今月の28日に発売が控えている「モンスターハンターワイルズ」。思いのほか高いスペックを要求されるので、低スペックのPCではまともに遊べないかも?と不安を募らせるユーザーも多いだろう。
デスクトップPCならパーツを増設するなりして対策できるが、そもそもグラフィックボードを搭載していないモバイルゲーミングPCでまともに動くのだろうか?

ということで、実際にROG Ally Xを使ってみて、モンハンワイルズを満足に遊べるか検証してみた。今回はメーカーから製品をお貸しいただき、ベンチマークテストやベータテスト版をプレイ。
製品概要

ASUS
ROG
ROG Ally X

製品名:ROG Ally X
発売日:2024年7月24日
カラー:ブラック
製品ページ:https://rog.asus.com/gaming-handhelds/rog-ally/rog-ally-x-2024/
まずはベンチマークテスト。解像度を下げれば問題なさそう
ベータ版を遊ぶ前に、ベンチマークでROG Ally Xの実力を測ろう。ちなみに公式サイトによると、スコア10250~12999なら問題なくプレイできるとのこと。7000~10249で設定変更を推奨されるが、それでもプレイできないことはない。
小手調べに解像度は1920×1080、グラフィックプリセットは中にしてみた(フレーム生成はOFF)。オペレーティングモードはTurbo 25Wの状態だ。

スコアは10497なので問題なさそうに見えるが、フレームレートが30FPSになっていた。モンハンで30FPSはモッサリとしすぎているので、せめて60FPSは欲しいところだ。
とはいえROG Ally XのCPUは「AMD RyzenZ1 Extreme」という、携帯ゲーム機向けのプロセッサ。据え置きPCほどの性能はないため、60FPSですら厳しいかもしれない。
そこで重要になるのがフレーム生成だ。
フレーム生成は解像度を犠牲にして、FPSを向上させる技術のこと。 ROG Ally Xでフレーム生成をONにするには、AMD Software Adrenalin EditionからAFMF2(AMD Fluid Motion Frames 2)を有効化しないといけない。

有効化すると解像度は1920×1080ではなく1600×900になってしまうが、これを設定するだけでFPSが向上するなら安いものだろう。
今度はAFMF2をONにしてグラフィック設定を低、フレーム生成をON、Turbo 25Wモードで計測。

平均60FPSとはいかないが、30FPSのときより滑らかに表示されている。解像度に関しても、感覚としてはフルHDじゃなくても特に気にならないレベルだ。

しかし平均60FPSにしたい気持ちがあるので、解像度を1280×720に変更してみる。それだけでなく電源に接続し、最大パワーを発揮できるTurbo 30Wで計測。
結果として「問題なくプレイできます」というスコア表示になり、平均60FPSまで達するように。
だいぶグラフィックの見栄えは悪くなるものの、ROG Ally Xでも問題なく遊べるということが分かった。
ただし電源アダプターを接続しない場合は25W出力のモードになるので、多少はパフォーマンスが落ちるし、バッテリーを消費しやすくなる点に注意。

ボス戦において映像の遅延はほとんど感じなかったが、激しく動くとフレームの乱れというか、若干の残像感はある。といってもこの現象はカプコン側も認識しているようで、製品版では修正予定だという。
ちなみに発熱は抑えられているし、スティックやボタンの押し心地も良好。重さ678gなので、思っていたより軽い。なかなか快適に遊べるデザインだ。
アクション中の画質は微妙に感じるが、イベントシーンは違和感なく表示されている印象。内臓GPUで問題なく遊べていることを考えると、ROG Ally Xの性能は優秀なのではないだろうか。

サブ機として使うならおすすめだが…
そもそもメインのゲーミングPCを持っているユーザーなら、サブ機としてROG Ally XなどモバイルゲーミングPCを買うのは有力な選択肢だ。
筆者も今回の経験を経て、ROG Ally Xの魅力にも気づけた。特に輝度が700nitsもあるおかげで、低画質だとしても鮮やかな色味を楽しめるのは大きなメリットと言える。
それにROG Ally XがあればメインPCのストリーミング(リモートプレイ)もできるため、自宅ではデスクトップ、外ではROG Ally Xというスタイルも実現可能(ストリーミングをするだけならROG Ally Xじゃなくてもできるが)。

しかしゲーム機を所有しておらず、ワイルズのためだけにモバイルゲーミングPCを買おうとしているなら、よく考えた方がいいかもしれない。
と言うのも、ROG Ally Xでワイルズを高画質で遊ぶことは難しく、必然的にグラフィック設定を下げないといけない。せっかくの最新作なのに、グラフィックを堪能できずに遊ぶのは勿体ないだろう。
とはいえどうしても据え置きで遊ぶ環境がなく、移動中や隙間時間に遊びたいという人には最適だ。
もしくは、今後ワイルズに合わせて高性能なモバイルゲーミングPCが増えるはずなので、それを待つのも有り。
いずれにせよROG Ally Xでもグラフィック設定を下げれば、問題なくワイルズをプレイできる。どうしても外出先やリビングでワイルズを楽しみたいなら、ROG Ally Xの購入を検討する価値はあるだろう。
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