10月も末に差し掛かり、やっと秋の気配が漂ってきた。秋といえば芸術の秋、読書の秋、そして（モーター）スポーツの秋。そう東京モーターショーの季節である。
と行きたいところだが、どうやら今年は様子が異なるようだ。なんと今回から東京モーターショーは姿と名前を変え「JAPAN MOBILITY SHOW（ジャパンモビリティショー）」へフルモデルチェンジを果たしたという。我々onesuite編集部はその記念すべき第一回となる「JAPAN MOBILITY SHOW 2023」の初日に潜入してきたため、当日の様子をお届けしようと思う。
クルマから未来のモビリティへと裾野をひろげた「JAPAN MOBILITY SHOW 2023」
これまでのモーターショーといえば、主役であるクルマを中心にした各メーカーの展示がメインであり、主なターゲットはクルマ好きの人々といった形だった。
しかし今回のフルモデルチェンジにより、自動車業界の枠を超えて他業種やスタートアップも多く参加し、過去最高の400社を突破。その結果、モビリティが実現する未来を表現する体験型コンテンツを軸とした「Tokyo Future Tour」や、キッザニアとコラボした子供向け職業体験ができる「Out of KidZania」、著名なアーティストや芸能人も登壇するエンタメステージ「H2 Energy Festival」など、クルマ好き以外も楽しめる総合的なイベントとして開催された。
そういった事情もあってか「JAPAN MOBILITY SHOW 2023」はかなり広く、その範囲はビックサイト東西含め全域に渡る。大きく分けて東側エリアがクルマ系メーカーの出展ブース、西側・南側には上記の体験型コンテンツなどが集中しているため、クルマが好きな方は東へ、家族連れなど体験コンテンツを重視する方は西へ向かうと良いだろう。
前編ではフルモデルチェンジに即して、西側・南側の体験エリアを紹介させていただくとしよう。まずは南側エリア、子供も楽しめる「Out of KidZania」からだ。
なお、東側のクルマを見たい方は、こちらの記事を確認して欲しい。
Out of KidZania in JMS 2023でお子さんに刺激的な体験を
会場の南エリアにあるOut of KidZania in JMS 2023では、人気のこども向け職業体験施設「キッザニア」とコラボレーションしてカーモデラ―やメカニックなど、クルマに携わる様々な職業を体験できるエリアとなっている。
エリアには10以上のメーカーや協会がブースを出し、それぞれの仕事を体験した暁にはちょっとしたお土産がもらえるかもしれない。今回は筆者もいくつかのブースを特別に体験させてもらったので紹介していこう。
カーモデラー協会
およそ60℃に温められたクレイ（粘土）を削り、「クレイモデラー」の体験ができるブースだ。まずは粘土を車体を模した模型に薄く伸ばし、専用の器具で伸ばした粘土を削り、自分が描きたいデザインに仕上げていく。3才以上の未就学児向けのプログラムとなっており、安全に楽しく行えるため、ぜひ体験してみて欲しい。
ダイハツ
ダイハツのブースでは、軽自動車に搭載されているエンジンを組み立てる仕事を体験。エンジン本体になる部分にパーツを嵌め込み、完成させるという重大なミッションだ。組み立てた後はエンジンが動くかどうかの確認も行えるので、クルマ好きのお子さんにとって非常に刺激的な体験になるだろう。
またダイハツブースでは未就学児向けとして、デザインスケッチの体験も用意しているとのこと。
マツダ
クルマの型をつくるプレスという工程を実際に体験し、缶バッジを作成するブースだ。4種類の台紙から好きな車種を選び鉛筆で塗り絵を行った後に、広島にちなんだシールを3種類から選んで台紙に貼る。デザインが完成したら専用のプレス機械に持っていき、スタッフと協力してプレスを行ったら完成だ。自分で作成した缶バッジは完全オリジナルで、「JAPAN MOBILITY SHOW」の思い出の品となるだろう。
マツダブースではこの他にも砂型鋳造職人の仕事も体験することができるので、気になる方はそちらも体験していただけたらと思う。
他にも
紹介した3つのブース以外にも「タイヤ交換体験」や「商品の研究開発」、「自動車整備士」といった様々な仕事を体験できる。「Out of KidZania in JMS 2023」でしか体験できないものが多いので、クルマが好き、将来クルマに関わる仕事をしたいと思っているお子さんだけでなく、「JAPAN MOBILITY SHOW」に参加された親子全員に体験して欲しいエリアだ。
見て楽しい、体験しても楽しいタカラトミーブース
「Out of KidZania」の外、タカラトミーのブースでは「トミカコーナー」が登場。注目すべきは現在発売されている種類を中心に約300台の「トミカ」が並べられたケース展示と、すでに売られていないものを中心とした約2,000台の「トミカ」で作られた巨大なピラミッドだ。きっとあなたもあの日遊んでいた懐かしい「トミカ」に出会えるかもしれない。
また今回の「JAPAN MOBILITY SHOW」では開催を記念した限定「トミカ」や、11月の第3土曜日に発売予定の新商品も先行販売されている。会場ならではの商品をこの機会に手に入れて欲しい。
また自分がデザインしたトラックがトミカタウンを走るコンテンツやデザインしたトミカでレースに出場するコンテンツも用意されている。見て楽しい、体験しても楽しいタカラトミーブースは子供だけでなく大人も楽しめるブースだろう。
スーパーカーファン必見！TOKYO SUPERCAR DAY 2023は新モビリティも展示
TOKYO SUPERCAR DAY 2023ではクルマ好きなら一度は憧れるスーパーカーが勢揃い。それだけではなく、ロボットや空飛ぶクルマといった新モビリティも展示されている。迫力満点の「ロボットEV」は動いている様子も見ることができた。
また10月28日（土）と11月3日（金・祝）には子供向けにスーパーカーの解説ツアーを行うという。さらに10月29日（日）には書籍「SUPER GARAGE」の発売を記念したスペシャルイベントとして清水草一氏と日本スーパーカー協会代表理事である須山泰宏氏のトークショーや、撮影会、サイン会が行われる。スーパーカーファンの方にとっては見逃せないコンテンツが盛りだくさんのブースを見逃すな。
近未来的なエリアTokyo Future Tour（トーキョー フューチャー ツアー）で新しい発見を
東京ビッグサイト西展示棟1Fで開催されている「Tokyo Future Tour」は「こんなモビリティがある未来があったらいいなを感じる、未来の東京ツアー」をコンセプトに、街と自然とモビリティが調和した新たな生活シーン「Life」、人とモビリティが協力して復旧に取り組む未来のレスキューシーン「Emergency」、モビリティにより広がる遊びやスポーツの楽しさを体験「Play」、見ていても楽しいモビリティによる食体験スペース「Food」といった4つのシーンを楽しむことができる。近未来的なエリア全体の雰囲気も相まって、それぞれのシーンで見たこともないような新しい発見ができるだろう。
エンターテインメントの楽しさが詰まったH2 Energy Festivalに参加しよう！
東京ビッグサイト南展示棟1Fで10月28日（土）〜11月5日（日）に人気アーティストによる音楽ライブや、お笑いライブ、TOKYO FMの公開生放送など、エンターテインメントの楽しさが詰まったステージを日替わりで展開。各ステージは水素エネルギーを活用した環境配慮型のステージにしているという。
オープニングを務めるLDHアーティストをはじめとする、総勢30組以上のアーティストが出場し、他にも同会場ではAK-69などが出場する「THE HOPE Presents JAPANESE HIPHOP STAGE」も11月2日（木）に行われるので楽しみにしてて欲しい。 筆者が訪れた際はまだ設営中のため残念ながら参加できなかったが、出場するアーティストを見る限り盛り上がること間違い無しだ。
参加する際は「JAPAN MOBILITY SHOW」のチケットだけでなく「H2 Energy Festival」用のチケットも必要なので気をつけて欲しい。
出演情報はこちらから：https://www.japan-mobility-show.com/organizer_program/stage/
子供から大人まで楽しめるイベントとして生まれ変わった「JAPAN MOBILITY SHOW 2023」
ここまで見ていただいたように発表会という側面の強かった「モーターショー」に対して、より間口が広がり家族連れなど子供から大人まで、老若男女が楽しめるイベントという側面が強くなった。なかでも「Out of KidZania」や「H2 Energy Festival」はその際たるものだろう。イベント自体も11月5日（日）までの12日間と、この手のイベントとしては非常に長いことも特徴の一つだ。
クルマだけではなく、モビリティから生まれる未来を見ることができる「JAPAN MOBILITY SHOW 2023」。クルマが大好き！という方以外もぜひ足を運んでみてはいかがだろうか。
後編へつづく！
イベント詳細
イベント名：JAPAN MOBILITY SHOW 2023
開催期間：一般公開日 2023年10月28日（土）〜11月5日（日）
開催時間：9：00～19：00（日によって18：00まで）
開催場所：東京ビッグサイト