カレンダーも4月に突入し、入学や入社など新生活シーズンがやってきた。その名の通り生活が大きく変わるこの季節、引っ越しなどをされた方も多いかと思う。筆者のようなガジェット好きでもこの時ばかりは生活家電や家具、雑貨などライフスタイルに関わるものを探す機会が増えるわけだが、そうした生活に密接にかかわるモノが活気づくのは何も我々コンシューマー(ユーザー)ばかりではない。その裏で企業もまた準備を始めているのだ。
今回我々がお邪魔してきたのは、これまでのCP+やモーターサイクルショーといったユーザーに近いイベントとは異なり、より企業に近いBtoB(企業 対 企業)をターゲットとした展示会「第 6 回 ライフスタイル Week 春」というイベントである。
ライフスタイルWeekとは毎年、春・夏・秋と開催される雑貨・文具・ファッション・美容・インテリア・食品など9つの専門展で構成された総合展示会だ。先にも記載した通りBtoBがメインであり一般ユーザーは入場ができず、主にメーカー担当者や商社のバイヤーが商談をする場となっている。ここを起点とし企画や流通が決まった製品が、ショップやECサイトで販売されるというワケだ。
しかし逆に言えばそれはつまり、一般ユーザーがまだ見ぬ製品が数多く展示されているという事。
我々onesuite編集部としても見逃すわけにはいかない!
というワケで今回はそんな「第 6 回 ライフスタイル Week 春」から、編集部が発見した注目製品をピックアップしてきたのでご紹介させていただこう。
これから市場に出回る魅力的な製品たち
Dr.HOWS – TWINKLE MINI STOVE / 株式会社TTS
韓国発のコンパクトなカセットコンロ。カセットコンロとは思えないパステル調のカラーリングをしており、ボンベ搭載部を解放式にすることで圧倒的な小ささを実現している。またそのサイズ感と併せ専用のキャリーケースが付属するため持ち運びがしやすく、アウトドアでも活躍してくれるはずだ。
また同社の「Palette 8角形 グリルパン」との組み合わせがジャストサイズとなっており、サムギョプサルなどをする際の油受け皿も干渉することなく配置できる。
CURVER – Juteシリーズ / 株式会社藤栄
環境に配慮し、再生プラスチックを原料としてごみ箱や収納用品などの生活雑貨や、食べ物の保存容器などのキッチン雑貨などを中心に製作している欧州のメーカーだ。
再生プラスチックとは、一度使用して廃棄されたプラスチックを再利用されたものを指し、それを原料に作られた商品は制作の過程で様々な色が混ざってしまうため、ブラックやホワイトのカラーが中心となっている。しかし、CURVERの製品は独自の技術により色の発色もよくカラーの種類が豊富であることが特徴としてあげられる。
今後は2028年までにリサイクル原料使用率の目標80%に設定し、目標達成に向けて取り組んでいる。
TENDERFLAME / メディアウェブウォーク株式会社
家の中でも気軽に火を灯し、落ち着いた雰囲気を作れるアイテムだ。
形やデザインなど豊富な種類があり、暖炉などの展示もされていた。TENDER FLAMEが他と違うのは環境と安全に配慮された火を灯すことができる点だ。商品の中心にある芯の周りに、専用の液体を注ぐ方法でしか灯すことができないため、液体をこぼしたとしても周りに燃え広がる心配がない。
また、燃料である専用の液体はコーンなどからできたものを利用している。加えて、火を消した際は煙は多少出てしまうものの、消火時に出る独特な臭いがしないのも特徴である。
外からの風に強く、簡単に火が消えないため、火を消すにはアルコールランプのように上から容器等をかぶせて消火する必要がある。
TOWEL products – towel t-shirt / 本多タオル株式会社
タオル地で作成されたTシャツとハーフパンツ。タオル特有のパイル地を活かして作成されており、素肌に触れる面がパイル地のモノと外側のモノとで2種類販売されている。夏場の湯上りなどできるだけラフな格好で居たい時に柔らかいタオル素材のシャツとパンツは最高だろう。筆者のようなタオルケット好きにはたまらない商品だ。
その他にも本多タオル株式会社のブースでは、ハンガーで干せる「ホセの穴あきバスタオル」や、暗いニュースの続く昨今だからこそ、流行りのくすみカラーではなくビビットなカラーで明るい気持ちになってほしいという願いを込めた「colorful organic」シリーズなど見た目にも楽しい商品も多く見受けられた。
Benny’s outDoor – デニムテント / 株式会社紅石
ステッチが美しい、デニム製のテント。キャンプ場でほかの人と差別化をしたいあなたにお勧めするのがクラシックな雰囲気のあるこの製品だ。アパレルでは非常に根強い人気のあるデニム生地で作られており、国内でも有数のブランド・メーカーも開発に携わるお墨付き。見上げるといつでもステッチが眺められるという、デニム好きにはたまらない空間になるだろう。
大人1~2人向けのサイズ感でありながら、薪ストーブも使える煙突穴も設けられており、見た目だけではない実用性も担保されている。使えば使うだけ表情や風合いが変わるアイテムとして、新しい選択肢にいかがだろうか。
つばめのパンナイフ / アーネスト株式会社
金物の街と呼ばれている新潟県に位置する燕市で作られたパンナイフだ。職人の手により一つ一つ丁寧に作られたパン切包丁は、先端にある波刃と直刃の2種類の刃を組み合わせて作られている。この2種類の組み合わせにより、パンを切る際に出てしまうパンくずを抑えながら切ることを可能にしているとのこと。
刃渡りが23.5cmと長さがあるため、ホールケーキなど、パン以外にも利用することができる。柄の部分と刃の位置に差があるため、モノをカットする際に指がまな板に当たらない形状になっているのも特徴だ。
SUTENAI – シリコンストロー / 株式会社アルデナイデ
洗って繰り返し使えるシリコン製のストロー。
従来の再利用を前提としたストローは金属製や厚めのプラスチック製が多く、洗浄する際は専用ブラシなどを使用する必要があったが、きちんと洗えているかの確認が難しく、衛生面の懸念がつきものだった。本製品はシリコンを使用することで本体を縦向きに開くことができ、内部を隅々まで洗うことができる。それでいて管の途中から水漏れしないというのだから優れものだ。また、本体は耐熱220℃となっており食洗器も対応。
iimo – TRICYCLE #02 TYPE SS / エム・アンド・エム株式会社
折りたたむことができるコンパクトな三輪車。筆者の幼少期などは家の近所を爆走していたものだが、交通事情の変化に合わせ、三輪車も公園などで乗るのがメインの乗り物になりつつある。車などで大型の公園に行き、そこで三輪車に乗るのだ。(特にこの傾向は都市部だと顕著だろう)
この製品は折り畳み可能なことで、車や自宅での保管時に場所をとることなく省スペースで収納することができる。
サンシェードやステップ、ハンドルのコントロールが可能な押し棒などを備えているため、ショッピングモールなどでのベビーカー代わりにも良いかもしれない。
BISARA – ハンズフリースタンドヘアドライヤー / 株式会社シンビシン
一見スタンドライトのようなこの製品は、ハンズフリーで使うことのできるヘアドライヤーだ。髪の長い方には頷ける話とは思うが、毎日のドライヤーは意外と骨の折れる作業である。そんな「誰か代わりに乾かしてくれないかなぁ」という思いを実現してくれるのがこの製品だ。
2つの吹き出し口で広範囲を乾かすことができる他、リモコン搭載で風量や温度調整も手元で可能。カラーも豊富でインテリアとしても部屋に違和感なくなじませることができるだろう。
超吸水スポンジ / 株式会社アイオン
圧倒的な吸水力が特徴のスポンジ。筆者もブースでその威力を試したが、想像以上であった。
一般的なガラスケースに深さ2cmほどの水を入れ、スポンジを落とすと、みるみると吸水していき、ものの数十秒ですべてを吸い取る。
試してみた通り、吸水性が優れているため、洗うだけでなく水滴をふき取る役割も同時に担ってくれることで、水回りが気になる風呂場やキッチンのシンクなどの場所での使用を推奨されている。また、試すことはできなかったがホコリなどの汚れもしっかりとふき取ってくれるとのことで、掃除用具として利便性が高いアイテムと言えるだろう。
加えて、超吸水スポンジと同等の吸水力を持つSTTA(スッタ)というスポンジタオルも展示されていた。こちらは使用後の折り畳み傘やペットボトルにできる水滴に効果的なアイテムとなっている。掃除する場面だけでなく、日常のちょっとしたストレスが溜まるような場面を減らすことができるアイテムは、筆者としても大変興味深い。
saraetシリーズ / 株式会社アルタ
お皿の凸凹部分が余分な油やタレなどの水分を落としてくれて、ヘルシーに料理を食べることができる。
また、ヘルシーという観点だけでなく、余分な水分を落とす仕組みを作ることで、食感を保つことも可能だ。例えば、従来のお皿にトーストを置いたままにしてしまうと底面が蒸気で蒸れてしまいサクッとした食感が失われてしまう。saraetのパン皿は凸凹部分を設けることでトーストから出る蒸気を逃がす構造になっている。
他にも、タレ皿という中心部に凸凹があり両端にタレを入れることができるお皿もあるなどと様々な場面が想定され、豊富に展開されている。カラーの種類についてはイエロー・ブルー・グレーの3種類が展示されていた。
食感を楽しみたい、食生活にも気を付けなければいけない筆者としては注目せざるを得ない商品と言えるだろう。
Bollina Avanti / 株式会社tks
ウルトラファインバブルシャワーヘッドの展示をメインに行っており、実際にウルトラファインバブルがどういうものなのかを体験することができる。
ここで展示されているのはBolinaというシャワーヘッドシリーズだ。0.1μmの大きさの泡を1mlあたり1億個流し、毛穴に詰まっている汚れを落とすことができる。実際に試してみたが、シャワーを数秒間当てた手の甲が、当てていない手の甲より肌のすべすべ感がよかったのを体験できた。
金属3Dプリンター付加造形 / 和田助製作所
厳密には製品ではないが、面白い技術があったので紹介させていただこう。
それが和田助製作所の金属3Dプリンターによる付加造形だ。金属表面への印字といえばレーザー加工が真っ先に浮かぶが、3Dプリンターを使用することで凸面での造詣が可能になる。一見なんてことない差のように思えるだろうが、点字やメモリなど触覚での読み取りが求められるシーンにおいては大きな差となる。
また造形物を見る限り積層型に近い仕組みのようで、縦方向にかなり微細に積み上げることができるようだ。もちろん金属なので磨き上げれば鏡面のような金属光沢を出すこともできる。
オシャレな生活用品満載のBtoBイベントを訪ねてみて
筆者自身初めて訪れたイベントだが、これまでonesuiteでお届けした一般ユーザー向けのイベントとはかなり毛色が異なり製品半分、技術やサービス半分といった趣だった。市場で直接的に見ることはない製品やサービスといった、我々の生活を支える陰の立役者の集う内容だったように思う。
その中でも今回は限りなくユーザーに近いもの、あるいはすでに販売間近や発売済みモノにフォーカスしてみたがいかがだっただろうか。
onesuite編集部では、今後もこういった発売前の製品や技ありなモノたちについても積極的に取り上げていく予定なので、楽しみしていただければ幸いだ。