近年はノートPCの性能進化が目覚ましい。これはPC界隈を追いかけている方であれば誰もが異論なく受け止めてくれるだろう。いやもちろん、この進化はCPUやGPUを初め内蔵される半導体パーツの進化とニアリーイコールのため当然デスクトップPCも進化しているのだが、「一昔前であればデスクトップPCでなければできなかったことが、ノートPCでも十分こなせるようになった。」この変化を筆者は特に感じることが多い。特にゲームや映像編集などのクリエイティブ周りはその変化がわかりやすく、最近のノートPCと数年前のデスクトップと比べると、前者の方が快適に動くなんてことも少なくない。
今回はそんな最新のノートPCとして、先日ニュース記事でも扱った「ASUS ROG Zephyrus G14(2024)」を発売前にお借りすることができたので、新たに生まれ変わったデザインや進化したその性能について紹介していきたいと思う。
また時を同じくして発売されるROG Zephyrusの16型モデル「ASUS ROG Zephyrus G16(2024)」についてもレビューを行なっているので、気になる方はこちらもチェックしてもらいたい。
ASUS
ROG
ROG Zephyrus G14(2024)
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「ASUS ROG Zephyrus G14(2024)」は薄型・軽量ボディかつハイスペックな14型ゲーミングノートPC
まずはいつも通り、細部の紹介に入る前に製品の概要を確認しておこう。
「ASUS ROG Zephyrus G14(2024)」は、ASUS社がこれまでも販売していた「ROG Zephyrus」シリーズの最新モデルにあたるゲーミングノートPCだ。
シリーズを通して薄型で持ち運びやすい製品で、本記事で紹介する2024年モデルはデザインを一新し更なる薄型化と軽量化を果たしていることが特徴。加えてCPUにはAMD Ryzen™ 8000シリーズ、GPUにはNVIDIA® GeForce RTX™ 4070 / 4060 Laptop GPUを採用しており、性能自体も大きく向上。さらに搭載した14型のOLEDパネルは、120Hzの高リフレッシュレートかつDCI-P3 100%の広色域なもの。
そのためゲームだけではなく、映像制作のようなクリエティブな作業にも適しており、携帯性の高さも相まって、これ一台で趣味も仕事もこなしたいフリーランスや学生にオススメな製品に仕上がっている。
ゲーミング感を抑え、より薄く軽くスタイリッシュになった筐体デザイン
それでは新しくなった筐体デザインを早速見ていこう。ちなみに「ASUS ROG Zephyrus G14(2024)」には2種類のカラーが用意されており、プラチナホワイト / エクリプスグレーという名称だ。今回記事内ではプラチナホワイトを使用している。
ホワイトといっても樹脂感のあるツヤツヤした白ではなく、艶消し処理を行なった金属特有の高級感あるカラーで、どちらかといえばシルバーに近い。角度によってシャンパンゴールドに見えるシーンもあるが、昼白色のシーリングライト下で見れば、確かにプラチナにも似た”白金色”だ。
以降では外観から得られる情報を元に特徴を列挙していくが、「ASUS ROG Zephyrus G14(2024)」の特徴はその大部分が兄弟機でもあるG16と共通のモノとなっている。そのため既にそちらのレビュー記事を読んでいる方については、適度に飛ばしつつ読み進めてほしい。
斜めに引かれた「SLASH LIGHITING(スラッシュライティング)」が目を惹く天板
天面のデザインは前モデルと比べかなりシンプルになっており、面積の半分を占めていたAniMe Matrix™ディスプレイは廃止され、新たに「SLASH LIGHITING(スラッシュライティング)」と呼ばれるイルミネーションが採用されている。発光していない状態では、いわゆる”ゲーミング”感がほとんどないスタイリッシュなデザインで、オフィスやカフェなどで使用しても違和感なく溶け込めるだろう。
またこの「SLASH LIGHITING」によるイルミネーションはいくつかのパターンから選ぶことができ、ROG製品お馴染みのコントロールソフト「Armoury Crate」から設定可能だ。
各発光パターンはテーマとしてまとまっており、テーマ固有の3つの発光パターン×5テーマ、ここに加えて「ソニックマッチ」と「ダーク(発光オフ)」の2種類を加えた計17パターンが用意されていた。筆者が気に入ったのは上記の「ソニックマッチ」を選択したときで、PCから流れている音声をベースに明滅するようになるため、プレイしているゲームや流している音楽などで変化するので飽きがこない。例えばPCで音楽流しながら、何か別の作業をするシーンなどでマッチしそうだ。
厚さ約1.6cm重量は約1.5kg!さらなる薄型化と軽量化を果たしたボディ
筐体デザインにおけるもう一つ大きなトピックスとしては、本体の薄型化および軽量化だろう。「ASUS ROG Zephyrus G14(2024)」の薄さは最薄部が約15.9mm、最厚部では約16.3mm。重量に至っては約1.5kgと、GPU搭載のゲーミングノートPCであることが信じられないくらい薄くて軽い。
特に薄型化においては、本体ディスプレイにOLEDパネルを採用したことが大きいはずだ。
OLEDパネルの詳しい特徴については割愛するが、従来の液晶に比べ物理的な構造が単純化するため、パネル自体を非常に薄く作ることができるというメリットがある。そのため本機のディスプレイ部はかなり薄く、筆者も初めて見た際は大いに驚かされた。
この変化が最もわかりやすいのは昨年の2023モデルとの比較で、下の画像を見てわかる通り明らかにディスプレイ部が薄くなっていることがご理解いただけると思う。このディスプレイの薄さと合わせ筐体全体では、最薄部が約2.6mm、最厚部では約5.4mmも薄型化。2023年モデルの最薄部を今回は最厚部で割り込むほどで、最大約25%も薄くなる驚異のダイエットをみせている。
また重量の方でも約150gほど軽くなり、更にカバンにしまいやすく持ち出しやすいポータブルなゲーミングノートPCとして進化したと言えるだろう。
用途に合わせた充実のポート数で周辺機器との接続性も抜群
「それだけ薄くなったなら、ポート数等は削られてしまったのでは?」と思う方も居るかもしれないが安心してほしい。筆者の知る限りASUS社は、ターゲットとする用途に合わせて適切なポートの種類や数、なんなら配置までこだわってくるようなメーカー。当然持ち運べるゲーミングPCである「ASUS ROG Zephyrus G14(2024)」には、相応の”スペック”と”数”が用意されている。
まずは画面向かって左側面。当然のように備えられたHDMIに、映像と充電に対応したUSB Type-C、マウスやキーボードに使いやすいUSB Type-Aが用意されている。HDMIは4K120Hzも可能なHDMI 2.1に対応するため高リフレッシュレートなモニターとの接続もバッチリ。USB Type-Cでの接続が可能かつハブやUSB PD機能があるモニターを使っている方であれば、ケーブル1本の接続でよりフランクにPCとモニターをつなげることができるだろう。
続いて右側面。こちらにはmicro SDカードリーダーとUSB Type-A、映像出力可能なUSB Type-Cを備えている。カードリーダーはUHS-IIに対応する高速なもので、これは本機のターゲットにクリエイターが含まれているためだろう。また右側面についているUSB Type-Cは左側面のものとは異なり、USB3.2 Gen2+映像出力のみに対応する。
もう一方のUSB Type-Cと比べ若干性能が下げられているが、筆者が思うにこれは意図的なものだ。
その理由として、クリエイターがよく使用するポータブルSSDなどは、USB Type-C接続の製品が多い一方、その多くがUSB3.2 Gen2までの対応であることや、作業効率を上げるため複数モニター環境を構築する際に、PCの左右から映像出力ができた方が都合がいいことなどが挙げられる。つまりアクセスの多いポートを右側にまとめたのだろう。左右で性能の違うUSB Type-Cポートはこうして設定されたに違いない。
一旦話をゲームに戻そう。ことゲームにおいて接続したいものといえば、モニター/ マウス/ キーボード/ ヘッドセット。この全てを接続すると製品によっては諦めるか、ハブを使う前提になることも多いが「ASUS ROG Zephyrus G14(2024)」ならこの通り。
きちんと全部接続できる。もちろん接続する機器の端子にもよるので、その辺りは適時対応する必要があるが、この状態でも3.5mmジャックと左右どちらかのUSB Type-Cには空きが出る。もし追加でマイク単体や配信用のカメラなどを繋ぎたくなっても安心だろう。