JAPAN MOBILITY SHOW 2023未来の日本を体感できるモビリティショーを味わい尽くせ!:後編

東京ビッグサイト

JAPAN MOBILITY SHOW 2023

前編では西側・南側に展示されている、「JAPAN MOBILITY SHOW(ジャパンモビリティショー)」へフルモデルチェンジしたことによる新要素を紹介した。
「Tokyo Future Tour」や、キッザニアとコラボした子供向け職業体験ができる「Out of KidZania」、著名なアーティストや芸能人も登壇するエンタメステージ「H2 Energy Festival」など、クルマ好き以外も楽しめる総合的なイベントとしての紹介を知りたい方は、ぜひ前編を確認して欲しい。

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それでは改めて、まだ紹介ができていない、クルマ好きが集まる東側を紹介しよう。
なお、かなりのメーカー数があるため、以下のようにページを分けて紹介する。

1ページ目 国内メーカー編その1(TOYOTA・レクサス・日産・マツダ・Honda)

2ページ目 国内メーカー編その2(SUBARU・スズキ・三菱自動車・ダイハツ)/ 海外メーカー編

3ページ目 クルマ以外が主のメーカー


もし気になるメーカーがある人は、それぞれのリンクから飛んでもらえると幸いだ。

目次

国内メーカー編その1(TOYOTA・レクサス・日産・マツダ・Honda)

それでは早速、国内メーカーの前半から順に見ていこう。

TOYOTA ブース「クルマの未来を変えていこう-Find Your Future」

TOYOTAブースでは「クルマの未来を変えていこう-Find Your Future」をテーマに、発表したばかりの新型車両だけでなく、EV系車両をはじめとした未来の車やモビリティ生活を体験することができる。

JAPAN MOBILITY SHOW 2023 TOYOTAブース

例えば会場にて展示されているピックアップタイプのコンセプトモデル「IMV 0」は、その拡張性を活かしひと息つける「モビリティカフェ」やカプセルアイテムで盛り上がれる「CAPSULE BAR」としてカスタマイズ。後者の「CAPSULE BAR」では、簡単な質問に答えるとミニカーが入ったカプセルが貰える。

その他にもリアルドライビングシミュレーターゲーム『グランツーリスモ7』をベースに、立ったままでの操作や車いすに乗ったままでの操作など、アクセルやブレーキのペダルがなくても運転操作が可能となる新たな技術を体験できる「NEO Steer ドライビング体験」なども用意されていた。

こうした体験コンテンツも用意されたTOYOTAブースだが、やはりモビリティショーの花といえば一番はクルマ。会場では個性的なコンセプトモデルを見ることができる。

次世代のBEVコンセプトモデル「FT-3e」と「FT-Se」

この2台はいずれも電動化や知能化により変わるクルマの未来と、クルマがもたらす新たな体験価値を提案することを目的に開発されたBEVのコンセプトモデルだ。BEVの特徴でもあるレスポンスの良さだけでなく、乗り味のカスタマイズや街の情報を検索できる機能が盛り込まれている点など、良い意味でこれまでの”クルマ”と言う枠組みから逸脱した製品と言える。

折りたたんで車に積載可能な電動バイク「LAND HOPPER(ランドホッパー)」

最近少しずつ目にする機会も増えてきた電動バイク。その中でも「LAND HOPPER」は3輪かつ折り畳み可能という少し珍しいデザインだ。特にこの折り畳み機能が秀逸で、よくある保管のための折り畳みではなく、クルマのトランクなどへの積載を前提とした形をとっている。

また改正道路交通法における特定小型原動機付自転車を想定しており、免許がなくとも16歳以上であれば運転が可能。そのため実際に発売された暁には車の維持が難しい都心部や、逆に車が無いと生活が難しい郊外地域での免許返納後の足など様々なシーンで活躍してくれるのではないだろうか。

JAPAN MOBILITY SHOW 2023 TOYOTA LAND HOPPER(ランドホッパー)

レクサス ブース「Pushing the Boundaries of the Electrified Experience」

「Pushing the Boundaries of the Electrified Experience」をテーマに、電動化で実現する未来のクルマとモビリティーを体験できるのがレクサスブースだ。デザインとしては素材に竹などといった環境に優しくサステナブルな素材を使い、ビジュアルとしても伝統的な日本の美しさを全面にアピールしており、カーボンニュートラル社会の実現に向けたブランドの想いが表現されている。

JAPAN MOBILITY SHOW 2023 レクサス ブース

目玉の他にも、2022年1月に初公開されていたLEXUS初の水素エンジンを採用しているROV Conceptが2両展示されており、試乗することもできた。モデルが側に立っていることもあり、ブランドが示す世界観がよくわかる演出となっていた。

2026年の導入を目指す次世代BEVコンセプト「LF-ZC」、未来のビジョンを示唆するBEVフラッグシップコンセプト「LF-ZL」

JAPAN MOBILITY SHOW 2023 レクサス LF-ZC
次世代BEVコンセプト「LF-ZC」
JAPAN MOBILITY SHOW 2023 レクサス LF-ZL
BEVフラッグシップコンセプト「LF-ZL」

最も目玉なのがArene OSを搭載する、次世代コンセプトの2両だ。 Arene OSはTOYOTAが独自開発している最先端のプラットフォームで、そこに向けたクルマ(ハード)の開発がまさに進められているというわけだ。動くセンサーとなるクルマは見たり触ったり、聞いたり匂いを嗅いだりすることもできるため、よりパーソナライズされた情報提供・体験が可能になる。そのコンセプトモデルがいよいよ公開となったこともあり、写真の方用説明を求める人だかりができていた。

ちなみに、そういった未来のドライビングを擬似体験できるVRシミュレーター「Lexus Electrified VR Experience」も現地には備わっている。もちろんただの運転シミュレーターではなく、たとえば趣味嗜好に合わせた目的地の提案や道路状態に応じた運転モードの変更などなど、電動化・知能化技術を活かしたパーソナライズされたドライビングをVRならではの没入感で体験できるとのこと。

レクサス_シミュレーター

日産 ブース「日産『ハイパー』EVコンセプトカーシリーズ」

日産ブースでは、創立時から受け継ぐ「他のやらぬことをやる」という精神を体現した新たなコンセプトカーを5種も発表した。また、90周年記念車を含めた合計14台を展示しており、一際規模感の大きい展示と言えるだろう。

日産_会場

早速メインとなるコンセプトカーについて触れていこう。 日産のイノベージョンを支える3本の柱である「電動化」「EVシステム」「知能化」を象徴するようなクルマとなっており、1台に1人づつイメージキャラクターが搭乗している。

日産「ハイパー」EVコンセプトカーシリーズ「ニッサン ハイパー フォース」

究極のスーパースポーツEVとして発表されたのが「ニッサン ハイパー フォース」だ。NISMOレーシングチームと共同開発した空力設計ということもあり、かなり強力なダウンフォースが期待できそう。とはいえサーキットだけでなく、快適な長距離ドライブも可能にする二つのモードを持つ。搭乗するのはHIDEというスタートアップのCTOで、レーシングゲームとリアルなサーキットの両方を好む。
ちなみに、よく見るとわかるのだがフロントの赤いロゴは”R”に似た何かであって、決して”R”ではない。筆者は見事に騙された口だ。

日産_ニッサン ハイパー フォース
日産_ニッサン ハイパー フォース2

コンパクトクロスオーバーEV「ニッサン ハイパー パンク」

お次に紹介するのは「ニッサン ハイパー パンク」。 インフルエンサーやコンテンツクリエーターといったアーティストをターゲットにした、コンパクトクロスオーバーEVとのこと。特徴的なのはそのデザインで、空力性能とは逆をいく立体的で多角形を強調したエクステリアデザインは、まさに自己表現の現れといったところか。個人的にドアの開き方が好みで、今回のコンセプトカーシリーズでもし買うとしたらこの1台にする。搭乗するのはZ世代から絶大な人気を集めるコンテンツクリエイター、Yuki。音楽クリエイターでありながら、3D CGモデリングもこなす、まさにアーティスト。

日産_ニッサン ハイパー パンク

プレミアムEVミニバン「ニッサン ハイパー ツアラー」

3台目のコンセプトカーはプレミアムEVミニバンの「ニッサン ハイパー ツアラー」。 エレガントなそのビジュアルは、今までの3台の中では一番現代に近しいものだが、驚くべきはその内装。詳細はぜひ現地で見て欲しいが、なんと新幹線のシートのように前列が後ろ向きになり、向かい合って座ることができる。色合いからも全体的にラグジュアリー感ただようデザインで、ターゲットとしては友人らとのドライブ旅行を楽しむ人々。搭乗するのは未来の旅をサポートするスタートアップに勤める役員、Kei。ターゲットの通り、気の合う仲間との時間や人生を楽しむことを何よりも大切にしている。

日産_ニッサン ハイパー ツアラー

また、体験型のコンテンツとして電動駆動4輪制御技術である「e-4ORCE」の走りを再現したドライビングシミュレーターも。座席ごと動くタイプのシミュレーターでオンロードオフロードの違いやを6つのステージから選んで体験できる。ちなみに、事前予約制なので興味がある人は早めにいくと良いかもしれない。

マツダ ブース「『クルマが好き』が、つくる未来。」

マツダのブースでは全体テーマとして「『クルマが好き』が、つくる未来。」を掲げ、マツダの企業理念である「前向きに今日を生きる人の輪を広げる」を具象化した5つのテーマ展示を見ることができる。

MAZDA_会場

ブース入口付近にはマツダの原点とも言える初代ロードスターが展示され、その他にも実際に子供が乗りこむことができる2/3スケールのロードスターや、10月4日に予約を開始したばかりの4代目ロードスター、手動操作のみで乗ることのできる福祉車両ロードスターSeDVなど、「ロードスター」一色に染まっていた。

JAPAN MOBILITY SHOW 2023 マツダ 初代ロードスター

またブースの壁面には「MINITURE CAR WALL」というマツダの従業員やその家族が所有していたミニカーをあつめた巨大な展示がなされ、一方では今回発表されたコンセプトモデルである「MAZDA ICONIC SP」をVR上で体験できる「MAZDA VR EXPERIENCE」が用意されるなど、ブース全体で「クルマが好き」という思いの原点、そしてこれからの未来を感じさせる。

EVコンパクトスポーツカーコンセプト「MAZDA ICONIC SP」

中でも注目したいのは、今回のイベントに合わせて発表された最新のコンパクトスポーツカーコンセプト「MAZDA ICONIC SP」だ。この車両は水素など様々な燃料を燃やせる拡張性の高いロータリーエンジンを活用した、2ローターRotary-EVシステムを搭載しており、カーボンニュートラル燃料で発電するという。

高いパワーと低重心なプロポーションから生み出される優れた運動性能を持つ一方で、バッテリーを搭載したEV車両という特性も兼ね備えおり、この車両1台で一般家庭1週間分の電力を供給することができるため、災害時やレジャーなどの予備電源としても活躍するとのこと。

JAPAN MOBILITY SHOW 2023 マツダ MAZDA ICONIC SP
JAPAN MOBILITY SHOW 2023 マツダ  MAZDA ICONIC SP
ロードスターらしい低く構えたデザインと艶やかな赤が目を惹くデザイン。思わずこれだけで欲しくなってしまう。

Honda ブース「Honda DREAM LOOP」

今年75周年を迎えるHondaのブースでは「Honda DREAM LOOP」をテーマとしており「Hondaの夢をかたちにしたモビリティを起点に、未来に向けてお客様の夢が多様性に満ちて広がっていくことを表現」しているそうだ。

HONDA

そんなHondaの夢をかたちにしたモビリティとして、今回のイベントでは「時間や空間といったさまざまな制約からの解放」、「人の能力と可能性の拡張」という2軸に基づく製品が展示され、必ずしも自動車にとらわれないホンダの考える未来のモビリティを見ることができる。

これからの電動力時代への先駆けとなるEVスポーツモデル「プレリュード コンセプト」

とはいえ会場ではクルマの最新モデルも見ることができる。こちらは当日発表されたスポーツコンセプトモデルの「プレリュード コンセプト」。Hondaが好きな方であればこの名前に反応する方も多いのではないだろうか。プレリュード=前奏曲という名の通り、このモデルはこれからの電動力時代への先駆けとして開発されたスペシャリティスポーツモデルだという。 自動運転技術や電動化が進む中でも、運転すること走らせることの楽しみを忘れないHondaのスポーツモデルらしいスタイリッシュなデザインに仕上げられている。

HONDA_プレリュードコンセプト
ながらく欠番となっていたプレリュードの後継として、ぜひこのままのデザインで販売して欲しい。

充電待機時間のないEVバイク「SC e: Concept(エスシー イー コンセプト)」

バッテリーEVの欠点として上がるのは走行に充電が必要なことだろう。急速充電可能なチャージャーを備えたスタンドなども存在するものの、基本的にバッテリーが切れた場合は再び走行可能になるまで待たなければならない。
その問題を解決する仕組みとして、主にバイク業界で進んでいるのが交換式バッテリーの開発だ。展示されている本製品は「Honda Mobile Power Pack e:(モバイルパワーパック イー)」2個を動力源に採用し、EVならではのトルクフルな走りと交換式のバッテリーで待機時間の必要がないスムーズな移動を可能としたコンセプトモデルだ。

Honda_EM1

両手が自由に使える車いす型モビリティ「UNI-ONE(ユニワン)」

着座型で両手が自由に使えるパーソナルモビリティ「UNI-ONE(ユニワン)」。ロボティクス研究から生まれたバランス制御技術と、前後・左右・斜めの全方位に自由に移動できるHonda独自の車輪機構「Honda Omni Traction Drive System(オムニ トラクション ドライブ システム)」を採用しており、重心移動だけで移動が可能だ。座った状態で使用する、よりフレキシブルに移動可能なセグウェイというとイメージがつかみやすいだろうか。
会場では専用のエリアが設けられ、実際に試す人々の姿が見受けられた。

Honda_UNIONE
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