昨年末に日本市場へと製品が発表され、今年(2026年)のCESでグローバル発表となったXREALの最新ARグラス「XREAL 1S」。すでに販売中のXREAL ONEの兄弟・あるいは後継にあたる製品で、基本的な機能は踏襲しつつも、新たに3Dビュー機能を備えたモデルだ。今回はそんなXREAL 1Sをメーカーからお借りすることができたので、その特徴や使い勝手など紹介していきたい。XREAL 1Sは現在予約受付中であり、メーカー公式ストア価格は67,980円からだ。
製品概要

XREAL
XREAL 1S

製品名:XREAL 1S
発表日:2025年12月1日
メーカー公式ストア価格:67,980円(税込)
製品ページ:https://www.xreal.com/jp/1s
見た目は少し大ぶりなサングラス。軽さ82gで持ち運びやすい
使用感の解説に入る前に、まずは外観やデザインについて触れておきたい。
XREAL 1Sは、一見すると少し厚みのあるサングラスのような外観。フレームは樹脂製でありレンズ周辺は光沢感がある一方で、つるはマットな質感となっており、特徴的な「ミッドナイトブルー」のカラーリングがなかなかカッコいい製品だ。ARグラスといえば”ゴツい”印象もあったのだが、一昔前に比べかなり小型化が進んでおり「少し大ぶり」くらいのイメージになっている。

また本体重量は約82gと非常に軽量で、さらに初めから専用ケースが同梱されているため、持ち運びにも便利だ。さすがに本体の大きさに合わせ一般的なメガネケースよりは大きくなるものの、それでもペンケースほどのサイズ。このサイズ感で大画面が持ち運べるのだからすごい時代になったものだと思う。
ケース・ケーブルなど必要なものは初めから全て付属
付属品は専用ケースに加え、SMLと3種類のノーズパッド、ロゴ入りのクリーニングクロスと専用ケーブルが同梱されている。必要なものは全て初めから揃っているため、開封した瞬間からすぐに使い始めることができるだろう。

またここで一つ言及しておきたいのが、この同梱ケーブルについて。実は少々技ありで、XREAL 1Sをかけた際に自然な角度で下に垂れるよう少し角度がついているのだ。

さらに、このケーブルはUSB PD(Power Delivery)とDisplayPort Altモードに対応しており、USB Type-Cケーブルとしては少々高スペックな部類に入る。筆者が確認した限りでは同様のスペックを持つ別ケーブルでも一応動作はしたものの、上記のスペックに加え、取り回しのしやすい細さを持ったケーブルはそれだけで貴重なため紛失には十分注意したい。
電力も操作もXREAL 1S単体で完結
そしてもう一つ、XREAL 1Sの携帯性を後押ししている点がある。それはこのARグラスが本体とケーブルのみで、動作・操作に必要な要素を満たしているところだ。
XREAL 1Sを動作させるために必要なのは、対応するスペックを持ったデバイスを同梱されたUSB Type-Cケーブルで接続するだけ。従来のARグラスにあったようなグラスと、PC/スマートフォン/ゲーム機といったデバイスの間を繋ぐ中間デバイスが不要なのである。

さらに電力についても接続先のデバイスから給電する形式のため、ARグラス本体の充電も不要。これにより、本体の充電残量を気にする必要がなく、使いたいときにすぐ使えるほか「充電し忘れて使えない」といった事態も起こらないのだ。
加えて、設定周りも全てXRAEL 1Sの本体操作で完結する点もポイントの一つ。別途アプリなどを必要とせず、グラス本体に備えたボタン類で各種設定が可能だ。

基本的には3つのボタンで操作が完結するようになっており、朱色のXボタンを起点に+ボタン-ボタンで移動や調整をする形式。Xボタンを1度クリックすると画面の固定と追従の切り替えを行い、ダブルクリックすることで詳細設定メニューが現れる。
個人的には追従モードで自分の見たい位置に画面が来るようにしてから、さらに固定モードに変更して鑑賞する流れが最も使いやすく感じた。あえて要求をあげるなら固定モード時に上下左右、回転などの微調整ができるとベストだろうか。姿勢によっては見やすい位置に合わせるのが難しく、ベストな位置で固定するには少々慣れが必要だったため、微調整が効くとより使いやすくなりそうだ。
動画やゲームに最適な持ち歩ける大画面モニター
ではここからは実際の使用感をメインにお届けしていこう。まずは最大のアップデートポイントである3Dビューから。
動画視聴やブラウジングに!3Dビューが面白い
この機能はXREAL 1Sに組み込まれた制御チップX1チップにより、入力された映像を仮想的な3D映像に変更してくれるというもので、ゲームや動画・写真など、それがType-C経由で画面に写せるものであれば”なんでも”3Dビューで楽しむことができる。
体感的には「飛び出してくる」というよりは「奥行きを感じる」といった表現が近く、若干の飛び出し感と深い奥行きを感じさてくれる印象だ。


あくまでもイメージだが、先ほども登場した1枚目のような画像があったとき、2枚目の赤色ラインあたりが飛び出しと奥行きの分岐点となる。感覚としては3D切り絵のシャドーアートが近く、緑のラインで画像がスライスされたように奥行き感が生まれるような形だ。
こればっかりは立体視の仕組み上、動画や画像で説明する方法が無く心苦しいばかり。非常に面白い機能なので量販店やイベントなどで本製品を見かけた際は、ぜひご自身の目で確かめていただきたい。
また実写・CG・イラスト問わず3D化してくれるものの得意不得意はあり、例えばアニメ・イラスト調のものよりは実写系のものの方が得意であり、構図としても平面的なものよりも奥行きが感じられるパースのかかった構図の方が得意な様子だった。
視認性は十分で作業用モニターとしても使える。ただし長時間利用には注意
筆者のような外出先でも仕事をする職種の方なら、XREAL 1Sを見て最初に浮かぶ用途はモバイルモニターの代替だろう。前述の通り本製品は非常にコンパクトなため、物理的な制約を超えて大画面を持ち運べるのはそれだけで大きなメリットだ。
特段設定を変更せずPCと接続した際には16:10(1920×1200 px)の画面として認識され、もちろん画面サイズは可変。視認性も良いため、プログラムや記事など細かいテキストを追うような使い方でも問題なく使用できる。

さらに「フルHD+程度の広さで作業はちょっと…」という方には、32:9のウルトラワイド画面モードをおすすめしたい。設定画面から調整することで、最大で3840×1080 pxのデュアルフルHD解像度のウルトラワイドモニターとしても使用可能なのだ。これなら作業用のモニターとしても十分だろう。

ただし一点だけ注意して欲しいのがXREAL 1Sの重量感。例えばデスク作業など、座った状態で長時間利用したところ、それなりに首へ負担を感じたのだ。これは筆者自身がこうしたデバイスに慣れていないのも原因の一つだろう。とはいえ、初めてこうしたARグラスを検討している方であれば意識して欲しいポイントと言える。
一方でこの問題を解決する方法は単純で、仰向けに椅子をリクライニングさせたり、いっそのこと寝た状態で使用してしまえばいい。そしておそらくだが、本格的な作業用モニターとして使用する用途はXREAL側もあまり想定していないはずだ。それを裏付けるのがスピーカーの仕様である。

XREAL 1SではBOSEとコラボレーションしたスピーカーが両側のつるに備えられており、音響面にもかなり気を配っている様子。しかし、その一方でこのスピーカー、完全な開放型となっており、音漏れに関してはほとんどと言っていいほど考慮されていない。つまりこれは「XREAL 1Sはプライベートで使う」ことを前提としているのではないだろうか。
そもそものキャッチコピーが「未来のエンタメ空間」な本製品。仕事用途はあくまで副産物として、なるべくリラックスできる姿勢で使うのが、XREAL 1Sを使いこなすコツなのかもしれない。
XREAL Neoとの組み合わせで、ゲーム機やスマートフォンをより手軽に接続
少々余談にはなるがXREAL 1Sを紹介するに当たって、合わせて紹介しておきたいのが同時に発表されたXREAL Neoの存在だ。こちらはXREAL 1Sと組み合わせて使うことを前提としたDock兼モバイルバッテリーで、容量は10,000mAh。バッテリーを搭載せず、接続先の電力を消費するXREAL 1Sの利用時間をさらに引き伸ばしてくれる心強いアイテムである。

基本的にはスタンドにもなるモバイルバッテリーで、XREAL 1S→XREAL Neo→接続デバイスのように接続すると、デバイス側に給電しつつXREAL 1Sが使えるようになる。つまり極端なことをいえば無くても成立するアイテムなのだが、このアイテムが重要になるのはNintendo Switch/Switch 2との組み合わせ。なんとUSB Type-C経由なのにテレビモードが使えるようになるのだ。
実はSwitchから出力される映像信号は特殊なため、筆者の知る限りUSB Type-C接続のモニター等ではテレビモードは使えず、必ずHDMIなどに変換する必要がある。しかし、なぜかXREAL NeoであればHDMI変換せずとも使用可能。詳しい理屈は公開されていないため不明だが、Switchユーザーであれば併せて購入する価値があるだろう。

もちろんXREAL 1Sと組み合わせずとも、スマートフォン向けのスタンド機能付きモバイルバッテリーとして使用可能。XREAL Neoは「必須ではないがあったら嬉しい」という、アクセサリーとしてベストな立ち位置の拡張アイテムなのだ。
XREAL 1Sはエンタメ用途に最適化された大画面ARモニター
こうした面白い製品をみると、つい独自の使い方を模索したくなる筆者だが、図らずとも今回はメーカーのキャッチコピー通りの用途が最適という結果になった。XREAL 1Sはテレビ(モニター)・プロジェクターに続く、映像を見るための第3の手段と考えるのがベストだろう。
もちろんテレビやプロジェクターがそうであるように作業に使うこともできるが、製品の真価はそこにはない。「リラックスできる姿勢で、自分だけの大画面ARモニターを独占する」これが最もXREAL 1Sを楽しむ方法で間違いなはずだ。
映画にドラマ、アニメなど今やネット配信も充実し、YouTubeなどを含めればエンタメコンテンツは一生かけても見尽くせないほどになっている。新たな視聴方法の一つとして、XREAL 1Sを検討してみるのも面白そうだ。
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