つい先日まで暑かったと思えば、雨と共に熱気は過ぎ去り、今年も秋がやってきた。秋雨前線というには正直梅雨に近い印象の今日この頃だが、そんな天候にも負けずまだまだ熱い場所は存在する。
そう、その場所とは千葉県幕張。今年もまたTGSの季節がやってきたのだ。
ちなみに今回のTGS2026は30周年のアニバーサリーイヤーで、なんと5日間開催。毎年恒例のTGSレポートだけでは少々物足りない…そんな気もしてこないだろうか?
というわけで、本記事では文字通り前日譚として、開幕前に行われているその裏側。設営中の様子をお届けしていきたい。
なお協力いただいたのは、タイトル通りROG(ASUS JAPAN)ブースの皆様。かのブランドも今年が20周年のアニバーサリーイヤーとなっており、ブース規模も過去最大とのこと。これほどピッタリな相手はなかなか居ないはずだ。
設営だけで丸2日。こだわりの詰まったブース作りについて聞いた
ここでひとつ断っておきたいのは、筆者が取材に赴いたのはTGS2026の会期前日(9月16日)だという点。実のところ、主たる建造物はさらに前日の15日 0時から組み始めており、筆者が伺った段階では展示台を残すのみといった状態だった。つまり、毎年我々が何食わぬ顔で目にしているブースは、作るのに丸2日もかかるということだ。

効率化が超重要。キックオフから4ヶ月で本番へ
今回、我々の取材に答えてくれたのはASUS JAPANにおける顔役のひとり、市川 彰吾 氏(以下、市川 氏)。TGSにおいては、自社ブースの総責任者を勤めている。

——本日はよろしくお願いします 早速ですが、TGSの場合って計画から当日までどれくらいの期間で準備するものなのでしょうか。
市川 氏:
基本的には、参加申し込みが行われる5月からですね。
そこでまず今年も参加するのかどうかの検討から始まり、実際に出展に向けての準備をしていくことになります。
——えっとつまりこの規模のイベントを4ヶ月で準備するんですか? かなりスケジュールがタイトに思えるのですが
市川 氏:
そうですね、なので効率化は意識しています。
弊社の場合はほぼ社内の人員でイベントをまわすのですが、なるべく現場に近い層で各セクションの担当者を固め、ある程度骨子が決まってから上層部に「この内容で実施させて欲しい」という許可どりを行うようにしています。
もちろんそれに対してフィードバックもありますが、お互い例年のことで慣れてますし、事前に出てきそうな懸念点は潰し込んだ後なので、比較的スムーズに進みますね。
——効率化をはかる上で、他に重視してるポイントなどはありますか?
市川 氏:
「意思決定は最小人数で行う」というのは常に意識しています。
やはり人が多くなると、どうしても「誰かの発言待ち」「意見待ち」みたいになってしまうことがあるので、全体共有の場では進捗確認に徹し、何らかの意思決定や方針変更などが必要になった際には別のミーティングを、本当に必要な人数だけで行うようにする。
そうすれば、あとは各セクションがある種“勝手に進められる”状態になるんですよね。
そこさえうまく回っていれば私の仕事は実質、進捗管理だけになります。

展示機材は予備を含めて約230台と、過去最大ボリューム!
市川 氏:
今回のTGSではROGブランド20周年ということもあって、過去最大の物量と展示スペースを用意しています。今からすごい量が届きますよ。
そんな言葉共に搬入されてきたのは、製品や展示に必要なアイテムなどが満載されたカートの行列…なんと、その数13台である。


——この物量、展示は何台あるんでしょうか…?
市川 氏:
たしか予備含めて、だいたい230くらいだったような…ちょっと待ってください。管理してるファイルがあるので。
あぁほぼ合ってました。228台ですね

ちなみにこのファイルを見れば「どの機材にをどこに置くのか」「どのゲームタイトルを入れるのか」「電力をどれだけ使うのか」なんかが全部入っています。例えば電力で言えば、おおよそ25,000W必要で、照明なんかも含めると約40,000W。一般家庭の10軒分くらいですね。
——もうなんというか凄まじいですね…

市川 氏:
あ、こっちにも面白い物がありますよ!
そう言って見せてくれたのが、これまた凄まじい量のスイッチングハブ。サーバーラック用と思われる製品が9台に、中小企業などでよく見るショートタイプが6台の計15台だ。

市川 氏:
イベント会場では無線LAN環境だと混線しやすく、速度も落ちてしまうため弊社のブースでは有線LANを毎回用意しています。
会場側でブース裏まで1Gbpsの光ケーブルを用意してもらい、そこから先は自分たちでネットワークを構築します。ブース全体だと70ポート近いんじゃないでしょうか?
——展示機の数が凄まじければ、それだけLANの数も必要になるってことですね

主なリソースは社内で完結。だからこそブース内の全てにASUSメンバーのこだわりが
——ブースのこだわりポイントなどがあれば教えてください。
市川 氏:
そうですね…一番大きいのは内製化でしょうか。
弊社の場合はいわゆるイベント会社、みたいなところにお願いするのではなく、ほとんど社内メンバーで行っています。
これは金額面もそうですが、何より自社のアピールしたい内容、見せたい内容を最大限作り込めるという点が大きなメリットです。企画のスタート時に各プロダクトの担当者から希望を募って、それを可能な限り実現できるよう、実際のレイアウトなどに落とし込んでいくのですが…
例えば、あの中央にある八角形の展示台は、昨年の円形を見た担当者から「柱と展示台の間に隙間が開くのが気になる」という意見があって生まれたものです。


「展示台と柱の隙間を壁を建てることで埋めて、せっかくなら4方向にモニターを取り付けられるようにしよう」ということであの形になりました。また今回の目玉の一つである「ROG XBOX Ally X20」を載せる展示台も同様の形状なので、あちらでは実機の映像出力をキャプチャして、別PCにて操作方法が書かれた枠と合成して表示できるようにしてます。

あとはそうですね、これも昨年の展示からのフィードバックなのですが、ブースが盛況だった反面、場所によっては人のすれ違いが難しくなっている瞬間もありました。そこで各展示台同士の隙間を調整し、バックパックを背負った来場者が両側に立っていても、1m程度は余裕が生まれるよう調整しています。この辺りも図面レベルから社内で設計しているからこそですね。
——実際、どこまでが社内で行われているのでしょうか。
市川 氏:
もちろん協力会社として、什器や内装などができる制作会社には入ってもらっています。ただ、その際のデザインであったり、刷物なんかもほとんどは社内ですね。なので発注費用の内訳もほとんどが材料費や製造費、レンタル費用なんかになってます。
例えば12m × 6mの巨大な壁面デザインも社内のデザイナーが担当してまして、そのほかにも装飾に使うパネルや展示用のスタンドポップなども、そのデザイナーが一手に引き受けてくれています。



——ちなみに今は何をされているのでしょうか。

市川 氏:
展示台表面の傷をチェックしています。
あまりネチネチとは言いたくないのですが、来場されるお客様の目に触れるところなので、可能な限りキレイにしておきたくて…
——これはもう、ブース内全体がこだわりポイントと言っても過言ではなさそうですね。



総勢30名弱による分担作業で、次々と開梱設置が進む
ここからは設営の様子をダイジェストでお届けしたい。今回イベント前日に設営メンバーとして集められたのは30人弱。それだけの人数がいながらも、手順がマニュアル化されているためか次々と設営が進んでいく。

マニュアルには展示台、そしてその中でもエリア別に必要な製品がリストアップされており、こちらをベースに(記事の途中で登場した)カート内からどんどん物が運び出される。

ものの数分で展示台の上には開梱前の製品がずらりと並べられた。


それを一人一台分担で開梱・設置していく。全員ASUS社員ということもあってか、非常に手慣れておりあっという間に展示の形が見えてきた。



一方で少々大変なのはパーツ系の担当者だ。こちらも流石に手慣れているものの、事前にセットアップができるPCと違い、組み立てとなればそれなりに時間はかかる。製品によってはその場でほぼゼロから配線していることもあったため、「速さ」と「丁寧さ」両方の自作スキルが要求されそうだ。


それが終わったら今度は展示製品に合わせたポップの用意だ。これまた凄い数があるため、手分けをして一気組み立て、組み上がったものから該当する箇所へと設置していく。



置くべき物が全て用意できたあとは、配置の調整とケーブル類の整理だ。自宅のデスクと同様、イベント会場であってもPC周りは配線が目立ちやすいため、一台ずつ丁寧に整理されていた。


その後は製品や展示台、床などの清掃が行われ、いよいよ明日を迎える準備が整った。






TGS2026のROG(ASUS JAPAN)ブースはホール6│06-N03。こだわりの詰まったブースを見に行こう!
というわけで密着レポート「ROG(ASUS JAPAN)ブースができるまで」いかがだっただろうか。例年クオリティの高さに定評のあるROGブースだったが、その裏側をみることでその高クオリティに、ある種の”納得感”を得ることが出来たのではないかと思う。
キズ一つからブース全体にまで散りばめられたこだわりによる品質と、徹底した効率化が生み出す物量・品質に反した完成スピード。これぞ正に、ASUSのものづくりと言えるだろう。
正直なことを言えば、ブース設営にまでその一旦が垣間見えるとは思わなかったが、こうした人々が内部に居ると思えば、時々目にする「そこまでやるか!?」と思える製品が世に出てくるのも頷ける。
TGS2026のROG(ASUS JAPAN)ブースは、ホール6の06-N03で来場者を今か今かと待っている。ぜひ足を運んでこだわりの詰まりまくったブース展示と、その最新製品をその目で確かめてほしい。

ギャラリー










































ASUS ROG
東京ゲームショウ2026


