第50回東京モーターサイクルショー: 発売前の新車両多数な会場をレポート (国内4メーカー編) 

3月も終わりに差し掛かり、徐々に過ごしやすくなる気温。各地ではお花見シーズン真っ盛りといったところだろうか。だが筆者を含め、バイク好きのライダー達にとってはそれだけではない。そう、モーターサイクルショーの季節がやってきたのだ。 

モーターサイクルショーとは毎年この時期、3月半ば~4月にかけて大阪→東京→名古屋と各地で順繰りに開催されるバイク関連メーカーの一大祭典である。その特徴は、なんといっても数多くのバイクメーカーが実車や実機の展示を行うことだろう。発売前の新車両・新製品から憧れのMoto2マシン、各メーカーのコンセプトモデルに至るまで、ここでしかなかなか見ることのできないモノが盛りだくさんだ。 

一時期はコロナ禍により開催を危ぶまれたが、オンラインなどを挟みつつも無事継続され、東京モーターサイクルショーは今年、記念すべき第50回を迎える。 

onesuite編集部でも、一部のバイク好き(筆者)の熱烈なアピールにより東京モーターサイクルショー開催当日に足を運ぶことができたので、会場の様子や展示製品を含めレポートをお届けしようと思う。 

まずは主要な国内4メーカーからだ。 

目次

■Honda 

まずブースで目を引くのは、円形状に回転するバイクにまたがることで、疑似走行を体験できる「ホンダゴーラウンド」だろう。他にもアクセルを開ければ録音された排気音が楽しめるコーナーや、子どものみが試乗可能な小型バイク、グリップヒーターを実際に体験できる車両など、コンセプトであるアミューズメントパークらしく、移動式の遊園地のようである。

メインとなる車両はこの2台だ。 

XL750 TRANSALP 

日常から世界一周まで叶えるジャストサイズオールラウンダーがコンセプトの750ccクラスの大型アドベンチャーモデル。大型のウインドスクリーンや倒立フォークを採用したフロントフォーク、路面追従性に優れたプロリンクサスペンションにより、市街地から高速道路、峠道から未舗装路までどんなシーンでも快適なツーリングを楽しめるモデルだ。 

CL250・CL500

すでに多くのファンを獲得しているクルーザーモデル、レブルシリーズをベースとしたスクランブラーモデル。各所に共通の意匠はあるものの、特徴的なアップマフラーやタンクパッド、フラットタイプのシートなどにより、全体としての印象は大きく異なる。余裕のあるストロークを確保したサスペンションやブロックの刻まれたタイヤなどスクランブラーとしてより高い走破性を獲得した。

■YAMAHA 

今回、国内初お披露目となる155cc・125ccのスポーツモデル4機種をメインに、車両だけでなくアクセサリーや、ヘルメット、オイルなど周辺アイテムを取り揃えバイクにまつわるアレコレをトータルで展示している。『#ヤマハではじめるバイクライフ』『#あつまれヤマハ乗り』をキーワードとし、すでにYAMAHAの車両を所有しているライダーはもちろん、これからバイクを始める人には是非足を運んでほしい内容だ。 

見どころになるのはこの125/150cc 4兄弟だろう。 

MT-125/ YZF-R125R15 

フルカウルを装備し、スポーツ走行をメインとしたYZF-Rシリーズと、その兄弟分である市街地などをメインとしたMTシリーズ、それぞれの末弟にあたる125・150ccクラスの最新モデル。それぞれのシリーズの“味”は残しつつも、小排気量ゆえの燃費の良さや保険料も含めた維持費の低さなど、初めてのバイクから熟練ライダーのセカンドバイクまで幅広くお勧めしやすい。 

XSR125 

筆者個人として注目なのがこちらの一台だ。街中の似合う、お洒落なネオクラシックのシリーズであるXSRの末弟にあたる。すでに排気量の違う150ccクラスが海外では販売されていたものの、日本では発売されておらず登場が待ち望まれていたが、ついに国内規格にマッチした125ccクラスとなって登場した。外観はレトロな外観と、乗りやすさで人気を博したひとつ前のXSR900に酷似しており、さながらミニマムXSR900といった雰囲気。 

■Kawasaki 

先日大阪会場で発表されたELIMINATORや、ついに実車公開となったNinja ZX-4RRなどをはじめ多数の車体を用意し、ライダーウェアの展示やコンシェルジュによる説明など、Kawasakiのディーラーであるカワサキプラザの主張店といった雰囲気となっている。また新型であるELIMINATORには専用の試乗エリアが設けられ、筆者が訪れた際にはオプションであるローシートを装着した状態の足つきなどを試すことができた。

ELIMINATOR 

独自のロー&ロングフォルムで存在感のある一台。車格は大柄ながら軽量化が追及されており、170kg台と400ccのスポーツモデルとほぼ変わらないため、車高の低さも相まって取り回しがしやすいだろう。またカワサキの同クラスでは初のETC2.0車載器キットを標準装備しているため、通勤・通学のような日常使いから、ツーリングまで気軽に楽しめる。 

Ninja ZX-4RR 

ついに復活した400ccクラスの4気筒スーパースポーツモデル。2019年に発表された兄弟モデルであるZX-25Rの登場時から噂され、今年ついに発売となる。大型バイクにも負けないラムエア80馬力というハイパワーを実現し、本格的なスポーツ走行が可能。調節可能なサスペンションや変更可能なライディングモード、クイックシフターなども搭載した400ccクラス最高峰といっても過言ではない一台だろう。 

■SUZUKI 

新開発された800ccクラスのパラツインエンジンを中心に、同エンジンを搭載した新モデルV-STROM 800DE、GSX-8Sなどを展示している。テーマとなっている「踏み出そう ~鼓動たかめて~」にもとづき、旅やツーリング、新生活といった新しい世界へのワクワク感を押し出しており、日常使いに最適なストリートモデルやロングツーリングに適したツアラー、走破性の高さが売りのアドベンチャーなど、ある種SUZUKIらしい日常から地続きのフレンドリーなバイクを感じさせる。 

V-STROM 800DE 

アドベンチャーモデルでありながら、日常使いやツーリングなども快適にこなせることで多くのユーザーに愛されてきたV-STROMシリーズの新型モデル。シリーズ内では上から2番目の排気量に位置する800ccとなっており、今回展示されている新型エンジンを搭載している。エンジンサイズがコンパクトになったことで、スリムかつ軽快な足回りが実現されているそうだ。 

GSX-8S 

同じく新型エンジンを採用したストリートファイターモデル。前モデルにあたるGSX-750Sから大きくデザインが変更されたほか、倒立フォークや先進の電子制御、LED化された灯火類などよりモダンに生まれ変わった。一方でエンジンパワーは数値を誇るよりもあえて使いやすい範囲に抑えられ、より使いやすいバイクを目指すかのような、近年のSUZUKIらしい設計思想が見て取れる。 

まとめ 

主要な国内メーカーである4社、いかがだっただろうか。 
4社4様、各メーカーのキャラクターが感じられる展示内容で、筆者個人としては大満足である。残念ながら会場に行けないという方に、少しでもその場の雰囲気を感じていただければ幸いだ。 

 
次回は国内4メーカーだけじゃない!海外メーカー編ということで、Harley-DavidsonやBMWを始めとした海外の主要メーカーに焦点を当てて紹介していければと思う。 

後編はこちら

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