MSIのマザーボード「MEG X870E ACE MAX」をレビュー!長期運用を見据える方に選んで欲しいハイエンドモデル

「CPU……パソコンの頭脳に当たる部分、ここは重要」から始まる一連の文章(いわゆるコピペ)、自作PCユーザーなら一度は見たことがあるのでは無いだろうか。
流石に冗長になるので全文は載せないが、このコピペは自作PC初心者に向けて主要なパーツを紹介しつつ「どのパーツに重点をおくべきか」に言及しており、オチとしては「結局のところ全部重要」という、ある意味“それは、そう”としか言いようがない結論に達するものだ。

しかし、そんな元々は笑い話として受け取るべき内容が、現在の自作PCパーツを取り巻く状況を見ると案外そうでもなくなってくる。

円安によるパーツ価格の高騰に追い討ちをかけるように、2025年末から一気にメモリや半導体不足が叫ばれさらに高騰…上記のコピペを笑い話として扱えなくなってきた。実際、この記事を読んでいる方の中には「どこにコストをかけるべきか」真剣に悩んでいる方もいるだろう。

今回紹介するのはそんな方に向けて、筆者なりの回答とも言える製品。MSIのハイエンドマザーボード「MEG X870E ACE MAX」だ。現状のマザーボードとして最高峰の品質・性能・組み立てやすさを備えており、長期間の運用にも応えてくれそうな逸品となっている。

製品概要

MSI

MEG

MEG X870E ACE MAX


製品名:MEG X870E ACE MAX
発売日:2026年2月13日
価格:139,800円(税込)
製品ページ:https://jp.msi.com/Motherboard/MEG-X870E-ACE-MAX

※商品を購入すると、売上の一部が販売プラットフォームよりメディア運営元のONESELに還元されることがあります。掲載されている情報は執筆時点の情報、または自動で更新されています。

目次

ハイエンドらしいビジュアルと見た目に違わぬ品質を備えた「MEG X870E ACE MAX」

製品を手にしてまず目を惹くのは、そのビジュアルの完成度。ブラックをベースにゴールドの差し色を用いたカラーリングはもちろんのこと、艶消しとヘアライン加工を切り替えた特徴的なヒートシンクなど、そこにあるだけで存在感を放つ─「MEG X870E ACE MAX」はそんな製品である。

手に持ってみると、見た目通りずっしりと重く、いかにも“高級そう”だ。

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幾何学的なパターンと、異なる素材、異なる加工とカラーリングによって生まれた情報量の厚みが、本製品が標準的なマザーボードとは”一味違う”ことを示しているかのようだ。

さて、一般的にマザーボード選びにおける重要なポイントと言えば、CPUソケットや端子類になるかもしれない。しかし、ある程度性能を重視する方であれば、フェーズ数などのVRMまわりも注目してほしい部分だ。

マザーボードの紹介でよく出てくるVRMやフェーズについて

本製品の場合では、ハイエンドモデルらしく18+2+1フェーズ / SPS 110AのVRMを採用しており、高性能なCPUが必要とする膨大な電力量を安定して供給できる仕様。最新のRyzen 9000シリーズ、なかでもRyzen 7上位 〜 Ryzen 9に分類されるモデルであっても定格運用なら若干過剰とも言える構成になっており、これは本製品がオーバークロッカーもターゲットとしていることによるものだろう。

そして、それに伴って発生する熱を効率的に冷却できるよう、各所に盛り込まれたヒートシンクをはじめとした冷却機構こそが、この“重さ”の正体となっている。

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「MEG X870E ACE MAX」の表側。その大半がヒートシンクに覆われていると言っても過言ではない。

まず一番わかりやすいのが、CPUソケットの上側と横に設置されたVRM用のヒートシンクだ。

CPUソケットの上側と横に配列された各フェーズに合わせ2つのブロックで構成されており、この2つをヒートパイプで結ぶことで、1ブロックの大きなヒートシンクに近い冷却を可能にしている。またヒートパイプとVRM間のサーマルパッドには、熱伝導率が高いものを採用。特にVRMの主要部品であるMOSFETに接触する部分に採用されたものは、前世代のものと比較して平均2.5度温度を下げる効果があるようだ。

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MEGのロゴが輝く極厚のVRMヒートシンク(写真手前側)。波型フィン配列設計により放熱性能が最大50%向上したという。

またマザーボードの背面には金属製のバックプレートが装着されているのだが、こちらも冷却に一役買っており、上記のVRMヒートシンクと同じくMOSFETの放熱効率を向上させてくれる。そのほかにボード自体の剛性もあげてくれるため、重量級の空冷CPUクーラーなどを取り付ける場合にも安心だ。

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加えてVRMまわり以外でも、冷却へのこだわりは健在。メインストレージ用のPCIe 5.0対応M.2スロットにも厚みのあるヒートシンクが装備されており、SSDの発熱もしっかりカバーしてくれる。ハイエンドクラスのNVMe SSDは高負荷時に80℃を超えることもあるため、サーマルスロットリングを防ぐにはここも重要だ。

当然、これだけ金属パーツが使われていればマザーボード全体の重量はその分重くなる。「MEG X870E ACE MAX」の重さはその冷却能力、ひいては品質の裏付けと言えるだろう。

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2〜4番目のM.2スロットを覆う大型のヒートシンクと合わせて、ボード全体を均一に冷却する設計になっている。

現状最高峰とも言える“最新規格全部載せ”なインターフェース

ハイエンドモデルだから当然と言ってしまえばそれまでだが、豊富かつ高性能なポート類も「MEG X870E ACE MAX」の魅力の一つだ。先ほどチラリと登場したPCIe 5.0をはじめ、およそPCに関連する最新規格はほぼ全て備えている。

PCIe 5.0対応のx16スロット+M.2は当然搭載

現行のハイエンドマザーボードとして当然の要件ともなったPCIe 5.0。「MEG X870E ACE MAX」はグラフィックスカード用のx16スロットにPCIe 5.0を採用しているほか、前述の通りPCIe 5.0対応のM.2スロットも搭載されている。エントリー向けやミドルレンジ製品の場合、x16スロットはPCIe 5.0対応だがM.2はPCIe 4.0という製品や、少し前のマザーボードの場合だとその逆というパターンもあるので、選ぶ際には注意しておきたいところだ。

ちなみに本製品にはPCIe x16が2つにx4が1つ、M.2スロットに至っては5つも備えており拡張性は十分。選ぶCPUや拡張カードにもよるものの、最大で1台のPCIe 5.0接続のグラフィックスカード2台のPCIe 5.0接続NVMe SSD、そして3台のPCIe 4.0接続NVMe SSDを利用可能だ。

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上から順にPCIe 5.0対応 M.2スロット、PCIe 5.0対応 x16スロット、PCIe 5.0対応M.2スロット(2つ目。背面IOポートのUSB Type-C 40Gbpsと排他)、PCIe 4.0対応M.2スロット(1つ目)、PCIe 4.0対応M.2スロット(2つ目)、PCIe 5.0 x8スロット、PCIe 5.0 x4(一番はじめのM.2スロットと排他。)となっている。

なお補足として、最もCPUソケットに近いM.2スロットは一番下のPCIe x4スロットと帯域共有しており、2つ目のM.2スロットはIOポートのUSB Type-C 40Gbpsと帯域を共有している。利用する際は説明書を参照しつつ、用途に合わせて選んでほしい。

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上の写真を見て「M.2が4スロットしかない!」となった方、ラストのM.2背面にあるのでご安心を。

もちろん近年のマザーボードらしくワンタッチでの取り付け、取り外しにも対応しており、グラフィックスカードであればメモリスロット横にロックの解除ボタンが用意。NVMe SSDであればヒートシンクも込みで、ドライバーいらずの取り付け・取り外しが可能となっている。

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メモリスロット横に備えたPCIe x16のロック解除ボタン。近年のグラフィックスカードは大型化しているため有ると非常に便利。
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SSDをスロットに差し込み、浮いた部分を押すだけで簡単に固定できるEZ M.2 Clip IIという機構が採用されている。

また従来からのSATA 3.0も4ポート備えている上、こちらはM.2などと排他にならないのも嬉しいところ。依然として容量単価が手軽なのはHDDなので、気にせずSATAが使えるのは助かる方も多いのではないだろうか。

10Gbps+5GbpsのデュアルLAN構成&Wi-Fi 7も標準装備

ネットワーク環境も「MEG X870E ACE MAX」の大きな特徴のひとつで、特に有線LANは10Gbpsと5Gbpsのデュアル構成を採用している。かつては業務用サーバーがメインだった10Gbps対応も、最近では10Gbps対応の家庭用プロバイダプランが国内でも広まりつつあり、コンシューマーとしても現実的な選択肢になってきている。今後のことを思えば、必須と言っても良い要件だろう。

特に大容量データを扱うクリエイターでNASを利用している方であれば、片方をWAN側にあて、もう一方をNASなどLAN内への通信に割り当てることで、NASへのアップロード/ダウンロード中であってもストレスなくネットを利用できるようになるはずだ。

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10GbpsのLANポートと5Gbps対応のLANポートがそれぞれ用意されている。

加えてWi-Fi 7にも対応。Wi-Fi 7は前世代のWi-Fi 6Eと比べてレイテンシーの改善が顕著で、マルチリンク動作(MLO)による安定性も強化されている。これにより対応ルーターと組み合わせた場合、環境次第ではPing値 数msも期待できるだろう。当然ながらBluetooth 5.4にも対応しているため、マウスやキーボード、スピーカー、イヤホンなどの無線接続も可能だ。

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ちなみにWi-Fiアンテナの取り付けもEZ DIY設計により、差し込むだけで完了する。

また「MEG X870E ACE MAX」のLAN周りを語る上で筆者が触れておきたいのが、同梱されているUSBドライブ(USBメモリ)の存在である。MSIのロゴが入ったシンプルなUSBドライブではあるものの、これが意外と重要。何故かといえばこの中にあらかじめマザーボードに必要なドライバ類が入っているためだ。

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実は本製品をはじめとした高性能なLANポートだけを搭載したマザーボードには、現状一つだけ「初期セットアップでつまづきやすい」という落とし穴がある。

これはWindowsに含まれているネットワークドライバが未だに1Gbps対応なことが原因で、5Gbpsや10Gbps対応、あるいはWi-Fi用のドライバがないとネットに繋がらないのだ。それを知らずにセットアップを初めてしまうと「ドライバがないからネットに繋がらないのに、ドライバを入手するためにはネットに繋げる必要がある」という非常に面倒な状態に。

これを解決してくれるのが上記のUSBドライブで、まさにMSIが用意してくれた転ばぬ先の杖というわけだ。実は筆者自身この問題には何度かハマったことがあり、その度にUSB – LAN変換や別PCからのダウンロードなどで対応を行った過去がある。こればかりはMSIに感謝するとと共に、MSIに限らず全マザーボード製品に付属してくれと素直に思ってしまった。

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比較的最近まではドライバディスク(DVDやCD)がついていたのだが、近年見かけることはほとんどない。是非ともこの文化、USB化して復活してくれないだろうか。

豊富な背面ポートに加え、フロントにはPD対応のType-Cも

背面のI/Oポートやフロント用の内部端子に目を向けると、こちらも最新規格が目白押しで少々驚かされる。中でも、USB Type-Aポートですら10Gbpsというのはかなり衝撃的ではないだろうか。

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それ以外にも40Gbpsに対応したUSB Type-Cを2ポート搭載しており、外付けSSDをはじめとした転送速度が重要なデバイスを複数組み合わせる場合であっても使いやすいはず。現時点ではまだこの速度を要求してくる機器はかぎられるものの、今後ポーリングレートが高く、今以上に通信速度を必要とするマウスやキーボードが出てくる可能性もゼロではない。そう考えると、この構成は確かな安心材料と言えるだろう。

またフロントパネル向けには20Gbps対応のUSB Type-Cコネクタを搭載しており、さらに60W PDに対応。筆者自身はあまりそう言った使い方はしないのだが、スマートフォンやBluetoothイヤホンなどの電力をPCから充電するシーンは比較的よく目にする光景だ。ゲームや作業の合間に手元でデバイスを充電できる利便性は、日常的に使う中でじわりと効いてくるかもしれない。

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フロント側のUSB Type-Cコネクタは、USB PD 60Wにも対応。
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使用するには6pinの接続が接続が必要

MSI Click BIOS Xで手軽にパーツをフルチューン

さてここからは検証パート、実際に「MEG X870E ACE MAX」を動かしつつその実力を見ていきたい。また今回は一般的なPCケースは使用せず、いわゆるベンチ台での組み立てを行っている。(何事も形からということで)

記事で使用したパーツ構成
CPU:AMD Ryzen 9 9900X
CPUクーラー:MAG CORELIQUID I360
メモリ:KINGSTON FURY Renegade 8800 MT/s 48GB (24GBX2)
マザーボード:MEG X870E ACE MAX
SSD:SPATIUM M371 500G
電源:MPG A1000GS PCIE5
GPU:GeForce RTX™ 5080 16G GAMING TRIO OC

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まずはMSI Click BIOS Xの機能を活用して手軽なオーバークロックを

まずは立ち上がったBIOS機能の紹介から。MSIのBIOSはEasyモードとAdvancedモードが用意されているのだが、Easyモードがいわゆる初心者向けの“機能制限画面ではない”のが大きな特徴だろう。あくまでも「BIOS機能にアクセスする際の操作手順をEasyにする」という設計思想なのか、OSを読み出す順番などの定番所から、CPUやメモリのオーバークロックなど多少コアな部分まで、それぞれがわかりやすくレイアウトされ、Easyモードのまま触ることができる。ある種ダッシュボード的といえば良いだろうか。

例えばCPUのオーバークロックである「Game Boost」はTOPメニューの左上、最も目立つ位置に配置され、クリック一つで有効化。そしてBoostに必要な諸設定が一括で変わる、といった具合だ。

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またAMD Ryzenシリーズで特定ゲームのパフォーマンスを向上を実現できる「X3D Gaming Mode」などのアクセスも簡単で、コチラもトップ画面に配置。MSIによると、マルチスレッド性能を抑える代わりにゲームに特化させることで、1080p解像度で2%~20%のパフォーマンス向上が見込めるとのこと。ゲームプレイがメインの方なら合わせてON(Enabled)にしておこう。

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そしてもう一つお手軽なオーバークロックとして、「Game Boost」の並びにあるメモリのオーバークロックもONに。AXMPと呼ばれるメモリが持つオーバークロックプロファイルを有効化する機能で、いわばメモリメーカーが用意してくれたお手本設定の様なもの。

今回使用した「KINGSTON FURY Renegade 8800 MT/s 48GB (24GBX2)」ではStandardとAXMP01、AXMP02という3つの設定が用意されていたので、試しにAXMP01に設定してみよう。

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さて準備は整った。PC起動!

……と起動したもののなぜかメモリの動作周波数が5600MHzで固定されている。BIOS上でも5600MHzで認識されており、どうやらプロファイルがうまく適応されず設定保存後に巻き戻っている様子。これはどうしたことか…と思ったのだが、原因は明白でBIOSのバージョンが工場出荷時で止まっていた。

読者の皆様はこんな初歩的なところでつまづかない様、あえて失敗談として共有しておきたい。

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Memory Try It!KINGSTON FURY Renegade 8800 MT/sのメモリオーバークロックに挑戦

AXMPは非常に便利な機能だが、これだけでは記事として少々味気ない。どうせならもう少し「オーバークロックらしい」挙動も試したいものだ。そんな方におすすめしたいのが「MSI Click BIOS X」に備わった「Memory Try It!」と呼ばれる、半手動のオーバクロック機能である。

こちらは半手動と書いた通り、MSI側が用意してくれた動作クロックやレイテンシが設定された複数のプロファイルから好みのものを選んで適応し、オーバークロックができるというもの。タイミング調整や電圧などの細かいところはプロファイルに紐づいたものが自動で設定されるため、難しいことを考えずとも「より高周波数で動かすためにトライ&エラーを試す」というオーバークロックの美味しいところだけ体験できるのだ。

まずは、どうやらメモリチップの定格らしい5600MHzを起点にベンチマークを計測し、その後はより高みを目指してトライ。到達できた最高動作速度で再度ベンチマークを回してその差を比べてみることにした。

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目標値はもちろんメモリの表記スペックである8800MHz。果たしてここまで至れるだろうか。

使用ソフトはCPUの変化を見る目的での「CINEBENCH 2024」、そしてシステム全体の変化を見る目的での「モンスターハンターワイルズ ベンチマーク(Steam版)」だ。

ちなみに初期状態から「Game Boost」と「X3D Gaming Mode」は共にEnabled。その結果、CINEBENCHではSingle 124pts / Multi 1592 pts。ワイルズではScore 33315 / 平均FPS 97.93となった。ここがスタート地点だ。

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CINEBENCHの初期状態でのスコア。Single 124pts / Multi 1592 pts
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モンスターハンターワイルズ ベンチマーク(Steam版)での初期スコア。Score 33315 / 平均FPS 97.93

本来であればオーバークロックは徐々にあげるのが鉄則なのだが、5600MHzから8800MHzまで総当たりしていたのでは少々時間がかかりすぎる。ここは二分探索で進めてみよう。

二分探索とは、大小がある値の中から目的の値を見つける際に使う探索手法で、まず範囲内の半分くらいの値を指定し、目的の値がそれより高いか低いかを問う。その結果、目的の値が高いなら半分より上の範囲にしぼりまた半分の値を指定、低いなら半分より下の範囲でまた半分の値を指定、と行った形で繰り返し徐々に範囲を狭めながら、値を特定していく手法だ。

「仕様上の最高周波数を出す」ことが目的であれば、まさにうってつけの手法だろう。(なお、仕様を超えてオーバークロックする場合には、絶対に徐々に上げていく手段を取ること。上限として見込む範囲を誤ればそのまま破損につながるからだ。もちろん誤って破損させても自己責任となるので注意が必要だ。)

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KINGSTON FURY Renegade 8800 MT/s 48GB(24GB x2)の実力を、筆者は引き出し切れるだろうか…

そしてこのオーバクロック作業で便利だったのが「MEG X870E ACE MAX」に用意されたEasy Debug LEDとディスプレイ、基盤上に実装された電源ボタンおよびリセットボタン、そしてIOポートにあるClear CMOS Buttonである。

流れとしてはこうだ。まず起動時にEasy Debug LEDが点灯、そしてディスプレイにいくつかコードが表示される。正常に起動した場合は全てのLEDが消灯し、CPUの温度が表示されるのだが、誤って正常に動かない値のプロファイルを選んだ場合、はメモリ部分が点灯しディスプレイにエラーコードを表示しつつ教えてくれるのだ。

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画像は正常に起動した場合。CPUの温度計として動作する。

もしLEDが点灯した場合は電源ボタンを押してシステムを一旦終了。その後Clear CMOS Buttonを押せばBIOSの設定がリセットされるので、再度電源ボタンを押して再トライという流れ。ちなみにうまくいった場合はリセットボタンでBIOSに戻り、より高い値を目指しての再トライだ。

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そして繰り返すこと1時間弱、どうやら8000MHzあたりが筆者が検証した個体・構成で安定動作するスイートスポットであることが判明した。途中8400MHzあたりでも起動はしたのだが、負荷をかけると数回に1回落ちてしまう。8200MHzもさらに低い確率ながら不安定になることがあったため、8000MHzを今回の検証の到達点とすることしたのだ。

では、いよいよどれだけ性能が伸びたのか見てみよう。
結果がコチラ。

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メモリを8000MHzまでオーバクロックした結果、Single 134pts / Multi 1878ptsのスコアに
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同じく8000MHzの状態でScore 37151 / 平均FPS 108.75を記録

CINEBENCH 2024ではSingleで約8%、Multiでは約18%も性能が向上。ワイルズの場合はScore / 平均FPSともに約11%も性能が向上した。もちろんベンチマークスコアなので純粋なスペックアップとは紐づかないシーンもあるとは思うが、10%以上性能が変われば、実質的にはワンランク上のCPUなどに載せ替えた場合に近い性能アップが得られたと言っても過言ではないだろう。

MSIとKINGSTON、両社の技術におんぶに抱っことはいえ、これを自分で達成できたと思うとなんだか感慨深いものだ。

長く使うからこそ良いものを。そんなあなたにMSI MEG X870E ACE MAX

最後に記事冒頭の話に戻って、なぜ本製品が「どこにコストをかけるべきか」の回答になるのか筆者の考えを示しておきたい。それはマザーボードにコストをかけるのが、最も使用時間あたりのコストパフォーマンスが高くなるからだ。

マザーボードの交換がいかに大仕事であるかは、経験したことがある人ならよくわかるはず。CPUをはじめ全てのパーツを取り外し、再度組み直す。さらにはOSの再インストールやドライバの再構築が絡むこともあるためパーツ費用だけでなく、時間と手間も相当なものになるだろう。つまり多くの場合、“マザーボードを換えるタイミング”は“次にシステムを一新するとき”とほぼ同義になるのだ。

そして逆を言えば、あらかじめ良いもの選んでおけばCPUのソケットが変わるまでずっと使える。「MEG X870E ACE MAX」はその観点で隙がない。

PCIe 5.0・Wi-Fi 7・USB 40Gbps・デュアル有線LAN(10G+5G)・5基のM.2スロットといったインターフェース群は、現行世代はもちろん、次世代のパーツ移行においても活きてくる選択だ。18+2+1フェーズの電源回路を採用した基盤は、何世代にもわたって高クロック・高負荷の使い方に耐えてくれるに違いない。

そしてこの考えを後押ししてくれるのが、本製品が持つ64MBの大容量BIOS ROMの存在で、将来的に新たなCPUの登場を見据えてのことだという。MSIがこの点をアピールしていることからも「長く使ってほしい、長く使える」製品なのは間違いないだろう。

高クロックなDDR5メモリが値下がりし、Gen5対応のSSDが主流になり、Wi-Fi 7対応ルーターが一般化した数年後のシステム。そのタイミングで「あのときのマザーボード選びは正しかった」と思えるかどうか。長く使うからこそ良いものを。

そんな考え方でパーツを選びたい人に、「MSI MEG X870E ACE MAX」は強くおすすめしたい製品だ。

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出典・関連リンク

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