ニコンといえばレンズ。このイメージを持っている方は未だ多くいるかと思う。筆者自身もその一人で、仕事柄様々なカメラに触れる機会があるものの、ニコン機を使った際には「やっぱり写りが良いよな」としばしば再確認しているほどだ。
今回お届けするのは、そんなニコンレンズについて。24-70mm F2.8の標準ズームレンズがZマウントレンズとしては初のⅡ型モデルになったのである。その名も「NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S II」。
従来モデルの優れた光学性能はそのままに、クラス初のインターナルズーム機構とクラス最軽量を実現した次世代標準ズームだ。発売日は2025年9月26日を予定しており、8月28日 10:00より予約開始。ニコンダイレクトでの価格は371,800円(税込)だ。
製品概要

Nikon
NIKKOR Z
24-70mm f/2.8 S II

製品名:NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S II
メーカー直販価格:371,800円(税込)
発売日:2025年9月26日
予約開始日時:2025年8月28日 10:00〜
製品ページ:https://nij.nikon.com/products/lineup/nikkor/zmount/nikkor_z_24-70mm_f28_s_2/
クラス初のインターナルズーム機構と業界最軽量ボディで機動性向上
「NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S II」の最大の特徴は、同クラスでは世界初となるインターナルズーム機構の採用だ。この同クラスというのは他社を含めた話のようで、24-70mm F2.8通しのフルサイズ向けズームレンズとして世界初なのだという。
24mmから70mmまでズーミングしても、レンズの全長が変化しない設計となっているため、ズーミング時の重心移動が少なく、安定した操作性を実現。コンパクトな設計で、全長は約142mm、最大径は約84mmという携行性にも優れたサイズだ。

現行モデルであるNIKKOR Z 24-70mm f/2.8 Sと比較すると下記のような形で、広角側(24mm)では現行モデルより若干長くなっているものの、望遠側(70mm)ではより短くなっている。またインターナルズーム機構を取り入れたことで、ズームレンズにありがちな鏡筒内部への侵入物に強く、過酷な撮影環境でも安心して使用できるだろう。


加えてもうひとつの大きな特徴は、質量約675gという軽量ボディだ。これは同クラスのレンズでは最軽量となり、従来の「NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S」と比較して約130g(約16%)軽量化に成功している。実際にカメラを構えてみると体感でも大きな変化を感じられたため、イベントの撮影やネイチャーフォトなど長時間カメラを構え続けるシーンで有利になりそうだ。

ニコン史上最速・最高精度のAF性能
本レンズでは、ズームレンズ初となる「シルキースウィフトVCM(SSVCM)」を採用したマルチフォーカス方式を実装。これにより、ニコン史上最速かつ最高精度のAF性能を実現しているという。従来モデルと比較して、AF合焦速度は約5倍※、望遠端でのピント合わせ時間は約40%※短縮されたほか、ズーミング時のフォーカス追従性能は約60%向上。スポーツや動物など、動きの速い被写体撮影に最適だ。
※ 画像処理エンジン EXPEED 7搭載カメラとの組み合わせ時。

引用元:https://nij.nikon.com/products/lineup/nikkor/zmount/nikkor_z_24-70mm_f28_s_2/features01.html
特に動画撮影時には大きなメリットがある。ピント位置の移動がスムーズで、ワンカットでワイドからクローズアップへと被写体を切り換える場合でも滑らかにピントが合うとのこと。さらに、AF時のレンズ動作音は従来比で約50%低減されており、静かな環境での撮影でも気にならない設計となっている。加えてモーター移動時の振動も軽減されているため、マイクをアクセサリーシューにマウントしている場合など、振動が気になるシーンでもノイズが乗りにくいはずだ。
S-Line最高クラスの光学性能
「NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S II」は、大口径両面非球面レンズを前玉に採用し、EDレンズと非球面レンズを効果的に配置した光学設計を採用。これにより、レンズ枚数を削減しながらもS-Line最高クラスの高画質を実現しているとのこと。
さらに、ニコン史上最高の反射防止効果を誇る「メソアモルファスコート」と「アルネオコート」を組み合わせることで、ゴーストやフレアを効果的に抑制。強い光源に向けての撮影でも、クリアで鮮明な画像が得られるはずだ。
最短撮影距離は広角端で0.24m、望遠端で0.33mと近接撮影にも強く、最大撮影倍率は広角端で0.21倍、望遠端で0.32倍を実現。被写体に近づいてのダイナミックな撮影が可能だ。また、新開発の11枚羽根絞りを採用し、より円形度の高い美しいボケ表現ができる。

使い勝手を高める多彩な機能
本レンズには、NIKKOR Zレンズで初めて、コントロールリングの操作感を切り換えられるコントロールリングクリックスイッチを搭載。クリック感のある操作と滑らかな操作を好みに応じて選択できる。

また、様々な機能が割り当てられるL-Fnボタンをレンズの側面と上面に配置。縦位置撮影時にもスムーズな操作が可能だ。さらに、フォーカス制限切り換えスイッチによりピント合わせ範囲を制限できるため、商品撮影やポートレート撮影など、カメラの位置を変えずに撮影したい場面で便利に使える。

フィルター径は77mmで、付属のレンズフードHB-117にはフィルター操作窓を装備。フードを取り外すことなく、円偏光フィルターや可変NDフィルターを調整できる。
プロのフォトグラファー、動画クリエイターにベストな1本
「NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S II」は、静止画・動画を問わず、様々な撮影条件や過酷な環境下でも高いパフォーマンスを発揮してくれる1本だ。価格こそ371,800円(税込)と、現行モデルと比べ4万円ほど上昇してしまっているが、価格以上の性能・使い勝手の向上をもたらしてくれるはず。
プロとして活躍するフォトグラファー、動画クリエイターは是非チェックしてほしいレンズと言えるだろう。
ギャラリー










Nikon
NIKKOR Z
24-70mm f/2.8 S II

出典:ニコンプレスリリース
記事内画像は製品体験会にて撮影


