一昔前、PCといえば「大きな黒い箱」が一般的だったように思う。それがいつの頃からか各メーカーから凝ったデザインのPCが出始め、近年では自作PCパーツもオシャレさやカッコよさなどに注目した製品が増えて来た。特に白いデザインの台頭や光る電源延長ケーブルなどは、そうした“魅せる”PCを意識したアイテムの最たるものだろう。いまや自作PCの魅力は「自分自身の好みに合わせたデザインのPCを組み上げられる」ことに有ると言っても過言ではない。
まずはこちらの画像をみて欲しい。
上記の画像は、すべて今回の記事で組み上げた自作PCを撮影したもの。一般的なメーカー製PCには出せない”魅せる”デザインに仕上がっていることがお分かりいただけると思う。
一方で自作PCを組むとなると、付きまとうのは「難しそう」「めんどくさそう」というイメージ。PCの中身というと、なんとなく複雑そうな印象が有るものだ。
しかし今回ご紹介するASUS 「BTF(Back-To-the-Future)」シリーズは違う。
これまでの常識を覆す新しい技術が採用され、比較的誰でも簡単かつ綺麗に組み上げられるパーツシリーズになっており、初めてトライする方でも手軽に、そして既存の自作PCユーザーであればこれまでよりもスムーズに組み立てることが出来るだろう。
カッコいい・オシャレなPCが簡単に組めるのなら、トライしたくなる方も多いはず。
本記事では「BTF」シリーズだからこそ実現したスッキリとした完成形デザインと、それらを叶える各パーツについて紹介した後、簡単に組み上げの流れを追いながら、その組みやすさと特徴について言及していきたいと思う。
ASUS
BTF
TUF GAMING Z790-BTF WIFI
「BTF」シリーズのポイントはケーブルが見えないスッキリとしたデザイン
「BTF」シリーズで組み上げた自作PC、その最大の特徴は表(PCケースの正面から見て左側面)から見た際、ケーブル類がほとんど見えなくなること。
コレはPCに限った話ではないと思うのだが、ケーブルが複数本ある状態はとにかく雑多に見えやすい。(デスクやリビング、ベッド周りの収納でケーブル類を隠すためのグッズが色々と販売されている事を考えればご納得いただけるだろう。) けれどもこれまでの自作PCパーツでは、構造上どうしてもケーブルが露出してしまうため、自作PCユーザーはこのケーブルをどう綺麗に見せるかに注目し工夫を凝らすしかなかったのである。
そんな状況のなか根底を覆し、そもそもケーブルが露出しない構造を実現したのが今回の「BTF」シリーズだ。
細かい構成などは後程紹介するとして、上の画像が今回組み上げたASUS「BTF」シリーズを使用した自作PC。表から見えるケーブルは本当に一部のみで、アップで見なければほとんど目立たない。ケーブルが無いことで非常にスッキリとした印象になり、ホワイトでまとめたカラーリングも相まって、シンプルなデスクや部屋にも馴染みやすいはずだ。
また使用しているケースはASUSのゲーミングブランド「TUF Gaming 」に属する製品のため、ライティングを調整すればいかにも“ゲーミング”なケースにすることもできる。ベースカラーがホワイトなためか、ARGBのカラフルなライトによってガラリとイメージが変わるので、部屋のコーディネイトを特定のカラーリングでまとめている人にもオススメしたい。
ちなみにこの真っ白なPCを組むにあたって用意した白いPCパーツはこちら。
マザーボード:TUF GAMING Z790-BTF WIFI
CPUクーラー:ROG STRIX LC III 360 ARGB WHT
グラフィックスカード:TUF-RTX4070TIS-O16G-BTF-WHITE
PCケース:TUF GAMING GT302 ARGB WHT
写真で見える白いパーツはこの4つなので、これさえ揃えればそれ以外はパーツに関わらず同じ白さのPCをくみ上げることができるだろう。
これまでの黒いPCパーツではここまでガラリと色のイメージが変わることは無いはずだ。
さてここで、自作PCを組んだことがある方であれば「で、どうやってケーブルを見えなくしたんだ?」という疑問が浮かぶと思う。先にも記載した通り、これまでのPCパーツでは構造上必ずケーブルが表に露出するからだ。
コレを解決しているのが「BTF」シリーズの核ともいえる、マザーボード、PCケース、グラフィックスカードである。
ケーブルが繋がるポートは全て背面実装!白を基調とした高機能マザーボード「TUF GAMING Z790-BTF WIFI」
まずはマザーボードから見ていこう。今回記事で使用しているのは白を基調としたデザインが特徴のATX規格マザーボード「TUF GAMING Z790-BTF WIFI」。先ほどの完成状態でケースの中に納まっていた最も大きい基盤の板だ。基盤本体やスロット部分を除きヒートシンクやフレームは全てホワイト・シルバーで統一され、「TUF Gaming」らしいガッシリとした印象は有りつつも威圧感のない絶妙なバランスに仕上がっている。
一見すると普通の高性能なマザーボードにも見えるが、詳しい方が見れば電源やデータまわりのポートが見当たらないことに気付けるはず。そんな本来表側に搭載されていたポート類がどこに行ったかと言えば、「BTF(Back-To-the-Future)」という名前の通りback(背面)で、ケーブルが繋がる主要なポートを全て背面に集約したことにより、表側にはほとんどケーブルが露出しない構造になったのだ。
背面からマザーボードにアクセスできるPCケース「TUF Gaming GT302 ARGB White」
マザーボードの変更に合わせ、PCケースにも変更が加わっている。記事で使用している「TUF Gaming GT302 ARGB White」は「BTF」シリーズ対応のPCケースで、背面にあるマザーボードのポートへアクセスできるよう取り付けスペースには”窓”が設けられ、ケーブルを束ねやすくするため広めの裏側配線スペースを用意した製品だ。
ケーブルやCPUクーラーを取り付けるための窓から背後の壁が見えている。
サイズとしては若干大柄で、PCパーツ界隈で言う所のフルタワーとミドルタワーの中間くらいだろうか。その分各部に手が入りやすいため、配線や組付けなども非常にスムーズで、PC組み立て後のエアフローも良さそうだ。
ケーブルレスでマザーボードと接続できる「BTF」専用グラフィックスカード「TUF-RTX4070TIS-O16G-BTF-WHITE」
先ほどチラっと書いているのだが、「BTF」シリーズのマザーボードの中には「TUF GAMING Z790-BTF WIFI」のようにグラフィックスカード用の電源ポートを持つモデルも存在しており、同じ「BTF」シリーズと組み合わせることでグラフィックスカードもケーブルレスで接続することができる。今回使用したのは、そんな「BTF」シリーズのグラフィックスカード「TUF-RTX4070TIS-O16G-BTF-WHITE」だ。
ハイエンドGPUを搭載した近年のグラフィックスカードらしく、発熱の大きいGPUを冷却するための3連ファンと厚手のラジエーター、そしてそれらを支えるために搭載した剛性感のあるがっしりとしたフレームが特徴の製品だ。
またここで注目すべきは、一般的なグラフィックスカードにはない専用コネクタの存在。「GC-HPWR Gold Finger」と名付けられたこのコネクタによって、マザーボード経由での電力供給が可能になり、グラフィックスカードへ直接ケーブルを接続する必要が無くなったのである。これで基本的にすべてのケーブルがマザーボードの背面へと集約され、表側からはケーブルの見えない非常にスッキリとしたレイアウトが実現したというワケだ。
ちなみにここまでで紹介したマザーボード、ケース、グラフィックスカードについての簡単なスペックは下記の記事でまとめてある。本記事は組み立てや特徴をメインでお伝えするため、スペックが知りたい方はこちらを参照して欲しい。
マザーボード:https://one-suite.jp/news/14571/2/#index_id1
ケース:https://one-suite.jp/news/14571/3/#index_id2
グラフィックスカード:https://one-suite.jp/news/14571/3/#index_id0