皆さまはApple Pencil第一世代の悪夢を覚えているだろうか。
第二世代が出て久しいことや、意図的に忘れたい方も居るかもしれないので今一度思い出していただこう。これだ。
これは直近で最もAppleがおかしかった時期に発表された製品「Apple Pencil 第一世代」の異様な充電&ペアリング方法である。そのあまりにも不安になる姿から当時はずいぶんと騒がれたものだが、現在はiPadシリーズからLightning端子が削除されたことや、第二世代の普及が進んだことにより見掛けることは減ってしまった。
しかし悲劇はこれで終わりではない。
先ほど”iPadシリーズからLightning端子が削除された”と記載したが、AirやProではない無印iPadは未だApple Pencil 第一世代のみに対応。今度は「USB Type-C to CケーブルとUSB Type-C メス→Lightning メス変換を経由してやっと接続できる」という驚異の接続方法になってしまったのである。 (ちなみに筆者は早々にAir+第二世代に買い替えてしまったので画像はない。)
この恐ろしい状況は約1年続いたのだが、先日ついに解決の兆しが見えた。それこそがこの記事で紹介する「Apple Pencil(Type-C)」だ。発売は11月上旬、価格は12,880円(税込)。
価格を抑えてType-Cを搭載したApple Pencil
Apple Pencil(Type-C)はこれまでのApple Pencilの廉価モデルとして登場した製品だ。形状としては第二世代とよく似ており、マグネットを利用したiPadへの取り付けやホバー操作が可能。それでいて価格は第二世代はおろか第一世代よりも安い。また本体の後端(Pencilのロゴ付近)はスライド式のキャップになっており、開けるとType-Cコネクタにアクセスできる。
ここで画像に注目して欲しい。
そう今度はキチンとコネクタ(メス側)なのだ。
これこそが筆者が注目したい部分で、専用変換コネクタだったUSB Type-C メス→Lightning メス変換が、ついに不要になったことを示している。これで無理やり感満載だった接続からは解放され、今後はもはやどのご家庭にもあると言っていい普通のUSB Type-Cケーブルで直接充電が可能になったのだ。ヨカッタ…
って思ったでしょ?
まさかの筆圧検知には非対応。イラストには使えないApple Pencil(Type-C)
嘘だろ…?とお思いの方、まずは落ち着いて下記の比較表を見てほしい。Pressure sensitivityが筆圧の項目だ。Apple Pencil(Type-C)の項目を見てほしい、チェックが無いのである。
確かにリリース内では精度やレイテンシ、傾きの検知などには触れられているものの筆圧に関しては触れられていない。またイメージ画像をよくみると線の入り抜きや、筆圧による太さの変化が全くない事がわかる。
こうなるとイラストで使用するのは難しく、iPad無印のような廉価を求めるイラスト用途のユーザーは、結局Apple Pencil 第一世代を使用するしかないようだ。これに関しては非常に残念と言わざるをえない。
筆圧検知が不要なら第一世代より優秀なApple Pencil(Type-C)
イラストにこそ不向きなものの、充電方法の改善や低価格化など第一世代と比べた際には恩恵も大きいApple Pencil(Type-C)。筆者個人としては使いどころが難しいように思えるが、主な用途がPDFへのメモ書きやレタッチなどであれば十分効果を果たしてくれるだろう。
イラストユーザーはiPad Air+Apple Pencil 第二世代が引き続き最安の選択肢となりそうだ。