ASUSのクリエイター向けブランド「ProArt」に映像制作者向けのHDRモニター3製品が登場

ここ5年くらいのPC業界を見てみると、にわかにクリエイター向け業界が盛り上がっていることがよくわかる。CPUは動画のエンコードやAI向けに推論性能をアピールするようになり、GPUもこれまでゲームがメインだったところから徐々にクリエイティブ系の訴求も増えてきた。そしてその流れを受ければPC本体や、モニターにおいてもクリエイター向け製品が増えるのも当然の流れと言える。

今回はASUSのクリエイター向けブランド「ProArt」に新たな液晶モニター3製品が加わったのでご紹介させていただこう。発売日は2023年8月4日(金)、価格はオープンだ。

目次

広色域な映像制作者向けモニター

今回発表された3製品「ProArt Display PA329CRV」「ProArt Display PA279CRV」「ProArt Display PA248CRV」共通の特徴として、sRGBカバー率が100%かつDCI-P3カバー率が90%台後半と広い色域をもったパネルを採用している。

このsRGBおよびDCI-P3はWEB系の映像によく使用されている色域で、ビデオグラファーを始め個人での映像制作者が増えた昨今の背景を踏まえ、より動画が作りやすい色域のモノを選んでいるという事だろう。 また工場出荷時にキャリブレーション、端的に言えば発色の調整を行っているため、開封した瞬間から正確な色で映像を確認することができるのも特徴として挙げられる。

加えて「ProArt Display PA329CRV」「ProArt Display PA279CRV」の2モデルはHDR10とVESA DisplayHDR™ 400の両方に、「ProArt Display PA248CRV」はHDR10に対応しているため、HDRコンテンツの制作用途としても適しているはずだ。

よりスリムでスタイリッシュになったデザイン

3製品いずれも前モデルと比較して台座が33%小さく、フレーム部分も30%スリムになり、最も薄い部分はわずか8mmの薄型設計を採用しているという。

このフレームの薄型化については、おそらくスタンドを除いたモニター本体を指していると思われる。 通常フレームと言えばベゼル(パネルの外枠)を指すことが多いが、ProArtのモニターシリーズはもともとかなり狭額縁になっているため、そこからさらに30%は考えにくい。公式サイト内の紹介も合わせると30%減は本体厚とみてよさそうだ。

一方、台座部分の小型化は分かりやすい変更点だ。モニターアームを使用しない方にとってはスタンドは大きければ大きいほど机上のスペースを使ってしまうため、なるべく小さい方が望ましい。おそらくこの小型化も前述した本体のスリム化に連動して可能になった要素だろう。

ProArt Display PA329CRVデザイン
かなり個人的なポイントだが、前面ボタンにタッチセンサーではなく物理ボタンを採用しているのが好印象。
電源のON/OFFやモード切替時にクリック感があるだけで、誤タップやメニュー移動時に行き過ぎてしまったりといった余計な操作をしてしまう確率を減らせるのだ。

画面サイズに合わせた各製品ごとの違い

今回紹介する3製品は「広色域なパネルの採用」「スリム&コンパクト化したデザイン」、そしてそこに加えて96Wまでの電源供給と、DisplayPort Altモードによる映像入力が可能なUSB Type-Cポートの搭載が共通する仕様となる。

一方で大きな違いはそのパネルサイズだ。 型番からもわかる通り「ProArt Display PA329CRV」は32型「ProArt Display PA279CRV」は27型、「ProArt Display PA248CRV」は24型と、それぞれ異なるサイズを採用しており、サイズに合わせて仕様が若干変更されている。

ここでは仕様表から一部を抜粋して、その違いを紹介しよう。

ProArt Display PA329CRVProArt Display PA279CRVProArt Display PA248CRV
パネルサイズ32型27型24型
解像度4K(3,840×2,160)4K(3,840×2,160)WUXGA(1,920×1,200)
DCI-P3カバー率98%99%97%
Adobe RGBカバー率×99%×
HDRHDR10・VESA DisplayHDR™ 400HDR10・VESA DisplayHDR™ 400HDR10
デイジーチェーン対応××
市場想定売価(税込)88,920円63,720円41,220円

ProArtの新モニターはそっくりなようで個性的

先の表を見ていただくとわかる通り、今回の3製品は共通する要素は大きいものの、パネルサイズに合わせてしっかりとキャラクターが分かれている。

「ProArt Display PA329CRV」は高解像度のHDRコンテンツといったリッチな映像制作向け
「ProArt Display PA279CRV」は映像と写真を両方やりたいユーザー向け
「ProArt Display PA248CRV」は複数揃えてマルチモニター環境を作りたいユーザー向け
と言ったところだろうか。

単純なコストパフォーマンスならば「ProArt Display PA279CRV」が最も優秀に見えるが、画面サイズやデイジーチェーンなどを含めると、どれを取るかは悩みどころ。

是非、自身の用途や環境に合わせて悩んでみてほしい。

製品詳細

製品名:ProArt Display PA329CRV
市場想定売価:88,920円(税込)
製品ページ:https://www.asus.com/jp/displays-desktops/monitors/proart/proart-display-pa329crv/

製品名:ProArt Display PA279CRV
市場想定売価:63,720円(税込)
製品ページ:https://www.asus.com/jp/displays-desktops/monitors/proart/proart-display-pa279crv/

製品名:ProArt Display PA248CRV
市場想定売価:41,220円(税込)
製品ページ:https://www.asus.com/jp/displays-desktops/monitors/proart/proart-display-pa248crv/

3製品共通
発売予定日:2023年8月4日(金)
価格:オープン価格

一部画像はリリース、および製品ページより引用

ニュースリリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001031.000017808.html

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