MSI MPG CORELIQUID P13 360 WHITE レビュー。最新の水冷CPUクーラーなら、見た目も性能も諦めない!

ピラーレスケースの登場に始まり、近年また徐々に人気を集めているのがライティングや配線処理にこだわった”魅せる”PCビルドだ。背面にコネクタを搭載することで、ほぼ全てのケーブル露出を抑えたマザーボードや、CPUクーラーにディスプレイを搭載した製品など、様々なメーカーから見た目にもこだわったPCパーツが数多く登場している。

そんな中で、筆者として唯一気がかりだった部分がCPUクーラーの配線だ。

既存の製品は必ずと言っていいほどCPUクーラーのヘッド部(ウォーターブロック)からケーブルが伸びており、マザーボードの上でケーブルが露出してしまう構造…。ただでさえCPUファンのケーブルは癖がつきやすいものが多く、それがうねうねと伸びている様はあまり美しい姿とは言えないだろう。

今回紹介する「MSI MPG CORELIQUID P13 360 WHITE」は、その問題に正面から向き合った製品だ。ウォーターブロックのデザイン、ケーブルの取り回し、ファンの接続方式に至るまで、“見えるべきでないものは隠し、見える部分にはこだわる”という思想が強く現れている。本記事では、そんな本製品の外観や機能、そして冷却性能を詳しくチェックしていこう。

製品概要

MSI

水冷CPUクーラー

MSI MPG CORELIQUID P13 360 WHITE


製品名:MSI MPG CORELIQUID P13 360 WHITE
カラーバリエーション:ブラック / ホワイト
発売日:2026年4月3日
メーカー希望小売価格:29,980円(税込)
製品ページ:https://jp.msi.com/Liquid-Cooling/MPG-CORELIQUID-P13

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目次

細部にMSIのこだわりが詰まった「MSI MPG CORELIQUID P13 360 WHITE」

ここ数年(特に直近5−6年ほど)自作から離れていた方の中には、「簡易水冷のCPUクーラーは何かと面倒」という印象持っている方もいるかもしれない。ラジエーターへのファンの取り付けやその後の配線地獄、CPUソケットの交換など、従来一般的だった空冷式に比べてどうしても手順が増えてしまうイメージがあったはずだ。まずはその辺りから見ていきたい。

面倒な取り付け&配線作業が不要な標準ファンが装着済み

「MSI MPG CORELIQUID P13 360 WHITE」は360mmクラスのラジエーターを搭載し、AMDであればAM5 / AM4ソケット、Intel製であればLGA 1700 / 1851ソケットに対応した製品だ。カラーバリエーションとしてはブラックとホワイトが存在しており、今回お借りしたのはホワイトのモデルとなる。

パッケージのサイズは360mmクラスの簡易水冷CPUクーラーとしては一般的
パッケージのサイズは360mmクラスの簡易水冷CPUクーラーとしては一般的だ。

パッケージを開けると、お目見えするのはラジエター+ファンユニット、そしてラジエーターから連結されたチューブとCPUに載せるウォーターブロックだ。

まずこの段階で筆者が感じた良いところは、ファンがラジエーターに取り付け済みである点。廉価なモデルや従来基準のモデルはここが「自分でつけてね」というスタイルになっていることが多く、簡易水冷タイプを組み立てる際の手間を増やす原因になっているのだ。もちろんファンまで自分で付け替えるこだわり派の方にとってはむしろ一手間かもしれないが、手軽さという意味ではこちらの方がベターだろう。

ファンやウォーターブロックの接続プレートが取り付け済みの状態で封入されている
すでにファンやウォーターブロックの接続プレートが取り付け済みの状態で封入されている。コレはありがたい。

加えて、この標準ファンたちはすでに内部で接続されており、自分でまとめる必要が無いのもポイント。

多くの製品では、ファン1つにつき電力 / 回転数コントロール用のケーブルと、LED用のケーブルとで2本のケーブルが伸びており、360mmクラスでは計6本ものケーブルが側面からぶら下がる形になる。そして組み立て時に3又の分岐ケーブルを使いコントロール用とLED用で、それぞれまとめる必要があるのだ。

しかし「MSI MPG CORELIQUID P13 360 WHITE」ならすでに接続済みで、各ファンからは一切ケーブルが露出しない。手間を減らし、見た目もスッキリと良いことづくめ。この段階から“ちょっといいCPUクーラー”の気配がしてこないだろうか。

通常、ファン一つにつきコントロール用とLED用で1組づつ伸びているケーブルが、本製品では一切露出していない。
通常、ファン一つにつきコントロール用とLED用で1組づつ伸びているケーブルが、本製品では一切露出していない。

そして、ケーブルがまとまっているだけでは終わらない。その先の接続も簡単だ。これはMSI製のマザーボードとの組み合わせ限定にはなるが、ラジエーター側のファンについてはケーブル一本で接続が完了する専用規格が用意されている。

EZ Connと呼ばれるこの設計は、システムファンヘッダーと5V ARGBヘッダーを1つのコネクタに統合したもの。先ほど書いた制御用のケーブルとLED用のケーブルがこの一つにまとまっている形だ。

JAF headerと呼ばれる少々特殊なコネクタ形状。
JAF headerと呼ばれる少々特殊なコネクタ形状。
マザーボード側にはEZ Connと記載されたソケット
マザーボード側にはEZ Connと記載されたソケットが用意されており、これがあるマザーボードであればラジエーターのファンは1本で接続が完結する。

もちろん搭載されていないマザーボードや、他社製でも使える様に変換ケーブルも同梱されている。PC自作の楽しさは組み合わせの楽しさでもあるので、下手に囲い込まず「同社製品同士であればより簡単に、それ以外でも問題なく使える」ことを担保してくれているのは有り難い。

同梱された変換ケーブル
同梱された変換ケーブル。EZ Conn向けのJAF headerからシステムファンヘッダー+5V ARGBヘッダーに分岐。

有りそうで無かった!CPUクーラー用制御ケーブルの裏側配線ギミックを搭載

いきなりファン周りに注目してしまったが、「MSI MPG CORELIQUID P13 360 WHITE」の真骨頂はCPUに接続するウォーターブロックに詰まっている。まず最初に触れておきたいのが、冒頭でもお伝えしたCPUクーラーの制御/電源ケーブルだ。

なんと本製品ではウォーターブロックから出た制御ケーブルが、連結するチューブの外装を通ってラジエーター側へと伸びており、そのままケース裏へと配線が可能なのである。

ヘッド部からチューブへと伸びる制御用ケーブル
ヘッド部からチューブへと伸びる制御用ケーブル。チューブの外装内側を通って、ラジエーター側まで伸びている。

これなら一切マザーボード上を通らずとも、CPUクーラー用のソケットまで配線可能。裏側ソケットタイプのマザーボードと組み合わせれば、極限までケーブルレスな見た目のPCを組み立てることができるはずだ。

文字にしてしまうと少々地味なポイントに思えてしまうが間違いなく大きな進化点であり、筆者としては今後のスタンダードになって欲しい要素である。

伸ばされた制御ケーブルはラジエーター側のチューブ根本まで続いており、ここから背面へと取り回すことができる。
伸ばされた制御ケーブルはラジエーター側のチューブ根本まで続いており、ここから背面へと取り回すことができる。

曲面ガラスが美しいディスプレイ付きのウォーターブロック

これだけケーブル隠しにこだわりがある製品である以上、当然ながらデザイン面へ妥協も見当たらない。

水滴の輪郭からインスピレーションを得たというウォーターブロック表面は、丁寧に磨き上げられたガラス製のカバーで覆われており、通電していなくとも美しい光沢を放つ。そして縁取りは見事にラウンドし、円筒形の金属製カバーと滑らかに一体化。まさに“CORELIQUID”の名の通り流体を思わせつつつも、ポトリと落ちた一滴の雫、その自然な丸みを形にしたかの様なデザインだ。

通電していないウォーターブロックだけを切り取って画になるCPUクーラー
通電していないウォーターブロックだけを切り取って画になるCPUクーラーを筆者は他に知らない。

加えてこのデザインを引き立たせるため、「MSI MPG CORELIQUID P13 360 WHITE」には“見た目を整えるためだけのパーツ”が付属しているのも面白いところ。下は本製品の付属部品一覧だが、画像内左がそのパーツだ。

MSI MPG CORELIQUID P13の付属品一覧
MSI MPG CORELIQUID P13 360 WHITEの付属品一覧。バックプレートやスペーサー、固定ネジなどよくあるパーツに混ざって、ランドルト環の様な一部が欠けた円状のパーツが付属する。
裏側には4箇所マグネットが埋め込まれている。
裏側には4箇所マグネットが埋め込まれている。

こちらは何に使うかというと、CPUクーラーの取り付け金具を隠すための目隠しカバーだ。

カバー無し
カバー無し
カバーあり
カバー有り

ウォーターブロックから伸びるケーブルが無いことで、使用せずとも十分スッキリした見た目なのだが、カバーパーツを使用することで少々無骨に見える金具やコンデンサ類が隠れ、本製品の「CORELIQUID」がさらに際立つ。水晶玉の様な不思議な風合いを帯びるウォーターブロックは、文句なしに美しいと言って良いだろう。

ARGB × 2.1インチLCDで魅せるライティング。でも冷却能力はしっかり

「MSI MPG CORELIQUID P13 360 WHITE」の細部をチェックしたところで、次はPCに組み込んでの見た目や性能を見ていきたい。今回使用した構成は下記のとおりだ。

検証で使用したPC構成

CPU:AMD Ryzen 7 9700X
マザーボード:MSI MAG B850 GAMING PLUS MAX WIFI
メモリ:Biwin DW100 DDR5 6000MT/s
グラフィックスカード:MSI GeForce RTX 5080 16G GAMING TRIO OC WHITE
電源:MAG A1000GL PCIE5 WHITE
PCケース:MAG PANO 100R PZ WHITE

ここにCPUクーラーとして、本製品を加えた構成が今回使用したPCとなる。白をベースとした中に「MSI MAG B850 GAMING PLUS MAX WIFI」のもつシルバーパーツや、各部のブラックが差し色になっていい感じだ。

PCに組み込んでの見た目

パーツをお借りしたタイミングでは「せっかくなら背面コネクタモデルを借りれば良かった…」と少々後悔したものだが、組み立ててみるとこれはこれで適度な無骨さがあってかっこいい。

PCに組み込んでの見た目
PCに組み込んでの見た目

しかし、ここで電源を投入すると雰囲気は一変。デスクを彩るなんとも画面映えするPCになるわけだ。電源ON / OFFで二度美味しいPCに仕上がった。

組み立て、設置した様子

なお、組み立てて気づいた本製品の数少ない弱点にここで触れておこう。あえて重箱の隅をつつくなら、個人的にはウォーターブロックから伸びるケーブルの位置だけがあと一歩頑張ってほしいポイントなのだ。

ラジエーターとチューブの接続部からケーブルが出るため、取り回しや配置に気を遣ってあげる必要がある。
ラジエーターとチューブの接続部からケーブルが出るため、取り回しや配置に気を遣ってあげる必要がある。

たしかに現在の位置でも十分画期的なのだが、一般的な取り付け位置である天板側に設置した際に、少しだけ目立つ位置にケーブルが見えてしまう。たしかに底面に対してラジエーターを縦(垂直)配置にするか、配線をチューブ裏に通しテンションをかけるなど、もう少し処理に気を遣えばある程度回避はできる。だが、ここまで来たらもう一歩、例えばラジエーターのフレームを通ってから出るなど、さらに隠せる工夫があったら嬉しかったかもしれない。

「個性を出すもよし、実用性を取るもよし」な2.1インチ LCD

さて話を「MSI MPG CORELIQUID P13 360 WHITE」の特徴に戻そう。

標準ファンのARGBライティングの美しさもさることながら、ウォーターブロックに内蔵された2.1インチのLCD(液晶ディスプレイ)も大きなポイントの一つ。特段設定をしていない初期状態では、MPGのロゴマークをアレンジしたものが表示される仕様となっている。

通常のMPGロゴマークは一色で表現されているのだが、こちらではLIQUIDを意識したアレンジがされている。
通常のMPGロゴマークは一色で表現されているのだが、こちらではLIQUIDを意識したアレンジがされている。

もちろんココの表示はカスタマイズ可能で、設定はMSIの統合管理ソフトである「MSI Center」から設定可能だ。

ちなみに筆者は最初どこから設定できるのか少々戸惑ったのだが、どうやら機能セットから「EZ Display」という機能を入れる必要があるらしい。こちらを必要に応じて追加インストールすれば、EZ Displayが本製品を認識してくれる。

統合管理ソフト「MSI Center」の画面。
統合管理ソフト「MSI Center」の画面。
EZ Displayを開いた状態。「MPG CORELIQUID P13 Series」として認識された。
EZ Displayを開いた状態。「MPG CORELIQUID P13 Series」として認識された。

表示できる内容は大きく分けて4種類で、CPUやGPUなどの情報を表示できる「ハードウェアモニター」、任意の映像を動画ファイルもしくはYouTubeから表示できる「動画」、複数のデザインが選べる「時刻」、PCのディスプレイとして利用できる「拡張ディスプレイ」が用意されている。

ハードウェアモニター表示
動画表示
システム時刻表示
拡張ディスプレイ表示

個人的に面白いなと感じたのが動画のモードで、任意のアニメーションやジングルなどを動画ファイルとして登録すれば、配信などでPCが映る方にマッチしそうだ。ほかにもPCケース内にフィギュアを飾る方なら、作品やキャラクターに合わせた映像にしても良いだろう。

MSIロゴを表示
MSIロゴを表示してみたり
onesuiteロゴを表示
onesuiteロゴを表示してみたりと、ただ動画を流せるだけでも中々遊べる。

もちろんハードウェアモニターや時刻などを表示して、実用性に振った使い方をするのもアリだ。特にハードウェアモニターの場合は、負荷状況や温度、クロックなど特定の情報だけを表示することもできるため、文字通りモニタリング用途として活用できる。

CPUクーラーだが、GPUの負荷状況なんかもモニタリング可能だ。
CPUクーラーだが、GPUの負荷状況なんかもモニタリング可能だ。

高負荷時でもしっかりと安定した冷却能力を維持

当然ながらCPU“クーラー”である以上、デザインだけではなくCPUの性能を発揮し続けられる冷却能力も重要だ。

「MSI MPG CORELIQUID P13 360 WHITE」では冷却面も考慮されており、接地面付近のネジを廃止した新設計のフルプレーン銅受熱ベースプレートと高性能ポンプにより優れた放熱性能を発揮するとのこと。加えてCycloBlade 9と名付けられた標準ファンも高性能で、冷却能力と静音性を両立した強力なものとなっている。

ARGBライティングだけではなく、冷却能力と静音性に優れた標準ファンが採用されている。
ARGBライティングだけではなく、冷却能力と静音性に優れた標準ファンが採用されている。

とはいえ、実際の性能はどうだろうか。
その辺りの性能をチェックするため、今回は30分間の連続運転での温度変化を確認してみた。

使用したのはCineBench2024で、まずMultiのモードでCPU全体を温めた後Singleモードを連続運転させてその間の温度変化と負荷状況を観察している。

その結果をグラフ化したものが下記の図だ。オレンジのラインが温度変化で、青のラインが負荷状況となっている。途中から負荷がガクッと下がった様に見えるが、これはsingleモードに突入したためでCPU全体の負荷状況は低いが、単一コアで100%近い状態が続いている。

CineBench2024を30分間連続運転した際の負荷状況と温度変化のグラフ。オレンジのラインが温度変化で、青のラインが負荷状況
CineBench2024を30分間連続運転した際の負荷状況と温度変化のグラフ。オレンジのラインが温度変化で、青のラインが負荷状況

組み合わせているのは先述の通りAMD Ryzen 7 9700Xで、性能と価格のバランスが良いためBTOメーカーのPCなどでも広く採用されているCPUだ。グラフからわかる通り平均的には60度弱(中央値 56℃)で安定しており、最高でも62℃と極端な高温に達する瞬間はない。

また、ここで注目すべきはオレンジの温度変化のラインが上に跳ねた後、元に戻るまでの早さである。

最もわかりやすいのがMultiモードからSingleモードへの切り替わり時で、おおよそ左から1/3付近で負荷が急落するのに合わせて、温度が一時的に上昇した後また60度未満へと降下していく部分だ。この時データ上では最高温度である62℃となっており、そこから中央値である56℃へと下がるまでに約25秒程度と、早いペースで冷却が行われているのが確認できる。

もちろん冷房の効いた25℃程度の室内のため、良好な計測環境ではあるのだが、その後も安定して60度未満を継続している点を見れば「十分に余裕を持った冷却能力がある」と結論づけて良いだろう。

圧倒的なビジュアルと安定した冷却性能を両立したCPUクーラー「MPG CORELIQUID P13 360 WHITE」

総括として「MPG CORELIQUID P13 360 WHITE」をまとめると、“非常によくできた現代的なCPUクーラー”といったところだろうか。

まずピラーレス全盛期である現在に相応しい圧倒的なビジュアル、組み立てやすさに配慮した設計、そして十分な冷却能力と、どれをとってもそつがなく、高いレベルでまとまっている。それでいて市場の実売価格は2万6千円前後と、ディスプレイ付きのCPUクーラーとしては比較的お手頃な価格感に収まっており、コスト面でみても優秀だ。

唯一の心残りは本文中に書いた通りだが、それも些細な点。ある意味で出来が良すぎるが故に気になったというレベルである。魅せるデザインとハイスペックを両立したいなら、CPUクーラーに「MPG CORELIQUID P13 360 WHITE」を選べばまず間違いない。そう言い切れるくらいには優等生な逸品だ。

箱に入った状態の製品

ギャラリー

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水冷CPUクーラー

MSI MPG CORELIQUID P13 360 WHITE


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出典・関連リンク

MSI MPG CORELIQUID P13 360 WHITE 製品ページ

エムエスアイコンピュータージャパン 公式サイト

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