ください。
ソニーストアの清掃・点検サービス、その裏側にはヒーローが居た
受付を済ませたところで、それでは本題である清掃・点検サービスの裏側に迫っていこう。この部分を教えてくれるのがαテクニカルスーパバイザーの伊藤 嘉信 氏だ。

ーー伊藤さんはスタイリストではなく、αテクニカルアドバイザーという肩書きですが、どのような業務を担当されていますか?
αテクニカルアドバイザー 伊藤 嘉信 氏:
αシリーズというカメラ製品について技術面からスタイリストをサポートしたり、お客様へのご説明などを行なっています。そのほかにも店舗におけるαシリーズの清掃・メンテナンス作業も担当しています。
そう言って見せてくれたのが、一般客が立ち入ることができない作業スペース。ここで伊藤氏は普段作業されているのだとか。卓上には清掃用の各種溶液や紙製のウエス、綿棒、ブラシなど清掃用具がずらりと並び、ホコリやチリなどを確認するためのライトが据え付けられているなど、いかにも作業場と言った雰囲気だ。それらを使い、軽やかかつ丁寧に磨き上げ、そして点検を進めていく。

ーー店舗で清掃・点検サービスを利用する場合、どれくらいの待ち時間になるのでしょうか?
伊藤:
店舗で作業を行う場合は、清掃と点検を合わせて90分ほど所要時間をみていただいています。
ーー90分!?たったそれだけで終わるものなのですか
伊藤:
ええ(苦笑)。最初は私自身もそんなに短時間でできるものか、と思いましたが今では余裕すらあります。
その言葉を裏付けるかのように、あれよあれよという間に作業は進む。気づけばレンズを手にしていたはずが、既にカメラボディに手が移っていた。

ーー清掃する必要があるのは、カメラのどの部分が多いですか?
伊藤:
やはりセンサーですね。「写真に黒い粒が写ってしまう」といった悩みから清掃・点検サービスをご利用いただくことが多いです。もちろんボディだけでなく、レンズの清掃・点検も行なっています。

ーーお客さんとのやりとりで心に残った出来事はありますか?
伊藤:
以前にとても暗い顔でいらっしゃったお客様がいました。その理由をおたずねしたところ「カメラのセンサーに誤って指紋を付けてしまった。Webで調べたところ、(クチコミで)『その部分はクリーニングできない』といった意見が多かったのでダメ元でいらっしゃったことがわかりました。
ーー絶望に打ちひしがれた様子だったということですか?
伊藤:
そうですね。そこで「できるだけ努力してみます」とお伝えして、自分の持っている技術を総動員してクリーニングしたところ、新品と同様にピカピカにすることができました。お客様に綺麗になったカメラをお見せしたところ、泣きながら笑うと言いますか、心から喜ばれていらっしゃる様子が伝わってきました。

ーーまさにヒーローですね。
伊藤:
(笑)。たしか10回ぐらい、ありがとうと言っていただけた記憶があります。実は、そのお客様には今でもリピーターとして銀座店で清掃・点検サービスをご利用いただけているんです。「あのときは、大変でしたね」などと、笑いながら思い出話をさせていただくこともあります。私自身も写真が趣味なので、綺麗になったと喜んでいただけたときは嬉しいですね。

そんな話をしている間に清掃と点検は終了。その結果を見せてくれたのだが、違いは一目瞭然だ。
特にセンサー部の汚れの違いは非常に顕著で、清掃前に浮かび上がっていた汚れがキレイさっぱりと消え去っている。その手際に驚くと共に、購入後こうした点検が行われていなかった弊社のカメラがどうなっているのか…少々怖くなってしまったのは内緒だ。

定期的に受けよう清掃・点検サービス。せっかくならソニーストアで
その他にも最新鋭の機材が並び、定期的にイベントも開催されるソニーストアはただ訪れるだけでも楽しい場所だ。清掃・点検サービス自体も予約すれば90分で終わるため、待ち時間で店内をぶらつきつつスタイリストに相談を持ち掛けてみるのも良いだろう。ストアまでの距離という制約は如何ともしがたいが、気軽に行ける距離に住んでいるのであれば、間違いなく行ってみる価値はあるはずだ。

ちなみに別途点検に出していたカメラがどうだったかと言うと、しっかり故障の兆候が見つかった。(2年強も酷使していたのだから当然と言えば当然である。)ただそれもセンサー裏側の傷という、ゴミの侵入を許したまま使用したことで発生したとしか思えない事象で、定期的なケアを行っていれば防げたかもしれない内容。こうならないためにも、読者の皆様には最後にコレを覚えてから記事を終えていただきたい。
「定期的に受けよう清掃・点検サービス。せっかくならソニーストアでね」
ギャラリー



























Sony
デジタル一眼カメラ α(アルファ)
清掃・点検サービス
サポート・お問い合わせ
